アイドルの世界に転生したようです。   作:朝霞リョウマ

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ナンバリング400話突破!(尚主人公奔走中


Lesson400 激戦直前静止不可我突撃ス! 2

 

 

 

「さて突然始まりました、ブルーレイ購入特典記念企画『周藤良太郎を探せ』。実況はわたし、1054プロダクション所属の三条ともみがお送りします。解説にはこの方、佐久間流周藤良太郎学の第一人者である123プロダクション所属の佐久間まゆさんです」

 

「こんにちわぁ、佐久間まゆですよぉ」

 

「さらに今回はゲストの方もお呼びしています。なんと周藤良太郎がデビューする以前から親交のあるという、310プロダクション所属の高町なのはさんです。なのはさん今日はよろしくお願いします」

 

「よ、よろしくお願いしまーす……」

 

「……とまぁこんな感じで始めていくわけなんだけど」

 

「あ、普通に戻るんですね」

 

「疲れるし。てな感じで始まった突発企画なんだけど、内容は至ってシンプル。今画面に映っているのは会場の定点カメラなんだけど、ここに映る『周藤良太郎』を探すだけ。実に簡単」

 

「なんというか、流石良太郎さんって感じですね……まさか開演まで二時間を切ってるっていうのにこんなことをするなんて……」

 

「しかも他のスタッフを一切連れずに一人だけで吶喊してるからね。トラブルガン無視の馬鹿の企画」

 

「バカみたいに素晴らしい企画ですよねぇ!」

 

「まゆちゃんのりょーいん患者フィルターは今日も絶好調だね。一体世界がどんなふうに見えてるんだろ」

 

「毎日が輝いて見えますよぉ!」

 

「視力は良さそうだね」

 

「え、えっと、それで、良太郎さんを探すって話ですけど……これ本当に分かるんですか? 観客席全体が映るようになってますから、かなり引きの画になってますよ?」

 

「本人は『それとなく分かるように行動する』って言ってた。あと『絶対に画面内に映る場所にいる』とも言っていた」

 

「そうですねぇ、先ほどからチラチラとこちらのカメラに向かって手を振ってますし」

 

「「えっ」」

 

「え?」

 

「……まゆちゃん、もう見つけたの?」

 

「画面が映った時点で見つけてましたよぉ」

 

「映った時点で!? この広い会場の中!?」

 

「やば、この期に及んでまゆちゃんのレベルの高さを舐めてた……」

 

「お二人にも教えましょうか?」

 

「いや、折角だからわたしもリョウを探してみようかなって」

 

「私もちょっと面白そうなので」

 

「分かりましたぁ。画面の前の皆さんも、お二人と一緒に探してみてくださいねぇ」

 

「うーんこれは紛うことなき解説役」

 

「あと良太郎さんは現在進行形で移動中なので、頑張ってくださいねぇ」

 

「一気に難易度が跳ね上がったの……」

 

 

 

「それにしても、上から改めて見ると()()()()()()()()()()だよね」

 

「そうですねぇ、初めてステージを見たときはビックリしちゃいました」

 

「今回のライブのコンセプトを聞くと『確かにこれもありかな』って思いますけど、奇抜な形ですよね」

 

「ステージを見るファンのみんなが大変そう」

 

「そこは頑張ってもらいましょう! 私たちのファンはみんな強い人たちですよぉ!」

 

「にゃはは……あっ、見つけたかも」

 

「え、本当?」

 

「はい、多分あの人だと……いえ、絶対にあの人ですね。この会場内であれだけ堂々と荒ぶる鷹のポーズをしている人が良太郎さん以外にいたら逆に困ります」

 

「なにしてんのアイツ」

 

「いえなのはちゃん違いますよぉ、アレは荒ぶる鷹のポーズではありません」

 

「え?」

 

「掌が上を向いているでしょう? あれは二年前の公式チャンネルでの配信中に生まれた周藤良太郎による『天上を支える王者のポーズ』ですよぉ」

 

「そんなのあるんですか!?」

 

「ありますよぉ。リスナーからの『周藤良太郎の必殺ポーズを教えてください。なければ考えてみてください』というメールに対して、共演者である御手洗翔太さんと所恵美ちゃんの三人で真面目に考えたものなんですぅ」

 

「真面目に考えた結果があのポーズなんですか……!?」

 

「冗談のつもりだったのに本当に解説役が解説の仕事するとは思わないじゃん」

 

「というか、あんなポーズをしていたら良太郎さんだとバレちゃうんじゃ……」

 

「眼鏡をかけてしっかりと変装をした良太郎さんは『周藤良太郎』だとバレることがないという不思議な体質をお持ちなので、あれぐらいじゃ気付かれないんじゃないですかねぇ」

 

「いやだからといってアレは……」

 

「それにあのポーズはりょーいん患者の中では有名なものなので、おそらく周りの人たちからは『あぁ熱烈なりょーいん患者が昂ってるんだろうなぁ』ぐらいにしか思われていませんよぉ、きっと」

 

「あの奇行が許容されるっていうんだから、やっぱりファンもアイドルに似てちょっとアレなんだろうね」

 

「あ、また移動始めた」

 

「流石に一ヶ所に留まり続けるのは危険ですからねぇ」

 

「……あっ、見つけた」

 

「ついにともみさんも見つけましたか?」

 

「うん、今魔王エンジェル(わたしたち)がレッスンを見てあげてるスクールアイドル」

 

「良太郎さんではなく!? というか顔の判別付いたんですか!? この距離感で!?」

 

「いや顔じゃなくて髪の毛とか背格好とか。流石に教え子の姿は見間違えないよ」

 

「メインのお題以外のサブのお題を見つけるのも、探し物系の醍醐味ですもんねぇ」

 

「『興奮してソワソワする少女を真ん中にした三人組』」

 

「本当にそれっぽいお題……!」

 

「というかちょくちょく知り合いいそうだよね」

 

「皆さん変装をされているので分かりづらいですけど、それなりに知り合いらしき人を見かけますねぇ」

 

「……あ、お兄ちゃん見つけた」

 

「なのはちゃんも良太郎以外探してるじゃん」

 

「さ、探したわけじゃなくて見つけちゃっただけです!」

 

「……おや? どなたかに話しかけていますねぇ」

 

「え? 何処何処? 結局私まだ見つけれてないんだけど」

 

「あれ、あの人たちって……」

 

 

 

 

 

 

(なんでここにいるんだ!?)

 

「おかしなことを聞くなぁ響ちゃんは。逆に俺がここにいない方が問題だと思うよ」

 

会場(ここ)じゃなくて観客席(ここ)のことを言ってるの!)

 

 観客席を散策中、たまたま知り合いを見つけたので声を掛けたら小声で怒られた。

 

「ほらほら大声出しちゃダメだよ響ちゃん……お互いのために」

 

「うぐっ……!」

 

 口元に人差し指を立てると、髪を下ろして伊達眼鏡で変装した響ちゃんは悔しそうに口元を抑えた。

 

「何はともあれ、今日は()()()()来てくれてありがとうね」

 

「……別に、良太郎さんは春香たちのついでだぞ」

 

「私は、ちゃんと良太郎殿のライブを楽しみにしてきましたよ」

 

 唇を尖らせて拗ねた口調の響ちゃんに対し、今日もいつものように彼女とペアで行動している銀髪お姫様である貴音ちゃんはそんな嬉しいことを言ってくれた。

 

「えっ!? 貴音っ!?」

 

「ありがとね貴音ちゃん。座席の場所は覚えたし、ちゃんとファンサービスするから。ウインクと指ハートのどっちがいい?」

 

「遠慮しておきます」

 

 ニッコリと笑顔で断れた。貴音ちゃんにしては珍しい満面の笑みっていうところが地味にダメージが大きい。

 

「……それより、さっさと戻ったらどーなんだ?」

 

 響ちゃんは「どーせ抜け出してきたんでしょ」と言わんばかりのジト目である。

 

「いやいや、いくら俺でも無断で抜け出すなんて非常識なことしないよ。ちゃんと許可を貰うっていう良識のある行動をしてきたから」

 

「本当に良識のある人は本番一時間前にこんなところにいないんだよ。……って、えっ、許可貰ってきてるの?」

 

「良太郎殿、この期に及んで嘘はいけませんよ」

 

 最初の言葉で油断してたけど、今日の貴音ちゃん言葉の切れ味が良すぎる気がする。もしかして鉄の呼吸掴んでる?

 

 何はともあれこのままでは二人から嘘つきの脱走犯扱いなので企画説明。

 

「なるほど、定点カメラの映像から良太郎殿を探す企画なのですね」

 

「……いやだから本番直前の主演(メイン)が単身でやるこっちゃないぞ」

 

「スタッフ連れてたらバレる可能性高いじゃん」

 

「なんでバレる可能性とバレたときのリスクを天秤にかけて前者を取るかなぁ……」

 

 前者の方が魔力が多かったんだよ。

 

「……ちょっと待って、ってことは今自分たちも……!?」

 

「いやそれは企画関係なく映ってるから」

 

「注目度が違うだろぉ……!? 良太郎さんが見つかったら自動的に自分たちも見つかるってことじゃん……!」

 

「あ、カメラあっちあっち。はいピース」

 

「しないから!」

 

「ぴーす」

 

「貴音!?」

 

 結局観念した響ちゃんや貴音ちゃんと一緒に、天井近くの定点カメラに向かってピースをするのだった。

 

 

 

 

 

 

「……なぁ」

 

「どうした」

 

「さっきから後ろから聞こえてくる会話なんだけどさ」

 

「うん」

 

「……なんか会話の内容的に、三人ともアイドルなんじゃないかなって」

 

「まっさかー。開演一時間前だぜ? いるわけないじゃん」

 

「いやでも会話の内容的に周藤良太郎の可能性が……!」

 

「お前それはアレだよ、幻聴」

 

「幻聴」

 

「よくライブが終わった後に『ライブ中絶対に俺と目が合った!』とかいう記憶の捏造するやついるじゃん? それの類いだよ」

 

「マジか……今回のライブが楽しみ過ぎるあまり、俺はライブが始まる前から()()()()()()()()()()()()()()なんて都合のいい記憶を作り出してしまったのか……!」

 

「それだけお前が今回のライブに本気ってことだよ」

 

「そうか……そうだよな……確かに『周藤良太郎』の発言がことごとくリョーさんみたいだなぁとも思ったんだよ」

 

「あぁなるほど、身近な人物の声で『周藤良太郎』の会話を捏造しちまったんだな。あの人も今回は現地不参戦でいるはずないから、やっぱり幻聴だよ」

 

「すまんな、本番前に変なこと言った」

 

「気にすんな。そんなことより、今日のセトリ予想続けようぜ!」

 

「そうだな!」

 

 

 




・『周藤良太郎を探せ』
流石に堂々と出るわけにはいかないからスニーキングミッション。

・不思議なステージ構成
会場の形はちょっと変わってる。

・『天上を支える王者のポーズ』
天上と天井がかかっていたりする。

・『興奮してソワソワする少女を真ん中にした三人組』
現地来れて良かったねツバサちゃん!

・鉄の呼吸
鬼滅ではなくワンピ。

・前者の方が魔力が多かったんだよ。
りあむちゃん、炎上しろ。

・「さっきから後ろから聞こえてくる会話なんだけどさ」
一番の認識阻害は眼鏡じゃなくてギャグ時空そのもの。



 我ながら来月にはライブ本番が始まってるとは思えない空気感じゃな?



『どうでもいい小話』

 今週からついに学マススタートと言うことで、多分ゲームには手を出さないけど楽曲の方を抑えていこうかなと思い、MV全部視聴。



 ……世界で一番可愛いことねちゃんヤッター!!!
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