アイドルの世界に転生したようです。   作:朝霞リョウマ

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早いもので、もう八月ですね。

受験生のみんなー! 受験勉強は夏が本番とか言われてるけど、別に勉強は秋が終わってからでも間に合うからねー!(悪魔の誘惑)


Lesson171 Be forced!! 3

 

 

 

「良太郎さんはそのアイドルを引き寄せる体質をそろそろなんとかしてよ」

 

『突然電話をかけてきた妹分に、突然お説教された件について』

 

 夜、一応メッセージアプリで時間が空いていることを確認してから電話を掛けたら、当然のことながら良太郎さんは困惑した様子だった。うっかり良太郎さんのことをバラしてしまった私にも責任はあると思うが、あの後二人に問い詰められて大変だったので少しぐらい愚痴らせてほしい。

 

「良太郎さん、この間のサマーフェスで北条加蓮って子と神谷奈緒って子と知り合ったでしょ」

 

『ん? 綺麗にネイルを塗ってた子と凄いアニメが好きそうな子のことを言っているのなら、そうだけど』

 

「ゴメンもうちょっと分かりやすい特徴を聞きたかった」

 

 ネイルは……多分加蓮であってると思う。今日チラッと手元を見たらネイル塗ってたし。奈緒に関しては全く分からないが、まぁ加蓮と一緒にいたのならば間違いないだろう。

 

『それにしても、二人とも凛ちゃんと知り合いだったんだ』

 

「んー、一応知り合ったのはつい最近ってことでいいと思うから、多分良太郎さんの方が早く知り合ってるね」

 

『いいと思うってどういうことなのさ』

 

 加蓮は中学校の同級生で、私は加蓮のこと知らなかったけど加蓮は私のこと知ってて、それで最近事務所に行く前に声をかけられた、というのを説明するのが面倒くさかった。

 

『……ん? ちょっと待って。アイドルを引き寄せる体質って言いながらその二人の名前が挙がったってことは……』

 

「うん、ウチのアイドル。美嘉さんと同じ部署だって」

 

『マジか……というか、そもそも俺の行動範囲内にアイドルが多すぎる気がするんだけど』

 

「そこはまぁ……アイドル事務所があるから仕方ないんじゃないかな」

 

 それを言い出したら本当に話が終わる……じゃないや、進まなくなるので、今日二人に聞いたことを話す。

 

『そうか……加蓮ちゃんと奈緒ちゃんも影響を受けちゃってたのか……』

 

 そう電話口の向こうでため息を吐く良太郎さん。今回の一件は私たちの事務所のことだというのに、まるで自分の事務所のことのような反応だった。それだけ私たち『アイドル』のことを案じているのだろう。

 

「それでその……良太郎さん、そっちはどうなったの……?」

 

『あぁ、そういえば言ってなかったね、ゴメンゴメン』

 

 元々聞きたかったのはそっちだ。いや、本当は自分から聞きに行くのは流石に図々しいかなとも思ったけど、その加蓮たちの話を聞いてしまったので、余計に気になってしまった。

 

『まずはやんわり検討を促してみたけど、取り付く島もなかった。分かってはいたけど、あれは考え無しの行動じゃないね』

 

「……そうだよね」

 

 私の想像だが、本当に気まぐれでこのようなことを引き起こすような三流経営者ならば、『周藤良太郎』の一睨みで引き下がっていただろう。『周藤良太郎』の目の届くところでアイドルを不当な扱いにするというのは、業界においては最も愚かなことらしいのだから。

 

『だけど少しだけでも助力になればと思って、武内さんが代替案を持って来たら無下にせずにちゃんと受け取ってほしいとだけお願いしておいた。これで理不尽に企画を却下されることはないはずだよ』

 

「良太郎さん……」

 

『だから、あとは武内さんを……君たちのプロデューサーを信じてあげて。大丈夫、彼だったらいい企画を考え付くさ』

 

「……本当に、ありがとう」

 

 きっと良太郎さんがしてくれたことは、他事務所のアイドルが出来て、それでいて何処にも迷惑が掛からないギリギリのことなのだろう。ならば後は、頑張らなければいけないのは私たち事務所の人間だ。

 

 私も、プロデューサーのことを信じている。こんな私を、何度も拒絶したにも関わらずアイドルとして私を見出してくれたプロデューサーならば、きっと素晴らしい代替案を考え出してくれると。

 

 そして、私たちアイドルがその企画を全力で成功させる。それが今の私たちのすべきこと……!

 

 

 

『でもまぁ、肩に力を入れすぎることだけはダメだよ? ほら凛ちゃん、昔『お手伝いする』って言って大きな植木鉢持ち上げようとして、勢いよく転んだことあったし……』

 

「だからそのイチイチ話にオチを付ける癖なんとかならないかなっ!?」

 

 

 

 これが良太郎さんなりの肩の力の抜き方なんだろうけど、もうちょっと他に方法はないものかと問い詰めたい。

 

『結局言いたいことは、与えられた仕事に全力で取り組めばいいってこと』

 

「はぁ、ホント良太郎さんは……でもまぁ、それは、うん、分かった。明日の仕事は、私たちだけの仕事ってわけじゃないし。別の事に気を取られてたら失礼だもんね」

 

『ん? 誰か別の人と一緒の仕事なの?』

 

「一緒の仕事……というか、前座」

 

 前座とは、新人アイドルの仕事として一般的なものだとみくから教わった。イベントなどにアイドルが呼ばれたとき、メインとなるアイドルが出演するまでの時間を()()ために同じ事務所の新人アイドルがステージに立つらしい。それが今回新人アイドルである私たちニュージェネレーションズの三人に与えられた仕事だった。

 

『へぇ、誰の?』

 

「高垣楓さん」

 

 一瞬、アイドルとしての仕事内容をなんの躊躇いもなく部外者に話していいものかと考えたが、同じように今さら良太郎さんを部外者扱いするのもおかしな話だと考える自分もいたので、特に抵抗なくその名前を口にした。

 

『楓さんか……いいなぁ俺も行きたかったなぁ、でも残念ながら仕事なんだよなぁ、こういうときに限ってご都合主義が発動しないんだよなぁ』

 

 すると良太郎さんからそんな言葉が返って来た。割と色々なアイドルのイベントに顔を出しているらしい良太郎さんだが、こんな風に直接『行きたい』と口にしたのは初めて聞いた気がする。

 

「珍しいね、良太郎さんがそんなこと言うなんて」

 

『一応これでも、楓さんは割と敬意を払ってるアイドルの一人だからね。何せ俺が()()()()と心の底から思ったんだから』

 

 そういえば楓さんは『周藤良太郎』が認める歌声を持つ『翠の歌姫』だった。

 

『てかマジなんなのあの人。寧ろなんで今までモデルだったの。可愛くて美人で大人で子供っぽくて美人で歌が上手いとか反則だろ。あと美人』

 

「とりあえず良太郎さんが大の楓さんのファンだってことは分かった」

 

 だいぶ神様(さくしゃ)の意思が入っているような気がしたが、きっとこれも電波なので気付かなかったことにする。

 

『それに明日ってことは……』

 

 受話器の向こうからカチカチというクリック音とカタカタというタイプ音が聞こえてくる。何かパソコンで調べているようだ。

 

『やっぱりそうだ。明日の凛ちゃんたちのステージ……つまり楓さんのステージだけど、そこは楓さんのデビューステージ。つまり俺にとっての例の公園と同一の場所だ』

 

 例の公園。『周藤良太郎』誕生の場所としてファンの間では聖地と呼ばれ、その恩恵にあやかろうと一部のアイドルやアイドル見習いがこぞって集まりゲリラライブをしようとする公園だ。

 

 きっと楓さんにとっても特別な思い入れがあるのだろうと、自然に想像できた。

 

『そろそろ楓さんがアイドルデビューして丁度二年になる。特別な場所での特別なステージだ』

 

 

 

 ――きっと圧倒されるよ?

 

 

 

 

 

 

「……って、良太郎さんは言ってた」

 

「す、周藤良太郎がそこまで絶賛するってことは、やっぱり私たちの想像以上に凄いってことだよね……!?」

 

「ほほほ、本当に私たちが前座で大丈夫でしょうか!?」

 

 そんなわけで、迎えたイベント当日である。プロデューサーの運転する車で現場に向かう途中、昨晩電話で良太郎さんとの会話内容を話したら、未央は頬を引き攣らせ、卯月はワタワタと慌てていた。

 

 やはり『周藤良太郎』の発言はそれだけ重いということなんだろうけど、未だに『知り合いのお兄さん』感覚が抜けない私にはそれがピンと来なかった。

 

「ねぇねぇプロデューサー。プロデューサーから見ても、やっぱり楓さんって凄いアイドル?」

 

 後部座席から身を乗り出し、運転席のプロデューサーに話しかける未央。

 

「……はい、素晴らしいアイドルだと……伺っております」

 

「伺ってますって、プロデューサーも実際には見たこと無いのねー」

 

「……申し訳ありません」

 

(……?)

 

 若干返答に間があったような気がしたけど……多分、気のせいだろう。

 

 

 

 やがて今回の会場に到着した私たちが向かったのは、勿論今回のイベントの主役である楓さんの楽屋。挨拶に行くためでもあるのだが、今回の会場がやや小さい規模のものであるため、なんと私たちと同じ楽屋なのだ。ここが楓さんにとって思い入れのある会場だと知っていても尚、良太郎さんが認めているアイドルにしては規模が小さいなぁなどと思ってしまった。

 

 コンコンッ

 

「お、おはようござい――」

 

 一応私たちのリーダーである未央が『高垣楓様』『new generations様』と印刷された紙が貼られた扉をノックしてから開けた。

 

 

 

「サインをしな()()()……っと。うふふっ」

 

 

 

「――まーす……」

 

 私たちを出迎えてくれたのは、大量の葉っぱ(紅葉?)型の団扇の一枚一枚にサインを書く楓さんのそんな一言だった。

 

『駄洒落&居酒屋好き』

 

 それが噂として聞いていた楓さんの評価だったのだが、こうしてのっけから駄洒落で出迎えられるとは流石に思わなかった。しかも本人的には渾身の出来だったらしく、傍から見てもご機嫌なのが分かった。

 

「あら?」

 

 そこでようやく私たちに気付いたらしい楓さんがこちらを向いた。

 

 楓さんが椅子からスッと立って私たちに向き合ってくれたので、私たちは背筋を伸ばして頭を下げた。

 

「「「お、おはようございます!」」」

 

「おはようございます。今日はよろしくお願いしますね?」

 

「「「は、はいっ!」」」

 

 『翠の歌姫』高垣楓。良太郎さんが散々『美人』と称していただけあって、美人であることには間違いなかった。

 

 そしてその『歌姫』という称号が()()()()()()()()()()()だという意味にそこで改めて気付いてしまい、私は先ほどよりも少しだけ汗ばんだ手のひらを握りこんだ。

 

 

 

 

 

 

「……ふむ、こんなものだろう。……では、私も行くとしよう」

 

 

 




・イチイチ話にオチを付ける癖
多分呪いかギャグ主人公補正のどっちか。

・『楓さんか……いいなぁ俺も行きたかったなぁ』
神様(さくしゃ)の意思が入っているような気がした
まさかそんな(目逸らし)

・アイドルデビューして丁度二年
確か時系列的に二年前の十二月付近に当たるLesson65で『デビューしたばかり』で『最近よく見るようになった』はずだから、辻褄はあってるはず。
……よくよく思い返したら、その時ってまだアニメ始まって数話しかやってなかったんだよなぁ……辻褄あって良かった。

・「素晴らしいアイドルだと……伺っております」
えるしっているか さくしゃがのこすふくせんは ほんとうにわすれたころにしか かいしゅうしない

・「……では、私も行くとしよう」
彼女のキャラ崩壊が、本当にあんなもので済んだと思っているのかぁ?(伝説のスーパーサイヤ人並感)



 こっちの本編で久々登場の楓さん! ……あれ、もしかしてまともな登場って、第四章プロローグ以来……!?(驚愕)

 次回、原作通りに進みつつ見えないところで完全に原作から逸れてしまっている第十五話後半ラストになります。



『どうでもいい小話』その1

 なんと心優しきフォロワー様のご厚意により、SSA二日目も参加できることになりました!

 というわけでSSA両日参戦決定!

 逆転サヨナラ満塁ホームランじゃあああぁぁぁい!!



『どうでもいい小話』その2

 ミリシタにて、早くも登場してしまった所恵美SSR(水着)!!

 いやぁ月末には唯ちゃんの水着も待ってるしSSAの旅費もあるからちょっと無理かnそんなわけあるかあああぁぁぁい!

 引きました(財布は瀕死)
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