『周藤良太郎の謝罪行脚』
「もう! 心配したんですからね!」
「ごめんね、未来ちゃん」
「スタッフさんたちも凄く探してましたし、私も凄い探したんですよ! ゴミ箱の中とか!」
「確かにそこは前に兄貴から逃げるときに入ったけど、今回は使ってないよ」
「本当に利用経験あったんですね……」
「水に満たされたポリバケツを抱えて廊下に立たされたこともあるし、最早
「無機物の友人を否定はしませんけど、せめてもうちょっと、こう……何かありません……?」
「あー! リョーさんっちいたっす!」
「ホントだ! おーい! いたぞぉぉぉ! やつがいたぞぉぉぉ!」
「もう既に見つかった後の状況だからもうちょっと落ち着け」
「よかった……! 見つかった……!」
「そんな悠長なこと言ってる場合じゃないんですよ!」
「あれ、夏来と旬まで? 何をそんなに……」
「ああああああ良太郎ざあああん!!!」
「うわなんだ妖怪か?」
「言いぐさ」
「何処行ってたんですかぁ!? もうすぐ俺たちのステージなんですよぉ!?」
「あーそうだな、そういえばもうそんな時間か。タイムスケジュール完璧だなぁ」
「何を呑気なこと言ってるんすかぁ!? 俺、本当にもう不安で不安で……マジでもう終わったって思って……!」
「鼻水衣装に付けないようにな」
「言いぐさ」
「それに関しては本当に悪かったな。安心しろ、その代わりステージの成功は保証してやるから。『周藤良太郎』の完璧なパフォーマンスをすぐ隣で見せてやるよ」
「それはそれで俺との差が浮き彫りになりすぎるので少し手加減してください……!」
「面倒くさいなコイツ」
「言いぐさ」
「まゆちゃん、お疲れ。ステージ良かったよ。改めて、さっきは心配かけちゃったみたいでごめんね」」
「良太郎さぁん……まゆは……まゆはぁ……!」
「うわ!? どうしたの!?」
「まゆさん、『良太郎さんの居場所がわかりません』って言って本番直前までずっとグズグズしてたんですよ」
「無事にステージが終わったから緊張の糸が切れちゃったかぁ……」
「でも目元を腫らさないように泣くのを我慢してたのがとても偉いので、目一杯褒めてあげてください!」
「本当はまだ出番残ってるので泣かない方がいいとは思いますが、今のまゆさんにそれは無理だと思うので程度にガス抜きお願いします」
「良太郎さん……!」
「……本当に心配してくれてありがとう、まゆちゃん」
「ヒャッ」
「あーそれはダメです! 抱きしめるのはやりすぎです!」
「使い物にならなくしろとは言ってません!」
「加減がむつかしいなぁ……」
『強火オタクの反応』
「いやホントかっこいいんよ隼人君見てあの楽しそうな笑顔いつもカッコかわいい笑顔なのは当然なんだけど今回に限ってはちょっと違うんよあの『周藤良太郎』と肩を並べてステージに立ってるんよあたしには分かるんだけどアレ内心ではめっちゃ緊張してるんよ始まった直後は緊張丸分かりだけど一番が終わったぐらいからそんなこと忘れてんの後ろをチラッと振り返ってみんながいてくれることに安心してんのその辺のメンバーの絆もめっちゃエモくないあぁ四季君がいないのだけが本当に残念!」
「分かります分かります良太郎さんもいつもと違うんですよ何が違うってもう全部です全部良太郎さんが誰かと一緒のステージに立つことなんて殆どないんですよ今年の夏に行われたシャイニーフェスタでジュピターの三人とバンドを組んだときぐらいしか誰かとステージに立たないんですよそのときの良太郎さんの素晴らしさはまた後ほど語るとして今回の良太郎さんを語るべきところは間違いなく『見守る眼』なんですよあれは隼人さんだけじゃなくて他のメンバーの飛躍や成長を一歩下がったところから見守る眼なんですよ良太郎さんの表情なんていつも同じで何も変わらないだろとかいう人もいますけど全然違うんですよ偉い人にはそれが分からないんですよ!」
「目が覚めたと思ったらコレよ。恵美、アレ止められない?」
「美嘉が周子ちゃんの方を止めてくれるのであれば頑張ってもいいよ」
「事務所では普段から一人でもハッスルしてますけど、同じノリの強火オタクとかけあわせるとこんなことになるんですね……」
「……………」
「橘さん、今の二人の会話にメモする要素は一切ないと思いますよ」
「……?」
「いやそんな『どうしてですか?』って純粋な目で見られても……」
『厄介オタクの反応』
「……………」
「りあむさん、さっきからスマホに向かって何してるんだろう」
「さっきちょっとだけ覗き込んでみたけど、どうやら『お気持ち表明』をメモしまくってるみたいデスね」
「お、おきもちひょうめい?」
「要するにオタクの感想。直ぐにSNSに投稿しないだけの配慮は出来てるみたいだけど……あとでまたPサンが色々と大変なんだろうなぁ」
「とりあえず今大人しくしてくれているのであればいいと思うな」
「あかりちゃんも段々言葉の毒が強くなってきたなぁ……」
「……ということは」
「……………」
「向こうでウチのみのりさんがスマホをポチポチしてるのも同じ理由なんだろうなぁ」
「似たものドーシってやつだね?」
「「聞き捨てならない」」
「うわビックリした」
「いくらピエール君とはいえ、みのりさんと一緒にされちゃあ困るね! ぼくの方が色々と上だから!」
「はっはっは、りあむちゃんも戯言は夢の中だけにした方がいいって何度もリョー君に怒られていることを忘れちゃったのかな?」
「笑顔のまま罵りあってるんご……」
「煩くなるならせめて向こうのまゆさんと周子さんぐらい仲良くして欲しいんデスけど」
「「表出ろ!」」
「出ないでください」
『いっぱい食べるキミが好き』
「……いやまぁ、確かにライブ開演中もケータリングを食べれるようにしたのは、殆ど君たち二人のため、みたいなところはあるけどさぁ」
「あ、お疲れ様です、良太郎さん」
「お疲れ様です!」
「お疲れ様です、翼さん、未来ちゃん」
「良太郎さんもご飯ですか!?」
「うん、ちょっと心労的な意味で色々あって小腹が空いてね、少しだけエネルギー補給しておこうかなって思ったんだけど」
「このお弁当美味しいですよ!」
「こっちもおススメです!」
「ありがとう、なんかもう二人の食事風景を見ているだけでお腹一杯になった気分」
「ふっふっふ~……実は私と翼さん、知り合いなんですよ! 何処で知り合ったと思います!?」
「佐竹飯店でしょ。翼さんに教えてあげたの俺だもん」
「え!? そうだったんですか!?」
「いやぁ、凄い食べる女の子がいるなぁって思ったら、765プロのアイドルだって言うんだから驚いちゃったよね」
「私もです! しかもこうして一緒に合同ライブに出演してるんですから、凄い偶然ですよ!」
「会話しながらも手が止まらないところがすげぇなぁ……」
「いつか二人で食レポの番組とか出てみたいねぇ」
「どちらかというとデカ盛りチャレンジ系の方が向いてると思うなぁ……」
「そのときは良太郎さんも是非!」
「俺の代わりにりあむちゃんを推薦しておくね」
『後方腕組み同期面』
「……………」
「りん、見て見て麗華と律子。鬼の目にも涙」
「「ぶっ飛ばすわよ」」
「泣いてることは事実じゃん」
「「鬼の方に怒ってんのよ!」」
「まぁ気持ちは分からないでもないわよ。あの美琴が、あんな大舞台で歌って踊ってるんだから」
「……ホント、ここまで長かったわね」
「ふんっ、スタートラインに立つのが遅すぎるのよ。私たちの同期を名乗るのであれば、あの程度のパフォーマンスで満足してもらっちゃ困るわね」
「多分美琴は同期を名乗ることはしないと思う」
「というか麗華、それ本人に直接言っちゃダメよ」
「あの子、その言葉を真に受けてまたレッスン室に引き籠るわよ」
「……そう言えばそうだったわね」
「自分のパフォーマンスに納得がいかないと外に出てこないタイプの天照大神」
「厄介すぎるわねそれ」
「寧ろ今回よく出てきたわね」
「その辺りのケアは事務所に任せましょう」
『後方腕組み友人面?』
「やっぱり凄いなぁ、冬馬さん」
「……はるるんの反応はそれでいいの?」
「え? 何が?」
「いや、もっとこう……」
「真美、今は千早さんがいなくてツッコミ不足だからやめといた方がいいって思うな」
「確かに」
「?」
『忘れ物はなんですか?』
「「涼さん!」」
「愛ちゃん! 絵理ちゃん!」
「「「いえーい!」」」
「ステージ大成功でしたね!」
「咲ちゃんと二人でカッコ可愛かったですよ?」
「それを言うんなら、二人も可愛かったよ!」
「これで残すは……あれ?」
「ん? 愛ちゃん、どうしたの?」
「いえ、その……何かを忘れてるような気がするんですよね」
「え、もしかして進行飛んだ?」
「それとも次のステージの振り付け?」
「そういうのじゃなくて、なんというか、その……『誰か』に『何か』を言わなくちゃいけなかったような、そんな気がするんです」
「……あれ、言われてみれば私もそんな気がしてきた?」
「僕もそんな気がしてきた……なんだ……?」
「「「……あっ!?」」」
バンッ
突然、会場の照明が消えた。
・MAVダチ
「あれ、ジークアクスってまだ公開してるんだっけ?」
「まだ放映すらされてねぇんだよなぁ……」
・翼&未来
シアターとシアターではなく315とシアターの方の二人。
お姫ちんも入れて三人でいっぱいお食べ……。
・『忘れ物はなんですか?』
勝手に出てくるタイプの忘れ物。
ここからが本番だ。
『どうでもいい小話』
今日Xの調子がおかしいからこちらで一応伝えておきますが、Blue skyのアカウントもありますのでもし何かありましたらこちらへ移行します。もしよろしければご登録などしていただければ幸いです。