ガンダムSEED 白き流星の軌跡   作:紅乃 晴@小説アカ

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第111話 指令、スピットブレイク 1

 

 

「スピットブレイク発動されました。目標はアラスカ、ジョシュアです!」

 

「なに…?!ジョシュアだと!?」

 

「地球軍本部?パナマじゃなかったのかよ!」

 

出撃が目前に迫ったザフトの潜水母艦の中は、混乱に満ちていた。

 

スピットブレイク。事前に言われていたのは、パナマに侵攻し、地球軍最後のマスドライバーを破壊して、膠着した戦局を打開するという内容であったが、直前に開封された作戦書で、パナマがブラフであったことが判明したのだ。

 

「頭を潰した方が、戦いは早く終わる…ってことかね。へぇ~面白いじゃないか。流石ザラ議長閣下。やってくれる」

 

イザークはコクピットの中で、この電撃的な作戦を考案した議長に感心したような声を出したが、その隣にある指揮官用ディンに乗るディアッカが、咎めるような声を上げた。

 

「イザーク」

 

そんなディアッカの声を聞いてか聞かずか、イザークは高揚した様子で言葉を紡ぐ。

 

「奴等は目標をパナマだと信じて、主力隊を展開させてるんだろ?まさに好機じゃないか」

 

たしかにその通りで、戦争はそうやって動く側面もある。相手にどこを攻めるかあらかじめ察知させておき、主力部隊同士の大攻防戦を経て戦局を変えていく。

 

しかし、今回はそのセオリーを逆手に取った奇襲とも言えた。それほど、ザフトも形振り構っている余裕がないのだろうか。

 

「アサルトシュラウドも届いたわけだし。これで終わりだな、ナチュラル共もさ」

 

本国で修理を受けていたデュエルが、新しい装いとなって手元に戻ってきたことにより、イザークはPTSDから元の精神状態へと復帰しつつある。

 

そんな好戦的な様子を見て、偵察用ディンを改修した隠密型の機体に乗るニコルは、不安そうな声を出した。

 

「本当に、そんな単純に進むことなんでしょうか…」

 

「ニコル」

 

ディアッカも、どこかそんな様子があった。相手は、あのストライクの部隊ーー足つきを後ろから撃った奴らだ。こんな簡単に運ぶ事を許すのだろうか?

 

「どうした?ニコル」

 

「いえ、何でもありません」

 

イザークの問いかけに誤魔化すように答えて、ニコルは出撃準備を進める。心に生まれた疑心と、拭えない不安を抱えたまま。

 

 

////

 

 

ザフト統合設計局。

 

モビルスーツ開発の大元とも言えるそこでは、ある一機のモビルスーツの最終確認テストが終わろうとしていた。

 

「お疲れさまです、クルーゼ隊長」

 

テスト用の装甲に覆われたモビルスーツのコクピットから降りてきたクルーゼに、設計当初から機体のセッティングに関わってきた技師が駆け寄る。

 

無重力の中、汗だくになったクルーゼにタオルを渡していると、ラボに放送が流れた。

 

《これにて、ZGMF-S07のテスト工程の全てを終了する。得られたパラメータデータはフリーダム、ジャスティス両機に反映させ次第凍結。ZGMF-S09は装備換装だ。急げよ!》

 

ZGMF-S07、開発コードネームーーホワイトグリント。

 

元々は、パトリック・ザラ主導のもと開発された「フリーダム」と「ジャスティス」の骨格フレームの限界性能をテストする為に開発された機体であり、当時はコードネームすら存在しなかった。

 

この機体が実用段階に引き上げられたのは、目の前にいるクルーゼと、地球軍の流星との戦闘データが原因だった。

 

機体内部に人が乗っていることを想定していないような機動をする流星を目の当たりにした、設計局の技師たちが、「フレームの強度を限界まで引き上げる」ことを名目に、スラスターを増築した限界性能試験機の開発を行い始めたのだ。

 

結果、流星と唯一張り合い、世界樹戦役で白い機体を操り、閃光と一時期呼ばれていたクルーゼの専用機として調整と装備の設計が行われ、機体のコードネームもクルーゼの二つ名にちなんで「白き閃光=ホワイトグリント」となった。

 

「どうですか?新型の感想は」

 

「たしかにレスポンスはいいが、これではまだ流星には届かんよ」

 

飲料水を飲みながら答えるクルーゼの感想に、技師は顔をしかめた。今の駆動系や、機体性能も限界値まで上げているというのに。

 

「それほどなんですか…何者なんですか?」

 

「さてな。空の化け物……などとザフトの兵は言ってるらしいが、あれはもしかすると、人間の可能性そのものかもしれん」

 

「は?」

 

遠くを見るように呟くクルーゼに、技師は首をかしげるが、クルーゼは気にしないでくれと手を振って話題を遮る。

 

「とにかく、各部アクチュエータの設定は指示した通りに。出力調整もな」

 

「しかし、あんな機体……扱えるのは隊長くらいしかいませんよ」

 

データシートを見る限り、現実的には可能だが、中に人を乗せることを考慮したら躊躇してしまうようなセッティングが書かれている。そんな仕様にして、まともに扱える者などーークルーゼ以外には考えられない。

 

だが、クルーゼはまるで子供のように笑みを浮かべながら、技師の言葉を否定した。

 

「かもしれんな。だからこそ、それでいいのだよ」

 

 

////

 

 

アークエンジェルのハンガー。

 

いつもは作業員の怒声や、機体を整備する工具の音が鳴り響く場所であるが、今はひとりの少女の泣き声がこだましていた。

 

「絶対嫌ですぅうう゛!!私、このまま゛この船と別れるなんて…ハリーさんたちと別れるなんて、絶対嫌!!」

 

さっきまでの気丈な振る舞いの面影はなく、そこにはハリーの胸に抱きつきながら、年相応に泣きじゃくるフレイの姿があった。

 

怒気を溢れさせた姿も本心であったし、ナタルの言い分も頭では理解している。ここで自分が嫌だと突っぱねれば、父やブルーコスモスは強硬手段で自分をここから連れ出そうとするだろう。

 

そう。わかっているのだ。

フレイは賢い女性だ。

 

故に、彼女は心から抵抗していた。

この船と、仲間から離れたくないと。

 

「けど、軍本部の指令じゃ…」

 

そういうマードックをハリーが凄まじい目つきで睨み付けると、彼は首を引っ込めて口を噤む。しかし、それを聞いたフレイが、鼻水と涙でぐしゃぐしゃになった顔を上げてハリーに懇願した。

 

「じゃあ私軍をやめます!!バイトでも良いんでハリーさんの下で働きたいんです!!」

 

まだまだ学び足りないことがたくさんあるんです!!ハリーさんやみんなの元でそれを学びたいんです!!と真摯に言われて、心を打たれない者は居ないだろう。事実、ハリーは心底困ったように目を細め、マードックたち作業員たちは感動のあまり鼻をすすっている。

 

しかし、しかしだ。

 

ここは軍。軍では命令が絶対。

 

そう心を鬼にして、ハリーは口を開いた。

 

「そうしたいのは山々なんだけどなぁ…ほら、バジルール中尉も待ってるんだし…」

 

早く行ってあげないとーーと言葉が出る前に、戦闘態勢を知らせるアラームと、大きな警鐘がアラスカ基地を包み込んだ。

 

 

////

 

 

「統合作戦室より緊急入電!」

 

「統合作戦室!こちらアークエンジェル艦長、マリュー・ラミアスです!これはいったい!」

 

警報を聞いてすぐさまブリッジに駆けつけたマリューたちの元に、さきほど会話していた将官が顔を青くした様子で通信を繋いできた。

 

《守備軍は直ちに発進!迎撃を開始せよ!》

 

「状況を説明していただきたい!!」

 

《ええい!見てわからんのか!宇宙の野蛮人が攻め入ってきたのだ!!》

 

そう答える将官に、マリューはオペレーターに目配せをする。確かな情報ですと、オペレーターはレーダーに映るザフトの幾多もの機影を捉えていることを、マリューに伝えた。

 

《してやられたよ、奴等は直前で目標をこのジョシュアへと変えたのだ》

 

とにかく、防衛部隊は早く出撃しろ!それだけ怒鳴り散らすように言って、将官は早々に通信を切ってしまった。

 

状況としては最悪だ。

 

火器管制システムはまだ不完全で、ハリーたちが応急処置で直した部分もまだ正式な修理はできていないし、武器弾薬の補給も途中だ。

 

これで出撃しろというのか…マリューは心に浮かんだ不満をぐっと噛み殺した。

 

「ーーこれで戦えと言うのも酷な話だけど、本部をやらせるわけにはいかないわ」

 

「艦長!」

 

「総員第一戦闘配備。アークエンジェルは防衛任務の為、発進します!」

 

「そんな!補給もまだ途中で…メビウスライダー隊も居ないのにどうやって…」

 

副官を暫定で兼任するノイマンの言葉に、マリューは気丈な声で切って返した。

 

「とにかく、やれることをやるしかありません!」

 

 

////

 

 

雨は上がった。

 

プラントのガラスから太陽光が差し込み、雨に濡れた花々を優しく照らし出している。

 

キラはベッドから出ると、立ち上がって近くに掛かっていた上着を羽織った。

 

「キラ?」

 

「僕は…行くよ」

 

驚くラクスに、キラは真っ直ぐとした目で答える。

 

「どちらへ行かれますの?」

 

「地球へ。メビウスライダー隊にーーみんなの元に戻るんだ」

 

「何故?貴方お一人戻ったところで、戦いは終わりませんわ」

 

ラクスも臆することなく、キラを見据えて問いかける。また戦場に戻るのか?敵も味方も入り乱れて、命をやり取りをするあの世界に。

 

声にならない言葉でそう言われている気がした。だが、キラはそれでもと、前を向いた。

 

「でも、ここでただ見ていることも、僕には出来ない。何も出来ないって言って、何もしなかったら、もっと何も出来ない。何も変わらない。何も終わらないから」

 

多くの人が死んで、多くの人が悲しんで、多くの人がーーただ、大切な人と一緒に居られる優しい世界を望んでいる。

 

始まりはきっとそうだった。

 

今を良くしたい。

 

大切な人と幸せにいたい。

 

それが積み重なって、大きくなって、複雑に絡み合ってーーコーディネーターが生まれて、プラントができてーーそして戦争になった。

 

だから。

 

「また、ザフトと戦われるのですか?」

 

ラクスの問いかけに、キラは首を横に振る。

 

「では地球軍と?」

 

それも違うとキラは否定する。では何と?

 

何を敵としてーー戦うのか。そうじゃない。敵として見定めるんじゃない。もっとほかの何かをーー僕らは止めなくちゃならないんだ。

 

キラは、その答えを闇の中で手にしていた。

 

「戦いをーー戦争を終わらせる。終わらせたいんだ。大切な人たちを守るために。僕達は、何と戦わなきゃならないのか、少し、解った気がするから」

 

そう答えたキラに、ラクスは満足そうに微笑んだ。

 

「解りました」

 

そう言うと、彼女は部屋の外へと出て行き、すぐに戻ってきて大きな紙袋をキラに渡した。

 

「とりあえず、キラはこれに着替えて下さいな」

 

そう渡されたのは、ザフトの軍服だった。それを見て、キラはいつかのーークラックスでラクスに地球軍のノーマルスーツを渡して、着替えるように言った時のことを思い返した。

 

あの時とは、逆になっちゃったな、と。

 

「バルドフェルド隊長、あちらに連絡を。ラクス・クラインは平和の歌を歌います。と」

 

そう伝えると、部屋の外にいつのまにか立っていたバルドフェルドがラクスに敬礼を打って、外へと向かって行くのだった。

 

 

////

 

 

緊急発進したアークエンジェルの艦内で、ミリアリアはもらってきたミネラルウォーターを持って、トールの部屋へと急いでいた。

 

ミリアリアもオペレーターとして、ブリッジへの招集がかかっている。せめて戦闘になる前に、まだ傷つく彼に何かをしてあげたいと、ミリアリアの心は自然と急いでいた。

 

彼女が部屋に入ると、ベッドには横になっているトールの姿はなく、そこには額に包帯を巻きながらも、ノーマルスーツに着替えたトールの姿があった。

 

「トール?」

 

「ごめん、ミリィ…俺は行くよ」

 

ぎゅっと手袋を装着して、トールはヘルメットを持ち上げると、ミリアリアの横を通り過ぎてハンガーへと向かおうとした。

 

咄嗟に、ミリアリアはミネラルウォーターを放ってトールの手を引き止める。

 

「そんな…トール!まだ無理よ!怪我も…それに…」

 

それに、またトールが落ちるようなことになったら……私は……そう暗く俯くミリアリアに、トールは向き合って、真剣な眼差しで彼女を見つめた。

 

「……ずっと考えてた。ボルドマン大尉の言葉の全部を。だから、行くんだ。あんなことをもう繰り返さないために」

 

彼は、最後まで仲間のために戦っていた。それが戦争を終わらせる道だと信じて疑わなかった。彼は、トールをパイロットにすることに、何も迷わなかった。

 

だから、自分はここに居られるということを、トールは深く理解していたから。

 

「果たすべき使命…レイレナード大尉や、ボルドマン大尉が俺を選んでくれた」

 

あの二人が素質があると認めてくれたんだ。だったら、ここで応えられなくてーーなにがメビウスライダーの隊員だ。

 

不安げに瞳を揺らすミリアリアに、トールはにこやかに笑ってみせる。

 

「だから、こんな戦争を終わらせるために、戦うことが必要ならーー俺は戦う。それを教えてくれたボルドマン大尉の分も」

 

そう言ってミリアリアの手を離れたトールは、ハンガーへと歩き出した。歩みは次第に早くなり、やがて風のようにアークエンジェルを駆け抜けていく。

 

ただミリアリアは、大きくなった自分の思い人の背中を見送ることしかできなかった。

 

 

////

 

 

「ああ、そうか。わかった」

 

戻ってきたクルーゼは、早々に特殊回線の電話を受けて、数回手短に頷いてすぐに電話を切る。その携帯は、以前、ラリーがアフリカでバルドフェルドに渡したプリペイドカード式の携帯端末と同じものだった。

 

「出られるか?ラリー」

 

そう問いかけるクルーゼの先には、ザフトの制服に着替えたラリーが、肩を回しながら臨戦態勢を整えていた。

 

「当たり前だ。もう全快のバリバリだぜ」

 

それを見て、クルーゼもデュランダルも満足そうに頷く。ザフトが恐れる流星の完全復活だ。

 

「よし、我々が出来るのはここまでだ。あとは君次第だよ。ラリー・レイレナード君」

 

そう言うデュランダルに、ラリーは「世話になったな」と握手を交わす。次もまたこういう風に会えるといいな、とデュランダルも笑みを返した。

 

すると、クルーゼは最後にと、先程持ち帰った情報保存端末をラリーに投げつける。

 

「クルーゼ…」

 

「私色に染め上げた機体だ。君になら扱えるだろうーー次はまた、戦場でな」

 

そう言うクルーゼを見てから、ラリーは手にしたデータに目を落とす。

 

オーブの別れ際に、バルドフェルドから貰ったデータ。療養しながらそれに目を通していたが、どうやらこれが最新データらしい。

 

「ああ、必ずモノにしてやる。そしてーー」

 

ああ、とクルーゼはにこやかに微笑んで殺意を隠さずにラリーにぶつける。

 

「全力で戦おう。次こそな」

 

もうモビルアーマーとモビルスーツという、くだらない垣根もいらない。人型と人型にこだわることはない。ラリー・レイレナードという個人と、ラウ・ル・クルーゼという個人のスペックを最大限引き出せる武器を使って戦う。

 

それがどれほど心が踊るものか。クルーゼは今から想像するだけでも鳥肌が立つような感覚を覚えた。

 

「迎えが来た。さぁ、早く行け」

 

建物の下についた車を見て、クルーゼは半ば追い出すようにラリーを送り出す。

 

さぁ、舞台はこれで整う。

 

同じ場所に立った私と君ーーどちらが強いか。どちらが本物か。

 

その決着をつけるのが楽しみだよ…ラリー・レイレナード。

 

 

 

////

 

 

 

「くっそー!!敵はわんさか!戦闘機は1機あるが、パイロットが!」

 

ハンガーでとりあえずの出撃準備を進めるアークエンジェルの作業員たちだったが、肝心のそれを飛ばす人物がこの船には居ない。

 

「こんなときにフラガ少佐がいてくれたら…」

 

ぼやくようにつぶやかれた言葉に、ハリーは声を荒げて叱咤を飛ばした。

 

「泣き言言わない!とにかく、機体は万全の状態にしておいて!」

 

とにかく、ムウが乗っていたスカイグラスパーをすぐに飛ばせる状態にするしかない!そう言って、誰もが作業に集中している。

 

成り行きで手伝うことになったフレイが、油圧計の点検をしているときだった。

 

「トール!?」

 

ハンガーに走りこんできた学友の姿を見て、フレイは驚いた声を上げる。

 

「ケーニヒ二等兵!!」

 

マードックやハリーが、肩で息をするトールの元に集まる。トールはしばらく荒く息を吐いていたが、姿勢を上げてスゥと息を吸い込む。

 

「出れます!!スカイグラスパーの準備を!!」

 

力強い言葉。ハンガーに響いたトールの言葉に、作業員全員が思わず静まり返る。

 

その中で最も早く反応したのは、ハリーだった。

 

「ーーわかったわ!!」

 

そこから時間が動き出したように、急ピッチで出撃準備が進められ、トールはコクピットに乗り込んで機体のシステムチェックを、アイクに叩き込まれた手順通りにこなしていく。

 

「スカイグラスパーにはランチャー装備を!スーパースピアヘッドのファストパックは、同型品だから取り付けられるわ!!急いで!!」

 

ハリー指揮のもと、ノーマル状態だったスカイグラスパーに次々と装備が施されていく中で。

 

「トール!!」

 

コクピットの中を覗き込んだフレイは、すぐに取りに行ってきた軽食と飲料水をトールに渡す。その目にはどこか、ミリアリアと同じような不安があった。だから、トールはヘルメットをかぶってから笑った。

 

「大丈夫だよ、フレイ。必ず帰ってくるから」

 

「約束よ。もう見送るのは嫌なんだからね」

 

任せろ!と答えると、ハリーが準備よし!!と大きな声を響かせ、トールはスカイグラスパーのバブルキャノピーを閉じていく。

 

《こちらエンジェルハートより、ライトニング3。すまない、トール。君に負担をかけることは承知の上だ。だからこそ、君を、メビウスライダー隊を信じている。これより、我々は君の補佐を全力で行う。厳しい戦いになるだろうがーー死ぬなよ》

 

エンジェルハートのトーリャの言葉に敬礼で答えると、今度はオペレーターであるミリアリアの顔がモニターに映った。

 

《スカイグラスパー、発進位置へ!スカイグラスパー、ケーニヒ機。進路クリアー。トール!気をつけてね!》

 

「行ってくるよ、ミリィ」

 

発進位置についたスカイグラスパー。外に見えるのは、まだ遠い敵の姿と、晴れ渡った太平洋の海の空だ。トールはぐっと操縦桿を握りしめる。

 

〝よし、トール。油断せずに行こう〟

 

ふと、後ろから声がかけられた気がしてトールは振り返ったが、そこには誰もいない。少しだけ視線を下げてから、トールは小さく呟いた。

 

「…行きます、ボルドマン大尉。見ていて下さい。ーースカイグラスパー、トール・ケーニヒ、ライトニング3、発進します!!」

 

 

 

 

 

キャラデザイン

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