ガンダムSEED 白き流星の軌跡   作:紅乃 晴@小説アカ

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第70話 虎の街

 

 

「じゃぁ、4時間後だな」

 

賑わっている街並みに停車したジープから降りたカガリは、残っているサイーブやキサカに小さな声でそう告げると、同乗していたキサカも頷いた。

 

「気を付けろ。どこにザフトの目があるかわからんからな。ヤマト、そしてレイレナード殿、カガリをよろしく頼む」

 

カガリに続くように降車したラリーとキラに、キサカが囁く。地球軍の制服から目立たない現地住人の服装に変わったラリーとキラは了解、と小さく答えた。

 

「そっちこそな。アル・ジャイリーってのは、気の抜けない奴なんだ」

 

「キラ、準備はいいか?」

 

「オーケーです」

 

カガリの後ろで互いに準備をするキラとラリー。二人が動きやすいシャツよりも民族着を選んだのは、懐にしまったものを目立たせないようにするためでもある。

 

「ヤマト少っぃ…しょっ少年……た…頼んだぞ…」

 

「バジルールさん、リラックスリラックス」

 

「わ、わかってる…ます」

 

最低限の挨拶を交わして、サイーブやキサカ、そしてアークエンジェル側の人間としてやってきたバジルール達を乗せたジープは街の喧騒へ消えていく。

 

「よし、行くぞ」

 

「へぇ…これはまた…」

 

カガリの後を付いて歩き始めてみるが、街は賑わいや活気にあふれていて、とてもザフトの勢力下とは思えない穏やかな空気を漂わせている。

 

「どうした?ぼさっとして、一応お前らは護衛なんだぞ?」

 

「ほんとに、ここが虎の本拠地?随分賑やかで、平和そうなんだけど」

 

キラの疑問に、カガリは小さく息をついて歩いていた進路を変える。

 

「…付いて来い」

 

カガリに連れられてきたのは、砲撃でボロボロになった瓦礫で覆われた場所。そしてその先には砂漠の虎の城とも言えるレセップスが街のすぐそこに鎮座していた。

 

「平和そうに見えたって、そんなものは見せかけだ。ーーあれが、この街の本当の支配者だ。逆らう者は容赦なく殺される。ここはザフトの、砂漠の虎のものなんだ」

 

そう言うカガリとキラは気付かない。街角のテラスで陽気なシャツと帽子、そしてサングラスをかけた男性がその黒いレンズ越しにこちらを観察していることを。

 

ここは砂漠の虎が手中に収める街。

 

ラリー達は敵の本拠地たる場所で、残り少なくなった物資の補給をしようとしていた。

 

 

////

 

 

「あーあぁ…たっくもう…こんなもん持ち込んでよぉ…何だってコックピットで寝泊まりしなきゃ、なんねぇんだよぉ…」

 

ハンガーを走り回るタッシルの避難民や子供達を眺めながら、マードックは恨めしそうに呻く。そんなマードックに、バラしていたスピアヘッドを組み直しながらハリーが戒めるように言葉を発した。

 

「文句言わないの。子供は宝よ?若い人が居ないと戦争が終わってから大変なんだから」

 

「わかってますよぉ…」

 

スカイグラスパーの整備を終えたマードックは工具箱を持って立ち上がると、ハンガーの一角で10歳ほどの子供達が輪になっている光景に目を向けた。

 

「おねーちゃん、これどう?」

 

「んー、もうちょっと磨かないとだめかなぁー」

 

「はぁーい」

 

フレイや手隙の作業員たちが、砂埃や煤で汚れた部品の洗浄や磨きを行なっていて、特にフレイの周りには子供達が集まって、それを手伝っていた。

 

「けど、いいんですか?子供に部品磨きとかさせて」

 

「働かざるもの食うべからずですよー。それに無償で助けるよりこういった対価を求めたほうが納得してもらえますし」

 

そんなもんですかね、というマードックに、そんなもんなのよ、とハリーも答える。そのほうがこれからの不安とかも紛れますからね、とハリーはハンガーのあちらこちらで物資の片付けや簡単な作業を手伝うタッシルの住人たちを眺めた。

 

無償で船に乗せるよりは、ある程度の対価を求めたほうが収まりがいいのだろう。今、ラリーやキラたちが砂漠の虎が牛耳る街へ出ているのも、サイーブからの対価とも言える。

 

なんでも、知り合いの商人からアークエンジェル用の物資を調達するのだとか。ついでに墜落したスピアヘッド一機分を持って帰ってきてくれれば言うことはないのだけど。

 

出発前に、満面の笑顔でラリーにそういうと、ハリー、フレイ、作業員、そしてミリアリアのビンタという類を見ないお説教コンボを食らったラリーが、驚くほど鮮やかに土下座を決めていたことを思い出して、ハリーは小さく笑った。

 

 

////

 

 

艦長室で、昨日のストライクの戦闘記録を見ていたマリューとムウは、深刻そうに息を吐いて事の重大さを噛み締めていた。

 

「でも…いつからそんな…」

 

「おそらく、大気圏の出来事からだろうな。それまで…そんな余裕なかっただろ?おかしくなってそうなったのか…そうなったからおかしくなったのかは知らんが、ともかくうまくないな、ボウズのあの状態は…」

 

類稀なる戦闘能力と、砂漠への対応能力、そして何よりも目を見張ったのが、敵パイロットへの容赦の無さだ。キラが打ち込んだ攻撃のほぼ全てが、ザフトのパイロットを即死させるものだった。ムウからの報告を受けたマリューは、普段見せない弱々しい顔をして頭を抱えた。

 

「キラくんはーーパイロットとしてあまりにも優秀なものだからつい、正規の訓練も何も受けてない子供だということを私は…」

 

「君だけの責任じゃないさ。俺も同じだ。いつでも信じられないほどの働きをしてきたからなぁ、必死だったんだろうに…」

 

ムウも、宇宙、そして地球でのキラの活躍を思い返しながら顔をしかめる。たしかに、自分たちはメビウスライダー隊として戦ってきたが、パワーレートとしては、ラリーとキラに頼っている側面も否めない。

 

「いつ攻撃があるか分からない。大切なものを守るって言って、リークの分も、艦長の分も背負って、そう思い詰めて、追い込んでいっちまったんだろうなぁ…自分を…」

 

そうならないように配慮しようとしたが、やれやれ、リークのように上手くは立ち回れないなとムウは自分の不器用さを噛み締めていた。

 

「解消法に、心当たりは?先輩でしょ?」

 

マリューの純粋な言葉に、ムウは咄嗟に浮かんだ邪な考えを誤魔化すようにぎこちなく笑った。

 

「え?…あ…ん~…あまり…参考にならないかも…」

 

それがどうやら、マリューの地雷を踏み抜いたらしい。弱々しかった彼女の表情はみるみる不機嫌になり、最後にはフンっとムウから視線を逸らした。

 

「のようですわねぇ。取り敢えず、今日の外出で少しは気分が変わるといいんですけど!」

 

私もデッキでの洗濯物干し、手伝ってきます!とマリューは怒った様子で立ち上がり艦長室を退室していく。ムウは困ったように頭を掻いて、天井を仰いだ。

 

「ハァ…いいよねぇ若者は…!」

 

 

////

 

 

街での買い出しを終えたカガリたちは、道端にあるテーブルについて休憩していた。ラリーやキラの周りには、アークエンジェルや難民たちで使う日用品や物資が紙袋てんこ盛りでいくつも並んでいる。

 

「これでだいたい揃ったが、このフレイって奴の注文は無茶だぞ。高精度トルクレンチと電動式ドライバーとか。ここにあるのはジャンク品ばかりだし、そんなもの探すならサイーブたちに連絡を取らないと」

 

フレイからのリストを見ながらカガリは困ったように顔をしかめた。書かれているものは殆どが工具や、消耗剤などの部品ばかりで、とてもじゃないが街に売っているものではなかった。

 

これを揃えようとすると、一度サイーブやキサカに合流しなければならない。

 

「ハリーの奴はリスト見た瞬間に全員から却下されてたな」

 

「ゴッドフリート用の冷却装置とビーム兵器用の発電機なんて普通に無いからな?バカなのか?そいつ」

 

「あながち間違ってない」

 

他にもビームサーベル用の出力操作ユニットや、ガトリング砲、果てには飛行用のホバーユニットまで、書くだけなら自由とは言ったが、ここまで己の欲に忠実に書くとはーーリストを見たキラが見たこともない真顔で、目をキラキラさせるハリーとリストを見比べて、最後にラリーを見た。

 

結局、メモは破られてハリーのスピアヘッド魔改造計画は頓挫することになったのだが、一体どんな兵器になるのか、逆に気になって作業員たちがソワソワしていたのは無視している。

 

「というかフレイもかなり毒されてますよね」

 

ハリーが異質すぎてアレだが、フレイの注文もかなり斜め上を行ってる。たぶん化粧品かなとサイに渡されて二人で見てから、しばらく無言になったほどだ。

 

「お待たせネー」

 

そんなキラたちの間に割って入って白いコックスーツを着た店員が、どっかりとテーブルに皿を置いた。

 

「何、これ?」

 

白い包み、そしてドンと置かれた赤と白のソースを見つめながら、キラが首をかしげる。

 

「ドネルケバブさ!あー、疲れたし腹も減った。ほら、お前も食えよ。このチリソースをかけてぇ…」

 

カガリは包みを開けると、満遍なくケバブに赤いチリソースをかけていく。するとーー。

 

「あーいや待ったぁ!ちょっと待ったぁ!」

 

となりの席に座っていた男性が突如として立ち上がり、チリソースをかけるカガリに待ったをかけたのだ。

 

「ケバブにチリソースなんて何を言ってるんだ!このヨーグルトソースを掛けるのが常識だろうがぁ」

 

陽気なシャツと帽子を着たサングラスの男性は、テーブルに置かれた白いヨーグルトソースを持って高々と宣言する。

 

「いや、常識というよりも…もっとこう…んー…そう!ヨーグルトソースをかけないなんて、この料理に対する冒涜だよ!」

 

「なんなんだお前は!見ず知らずの男に、私の食べ方にとやかく言われる筋合いはない!ハグッ…」

 

「あーなんという……」

 

チリソースたっぷりのケバブにかじりついたカガリを見て、男性は絶望したようにうつむき、胸で十字架を切った。

 

「っんまーーーーいーーー!ほぅらお前も!ケバブにはチリソースが当たり前だ!」

 

「んー、俺はヨーグルトソース派だな。辛いのは苦手だ」

 

戸惑うキラの横で、すでにヨーグルトソースをかけたケバブを口するラリーに、男性はぱぁっと笑みを浮かべてはバンバンと肩を叩く。

 

「お、君はよく分かってるじゃないか!」

 

「ふふーん、アンタでも苦手なものがあるんだな」

 

「なに勝ち誇った顔をしてるんだよ…」

 

だいたい、こいつのせいでハリーたちからお説教グルメレースを食らう羽目になったラリーは、不機嫌そうにケバブを食べすすめていく。

 

「じゃ、じゃあ僕はチリソースを」

 

白と赤を交互に見ていたキラは、おもむろにチリソースは手を伸ばすと、男性が掴もうとしていたチリソースをパッと奪い取った。

 

「だぁぁ待ちたまえ!邪道に堕ちる気か!?」

 

そういう男性の手にあるヨーグルトソースを、今度はカガリがひったくった。

 

「何をするんだ!引っ込んでろ!」

 

「君こそ何をする!ええい!この!」

 

揉み合う二人に、キラが助けを求めるようにラリーを見るが、彼は視線を合わさずに遠くを見ながらケバブを食べている。

 

だめだ、ハリーさんたちからの説教の後遺症がーーいや、ミリアリアとフレイのビンタが効いたのだろうか。そんな現実逃避をするキラのケバブには、赤と白のソースがドバドバと振りかけられていた。

 

 

 

////

 

 

 

「チッ!いい気なもんだぜ」

 

そんなカガリたちのやり取りを物陰から見ていた怪しげな男が、怒りを含んだ声で毒づく。

 

「あのテーブルに居る子供は?」

 

「その辺のガキだろ、どうせ虎とヘラヘラ話すような奴だ。殺しても何ら問題ない」

 

彼らの手には黒く光る銃が握られている。この時のために何日もかけて潜入したのだ。失敗は許されない。

 

「では行くぞ。開始の花火を頼む」

 

「ああ。魂となって宇宙へ還れ!コーディネイターめ!」

 

 

 

////

 

 

 

「いや~はっはっはっ。悪かったねぇ~」

 

「ええ…まぁ…ミックスもなかなか…」

 

2種のソースまみれになったケバブを食べるキラに、割り込んできた男性は快活な笑い声をあげながら先ほどの行為を謝罪してきた。

 

なんでもケバブとコーヒーのことになると黙っていられないらしい。割り込んできたのに彼の席にはいつのまにかコーヒーカップが置かれていた。

 

そんな彼の隣にいるカガリは絶賛不機嫌状態である。

 

「しかし凄い買い物だねぇ。パーティーでもやるの?」

 

「五月蠅いなぁ、余計なお世話だ!大体お前は何なんだ?勝手に座り込んであーだこーだと…」

 

男性とカガリが言い合いのような言葉を交わす最中、ラリーは街の異変に気がついていた。さっきまで現地住人で賑わっていたはずの街が、妙に静かだった。

 

あたりには住民らしき人がちらほらといるが、街を歩いているというよりは何かを観察しているようにも見える。

 

そして、何よりラリーはこの先に起こる出来事を知っている。知っているからどうこうできる訳ではないが、起こることに対する覚悟は持っていた。

 

「キラ」

 

言い合う男性に聞こえないように、ラリーはテーブルの下でハンドサインをキラへ見せた。ケバブを食べながらキラも、何度も覚えたそのハンドサインを見て小さく頷く。

 

「伏せろ!」

 

途端、カガリと機嫌よく話していた男性がカガリの首根っこを掴むと、勢いよくテーブルを上へ蹴りあげた。

 

銃声が響いたのは、それと同時であった。何発かの弾丸が男性が蹴り上げたテーブルを貫いたのだ。

 

「な…なんなんだ一体…うわぁ!」

 

首根っこを掴まれて倒されたカガリが立ち上がろうとするのを、ラリーがぐっと抑え込む。チュイーンと、すぐ後ろで金属製の看板に弾丸が跳弾する音が聞こえた。

 

「暴れるな!死にたいのか!」

 

ラリーの有無を言わせない言葉に、カガリは抵抗せずに地面へ伏せる。

 

「無事か君達!」

 

テーブルを蹴り上げた人物も無事だったようだ。まぁ当たり前だがとラリーは思いながら、テーブルの陰から撃たれた方向を見た。

 

「死ね!コーディネイター!宇宙の化け物め!」

 

「青き清浄なる世界の為に!」

 

それを見てからすぐに顔を引っ込めて後退する。隠れていたテーブルには弾を防ぐ能力は無く、離れてからすぐにテーブルは木片へと化した。

 

「ブルーコスモスか!」

 

「あぁ、これだからブルーコスモスは!これじゃテロリストと変わらん!キラ!緊急事態だ、俺とエレメントを組め!」

 

「はい!」

 

そういうと二人は隣にいる男性など気にせずに、民族衣装に忍ばせていた拳銃とマガジンを取り出して、動きやすいようにそれらを脱ぎ去った。

 

「あ、おい!お前!」

 

地面に伏せるカガリを放置して、ラリーはキラをすぐ後ろに付けてテーブルの間を通り敵の死角へと移動すると、間髪入れずにサブマシンガンを連射するブルーコスモスの足を撃ち抜いた。

 

「うわぁぁ!!」

 

痛みで叫び声を上げながら崩れ落ちた仲間に気を取られた他のテロリストへ、ラリーは小さな歩幅で移動しながら狙いを定めて肩や足を撃ち抜く。

 

「カバー!」

 

遮蔽物が多い場所から広場へ出た瞬間、キラがラリーの死角を補助するように銃を両手で持ちながら小さく小回りして辺りを確認する。

 

「クリア!」

 

「付いて来い!」

 

伏せていたカガリを立ち上がらせるラリーと、キラの声と同時に、街の四方からザフトの軍服を着た兵士が現れて、暴れるテロリストたちを射殺していく。

 

「構わん!全て排除しろ!」

 

ブルーコスモスの巻き添えを食らうのはごめんだと、ラリーたちはすぐに広場から離脱を試みる。

 

「二時の方向にボギー、3。一人は壁の影です!」

 

路地に入る前に前後でカガリを挟むラリーとキラは、音を立てずに壁際にすっと忍ぶ。するとラリーの目の前に、息を殺したブルーコスモスのテロリストが、壁側から広場の様子を見ようと身を覗かせてきた。

 

即座に、無防備に出た足の甲を打ち抜き、叫びを上げる前にテロリストの後頭部を銃把で殴りつけて沈黙させると、奥にいた他のメンバーの足と肩を撃ち抜く。

 

「走れ走れ!」

 

路地を駆け抜けるラリーたちは、少し進んだ先にある広場で立ち止まった。

 

「クリア」

 

「クリア!」

 

銃を構えたまましばらく周辺警戒をしてから、ラリーとキラが同時に言って、銃を下ろす。

 

「エリアクリア。…ふぅ、上出来だったぞ、キラ」

 

「お前!銃の使い方知っていたのか?」

 

キラは宇宙でのブルーコスモスとの一件のあと、第八艦隊に合流するまで多くの時間をクラックスで過ごしていた。

 

同時に、アークエンジェルよりも軍用艦であるクラックスでは、艦内白兵戦を想定した軍事演習などもあって、キラはラリーやリークとともに、軍人としての一通りの銃火器の訓練を受けていたのだ。地上に降りてからも、ラリーとは時間を見つけては訓練をしている。

 

「それにしてもーー」

 

カガリは後ろを振り返る。そこにはラリーたちに付いてきていた先ほどの男性が立っていた。すぐに男性の後ろからザフト兵が駆け寄ってくる。

 

「隊長!御無事で!」

 

「ああ!私は平気だ。彼のおかげでな」

 

すると、さっきまで人の気配がなかった路地からゾロゾロとザフト兵が現れる。不思議なことに全員が銃を構えていなかった。

 

そんな男性を眺めながら、カガリが震える声で言った。

 

「アンドリュー・バルトフェルド…砂漠の…虎…」

 

「どうやら、俺たちが何者か知った上で話しかけてきたな?この狸親父め」

 

「狸親父とは酷いな、せめて虎親父と呼んでくれないか?ラリー・レイレナード」

 

ラリーの名を呼んだ瞬間に、彼はウゲェと心底嫌そうな顔をしてから手に持っていた銃をあっさりと捨てた。キラも同じように銃を捨てる。

 

「いやぁ~しかし助かったよ。ありがとう」

 

「これが礼を言う奴の態度とは思えんがな」

 

両手を上に上げながら悪態を吐くラリーたちの上空には、迎えに現れたヘリが降りて来ようとしていた。

 

 

 

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