ガンダムSEED 白き流星の軌跡   作:紅乃 晴@小説アカ

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最初に考えていた頃のプロットでお蔵入りになったネタ。

ところがギッチョン!!!!!




番外編 3 IF 白き流星と変革者たち

 

 

その瞬間は無慈悲に訪れた。

 

《逝っちまいなぁ!!》

 

サーシェスによって強奪されたスローネツヴァイから放たれたGN粒子は、ヨハンの操るスローネアインの機体を尽く穿っていく。

 

すでにGNバスターソードで致命傷を受けていたアインはなす術なく、ヨハンの心も砕けていた。形はどうであれ、ソレスタルビーイングの理念に従って生きてきた今まで全てが、捨て駒だったという事実に絶望していた。

 

「馬鹿な…私達はマイスターになる為に生み出され…その為に…生きてーーー」

 

「ヨハ…!!」

 

手を伸ばしたネーナの声も届く間も無く、アインは赤い光に包まれて爆散する。実力も高く、チームの中でもリーダーを務めていた兄の呆気ない死を目の当たりにしたネーナは、瞳が霞んでいき、足元が暗闇に沈んでいく感覚を味わった。

 

通信で聞いていた通りなら、自分たちは完全な捨て駒だ。ソレスタルビーイングの理念に踊らされて、それを踏み台にして世界が一つになるための生贄ーー。

 

《綺麗なもんだなGN粒子ってのはぁ!》

 

アインの残骸をゴミのように扱いながらサーシェスは一人残ったネーナのスローネドライへと急接近する。

 

「くっ…!!」

 

《そうだろお嬢ちゃん!!》

 

ビームの閃光が迫る。よくもヨハンを!よくもミハエルを!そんな憎悪に似た感覚が、迫りくる死に圧倒されて声も出せない。

 

ダメ。ダメダメダメダメ!!

 

私は、まだ、なにもできてないない!!変革した世界ーーそれを成すためにーー私たちはーー。

 

その瞬間、サーシェスとネーナの間を数発の弾頭が横切った。サーシェスはすぐさまシールドを構えて降り注ぐ弾頭を防ぎ、攻め立てようとしていたネーナから距離を離す。

 

《なんだ!?》

 

反応を見る限り、ガンダムではない。見知った機体だ。空を見上げるネーナは、赤く燃えた装甲をパージした一つの影を見つけた。

 

「このビームの色…」

 

大気圏突入用オプションをパージした機体。AEUのイナクトは、折りたたんでいた翼を展開して大気の風を受けてサーシェスの元へと飛翔する。

 

「でやあああああ!!」

 

フラップを全開にして、コクピットの中で咆哮を上げた。動体先端部に備わるリニアライフルを撃ち放ちながら、サーシェスの狙いをこちらに引き付けていく。

 

《この色のイナクト…!!またお前か!!ソレスタルなんちゃらあ!!》

 

リニアライフルを難なく躱したサーシェスも、お返しと言わんばかりにGNライフルからビームを放つが、その閃光すべてをイナクトは紙一重で躱し、さらにツヴァイへ距離を詰める。

 

「貴様と話す舌など持たん!!このくそ野郎があああ!!」

 

射程距離に入った!下降してる分早さに分があるイナクトは、空中で変形すると人とはかけ離れた長い手足を奮って、ツヴァイの頭部に回し蹴りを叩き込む。だが、ガンダムの装甲に傷は付かない。

 

サーシェス自身も装甲にモノを言わせてGNバスターソードを引き抜くが、刃が触れる前にイナクトは宙返りを打つと再び飛行形態へ変形し、飛び立つ。

 

あとをビームで捉えようとするものの、その類稀なる機動に歴戦の猛者であるサーシェスの狙いは定まらなかった。

 

《くっそがぁ!!相変わらず無茶苦茶な動きをぉ!!》

 

「がっ…ぐぅ…ーーはぁっ!!ネーナ・トリニティ!!無事か!!」

 

イナクトーーーソレスタルビーイングの物資配達を担う部隊に所属するパイロット、ラリー・レイレナードは、呆然と空を見ていたスローネドライへ通信をつなげた。

 

「は、配達人のお兄さん…!?なんで…こんなところに!!」

 

ネーナやヨハンたちへの物資や弾薬の配達を担当していたラリーは、普段は機密性の高いコンテナに乗っていたので、ネーナもここまで技量の高いパイロットとは思っていなかった。

 

ヨハンを軽々と打ち取った敵を、ラリーは空戦機動で翻弄しながら叫ぶ。

 

「決まってる!!」

 

追ってきたサーシェスの目の前でインメルマンターンを決め、失速したイナクトを変形させると背後へ膝蹴りを叩き込む。それだけで、サーシェスの怒りを買うには充分だった。

 

「俺は、お前たちを助けにきたんだ!!」

 

ネーナの目が見開く。彼は言っていた。

 

〝俺たちは大罪人、形はどうであれ世界を変えようとする存在だ。受けるべき罰は必ず来る。だから、ソレスタルビーイングである以上、俺たちは仲間だ。何かあったら助ける。それが俺たちの責任だから〟

 

最初はなんて綺麗事を言う男だろうと軽蔑した。だが、現に彼はそれを実行して、窮地に陥っていた自分を助けるために単身、絶望的な性能差があるスローネに挑んでいるのだ。

 

《ほざけ!このザコがあああ!!》

 

怒り狂ったサーシェスの閃光が、ついにラリーのイナクトの肩を掠める。だが、それはチャンスだった。閃光を最短距離でカットしたため、スローネへの距離は目と鼻の先だ。

 

「いくら装甲が厚かろうが!」

 

ラリーは制御不能になった片腕で前に出して、急降下するようにサーシェスのスローネへと突撃する。

 

《なっ…てめぇ!!》

 

擬似太陽炉を全開にして耐えようとするが、いくら軽量機体のイナクトとはいえ、真上から重力と機体重量によるタックルに耐えれるはずがなく。

 

「うらああああ!!」

 

《がっ…!!》

 

スローネはそのまま孤島の地面へと叩き込まれる。

 

「中のパイロットまでは頑丈じゃねぇだろうがあああ!!」

 

大の字に倒れたツヴァイのコクピット目掛けて、翼に備わるミサイルを放ち、リニアライフルもありったけ放った。いくら装甲が頑丈でも揺れや衝撃にパイロットが耐えれる保証はない。炸裂の衝撃とリニアライフルによる衝撃は、サーシェスの体力を大きく削り取っていく。

 

《げっは…!!》

 

「ネーナ!!退け!エリアは1OBXだ!!」

 

今しかチャンスはない。ラリーはあらかじめ指定したポイントへモビルスーツを宇宙に運ぶことができるコンテナを用意していた。そこにたどり着ければ、こちらの母艦へスローネを匿うことはできる。

 

「でも、ミハ兄が…!!」

 

ネーナの言葉に、ラリーは地上にある反応を見た。きっとそこには、ミハエルの亡骸があるのだろう…あるいはまだーー。

 

「その座標を教えながら行け!!俺が何とかする!!」

 

《調子に乗るなよ…ソレスタルなんちゃらああああ!!》

 

土煙の中をかき分けて、目を血走らせたサーシェスが空へと上がってくる。ネーナの叫び声を「逃げろ!!」と遮って、ラリーはイナクトのエンジンを唸らせた。

 

 

 

 

これは、世界を変革する力に加わった。

 

ひとりのパイロットの物語であるーー。

 

 

機動戦士ガンダムOO

白き流星の煌めき

 

 

 

 

 

 

 






続きません(断言)

キャラデザイン

  • 他キャラも見たい
  • キャラは脳内イメージするので不要
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