箒が、ちょっとね……。
鼻血注意。
2019/05/16
原作読んでたら、一夏が自分を十五歳と言っていたので、正確には16歳の誕生日だったみたいなので修正しました。
誕生日。それは、その人の誕生を祝い、プレゼントを渡し、ご馳走を味わう習慣だ。
織斑一夏は、16回目となる、つまり16歳の誕生日を迎えようとしていた。
「なぜ、こうなる?」
「まあ、いいじゃねぇかよ。」
「むー!」
「ほら、むくれないの。」
誕生日プレゼントのためのショッピングデートを期待していた箒は、待ち合わせ場所で待っていた、いつものメンツにほっぺたを膨らませた。それを鈴がおかしそうに笑う。
「凰! お前は、自分の専用機の調整があったはずだぞ!?」
「それ終わったの。急ピッチで終わらせてきたわ。」
「お前らもか!」
「僕は、まだだけど、帰ったらやるよ。」
「私は、まだ姉妹機が届いてない。」
「わたくしも調整は済みましたわよ。」
っとそれぞれ言った。
箒は、うぐぐっと呻き、やがてダランッと腕を垂らして俯いた。
「箒。」
「?」
一夏が箒の耳にヒソヒソと囁いた。
「誕生日の日…、更識先輩…生徒会の仕事で空けるってさ。」
「!」
「機嫌直せ。なっ?」
「みなまで言うな! 私は気にしてなんかない!」
ガバッと顔を上げた箒が真っ赤な顔で叫んだ。
そんな箒を見て、一夏は楽しそうにニヤついていた。
鈴達はその様子を見てホッとしていた。
そしてショッピング開始。
「よ~し、どこから行くか…。」
「そうだ、一夏。一夏って時計とかって持ってないよね? 腕時計とかどう?」
「ん? ああ、けど俺の腕サイズがなかなかな…。」
筋肉を膨張させると、それで千切れてしまうので付けてないのだ。
「最近は、ISの収縮性スーツの素材と同等のを使った腕時計のベルトって見出しで売られてるのあるわよ?」
「ほ~ん。そんなのがあるのか。そんなのがあるなら欲しいな。」
「ほら、あそこなんか…。」
見れば確かにそんな広告が張ってあった。
「傷つきにくいし、水にも熱にも強いってあるし、ネットだと結構好評みたいよ。」
「あっ、ホントですわ。」
セシリアがスマフォで調べて評判を見て言った。
「やはりドイツ製が…。」
「外国製は絶対高いわよ。」
「むっ…。」
自国の時計をおすすめしようとしたラウラだが、速攻で却下された。
「やはりイギリス製が…。」
「ちょっと聞いてないの? 日本じゃ外国製のブランドは高いって決まってるの。」
「けど、中国製って安いよね?」
「あーもう! うちの国のパチ物評判なんとかならないかしらねー!」
「ゴチャゴチャ言ってないで、行こうぜ。」
「あんたはなんやかんやでマイペースよね。」
箒と共に時計屋に入ろうとする一夏に、鈴が呆れながら言ったのだった。
「……………一夏さん?」
「あれ? 蘭じゃねぇか。」
聞き覚えのある声が聞こえたのでそちらを見ると、いかにもショッピングに来ましたという感じのお出かけスタイルの蘭がいた。
「奇遇だな。こんなところで会うなんて。」
「えっ…あ、はい! あの、一夏さん…、そちらの方々は?」
「ん? ああ、IS学園の友達だよ。」
「……。」
「どうした?」
「酷いです!」
「なんだ?」
「彼女さんがいるのに、他の女の人達連れて歩くなんて!」
「? 友達と歩いてて悪いことか? 男が女友達作っちゃ悪いかよ?」
「う…それは…。」
「ご心配無用よ。」
「えっ?」
鈴の言葉に蘭が鈴を見た。
「ま、こんなご時世だし、抵抗あるのは分かるけど、別に私達一夏と箒の仲に割り込もうってわけじゃないの。」
「それに今日は、みんなで一夏の誕生日プレゼントを選ぼうって決めてたんだし。ねっ? みんな。」
鈴に続いてシャルロットのそう言ってセシリア達に話を振ると、皆頷いた。
「そうだったんですか…。すみませんでした、一夏さん…。」
蘭は、納得したのか、一夏に謝罪した。
「いや~、確かに言われてみれば、この状態って、端から見ればいわゆるハーレム状態ってやつか?」
「言うまでもないな。」
「けど、俺、そんな気ないし、俺の一番は、昔も今も箒だけだぜ?」
「!」
軽く惚気る一夏に、箒がボンッと真っ赤になった。
「ね? アイツ絶対他の女になんてなびかないわよ。」
鈴がポンッとぼう然としている蘭の肩に手を置いた。
察したセシリア達は、気の毒そうに蘭を見て、顔をそらしたのだった。
すると蘭の目から涙がこぼれた。
「ちょっ! まずっ…、一夏!」
「おう。」
「そこの喫茶店入ってるから、アンタと箒は、適当に物色でもしてなさい! 落ち着いたら連絡するから!」
「…分かった。」
鈴は、ハンカチでボロボロっと泣く蘭の顔を押さえてやりながら、セシリア達共に近くの喫茶店に入って行った。
「……よかったのか?」
「…俺が慰めてもどうしようもないだろ。それに、女心が完全に分かるほど俺は万能じゃない。」
「…そうか。」
「行くか。」
「…ああ。」
後ろ髪引かれる思いで箒は一夏と共に喫茶店から離れた。
***
その後、ショッピングの客達で賑わいを見せる街を歩き回り、服を見たり、アクセサリーを見たり、本を見たりしていた。
箒はふと気づく。
これ、普通に男女のデートじゃないかと。
なんでもなく普通にしていたので気づいてから急に緊張してきて、顔が紅潮するのが分かった。
「どうした?」
「あ、なんでもな…、っ!?」
そう言って慌てて顔を逸らし宙を見上げた時に見えたのは、派手な看板の……まあ、いわゆる、アレなホテルの看板なわけで…。
コンマ一秒とせずいかがわしい想像が駆け巡ってしまった、お盛んなお年頃の少女である箒は鼻血を吹きそうになった。
フラ~っと倒れそうになった箒を、慌てて一夏が支えた。
「どうした! 貧血か!?」
「ちが…ちが…。」
「血が!? 血が足りないのか!?」
「違う…。違うんだ…。」
箒は鼻を押さえて、ボソボソっと言う。
その時、一夏の携帯が鳴った。メールだ。見ると、鈴からだった。
蘭を落ち着かせ、家に帰したそうだ。
「だいじょうぶか、箒? どっか休めるとこ…。」
その一言で箒は、ホテルを連想してしまい、今度こそ鼻血を出した。
「ほうきーーー!?」
びっくりした一夏の叫び声に行き交う人達が立ち止まった。
その後、鈴達と合流したのだが……、箒が鼻血を出した理由を聞いて、鈴達は呆れ返り。
「どうなの、一夏? こんなエロ思考女子って。」
「いいんじゃねぇの?」
「って、ああああああああ! 篠ノ之さん!」
「不用意にそういうこと言っちゃダメだよ、一夏!」
「凰も焚き付けるな。」
近くにあった、スタ●みたいな店に入っていたのだが、机に突っ伏した箒がドクドクっと鼻血を垂らすのでセシリア悲鳴、シャルロットは、ティッシュを出しながら注意し、ラウラは鈴にも非があるという風に言った。
蘭をいじめたいわけじゃないんだ……。
ただ初恋をそう簡単に諦められるような年頃でもないだろうし、キッパリと好きな人にはすでに恋人がいるからと頭で理解してても心では…って感じになりそうで。
あと、箒も箒で、結構スケベぇな思考してるって感じにしちゃった。どうしてこうなった……。