アイドルの世界に転生したようです。   作:朝霞リョウマ

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これが彼らのハイパーメガMAX!


Lesson419 Ace VS Joker 4

 

 

 

「へぇ、自分たちの高校の文化祭からオファーが来たんすか」

 

「そうなんすよ! 俺たちの学校でアイドルとして活動出来るなんて、ハイパーメガMAXにサイコーっす!」

 

「なるほど、それでこうやってビラ配りして宣伝してるってことなんすねぇ」

 

「もし良かったらヒナさんっちも来てくださいっす! テンションアゲアゲMAXにしてみせるっすよ!」

 

「い、いやぁ、自分にはそういう陽の気が溢れるイベントは、仕事はともかくプライベートではちょっと……」

 

「ヨウノキってのがよく分かんないっすけど、みんなの笑顔が溢れる文化祭にしてみせるっすよ!」

 

「あぁ……これが陽の下で生きる者の輝きなんすね……陰の中に生きる者には眩しすぎるっす……」

 

 

 

 一時ビラ配りを中断して高架下で比奈と四季が談笑中。属性的に相反する二人ではあるが、比奈も筋金入りの陰の者というわけではないので普通に会話は出来ている様子。いやまぁ流石に会話が出来なさ過ぎて身体がゲル状になるとかモザイク状になるとかそんなことあるわけないよな。

 

「というかお前たち語尾が同じだからややこしいな」

 

「いきなり何を言い出すんすか」

 

「そうっすよ」

 

「ほらもうどっちが喋ったのか分からなくなった! ただでさえ地の文少なめ会話文多めでお送りするスタイルなんだからその書き分けが出来るように気を付けてくれよ!」

 

「「今なんで怒られたんすか!?」」

 

 同時に喋る分には問題ないが、別々に喋った場合は雰囲気で感じ取ってほしい。

 

「それで、お前がビラ配りをしてる理由は分かったんだが……一応確認するんだけど事務所に許可取ったよな?」

 

 流石にいくら四季とはいえそれぐらいはやっているだろうとは思うのだが、他のメンバーが周りにいないということを理由に念のため聞いておく。

 

「………だ、大丈夫っす、流石にプロデューサーちゃんにはビラ配りするって伝えてあるっすよ。オレももうプロっすっからね!」

 

「プロならもうちょっと顔を隠す努力をしろ」

 

「眼鏡と帽子だけの申し訳程度の変装だけで素の自分を隠すことすらしない良太郎君にはそれを言う資格ないと思うっすよ」

 

 それでバレてないんだから、一体どこに問題があるというのだろうか。

 

「というかプロデューサーにはってことは、やっぱり他のメンバーは一緒じゃないんだな」

 

 いくらなんでも軽く見渡してみても姿が見えないぐらい広範囲に広がってビラ配りすることはないだろう。となると、このビラ配りはやはり四季一人で行っていたのだろう。

 

「……他のみんなと違って、今のオレに出来ることって多分これぐらいっすから」

 

「どういうことっすか? 他のメンバーは何か別のことしてるんすか?」

 

「……えっと」

 

 普段の様子とは違いなにやら歯切れの悪い四季の話をまとめると。

 

「つまり隼人が提案して文化祭ライブのための新曲を作ることになり」

 

「それを思わず学校の人間に話してしまった結果、隼人君へのプレッシャーが大きくなってしまい」

 

「旬がキレたと」

 

「若干途中がゴソッと飛ばされたような気がするっすけど……大体そんな感じっす」

 

 たはは……と苦笑する四季には、やはりいつもよりも元気がないように見える。ただこれはあくまでも当社比であり、恐らく元気を数値化した場合俺と比奈の元気を合わせたとしても四季の元気には恐らく敵わないだろう。多分今四季が元気な挨拶したら三千ぐらいのスコアが出るんじゃないかな。中間試験ならば余裕で合格だ。

 

「話を聞いてると……四季君は相当先輩たちのことが好きなんすねぇ」

 

「それは勿論っす! ハイパーメガMAX尊敬する先輩たちなんすから、大好きっす!」

 

 満面の笑みで応える四季に、比奈は顔を逸らしながら小さく「オフッ」と声を漏らした。

 

「……比奈先生って()()()()もイケる口でしたっけ」

 

「トキトバアイニヨル!」

 

 これは今年の冬も厚くなりそうだな……。

 

「オレ、先輩たちのステージに感動して、めちゃくちゃお願いしまくって『High×Joker』に入れてもらったっす。オレは『High×Joker』の一員であると同時に、『High×Joker』のファン筆頭でもあるんすから!」

 

 四季はニヘラと笑い、比奈は再び顔を背ける。先生無理せず俯いてた方がいいですよ。

 

「だからオレは、ハイパーメガMAXアゲアゲな新曲が出来るって信じてるっす! そしてオレはそんな新曲披露のステージをとにかく沢山の人に聞いてもらうために、こうしてビラ配りをして少しでも多くの人に呼び掛けてるんす!」

 

 四季から貰ったビラに視線を落とす。それは四季の手書きによるハイジョのメンバーが描かれたとてもシンプルなもので、徹夜で作成して今朝からずっと配っているらしい。……いやもう夕方なんだけど、どんだけ配ってるんだよコイツ。

 

「……お前は新曲が出来上がることを疑わないんだな」

 

「何言ってるんすかリョーさんっちは。オレは――」

 

 

 

 ――先輩たちのことを疑ったことなんて、一度も無いっすよ!

 

 

 

「……眩しいねぇ、ホント」

 

 合同ライブのアレコレとか、アイドル業界の未来とか、そういうことをゴチャゴチャ考えるようになってしまった俺にはない『白さ』に思わず目を瞑ってしまいそうになる。

 

(……こんなビラを配って大々的に宣伝することもプレッシャーになるんじゃ……とか考えたっすけど、言わない方が花っすかねぇ……)

 

 

 

「……だ、そうだぞ、旬。少しぐらい大目に見てやったらどうだ?」

 

「……別に、僕は何も言ってませんよ」

 

 

 

「「え?」」

 

 さっきから壁の影に隠れて出てくるタイミングを窺っていた旬に声をかけると、一応盗み聞きという形になってしまったことが気まずかったのか、少しだけ苦い顔で渋々と影から出てきた。

 

「じゅじゅじゅ、ジュンっち!? こここコレは、その……!」

 

「……これだけの量のビラを配るのであれば、せめてもう少し早く僕たちに声をかけて欲しかったですね」

 

「え?」

 

 突然現れた旬に動揺を隠せない四季だったが、旬は四季の足元の段ボールからビラを一束持ち上げた。

 

「僕も、配るの手伝いますよ」

 

「……じゅ、ジュンっち~!」

 

 まるで飼い主を見つけた犬のように、四季にパァッと笑顔の花が咲く。……比奈先生、メモを取るのは後にしませんか。

 

「と、とりあえず問題解決、ってことでいいんすかね」

 

「元々何の問題も無かったような気がするけどな」

 

 寧ろ俺たちはただビラ配りの邪魔をしていただけという説もある。

 

 ……いや、良いこと思い付いた。

 

「四季」

 

「はいっす! ……あ、リョーさんっちとヒナさんっち、話聞いてくれてありがとうございましたっす! 二人ももし時間があったら、ライブ聞きにきてくださいっす!」

 

「時間があったらな」

 

「私も時間があれば行かせてもらうっす」

 

 それはそうと、四季。

 

「『今のオレにはこれぐらいしか出来ることがない』……そう言ったな?」

 

「へ?」

 

 そうだな、確かに()()それぐらいしか出来ないだろうな。

 

「それじゃ……新曲が出来たら連絡しろ」

 

 ポンと四季の肩に手を置く。

 

 

 

 ――『High×Joker』のボーカルとして、ミッチリと仕上げてやるよ。

 

 

 

「……へ?」

 

 ちょうど先日トライエースの三人のレッスンの面倒も見たばっかりだし。他のメンバーは演奏しながら歌うんだから、歌に専念するお前はガッツリとそれ以上のレベルにならないとなぁ?

 

「あ、旬も新曲作りで行き詰まったら遠慮なく相談しろよ。こう見えて自分の楽曲製作にも一枚噛んでたりするんだからな」

 

「はい、そのときはよろしくお願いします」

 

「え、ちょっ、リョーさんっち、なんか肩に乗った手に力が入ってるんすけど……!?」

 

 

 

 

 

 

『『『『『We are JOKER!』』』』』

 

 

 

『『『『『誰一人!』』』』』

 

『『『『『迷子になんてさせない! 絶対!』』』』』

 

 

 

「……こうしてハイジョのボーカルである四季君は、かの『周藤良太郎』の元で過酷なレッスンを受けることとなり、文化祭のライブは大成功。披露された新曲『Sunset★Colors』でついに旬君が四季君を正式にメンバーだと公言したことでこのライブは伝説に……」

 

「周子、そろそろ落ち着きなさい」

 

「もうその話は何回も聞いたって……」

 

「周子ちゃんって『High×Joker』の話をするときだけ別人になるよね」

 

「まゆちゃんみたい」

 

 

 

『出し惜しみなんてしないさ! 全力で!』

 

『『『『『走って! 走って! 燃え尽きていい!』』』』』

 

『夢がオレたちを呼んでる限り!』

 

 

 

『『『『『サイコーのサウンドを!』』』』』

 

 

 

 

 

 

「……あれ? そういえば良太郎さん、何処だろう?」

 

「そういえばさっきからいないみたいデスね」

 

「もー! 私たちのステージちゃんと見ててねって言ったのにー! 見てなかったら承知しないの!」

 

「流石に見てはいるんじゃないデスかね……?」

 

 

 

 

 

 

「……は? 良太郎君と麗華さんの衣装がいきなり裂けた? 目の前で? 何もないのに? ……不吉ね、志保さん、恵美さん」

 

「留美さんやけに冷静ですけどそれは最早心霊現象ですよね!?」

 

「それ以前に深刻なトラブルですよね!?」

 

 

 




・身体がゲル状になるとかモザイク状になるとか
初めてアニメ観たときの衝撃。すげぇアニメだなって思った。

・「というかお前たち語尾が同じだからややこしいな」
比奈せんせー登板理由。

・元気な挨拶したら三千ぐらいのスコア
・中間試験ならば余裕で合格
最終ターンに「届いて!」とジャンプ出来ることをお祈りするゲーム。

・『High×Joker』のボーカルとして
アイドルコンテンツである以上仕方がないとはいえ、ボーカルとバンドメンバーで歌唱割合同じってのはどうなんだろう……と考えた結果、アイ転では四季の歌唱パート多めな構成になっております。

・『Sunset★Colors』
10話のエンディング。めっちゃいい曲なんだけど……何故だろう……爆破されるビルの映像が脳裏を過る……。

・「良太郎君と麗華さんの衣装がいきなり裂けた?」
多分会場の外にはカラスと黒猫が集まっていて、実家の良太郎のマグカップの取っ手が取れてる。



 アニメのハイジョ編いいよね……青春って感じでさ……っていう感じのハイジョ回でした。

 ……構想的にまだ合同ライブ三分の一ってマジ??? 合同ライブ編いつまで続くの???(無計画)
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