アイドルの世界に転生したようです。   作:朝霞リョウマ

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(こんなタイトルになってしまって本当に申し訳)ないです……。


Lesson315 765劇場大勝利!静香と未来へレディ・ゴー!

 

 

 

「なんだってこんなサブタイトルに……」

 

「作者自身が真面目な空気に耐えられなかったんじゃない?」

 

 そんな俺とともみの異次元な会話から始まる今回のお話の時系列は、クリスマスから一ヶ月ほど経過して123プロの新年ライブも終えた頃になっていた。

 

 年末年始の忙しさもようやく陰りを見せ始め、こうして東豪寺の本社ビルの一室でともみとのんびり会話出来るぐらいに時間の余裕が作れるようになった。もっとも諸事情でこっちにいたりんを迎えに来たついでの時間潰しをしてるだけなんだけど。

 

「クリスマスのゲリラライブイベントの話題も、リョウたちの新年ライブの話題であっという間に下火になっちゃったね」

 

「劇場の子たちには悪いけど、あんまり長いことあのイベントの話題が続くのは俺の心情的にもよろしくなかったから、二ヶ月ちょっと経たずに鎮火してくれてありがたいよ」

 

「人の噂も四十九日?」

 

「七十五日」

 

 ベタだなぁ……。

 

 

 

 りんとの徹夜でのウマ娘鑑賞会中に思い付いた『複数個所でのライブの同時中継』は、結局『静香ちゃんと未来ちゃんに楽しんでもらうこと』と『ニコちゃんへステージに上がる楽しさを知ってもらうこと』の二つを同時に達成するためだけに行ったイベントだ。

 

 未来ちゃんの劇場のステージと静香ちゃんの武道館のステージが偶然にも同時刻だったため実現した……ということは流石にない。これはプロデューサーさんやりっちゃんに協力してもらって開演時間とセトリを調整し、さらに未来ちゃんと翼ちゃんにもMCでの尺調整をしてもらったことで実現したことだ。流石にテレビの生放送中の静香ちゃんにそれをしてもらうわけにはいかないからな。

 

 それと『ゴールデンエイジ』側への説明は全て765側からしてもらった。番組プロデューサーがこういう大掛かりで話題性に溢れそうな演出を好んでくれたことが幸いして実現したが、どうやら裏で『周藤良太郎』が関わっていたことに気付いていそうな雰囲気だった。全国同時中継というかなり大掛かりなことになったため、流石に完璧な箝口令は無理だったみたいだ。

 

 その大掛かりな全国展開も、ウチの近所の商店街にだけステージを用意するのが不自然なのでそれを誤魔化すための作戦だ。木を隠すならうんたらかんたらというやつだ。

 

 映像とはいえ本物のアイドルと一緒のステージに立てるとなれば、間違いなくニコちゃんではなく()()()()()が食いつくと思っていた。あの遊園地のステージもそうだったから、きっと二人がニコちゃんの手を引いてステージへと引っ張り上げてくれると、そう考えたのだ。

 

「今更だけど、よくそれで成功したよね」

 

「自分でも全部ドンピシャにハマって驚いてる」

 

 こういうとき、普通何処かでハプニングが起こるものだと思っていたのだが、終わってみれば何事もなく全て予定通りだった。ここまで来ると逆に怖い。俺の与り知らぬところで別の致命的な何かをやらかしてしまったのではないかと不安になる。

 

「多分リョウも予想してなかったところへの余波だったらあったけどね」

 

「えっ、嘘」

 

「麗華」

 

「……麗華?」

 

 本当に予想していなかった名前が出てきて思わず首を傾げる。アイツが気にするようなことは何もしてないと思うんだけど。

 

「本当は麗華も()()()()()()()()()()()()()()()()()()をするつもりだったらしいんだけど、今回のコレで色々と時期を考えなきゃいけない羽目になったって」

 

「一ヶ月前に急に麗華から送られてきた文章無しの死神の絵文字はそれだったのか……」

 

 それは流石に俺の責任では……ない、よね? よね?

 

「ウチの子たちもそろそろ劇場での実戦経験も積み終わったし、そろそろ全国デビューしてもいいかなって考えてたタイミングだったし、余計にだったんだろうね」

 

「ウチの子……あぁ、アライズか」

 

「そう、最近全然描写されてなかったけどちょくちょく劇場に立たせてもらってちゃんとスクールアイドルとしての知名度を高めてた『A-RISE』だよ」

 

「あぁ、自由奔放なアイドルオタクなツバサちゃんとそんな彼女のツッコミ役に回る苦労人な英玲奈ちゃんと素晴らしい胸のあんじゅちゃんの三人組ユニット『A-RISE』だな」

 

 二人揃って忘れていなかったことをアピールする。いやホントに忘れてなかったから、ホントホントリョータローウソツカナイ。

 

 彼女たちの活躍により『スクールアイドル』という存在そのものの知名度が上がり始めている。といっても彼女たちは『スクールアイドル』というよりは殆ど『1054プロの新人アイドル』といった方が正しいのかもしれないが。

 

「どう? リョウも対抗してスクールアイドル育てたりしない?」

 

「さて、どうしようかね」

 

「なになにー? なんの話ー?」

 

 どうやら用事を終えたらしいりんが部屋に入って来た。髪を下ろしてお出かけオフモードになっている彼女の後ろには、逆に髪を結んで眼鏡をかけた裏方モードの麗華の姿もあった。

 

「リョウも新しい育成をしてみないかっていう話?」

 

「今度は誰の育成? アイネスフウジン?」

 

「ついにりんまでそっち側に行ってしまった……」

 

 徹夜での鑑賞会で見事にウマ娘にハマってしまったりんに、麗華は頭を抑えながらため息を吐いた。お前もこっちに来るといいさ……。

 

「よし、それじゃありんの用事も終わったんなら行くとするか」

 

「うん!」

 

 ソファーから立ち上がるなり、ムギュッと胸を密着させるように腕を組んでくるりん。うむ、顔面に飛んできさえしなければやはり素晴らしいものである。

 

「今日は何処行くの?」

 

「特に決めてない」

 

「今日はりょーくんとぶらぶらするデートなのー!」

 

 年末からずっとデート出来ていなかったから、今日は何かしようということを何も考えないのんびりとしたデートの予定だった。

 

「ブラつくのはいいけど、二人揃って身バレすんじゃないわよ」

 

「「大丈夫だって」」

 

 麗華の忠告を受けて、俺とりんは揃って眼鏡をかける。俺の眼鏡は普段から使っている奴だが、りんの眼鏡は久しぶりに346プロで魔法をかけてもらった特別製だ。まずバレることはないだろう。

 

「それじゃあ麗華お義母さん、娘さんをお預かりします」

 

「誰が母か」

 

「麗華お母さん、行ってきま~す!」

 

「りんまで乗っかるんじゃないわよ!」

 

「はは、ちち、ない」

 

「ともみゴラァ!?」

 

 突然ブチギレた麗華からの飛び火に巻き込まれる前に、俺とりんはスタコラサッサと本社ビルを後にするのだった。触らぬ神に祟りなし、私の好きな言葉です。

 

 

 

 

 

 

「はい静香ちゃん、あ~ん!」

 

「あ、あーん……!」

 

 私が口元にアイスを乗せたスプーンを近付けると、静香ちゃんは恥ずかしそうにしつつも素直に口を開けてくれた。

 

「えへへ、どう? 新作フレーバー? 美味しいでしょ?」

 

「そ、そうね……そ、それじゃあ私も、お返しを……」

 

 今度は反対に静香ちゃんがスプーンにアイスを乗せて私の口元へと差し出してくれた。

 

「あ、あーん……」

 

「あ~ん!」

 

 口を大きく開けて、ほんのり頬を赤く染めた静香ちゃんが食べさせてくれるアイスを……!

 

 

 

「見てくれ、りん……あれが俺の守りたかった世界なんだ……!」

 

「随分と背景がお花畑だね」

 

 

 

「ふえっ!?」

 

「あべちっ!?」

 

 食べようとしたら急に静香ちゃんがスプーンを引いてしまって、私は宙を思いっきり食べる羽目になった。

 

「もー静香ちゃんのイジワルー」

 

「そ、そんなこと言ってる場合じゃないのよ未来!」

 

「えー?」

 

 先ほどよりも顔を真っ赤にした静香ちゃんが指差す先に視線を向ける。

 

「あっ! リョーさん!」

 

「やぁ二人ともこんにちは」

 

 そこにいたのは、いつもの帽子を被ったリョーさんだった。

 

「ゴメンね、色々とお楽しみの所をお邪魔しちゃって」

 

「そそそそそんなお楽しみなんてことは全然全然ぜんぜん……!?」

 

「えへへ~。それより、もしかしてその人が噂の彼女さんですか!?」

 

 リョーさんの左腕には滅茶苦茶美人で胸の大きなお姉さんが、まるで抱き着くようにくっ付いていた。そうかーこの人がずっと前から美奈子さんたちが言ってたリョーさんの彼女さんなのかー。

 

「そう、リンって言うんだ」

 

「どーも初めまして、りょーくんの恋人のリンよ」

 

「初めましてー! 春日未来です! リョーさんには色々なことでお世話になっています!」

 

「うん、色々と知ってる」

 

 あれ、知られてた。リョーさんが話してたのかな?

 

「俺たちもデート中だったんだけど、入ろうとしてたカフェのテラス席で知り合いの女の子二人がアイスを食べさせあいながらイチャイチャしてたから、思わず感極まっちゃって……」

 

「いいいイチャイチャなんてしてません!」

 

 何故か目元の涙を拭う仕草をするリョーさんと、何故かさらに顔を真っ赤にして否定する静香ちゃん。

 

「えー? 私は静香ちゃんとイチャイチャしてたつもりだったんだけどなー?」

 

「え、えええぇぇぇ!? みみみ未来、貴女なにを言って……!?」

 

「仲良きことは良きことかな……」

 

「なんかアタシも見ててちょっと楽しくなってきた」

 

 

 

 始めは別の席へ行こうとしてたリョーさんとりんさんだったが、折角だから一緒にって誘ったら了承してくれた!

 

「ゴメンね静香ちゃん、お邪魔しちゃって」

 

「だから違いますって! ……そ、それに、私も改めてリョーさんとお話したかったんです」

 

「俺に?」

 

 このカフェおススメのパフェのアイスをスプーンで掬い取り、自然な動作でリンさんに食べさせながらリョーさんが首を傾げた。リンさんもリンさんで、見ているこっちがニヤケてしまいそうになるぐらいフニャフニャな蕩けきった笑顔でそれを食べている。幸せそう!

 

「未来から聞きました。去年からずっと、私たちのことを気にかけてくださっていたと。だからそのお礼を……」

 

「なんだ、そんなことか」

 

「そ、そんなことって……」

 

 アッサリとしたリョーさんの反応に、折角姿勢を正した静香ちゃんが肩透かしを食らっていた。

 

「結局俺は何も出来なかったから、そのお礼を受け取る資格はないよ」

 

「で、でも……」

 

「どうしてもって言うんなら……そうだな、また劇場にでも誘ってよ。静香ちゃんと未来ちゃんが出演する定期ライブ、楽しみにしてるから」

 

「……はい!」

 

 劇場に誘う……あっ、そうだ! イイコト思い付いた!

 

 

 

「リョーさん! 今から劇場に来ませんか!? リンさんも一緒に!」

 

 

 

「「「……え?」」」

 

 

 




・こんなサブタイトル
皆さん! いよいよお別れです!
……いやホントなんでこんなサブタイトルに?(作者)

・スクールアイドルの全国規模のイベント
多分劇中で二年後ぐらい。

・アイネスフウジン
天井しました()

・「はは、ちち、ない」
ほんけの はは の ちち ばるんばるん

・私の好きな言葉です。
シン・ウルトラマン面白かった……。

・未来×静香
おほー()



 歴代で一番不真面目なタイトルの最終話、はーじまーるよー!

 諸々の説明し損ねた部分を補足しつつ……皆さんが気になっているであろう(気になってるよね?)第八章の情報を出していきたいと思います。

 そんなわけでミリマス編クライマックスです。
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