アイドルの世界に転生したようです。   作:朝霞リョウマ

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いざ出発!


番外編56 七周年特別企画 その2

 

 

 

 それは、あり得るかもしれない可能性の話。

 

 

 

 123プロの旅ロケの企画として、岐阜県にある日本一のバンジージャンプへと向かうことになった良太郎君と冬馬君と恵美ちゃん。そして失踪してしまった志希ちゃんの代わりに参加することになったりあむちゃん……。

 

 果たして彼らは、無事に今晩の番組収録の時間までに帰ってくることが出来るのでしょうか……。

 

 そんな四人の車中の様子をお楽しみください……。

 

 

 

 

 

 

 AM 7:35

 

 首都高速道路入口

 

 

 

 ETCのゲートを潜っちゃうと、なんかいよいよ遠出って実感が湧いてきますよね。

 

「そーだね。まぁ色々と取り乱したけど、折角の旅ロケなんだから楽しんでいかないと。これを観てくれてる人たちもつまんないから」

 

「……ここまで来てグダグダ言ってもしゃーねぇしな」

 

「いやだよぉぉぉ飛びたくないよぉぉぉ帰りたいよぉぉぉ!」

 

「……オメェはオメェで逆にメンタル強ぇなオイ」

 

「大丈夫大丈夫、りあむちゃんおっぱい大きいから」

 

「ドウイウコト!?」

 

 

 

『123プロのここが凄い! その9』

 おっぱいが大きいから大丈夫だよ!

 

 

 

 それにしても、まさか車載カメラすら用意されてないとは思わなかったなー。

 

「そのせいで車内でもそうやって恵美ちゃんがカメラを回すことになっちゃったね。兄貴に代わって俺が謝るよ、ゴメン」

 

 楽しいから大丈夫ですよー!

 

「俺と冬馬の後頭部ばっかり撮っててもつまんないだろうから、存分に隣に座ってるりあむちゃんを撮ってあげて」

 

「それは123プロの動画としてはどうなんだ……?」

 

 任せておいてください! アタシ、前からりあむちゃんと仲良くなりたいって思ってたんです!

 

「どうして恵美ちゃんはそんな残酷なことを言うの!?」

 

 残酷なこと!?

 

 

 

『りあむちゃんのやむポイント その3』

 仲良くなりたいという言葉は残酷

 

 

 

 え、えっと、改めて、所恵美だよ! こうやって面と向かって会うのは初めてだよね?

 

「は、はい……」

 

 そんな堅苦しくなくていいからさー! これからよろしくね、りあむ!

 

「ひぃ!? いきなりフレンドリー!? が、頑張ります……!」

 

「先は長そーだな」

 

「この中で直接面識があるのは俺だけだよね」

 

 え、そーなの?

 

「……なんか、そんなことがあったよーな、なかったよーな……」

 

「おい良太郎……」

 

「違うから! 俺の虚言じゃないから!」

 

 お仕事で一緒になったんですか?

 

「いや、あれあれ、感謝祭ライブのトークバトルのときにりあむちゃんの名前出しちゃったじゃん? それを謝りに行ったんだ」

 

 

 

『123プロのここが凄い! その10』

 詳しくは絶賛発売中のブルーレイボックスにて!(特装版 税別59,800円)

 

 

 

「あのときはホントにゴメンね。若いのに随分と気概がある子だなぁって純粋に嬉しくて」

 

「いや、その……炎上すること自体は、別に慣れっこだから大丈夫なんだけど……えっ、良太郎君が事務所に来てくれたのってぼくの妄想じゃなかったの!?」

 

 りあむの中だと妄想ってことになってたのね……。

 

「いやいや現実だよ。なんかもう色々と顔面ぐちゃぐちゃにしながら号泣してたことは現実だから」

 

「その現実を突きつけようとするお前は本当に謝る気があるのか?」

 

「そっかぁ、夢じゃなかったのかぁ……良太郎君がすっごい優しかったから、気持ちがぽわぽわしてて、イマイチ現実味がなくて……」

 

 その言い方色々とマズくない!?

 

「えっ?」

 

「自覚ねぇのかコイツ……」

 

「俺も燃えるだろうけど、りあむちゃんの方が激しく燃えそうだなぁ」

 

 

 

『123プロのここが凄い! その11』

 良太郎君が優しい(意味深)

 

 

 

「でも結局お前がコイツ気になってるのって、やっぱり見た目的にも好みだったからなんだろ?」

 

「お前はお前でなんて爆弾を投げ込んでくるんだ」

 

「えっ!? えぇっ!? どどど、どういうこと!?」

 

 冬馬さん、リョータローさんの好み知ってるんですか?

 

「まぁコイツの母親と義理の姉見てたらなんとなく。お前の好み、背ぇちっこくて胸大きい奴だろ」

 

「……んー胸に関しては常日頃から言ってるからその通りだけど、身長に関しては気にしたことなかったな……でも、言われてみればそうかもしれん」

 

 だって、りあむ! よかったじゃん!

 

「よくないよぉ! 嬉しいけどこれもまた燃える案件じゃん!」

 

 

 

『りあむちゃんのやむポイント その4』

 周藤良太郎の好みとかいう極大の火種

 

 

 

 ……なんだろう、基本的にりあむって『燃える』か『燃えない』かの二択で生きてるような気がしてきた。

 

「良太郎を揶揄おうとして余計なこと言って申し訳ないって思うぐらい不憫に見えてきた」

 

「はいはいこの話題ヤメヤメ!」

 

 

 

 

 

 

 AM 8:50

 

 足柄SA(下り)

 

 

 

 さて、あっという間に神奈川を通り越して静岡に入ったわけなんだけど、一つ重要なことを忘れている。

 

「なんですか?」

 

 ……まだ朝ご飯を食べてないってことだよ。

 

「あー、言われてみればそうですね」

 

「……そういや食ってなかったな」

 

 りあむちゃんは?

 

「ぼくは普通に食べてきたけど……良太郎君たち、食べてなかったの?」

 

 朝早かったから、用意してくれてるとばかり思ってたんだよね。

 

「いつもだったらオニギリとオカズのお弁当、用意してくれてますもんねー」

 

「スタッフが一人もいないっていう根本的におかしな状況に気を取られて、そっちに気ぃ回らなかったな」

 

「……123プロって、もしかして色々とアレな事務所なの?」

 

「そこに所属してる身としては否定したいところだが、トップがコイツな時点で察しろ」

 

 だから今回のコレは俺の責任じゃないって。あの馬鹿兄貴の仕業だから。

 

 ともあれ、ここらで腹ごしらえをしようと思ってサービスエリアに寄ったわけだ。

 

「それはいいが、施設内を撮影する許可はどうするんだよ」

 

「あっ、そういえばそーだった……どーします? 誰かが買ってくる?」

 

「ぼ、ぼくパシろうか?」

 

 大丈夫大丈夫。そういう撮影に関する交渉は全部裏で済ませてくれる手はずになってるから、多分今兄貴が交渉中。……あっ、今『許可取れた』ってメッセージ届いた。

 

「相変わらずわけ分かんないぐらいハイスペックだなホント……」

 

 

 

『123プロのここが凄い! その12』

 またまた私がやりました(周藤幸太郎・123プロ社長兼総合プロデューサー)

 

 

 

 というわけでちゃんと中で食事出来るよ。ただ騒ぎにならないように、出来るだけコッソリね。

 

「はーい! ちゃんと変装してっと……」

 

「うわぁ……変装しても可愛い……アイドルオーラは隠せても美少女のオーラが全く隠せてない……!」

 

 俺もちゃんと変装してっと。みんな大丈夫?

 

「オッケーだ」

 

「アタシもでーす!」

 

「ぼ、ぼくも……」

 

「「ちょっと待った」」

 

「えっ、え?」

 

 りあむちゃん、それはヤメておこう。今朝も思ったけど、大きめのサングラスとマスクは不審者感が強すぎる。正体を隠すという点では間違ってないけど、それでお天道様の下を歩くのは些かよろしくない。

 

「だ、ダメ?」

 

「寧ろなんでそれで大丈夫だと思ったんだよ」

 

「もーちょっと控えめにさ? ほら、サングラス取るだけでも印象変わるよ?」

 

 そもそもなんでそんなに過剰な変装を?

 

「……えっと……その……この間の感謝祭ライブの一件で、ちょーっとだけ厄介なことに巻き込まれたことがあって……」

 

「オメェ案件じゃねぇかよ」

 

 本当にすんませんっしたぁぁぁ!

 

 

 

『りあむちゃんのやむポイント その5』

 リアル凸案件発生済み

 

 

 

 いやマジでゴメン。りょーいん患者の方には俺からキツく言い聞かせておくから。

 

「あぁぁぁいやいや頭上げてそうじゃないから! その、あの人多分りょーいん患者じゃなかったし、ただの『ちょっと注目浴びてるぐらいでいい気になってるなよ』的なやっかみだったし、丁度Pサマが一緒にいるときだったからすぐに退散していったし……」

 

「あの人に睨まれりゃ俺だって逃げるわ」

 

「何もなくてよかったね……」

 

 今度もう一回改めて謝りに行くか……。

 

 と、とりあえずそっちのことは横に置いておいて……要するにりあむちゃんはまだアイドルとしての変装に慣れてないから、加減が分からないってことでいいのかな。

 

「徹底するのはいいことだが、やりすぎても逆に目立つからな」

 

 特にりあむちゃんの髪色は派手だからねぇ。

 

「どーします? 同じ髪色の美嘉にアドバイス貰います?」

 

 いや、美嘉ちゃんの場合はカリスマJKモデルってことで身バレしてなんぼみたいなところあるから、完璧に隠そうとしてないと思うんだ。

 

 ……うーんそうだね。帽子はあるよね?

 

「うん、真っ先に隠さなきゃいけないのが髪の毛だし」

 

 とりあえず髪の毛を結んで帽子の中に隠してもらうとして……恵美ちゃん、メイクで印象変えれたりしない?

 

「メイクさんなら出来るだろーけど、アタシにはそこまで高等なテクニックはちょっと……っていうか、今朝から気になってたんだけど、りあむ」

 

「な、なに?」

 

「……今メイクしてる?」

 

「……ぜ、全然……」

 

「これでノーメイクって嘘でしょ!?」

 

「ひぃぃぃゴメンナサイ顔近付けないでその可愛い顔を近付けないでぇぇぇ!?」

 

 

 

『りあむちゃんのやむポイント その6』

 すっぴんでテレビ出演

 

 

 

「はぁーこんなに可愛いんだからもっと自信持てばいいのに」

 

「別に、可愛いだけでアイドルとして売れるってわけじゃないし……ボクより可愛い子なんていくらでもいるし……」

 

「……あーなんか、すっごい既視感。というか親近感。りあむー! 今回の旅でもっと仲良くなろうねー!」

 

「いやあああぁぁぁ抱き着かないでぇぇぇメッチャいい匂いしゅりゅうぅぅぅおっぱい柔らかいぃぃぃ!?」

 

 

 

『りあむちゃんのやむポイント その7』

 所恵美に抱き着かれて色々と限界

 

 

 

「おい、こんなところで時間使っていいのかよ」

 

 まぁ待てって。大乳な美少女アイドル二人が胸を押し付けあって戯れてる姿という大変な取れ高をもうちょっと稼いでから……。

 

 

 

 

 

 え、えっと、恵美ちゃん、今回の旅でりあむちゃんと仲良くなろうと決意したみたいですね……色々と押しが強そうですが、りあむちゃんは大丈夫でしょうか……。

 

 まだまだ文字通り『朝飯前』な時間……どうやらこの旅は、本当に長くなりそうです……。

 

 

 




・恵美ちゃん視点
今回の旅では『カメラを持っているアイドル』の視点で進行していきます。
つまりりあむ一人称もあります。果たしてりあむ式着火プロセスを再現できるか……。

・おっぱいが大きいから大丈夫だよ!
元ネタであるところのかな子も(ry

・感謝祭ライブ
今回の番外編は、以前好評だった『感謝祭ライブ編』の外伝時空となっております。

・足柄SA
多分自分も実際に寄ったことあると思うんだけど、うろ覚え……。

・リアル凸案件
りょーいん患者の民度は基本的にいいので、ただのアンチです。



Q りあむ比較的に大人しいし、発言がマイルドじゃない?

A 憧れのアイドルに囲まれてるのでまだ借りてきた猫状態です。そのうち慣れてきて調子に乗って冬馬に睨まれて泣きます。

 今回の番外編は基本的に「作者が書きたいだけシリーズ」なので、長くなりそうです。ミリマス編の続きをお待ちの方には本当に申し訳ありませんが、今しばらくお付き合いください。

 あっ、ちなみに岐阜のバンジーは作者も飛んでくる予定です。出来るだけ年内に済ませておきたいですね。
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