アイドルの世界に転生したようです。   作:朝霞リョウマ

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今年は清楚な三人と共に!


番外編67 もし○○と恋仲だったら 新年

 

 

 

 それは、あり得るかもしれない可能性の話。

 

 

 

 新年あけまして。

 

 

 

「「「「おめでとうございます」」」」

 

 

 

 元日(いちがつついたち)、自宅マンションのリビングに敷かれたカーペットの上。俺は()()()()と膝を付き合わて正座をしながら、お互いに深々と頭を下げる。例え家族であっても新年の挨拶はキチンとしたい……というのが、真面目な嫁さんたちの総意だった。

 

「今年もよろしく。美優、風花、美波」

 

「こちらこそ……よろしくお願いします、良太郎君」

 

「はい、よろしくお願いしますね」

 

「お願いします、良太郎さん」

 

 それぞれ控えめな笑顔で挨拶を返してくれる美人なお嫁さんたちの姿に、なんというか凄い満足感で心が満たされる。

 

 一番は『ファンの笑顔のため』であることのは間違いないが、それでもアイドルやってて良かったぁと思わず天に感謝をしたくなるぐらいだ。あとはこの転生した世界に一夫多妻制という素晴らしい法律を導入してくれた時の総理大臣『杉崎鍵』にも。

 

「それじゃあ毎年恒例の……はい、三人にお年玉」

 

「……あの、良太郎さん、去年も言いましたけど私たちは夫婦なんですから……」

 

 三つのポチ袋を取り出して三人に差し出すと、美波は困ったような笑顔でやんわりと苦言を呈されてしまった。

 

「それに……私たちは、良太郎君よりも年上ですし……」

 

「二つの意味で受け取りづらいです……」

 

 さらに美優と風花も遠慮の構えを見せる始末。

 

「確かに夫婦だし年上かもしれないけど、アイドルの後輩でもあるんだから。気持ちだけだって」

 

「その気持ちだけの金額が大きすぎるんですよ……」

 

 睨むような目つきになった美波が「一体そのポチ袋の中に()()入れたんですか?」と尋ねられる。……うーん……十枚?

 

「えぇい! 四の五の言わずに受け取りなさい! さもなくば、胸の谷間に差し込むぞ!」

 

「やめてください……!?」

 

「その大きな胸の谷間に差し込まれたくなければ、早く受け取るがいい!」

 

「わざわざ大きなって形容詞を付ける必要あったんですか!?」

 

「寧ろ差し込みたいから受け取らなくてもいいぞ!」

 

「う、受け取ります!」

 

 結局三人は普通に俺の手からポチ袋を持って行ってしまった。チッ。

 

 そんなこんなで朝の挨拶を終え、朝食の準備にとりかかる。

 

「はい……それじゃあ、私はお雑煮を暖め直しますね……」

 

「美波ちゃん、お餅をお願いしていい? 私はおせちを用意しますから」

 

「はいっ、分かりました!」

 

 とは言ったものの、三人とも優秀過ぎて俺の仕事はテーブルを拭くことぐらいしか残っていなかった。キッチンの三人が楽しそうなので余計にちょっとだけ寂しく、構ってもらいたいからこちらから話しかける。

 

「そういえば今年は寅年だけど、虎といえば美優の『セクシーでかわいいどうぶつコスプレショー』だよな」

 

「「「っ!?」」」

 

 ……ん?

 

「……な、なにが『といえば』なんですか……!?」

 

 予想通りの美優のツッコミが返ってきたけど……何か今、変な間があったな? それに美優だけじゃなくて風花と美波の反応も気になるんだけど。

 

「結局直接見れなくて宣材写真見せてもらっただけだったし」

 

 『セクシーでかわいいどうぶつコスプレショー』とは346プロが度々企画する中々愉快なイベント。文字通りアイドルたちが動物のコスプレをするものなのだが、それが結構肌色の多いコスプレなのだ。特に美優が着たものはかなり際どい虎柄のセクシーな衣装だった。

 

「アイドルの仕事だから仕方がないとはいえ、それをファンには見せて夫には見せないのは酷いんじゃないか? 寧ろもっとセクシーな衣装でもいいんだぞ?」

 

「それは……えっと……」

 

「……良太郎さん、もしかして」

 

「嫉妬……してたりします?」

 

「……いやまぁ、そうだけど」

 

「「「……へ、へぇ~……」」」

 

 なんだろう、三人とも何故かそわそわしてる。

 

「え、もしかして見せてくれたりするの?」

 

「「「み、見せません!」」」

 

 ……美優はともかく、なんで風花と美波にまで怒鳴られたんだろか。

 

 やっぱり何処か落ち着かない様子の三人に首を傾げつつ、せっせと食卓の準備を進めるのだった。

 

 

 

 

 

 

 ――このとき、良太郎の嫁である三人の心の中は偶然にも一致していた。

 

 

 

(((……た、タイミングを逃した……!)))

 

 

 

 ――そう何を隠そうこの三人、実は服の下に……。

 

 ――美優が仕事で着たものよりももっと肌色の面積が広い……。

 

 

 

 ――虎柄のビキニを着ているのである!

 

 

 

 ――きっかけはただの気まぐれだった。

 

 ――ある者は『直接見せてあげることが出来なかった』から。

 

 ――ある者は『どうせ着るように要求されると思った』から。

 

 ――ある者は『新年だしサービスしてあげようと思った』から。

 

 ――そんな思いを胸に、三人は元旦早々から虎柄のビキニを身に付けたのだ。

 

 ――そしてお互いに同じことを考えているなんてことも微塵も考えていなかったのだ。

 

 

 

 ――あえてハッキリと言おう。

 

 

 

 ――なにやってんだコイツら、と。

 

 

 

 

 

 

「見たいな~美優の大胆な衣装が見たいな~仕事の写真じゃなくて、直接美優が虎柄ビキニ着てるところが見たいな~」

 

「も、もう……! 元旦から何を言ってるんですか……!」

 

 美優ならばもうちょっと押せば行けるんじゃないかと思って交渉を続けるのだが、頬を赤らめた美優に「えっちなことはいけません」と可愛らしく注意されてしまった。楓さんや瑞希さんといった他のアイドルたちから『美優ちゃんは流されやすい』と評価されていたはずなのに、随分とたくましくなったものである。

 

 はぁ……清楚な美優が大胆なビキニを着てるところが見たかった……。

 

 

 

 

 

 

 ――良太郎に清楚と称された美優。

 

 ――しかし、女性的な魅力に溢れる肉付きを隠すゆったりとした服の下に……。

 

 

 

 ――虎柄のビキニを着ているのである!

 

 

 

 

 

 

「あっ、もしかして風花が代わりに着てくれたりする?」

 

「き、着ません! お仕事だって嫌なのに、プライベートでそんなの絶対に着ません!」

 

 美優よりも大分素晴らしい大乳の風花にもお願いしてみたのだが、案の定断られてしまった。普段からセクシー系の仕事をこなしているのでそろそろ慣れた頃合いかと思ったのだが、全くそんなことは無かったようだ。

 

 ……プライベートだからこそ恥ずかしがる必要ないと思うんだけどなぁ……。

 

 

 

 

 

 

 ――真っ赤になりながら「私はもっと清楚な仕事がしたいのに……」と愚痴る風花。

 

 ――しかし、その豊満な胸元を隠しきることが出来ない服の下に……。

 

 

 

 ――虎柄のビキニを着ているのである!

 

 

 

 

 

 

「………………」

 

「……言っておきますけど、私だって着てあげませんからね?」

 

 頼む前からキッパリと断られてしまい「だよねー」とため息を吐く。我が家の中で一番のしっかり者が何を隠そうこの一番年下の美波なので、そうなることは予想出来ていた。

 

 美波もきっと仕事だったら着てくれると思うんだけどなー。

 

 

 

 

 

 

 ――三人の妻の中で一番のしっかり者と称された美波。

 

 ――その無意識に魅了を振りまく健康的でありつつ蠱惑的な肢体を隠す服の下に……。

 

 

 

 ――虎柄のビキニを着ているのである!

 

 

 

 

 

 

「あっ、そうだ! ならせめて服の上からビキニを着るっていうのはどうだろうか!」

 

「なにが『ならせめて』なんですか……!?」

 

 我ながら名案だと思う。美優たちは服を脱ぐ必要が無いし、俺は彼女たちの水着姿を見ることが出来る。これぞ両得!

 

「服を脱がないことは私たちにとってのプラスにはならないですからね!? 着る行為がマイナスなんですからね!?」

 

「重ね着することが何故マイナス!?」

 

「服の上から水着を着るなんて、マニアックすぎます! え、えっちです!」

 

 えっちなことなの!? ダメなの!?

 

 

 

 

 

 

 ――服の上から水着を着ることをえっちなこととして拒否した三人。

 

 ――しかし服の上から着るまでもなく、その服の下に……。

 

 

 

 ――虎柄のビキニを着ているのである!

 

 

 

 

 

 

「……仕方がない、今日の所は諦めることにするよ」

 

「「「えっ」」」

 

「一応ワンチャンをかけてお願いしてみたけどさ。やっぱりダメだったか……」

 

 非常に残念ではあるが、寅年は今日から一年続くわけだし、その間に一度ぐらい目にする機会があると信じている。俺は待てる男。

 

「……そ、そうですよね……」

 

「お、お正月から水着なんて着るわけないですよ」

 

「もう、良太郎さんったら」

 

 

 

 

 

 

 ――良太郎は三人の様子がおかしいことに気付かない。

 

 ――三人の妻はそれぞれ「それはない」と口にしつつも。

 

 ――内心では「引くのが早い!」「もうちょっと押して!」と懇願しているのだ。

 

 ――何故なら三人は既に、良太郎からお願いされるよりも早く、自主的に……。

 

 

 

 ――虎柄のビキニを着ているのである!

 

 

 

 

 

 

「おっ、準備出来た?」

 

「は、はい……」

 

「お待たせしました~」

 

「今持っていきますね」

 

 虎柄ビキニの話をしている内に、どうやら朝食の準備が終わっていたようだ。たった今俺が綺麗にした食卓の上に、彼女たちが昨日の晩から仕込んでくれたお雑煮やおせち料理が所狭しと並べられていく。

 

「おぉ……とても一般家庭の食卓とは思えないぐらいスゲェ豪華」

 

「私たち夫婦が一般家庭の範疇に収まるのかは別として……ふふっ、ありがとうございます……」

 

「良太郎君に喜んでもらいたくて、私たち頑張ったんですよ」

 

「私たちの愛情、しっかりと堪能してくださいね」

 

「……ぐすっ」

 

「「「泣いた……!?」」」

 

 いかん、美優も風花も美波も、スゲェ良い嫁さん過ぎて思わず涙が流れてしまった。

 

 自分のアイドルとしての仕事をこなしつつ、家庭では俺の仕事のサポートまで引き受けてくれているのだ。コレが良妻でなければなんだというのだ。

 

 俺には勿体ない……とは言わない。それは彼女たちの想いを無下にする言葉だ。

 

 だからその代わり、何度でもお礼を言おう。

 

「本当にありがとう、美優、風花、美波」

 

 

 

 

 

 

 ――良太郎からのお礼の言葉にさらに笑みを深め、甲斐甲斐しく彼の世話を焼く三人。

 

 ――お酌をし、料理を取り分け、望まれれば恥ずかしがりながらも『あーん』をする。

 

 ――そんな良妻の鑑のような美女三人は服の下に……。

 

 

 

 ――虎柄のビキニを着ているのである!

 

 

 

 ――しかも結構際どいビキニなのである!

 

 

 

 

 

 

「それじゃあコレを食べ終わったら初詣に行くか」

 

「「「えっ」」」

 

 

 

 

 

 

 ――この後、良太郎と三人の嫁は初詣へと出かけることになる。

 

 ――全員アイドルのため変装をしつつ、それなりに人の多い近所の神社へ。

 

 ――芸能人とはバレなかったものの、三人の美女を引き連れていれば注目を浴びる。

 

 

 

 ――そんな衆人観衆の視線を集める三人の美女は、その服の下に……。

 

 

 

 ――えっちな虎柄のビキニを着ているのである!!!

 

 

 

 

 

 

「………………」

 

「あっ、りょーくん起きた! あけましておめでとう! じゃーん! どうどう? ちょっとだけ恥ずかしいけど、りょーくん喜ぶと思ってちょっとだけ大胆な……」

 

「……なんだ、まだ夢か」

 

「……え?」

 

 どうやらまだ夢を見ているようなので、新年恒例の二度寝は夢の中で行うことにする。

 

 皆さん、今年もよろしくお願いします。

 

 

 

「えっ、ちょっ、りょーくん!?」

 

 

 




・周藤良太郎(22)
新年恒例一夫多妻時空の良太郎。
今回はしっかりと結婚している模様。
今回は三人のお嫁さんの性格的なこともあり亭主関白……と思いきや、実は今までの時空の中でも結構な尻の敷かれ具合だったりする。
良太郎は下からこられると弱い。

・三船美優(27)
良太郎のお嫁さんの甘やかし担当。
甘やかしと言いつつどちらかと流される感じ。

・豊川風花(24)
良太郎のお嫁さんの躾担当。
コラッと叱るけど結局流される。甘やかし担当と変わらんな?
ちなみに過激な仕事は良太郎に配慮したプロデューサーが若干減らしている模様。

・新田美波(21)
良太郎のお嫁さんのしっかり者担当。
結局流される他のお嫁さんを押し留める最後の良心。しかし結局(ry
他の二人から妹のように可愛がられるのが新鮮で嬉しいらしい。

・虎柄ビキニ
よく確認したら美優さんが着てた奴はそんなに過激じゃなかった。
なので今回三人が着てるのはもっとビキニ感が強い奴のイメージ。

・――虎柄のビキニを着ているのである!
なんて清楚な三人なんだ!()



 今年の新年記念の恋仲○○は美優・風花・美波の清楚な三人でお送りしました。

 今回のナレーション調の本文は、気付いた人は気付いたでしょうが、ツイッターにて有名になった『アフロ田中』シリーズの『誰も消防車を呼んでいないのである!』のネタをオマージュさせていただいております。このゴリ押し感が楽しい。

 ……本編での若干暗い空気がコレで少しは解消されたらいいなぁ……。

 次回からは本編に戻ります。良太郎には色々と頑張ってもらいます。



『どうでもいい小話』

 シンデレラ10thファイナル公演! なんと出演者オールシークレット!

 初日は予定が入っているそうですが、二日目に早見さんの出演を期待!
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