アイドルの世界に転生したようです。   作:朝霞リョウマ

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まるでラブコメのようだ……(驚愕)


Lesson31 キラキラ 2

 

 

 

 

 

 

『フフ……フはは、ははははは! 私を倒すか人間!! それもよかろう!』

 

『だが、ゆめ忘れるな!』

 

『世界が滅びゆくことに変わりはない! いずれ彼らにも絶望の帳が下りる!』

 

『それは、貴様とて例外ではない――!』

 

 

 

「グダグダうるせぇえええ!!」

 

 

 

「たとえ明日世界が滅ぶと知ろうとも、諦めねぇのが人間ってモンだろうが!」

 

 

 

「人! 間! を!」

 

 

 

 ――なめんじゃねぇえええー!!

 

 

 

 

 

 

「「満足!」」

 

 三時間に及ぶ大作映画を見終わり、丁度いい時間なので昼食を取ろうと近くのファーストフード店に入った俺とりん。

 

「いやぁ、流石ハリウッド。CGといいキャストといい、お金の掛け方のスケールが違うね」

 

「ハリウッド一仲がいいって言われる夫婦が演じる大英雄と王女の仄かな恋。あぁ、あの二人どうなるだろー?」

 

「二部構成みたいだし、そっちの方で掘り下げていくんだろうなぁ」

 

 何かまだまだ伏線が残ってたみたいだし、と言いながらフライドポテトを摘む。

 

 結論から言って、今回の映画は前評判通りに大当たりだった。まぁあの二人が主演なんだから、よっぽどストーリーが悪くない限りこうなることは予想されていた結果であるのだが。

 

「そう言えば、りょーくんってドラマには結構出てるけど映画には全然出てないよね」

 

 ちゅーっとイチゴシェイクをストローで飲みながらりんが上目遣いにそんなことを尋ねて来た。

 

「別に何かこだわりがある訳じゃないぞ? たまたま予定が噛み合わなかったから出てなかっただけで、オファー自体は何回かあった」

 

 しかし、それらオファーがあった映画はいざ公開されてみたらイマイチな評価を受けるものばかりだった。これはそういう映画を回避した俺の危機回避能力的なものなのか、それとも俺が出演しなかったから評価が振るわなかったのか、どちらなんだろうか。

 

「まぁぶっちゃけると映画の出演は決定したんだけど」

 

「え!? 初耳だけど!?」

 

「一般にはまだ出回らないようにしてる話だからな」

 

 だからりんもオフレコで頼むと人差し指を立てる。

 

 ちなみにオファーを受けた映画は二本。一本は俺の初出演作品である覆面ライダーの劇場版で、後輩ライダーに力を貸す先輩ライダーというポジションになる。もう一本はなんとあの竜宮小町との共演、俺の初主演作品である『少年X』と竜宮小町の初主演作品である『美人姉妹探偵団』との奇跡のコラボレーションだ。正直自分でもどんな作品になるのか分からないのでちょっとワクワクしている。

 

「そういうお前らはどうなんだ? ドラマとか映画とかそういう話全く聞かないけど、あんまり興味無い感じ?」

 

 魔王エンジェルは歌番組やライブ、コンサートに重点を置いて活動するアイドルであり、その点は俺も同じだ。とはいえ、それにしたってこいつらは俺以上に演技関係の話を聞かない。

 

「んー、あたしは別にどっちでもいいんだけど、麗華とともみがあんまりいい顔しないんだよねー」

 

「あら」

 

「二人とも猫被るのはそれなりに上手だけど、演技となるとあんまり得意じゃないみたいで」

 

「最近完全にその猫が剥がれてるみたいなんだが」

 

「それは間違いなくりょーくんのせいだから」

 

 俺のせいかどうかはともかくとして、確かに幸福エンジェルだった頃は麗華やともみもアイドルらしく愛想良かったからなぁ。最近では、麗華は毒舌キャラに見せかけた弄られキャラ、ともみは表情に乏しいクールっ娘っていうイメージで定着してるし。ちなみにりんも今では猫が若干はがれて腹黒キャラが見え隠れしているとファンの間でもっぱらの噂である。

 

「また詳しい話決まったら教えてね?」

 

「あぁ。つっても、正式な発表や撮影は来年の四月になってからになるだろうなぁ。受験あるし」

 

「そういえばりょーくんにはまだ言ってなかったけど、あたしも大学受験することにしたよ」

 

「あ、そうなん?」

 

 以前聞いた時はまだ悩んでたみたいだけど、ついに決めたのか。

 

「何処受けるの?」

 

「いひひっ」

 

 頬杖をついて実に楽しそうにはぐらかされてしまった。むぅ、秘密って奴か。ただ、何となく麗華と同じ大学を選択するんじゃないかと思う。なんだかんだいって古くからの仲良し三人組みたいだし。

 

「しかし、これからはオフの日は勉強せにゃならんのだよなぁ」

 

 何度も言うようであるが、俺は受験生である。「あれ何呑気にアイドルとデートしてるの?」とか突っ込まれたらぐうの音も出ないが、紛れもなく受験生である。本来ならば今日の一日オフも勉強に当てるべきなのだろう。ただでさえ勉強に割いている時間が少ないと言うのに。

 

「あ! じゃあじゃあ! 今度一緒に勉強会しようよ!」

 

「勉強会?」

 

「うんうん! 一人でするより絶対いいよ!」

 

「今のセリフもう一回お願い」

 

「え? ……一人でするより絶対いいよ?」

 

「ありがとうございます」

 

 もう一度言ってもらったことに深い意味なんてありません。

 

「で、一緒に勉強か。いいかもしれんな」

 

「でしょでしょ? 勉強のためだったらあたしももう少し時間取れると思うし」

 

 ふむ、確かに。

 

「じゃあまた予定合わせるか」

 

「うん!」

 

 ついでだし、恭也や月村の勉強会に交ざってもいいかもしれんな。何と言うか……りんを含め、魔王エンジェルの三人って友達少なそうだし。

 

「りょーくん、今何か失礼なこと考えなかった?」

 

「気ノセイデス」

 

 

 

 

 

 

 昼食を終えた俺達はりんの服や俺の携帯電話を見るために街を歩く。当然休日の今日は駅前並みに人が多いために俺はもちろんのこと、りんも伊達眼鏡と帽子を被って絶賛変装中である。最も、現在のりんはいつのもツインテールではないのでそうそう身バレはしないだろうけど。

 

「どっちから見に行く?」

 

「服はゆっくり見たいだろうから、俺の方から済ました方がいいだろ」

 

 という訳で家電量販店へ。

 

 携帯電話を取り扱っている一角に向かうと、そこには様々な会社が発売しているスマートフォンが並べてあった。

 

「うわぁ、今スマートフォンってこんなに出てるんだね」

 

「りんもまだガラケーだよな?」

 

「うん。契約もまだ続くから、今日はりょーくんと一緒に予習ってところかな」

 

 実際に手に取ってみたりしながら各社のスマートフォンを見ていく。ふむ、携帯電話というよりは小型のパソコンっていった感じかなー。

 

「見て見てー、このスマートフォン上の所に動物の顔が付いてるー。……これ、何の動物なんだろ?」

 

「なんか変身出来そうなスマフォだな」

 

 なんともラブリンクしそうである。

 

 さてさてどんな機種にするかと悩んでいると、背後から店員さんに声を掛けられた。

 

「スマートフォンをお探しですかー?」

 

「ええ、まぁ」

 

「……(チッ)、お隣の方は彼女さんですかー?」

 

「おい今舌打ちしたよなアンタ」

 

「今ならラブラブ定額プランなどがありますがー?」

 

「話聞けよこの野郎」

 

 いや女だけど。

 

 とりあえず彼女じゃないことを告げると再び舌打ちした店員(女)は後からやってきた店員(女)に連れていかれた。

 

「一体なんだったんだあの店員……」

 

 全てのカップルを呪っているかのような負のオーラを身に纏わせていたが。

 

「それで? どうして君は不服そうな表情をしているのかな?」

 

「……べっつにー?」

 

 カップルを否定した辺りからりんは口を尖らせて拗ねたような表情を見せていた。いや、違うものは違うんだし、しっかりと否定しておかないと向こう側に迷惑がかかるだろう。

 

「もー、女心は複雑なの! 埋め合わせに、美味しいスウィーツを所望します!」

 

「む、イマイチ理解できないけど了解」

 

 それぐらいで許されるならいいけど、そんなに安くていいのか女心。

 

 結局今日のところは見に来ただけだったので、ある程度の目星をつけて家電量販店を後にするのだった。

 

 

 

 

 

 

「んー! カスタードクリームとイチゴがオイシー!」

 

「お気に召してくれたようでなによりだよ」

 

「りょーくんのは何だっけ?」

 

「ゴーヤクレープ」

 

「……美味しいの?」

 

「もはや珍味のレベルかな」

 

 りょーくんに買ってもらったクレープを食べながら、二人並んで街を歩く。こんな人ごみの中をりょーくんのような(ついでにあたしも)トップアイドルが歩いていたらあっという間に取り囲まれて身動きが取れなくなりそうなものだが、そんなことが起きる様子は一切ない。やっぱりこの変装のおかげで誰もりょーくんだと認識できていないのだろう。

 

 チラリと隣を歩くりょーくんの姿を見る。黒のプリントTシャツに白いジャケット、下はジーパンにブーツ。長財布ぐらいしか入らなさそうな小さな斜めがけバックを背負ったその姿は、ステージの上に立つ煌びやかなアイドルではなく普通の男の子。そんなりょーくんの隣をごく自然に歩けている現状に対して、自然と笑みが零れそうになる。

 

「ん? そんなにそのクレープ美味しかったの?」

 

 どうやら零れそうではなくしっかりと零れてしまっていたようだ。

 

「ううん、こうしてりょーくんと一緒にデートできるのが嬉しいだけだよ」

 

「……そう言ってもらえるのは大変光栄だね」

 

 表情こそ変わらないが、内心では少し照れているんじゃないかと思うと今のりょーくんが凄く可愛く思えた。

 

 結婚雑誌の撮影の時のように腕を組もうと右手を持ち上げ――。

 

「………………」

 

 ――そのまま手を下げ、りょーくんの左手を握った。

 

「へ?」

 

 無表情のまま、りょーくんが驚いた声を出してこちらを見てくる。

 

「デートなんだもん、これぐらい当然だよね?」

 

「あ、うん、ちょっと驚いただけ」

 

(あーもー! 今日のりょーくんカワイー!)

 

 りょーくんの暖かい左手を握りつつ、内心キュンキュンするのだった。

 

 

 

 

 

 

おまけ『ともみさんが行く! だぶる!』

 

 

 

「ここが翠屋……」

 

「いらっしゃいませー! お一人様ですか?」

 

「………………」

 

「え!? な、何で撫でるんですか!?」

 

「あ、ごめん思わず」

 

「……あ!? も、もしかして……『魔王エンジェル』の三条ともみさんですか……!?」

 

「うん、そうだよ。初めまして、三条ともみです。今日はリョウ――周藤良太郎にお勧めされたから来ました」

 

「良太郎お兄さんのですか!?」

 

「んー? なのは、どうしたのー? 良太郎さんがどうかしたのー?」

 

「あ、お姉ちゃん」

 

「って! もしかして三条とも――もが!?」

 

「だ、ダメだよお姉ちゃん! 騒ぎになっちゃうから!」

 

(既に大事になってる気が……)

 

 ほんとうにつづく……?

 

 

 




・『人間をなめんじゃねぇえええー!!』
『魔法先生ネギま』29巻参照。なお多少の改変を加えております。

・伏線が残ってたみたいだし
全部の伏線がUQで回収されると信じています。
ちなみに良太郎がこの世界のアニメキャラに気付いているのかいないのかはご想像にお任せします。

・美人姉妹探偵団
アニマス9話冒頭の劇中劇。オチがオチだったのでちょっと難しいが、ある程度ネタは固まっているので劇中内で予告編とかはやるかもしれない。

・「一人でするより絶対いいよ!」
72をするんですかねぇ……。

・ラブリンクしそうなスマートフォン
きゅぴらっぱ~!

・舌打ちした店員(女)
オリキャラのモブ、と思いきやまさかの元ネタ有。
『WORKING!!』でたまに出てくる携帯電話販売員で、佐藤と轟(犬組)や足立や村主(猫組)などの男女の組み合わせを見るとカップルと決めつけ舌打ちをする。
なお同棲中の彼氏がいる模様(元ネタ)

・「女心は複雑なの!」
デートテンプレ展開
 済 「だーれだ?」
 済 とりあえず映画
 済 カップルを否定すると不機嫌
 未 「はい、あーん」で間接キス
 未 下着売り場に連れ込まれる
 未 夕暮れの観覧車

・ゴーヤクレープ
またまたネギまネタ。この際今回の話のネタはネギまを主に固めていこうか。

・りんちゃん(デート中)
これはめいんひろいんですわぁ……。

・おまけ『ともみさんが行く! だぶる!』
「セカンド」や「ドス」とどちらがいいか悩んだ結果こうなった。



 最近ラブライブに流されそうで怖い。誰か俺をアイマスに引き留めtにっこにっこにー!


 
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