俺もう、闘いたくないです   作:Plusdriver

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???「おやおやぁ...ここにもとんでもない力を引き出すものがいるようですねぇ...」

???「そんな方々のために、何時も通り僕は言い放つのですよ!!!英雄であるぅ、この僕がぁ!!!!!!」

???「『愛』ですよッ!!!!」

「『何故そこで愛ッ!?』」


ええ、最終回ですよ。
さぁ、一つの物語の終わりをお楽しみ下さいませ。


『やっぱり』(俺もう、闘いたく)ないです

ミゼルが星になってから、既に半月程の時が流れた。

 

「ほら、もう学校の時間ですよ。起きてください」

 

「....おはよう、ミカド」

 

自分ことミカド/オーディーンは今日も今日とてマスターであるバンの抱き枕となっていた。アンドロイドであるその機体はオタクロスによって改良(改悪)され続けており、ついには人の肌の柔らかさを再現するまでになっている。

 

「ええ、おはようございます。さぁ、鞄の準備は完了していますので朝食を取りに下りてきてくださいね」

 

ミカドはバンが起きる前から目覚めており、既に一階にいる母から朝食が出来上がっている事を伝えられているのだ。

 

『マスターが起きた。これから下りてくるはずだ』

 

「あら、いつもありがとね。オーディーン」

 

『無論だ、我が母よ』

 

「う~ん、ミカドちゃんみたいにはいかないのね...」

 

オーディーンはミゼルとの戦いの中で自身の意識を二つに分けることに成功したのだ。それがミカドの身体に意識が宿った理由である。

 

『仕方がないのだ』「それが私ですから」

 

「あら、相変わらず可愛らしいわね」

 

頬を赤らめながらミカドは視線を逸らす。顔が赤くなったり、表情が以前よりも豊かになったのは全てオタクロスの改良のおかげである。

 

「そう言えば、お父様はどちらへ?」

 

「ああ、朝から出かけたわよ?なんだか急ぎの用みたいだったわ」

 

「...オタクロスの元に居るみたいです。お弁当を届けましょうか?」

 

「ええ、頼んだわよ?」

 

「『必ず、届ける』ます」

 

バンの母から弁当を受け取ると、メイド服を着た幼女は空を飛ぶLBXと共に外へと飛び出した。

 

『母さん~、ミカドはどこ~?』

 

『もう出かけたわよ~』

 

彼女の仕事は、山野博士に愛妻弁当を届ける事である。それを口実に、自身のマスターから逃げ出している訳ではないのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「オタクロス、お父様、おはようございます」

 

「おお、もう来たデヨか」

 

「おはよう。ミカド」

 

秋葉原のオタクロスの元には、朝早くから山野博士の姿があった。これはミカドやオタクロスによって産まれた一つの説を証明する為である。

 

LBXには、その操縦者に似た心が宿る。その心は本来なら表に出てくることはないが、強力な自我を持つ事が出来れば可能ではないか、というものである。

 

「この前、さくらたんの声を聞いたんデヨ」

 

そんなオタクロスの言葉とオーディーン(アキレス)の自我の芽生えを元にサクラは調べられているのだ。

 

「ミカド、サクラの声は聞こえるか?」

 

「ええ、問題なく聞こえます」

 

メイド服を着た幼女の肩にLBXが着地する。そのまま両目を点滅させ、サクラへと接続すれば、彼女の自我を確認できる。

 

『ああああああああ、私の愛しのマスターっ!私がお世話してあげますからねぇ』

 

「....ええ、聞こえていますとも」

 

「どうかしたのか?顔色が悪いが...」

 

「いえ...」といいながらもミカドは本来の目的を果たしその場を後にする。今回の目的は愛妻弁当を届けることだけなのだと思い出したのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「....ここから、ですよね」

 

ミカドは一年前、初めてVモードを起動させたことを思い出していた。既に何度も来た為に見慣れた河川敷を眺める。その場でLBXバトルを行っている子供達は現在学校である。

 

「...イフリート」

 

『何だ、母さん』

 

ミカドは一人河川敷の草むらに腰掛け、自身の中にいるイフリートへと話しかける。半月程経ったとはいえ、ミゼルがどうなったのかをミカドは知らないのだ。だからこそ何度も質問しているが、イフリートは一度も答えないのだ。

 

『ミゼルは必ず、帰ってくる。あの子が母さんから離れ続けられるとは考えられないからな』

 

「...うん」

 

飛行形態へと変形させたオーディーン・mk-2(自身)を飛ばして空を見上げる。あの日見た一番星はあれから一度も見つけられていない。

 

「....」

 

ミゼルが起こした事件は早急に全世界で処理されていった。今ではもう、何もなかったかのように日常が流れている。

 

『もう学校が終わる時間だったか』

 

「ああ、もうそんな時間だよ」

 

少しづつ日が長くなり始めた。そんな中、バン達が河川敷へとやって来る。

 

「ただいま、ミカドっ」

 

「.......く、苦しぃ、です」

 

ミカドは日課になりつつある帰宅、又は長時間会わなかった時の抱きつきに未だなれないでいた。

 

「またやってるわね」

 

『オーディーン、自由なの、ズルい』

 

『パンドラよ、それは何度も言っているが諦めろ。我が王よ、久しいな』

 

『苦しいことに変わりはないのだ。何度も言っているのだが、マスターは聞いてくれなくてな...』

 

「いいじゃねぇか。仲が悪いよりかはマシだぜ?」

 

こうして彼らの日常は過ぎていく_____

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

_____はずだった。

 

「ただいま、母さん。父さん」

 

突然、河川敷に声が響く。全員が迫る影に気が付き空を見上げれば見覚えのあるLBXが降下してきたのだ。

 

「オーディーン...」

 

あの日、ミゼルが消えたことで爆散したLBXがそこにはいた。

 

「また、会えた...うん、僕は生きている...」

 

ミゼルであろうオーディーンは両こぶしを再び握り締め、武器であるリアリエーターを構えた。

 

『さぁ、山野バン。僕に力を貸してくれないか?』

 

「何?」

 

『僕が帰ってきたという事は、母さんが再び旅を始めるという事さ。ここまで言えばもうわかるだろう?』

 

「ああ...」

 

ゆらりと立ち上がったバンに恐怖を感じたミカドはすぐさまその場を離れる為坂を駆け上がる。

 

「『逃がさない』よ!!!!」

 

オーディーン(ミカド)は闘うのが好きではない。それが自分を狙っている者達だろうと、だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「『もう、闘いたくないんですッ!!!!!!』」

 

 

 

 

 

 

そう、彼らの物語はまだ始まったばかりである。その先は、まだ誰にも分からない____












ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
え、何か足りないって?最終回ではないのかって?

ええ、最終回ですよ。
でも、彼らの物語はまだまだ続きます。

それではまた何時、後日談でお会いしましょう。

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