IS? そんなことより筋肉だ!   作:蜜柑ブタ

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やっと書けた……。

待ってた方いますかね…? こんな駄文…。


今回は、簪をタッグマッチのパートナーに誘う。


SS47  更識簪(さらしきかんざし)

 

 織斑マドカ。

 

 千冬にあまりにもよく似た顔は、イヤでも脳に焼き付いた。

 一夏と箒は、警戒しつつ帰り道の途中、今日は誕生日会だから水を差さぬよう翌日言おうと決めた。

 

 そして翌日。食堂にて。

「襲われた!?」

「ああ。サイレント・ゼフィルスの装者にな。」

 その人物が恐ろしく千冬にそっくりだったことと、織斑マドカと名乗っていたことは伏せた。

「だいじょうぶだったの!?」

「ああ、撃たれたけどな。」

「ダメじゃない! 怪我は!?」

「この鍛え抜いた大胸筋が防いでくれたさ。」

「…あっ、そう……。」

 よくよく考えたISのミサイルでも無傷の男だ。銃弾ごときじゃ死なんだろう。

 

「なぜ、それを報告せん?」

 

 そこへ、真那と共に千冬が夕食が乗ったトレーを持ってやってきた。

「すみません…。タイミング見逃して…。先生達忙しそうだったし…。」

「忙しかったのは事実だが、友人達に報告するよりも早く、そういうことは我々に報告すべきだぞ? 分かったな。食事が終わったら、あとで、来い。」

「はい。」

 怒られたあと、そう返事をした一夏。

「私も行くぞ。当事者だからな。」

「ああ。」

 箒も行くと言った。

 

 

 

 

 

***

 

 

 

 

 

 職員室ではなく、千冬の部屋で報告となった。

 それは、一夏が希望したことであり、何かを察した千冬は了承した。

「では、報告しろ。」

「はい。昨日の晩、俺の誕生日パーティーを催しましたが、その最中ジュースを買い足しに行った際に、箒と共に、サイレント・ゼフィルスの装者の襲撃を受けました。」

「そうか…、顔は見たのか?」

「はい…。」

 途端、言いにくそうにする一夏と箒に、千冬は眉間にしわを寄せた。

「どうした? 言えないか?」

「千冬さんに……。」

「私に?」

「織斑先生に…そっくりでした。」

「!?」

「なにか心当たりが?」

「あ…、すまん。以上か?」

「はい。」

「そうか…。怪我がなくてよかった。他に思い出したことがあれば、すぐに言ってくれ。」

「分かりました。」

 そう返事をしてから、一夏と箒は退室した。

 椅子に座っていた千冬は、机の方に椅子を回し、机に肘を置いて、ハア…っとため息を吐いた。

 

 

 

 

 

***

 

 

 

 

 

「一夏くーん!」

「なんですか、先輩?」

 部屋に帰るなり、いきなり楯無がとびつてきたので、頭を掴んで止めながら一夏は面倒くさそうに聞いた。箒はもう怒らない。一々怒っていては、身が持たないと分かったからだ。

「頼みがあるの!」

「だから、なんです? 俺も宿題とかあるから、忙しいんですけど。」

「手伝ってあげるから聞いて!」

「…はあ、分かりましたよ。なんです?」

「やったー! あのね! 妹のことを頼みたいの!」

「はあ?」

「なっ!」

 さすがに箒は声を上げた。

「何を言ってるんですか!」

「あっ! 違うの! 頼みたいのはね…、今度の全学年合同タッグマッチのパートナーになって欲しいってこと!」

「はあ…。」

「なんだ…そんなことか。って、それでも問題だ! なぜ一夏に!?」

「だって…、一夏君のせいなんだもん…。」

「はっ?」

 すると楯無が俯いて、ブツブツ説明した。

 楯無の妹である、簪(かんざし)は、日本代表候補生なのだが、本来与えられる専用機がないのだという。

 その原因は、簪の専用機を開発する企業であった倉持技研が、一夏が持つ白式の方に人員を回してしまい、結果簪の専用機が完成しないままになっているのだそうだ。

「クレームを入れるべきなのは、倉持技研ではないか! 一夏は専用機なぞ望んでいなかったのですよ!」

「そ、そうだね…。でも、一夏君がIS触らなかったら、こんなことにはならなかったよ?」

「…むっ。」

 楯無の言い分に箒が噛みつくが、そもそも一夏がISに不用意に触らなければこんな事態にならなかったと指摘されて、一夏は腕組みして唸った。

「けど…、それですと、俺、きっと恨まれてませんか?」

「それは…。」

「たぶん、俺が誘ったとしても乗らないんじゃないですか?」

「けど、簪ちゃんの性格じゃ、タッグを組んでくれる人なんて…。だ、だからね…! お願いしてるの!」

「一夏。聞く必要は無い。」

「…けどな。」

「お願い!」

「……分かりました。あなたの頼みだってことで言ってみます。」

「あ、あの…、できたら、私の名前は出さないで…。」

「あん?」

 それを聞いた一夏は、なんとなく察した。

 どうやら楯無と簪は、あまり仲が良くないようだと。

「…分かりましたよ。じゃあ、名前は伏せておきます。」

「ありがとう! 大好き!」

「ああああああああ!」

 楯無が、嬉し泣きの顔で一夏にガバッと抱きついたので、さすがに怒った箒であった。

 

 

 

 

 

***

 

 

 

 

 

 後日、一夏は、簪がいる四組へ向かった。

「あれ、織斑君?」

 クラスの女子生徒がやってきた一夏に話しかけてきた。

「更識さんっている?」

「えっ、いるよ?」

 あそこ。っと女子生徒が指差した。

 そこには、楯無と同じ色の、けれどセミロングの長さもある髪の毛に、眼鏡をかけた少女がいた。

 簪は、宙に映し出されているディスプレイをジッと見つめたまま、カタカタとキーボードをタイピングしていた。

「失礼しま~す。こんにちは。」

 一夏は、急に話しかけるのもあれかと思い、社交辞令として挨拶した。

 しかし、簪は微動だにしない。

「…初めまして。織斑一夏だ。」

 すると、簪がピクッと止まった。

 すると簪は、椅子から立ち上がり、右手を握って振り上げる動作をしたが、すぐに腕を降ろしてまた座った。

 それが簪が一夏を殴ろうとしたのだと一夏は察した。だが、殴ってこなかったのは、おそらく殴っても無意味だと分かっているのか、それとも単に面倒くさかっただけかと思った。

「……話は、聞いてるよ。」

「……そう。」

 会話が続かない。

「……用件は?」

「今度のタッグマッチ、俺と組んでくれないか?」

「イヤ…。」

 即答で返された。

「専用機が未完成って点を抜いて妥協してもらえないか?」

「あなた…、組む相手、困っていない…。」

「確かに候補はいるっちゃいる。けど、アイツらは友人であり、ライバルだ。ここは、ライバルとして、ぶつかりたいんだ。」

 すると、キーボードを叩いていたふいに止まる。

「…いる…。」

「ん?」

「あなた…、彼女…いる。私といると…嫉妬される…。」

「アイツがこんなことで嫉妬するほど脆い奴じゃねぇよ。俺とアイツの仲なんだから。それに、俺から誘ったとしても、アイツの方からきっと断る。」

「……どうして?」

「アイツは、アイツなりに、俺と肩を並べられるようなりたがってるからさ。前の、タッグトーナメントでも、俺とは組まなかった。あとキャノンボール・ファストの時だって、一時的に離れてただろ? それが証拠だ。」

「……どうして…、私?」

「日本代表候補生なんだろ? 俺の友人達は、外国の代表候補生ばっかだけど、日本の代表候補生の実力だって知っておきたいって思って悪いか?」

 そういうと、簪は俯き、タイピングをやめて、腿の上に手を置いて両手の拳を握った。

 まるで何かに耐えるような、何か言い訳を探しているようにも思えた。

「……いいの?」

「ん?」

「ん、…じゃない…、私で…本当に…いいの?」

「おう!」

 一夏は輝かんばかりに笑った。

「……分かった…。よろしく。」

「おう、よろしくな、更識さん。」

 一夏が笑顔で握手しようと手を出し出すと、簪は、ビクッとなり、一夏をチラッと見上げて、やがて恐る恐るといった様子で自分も手を出し、一夏の手を握って握手した。

「…おっきい、手…。」

 っと、僅かに赤面して俯いてポツリッと呟いていたのだが、一夏は、ハテナっと思った。

 

 

 こうして、一夏は、簪をタッグマッチのパートナーに出来たのだった。

 




割とあっさりと誘いに成功してますが、原作と違って、唐変木のハーレム状態じゃないのと、一夏の実力と、箒との関係を知ってるからこそ、うまく事が運びました。

ここからは、たぶん、ほぼオリジナル展開かも。
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