「……………」
「……随分とリアクションが小さいですわね?」
「またさっきみたいに大騒ぎすると思ってましたけど」
ニコと二人で隣の亜利沙の顔を覗き込むが、私たちの予想とは裏腹に亜利沙はとても冷静だった。『周藤良太郎』を打倒するという非常に
一瞬、また感情が高ぶりすぎた結果テンションが一周回っておかしくなってしまったのかとも思ったが……どうやら違うようだ。
……亜利沙は、目尻に静かに微笑んでいた。
「なんか亜利沙だけ落ち着いてるみたいに言ってますけど……千鶴さんだって、そうじゃないですか?」
「……えぇ、そうですわね」
そう、私も同じ。……きっと、この会場にいる……いや、このライブを配信で観ているであろう
きっとここが、この瞬間が。
新たな時代の幕開けなんだと。
『私は一足先に戻るわね。文句があるなら直接私のところに言いに来なさい』
『いつでも待っててあげるからね、ダーリン』
「……だって」
「あーあーあー」
「意地でも玲音さんからのメッセージを受け取るつもりはないんですね……」
折角破り捨てたのに愛ちゃんの善意によってヤツからの手紙が修復されてしまった。こんなことならばもっと念入りに破ればよかった。
「ここで手紙を無視したとしても、あの子のことだからまたそのうち顔を出しに来ると思うわよ?」
「そうなったらアタシが追い返すから安心してね、りょーくん」
「あ、嫁が来たわね」
恐ろしいことを言う舞さんだったが、すぅっと現れたりんが笑顔でそんな頼もしいことを言ってくれた。ありがたいんだけど、そのツインテールが浮いてゆらゆら揺れてるのはどういう原理?
「ともあれ、これでアンタたちが最初に描いた構成通りにライブは終わりそうね」
そう言いながら、舞さんはトンッと拳で俺の肩を突いた。
「どう? アンタの
「……その答えを、今からステージで見つけるんですよ」
俺と麗華と兄貴たち全員で考え抜いた選抜メンバー『D@VID』のステージが終わり、いよいよこの八事務所合同ライブもラストスパートだ。
チラリと振り返ると、そこには出演アイドル全員が勢揃いしていた。……いやタイミング的には『いよいよだ!』という意気込みで集まってもおかしくない場面なんだけど、多分全員『なんでこの人がここに……?』という感じで舞さんに釣られて集まってきたんだと思う。全員怪訝そうな顔してるもん。
「……ラストスパート! ライブも終盤だ! 全員気合い入れて行くぞ!」
赤組と白組の戦い。鎬を削る両者の争いは、新たな敵の登場によって終わりを迎えた。
両者は手を取り合い、力を合わせ、そして強大な敵を打ち破った。
「さぁ! 大団円のお祭りメドレーだ!」
Yes! Party Time!!
伊勢谷 四季/若里 春名/榊 夏来/秋山 隼人/冬美 旬
柏木 翼/舞田 類/御手洗 翔太/蒼井 悠介/水島 咲
所 恵美/伊吹 翼/最上 静香/島原 エレナ/双海 真美
『『『揺らせ! 激しく!』』』
HeartBeat!
『『『君の!』』』
Emotion!
『『『曝け出せたら無敵だね!』』』
渋谷凛のレビュー
「お祭りメドレーの一曲目に346プロのYPTが選ばれたことが光栄だよね。しかもハイジョのメンバーによる生演奏付きだし……下手すると、今まで私たちが歌ったやつよりも一番盛り上がったんじゃないかな? おかげでいつも『YPTは喉が死ぬ』っていうファンのみんなの言葉の意味を改めて噛みしめることが出来たよ」
周藤良太郎のコメント
「やっぱり派手に行きたいよねってことでこの選曲をさせてもらったけど、やっぱり血沸き肉躍るよね。思わず裏でUO折っちゃった」
Growing Smiles!
朝比奈 りん/星井 美希/白石 紬/橘 ありす
八神 はやて/宮本 フレデリカ/塩見 周子
『『『Drive!』』』
Hey!
『『『始めていこうぜ!』』』
『『『Dream!』』』
Hey!
『『終わらないストーリーを!』』』
『『『待っていてくれる 瞳に届けよう!』』』
高町恭也のレビュー
「二曲目ではあるがここで『自分たちの所属する事務所以外の曲を歌う』というルールに気付けた。315プロの男性アイドルの曲ではあるが、心に秘めた熱い感情は男女関係ないということを改めて気付かされた。……個人的には朝比奈と星井さんが二人並んだ瞬間に殺気のようなものを感じたが、まぁ気のせいだろう」
周藤良太郎のコメント
「うん気のせい気のせい」
PHANTOM MINDS
桜庭 薫/伊集院 北斗/鷹定 恭二
北沢 志保/桜守 歌織/最上 静香
『『『蒼く澄んだ瞳に浮かぶ 名前もない星空に』』』
『『『僕だけが知ってる
三峰結華のレビュー
「いやぁ相変わらず310プロの子の曲は歌詞が独特だよねぇ。選抜メンバーも歌唱力特化でアダルティな感じに仕上げてきねぇ……うーんいいよぉいいよぉ、特に全員何かほの暗い何かを抱えていそうな雰囲気が尚いいよね。……え、ないよね? 本当にそういう過去があるメンバー揃えてるわけじゃないよね?」
周藤良太郎のコメント
「ない……はずなんだけど、六分の四がなぁ……」
Do the Idol!!〜断崖絶壁チュパカブラ〜
周藤 良太郎/渡辺 みのり/碇 道夫
夢見 りあむ/三条 ともみ/水谷 絵理/一ノ瀬 志希/フェイト・テスタロッサ
『俺たちは!』
『『『チュパカブラでーす!』』』
『今から崖を登りま~す!』
?????
二階堂千鶴のレビュー
「……いやもう本当になんと言っていいのやら……ウチの事務所が本当に申し訳ありません、という他なく……。特に悪乗りするアイドルと生真面目にどんな曲でも歌うアイドルの中に、一人放り込まれてしまったフェイトさんの顔を真っ赤にしつつもやけくそに歌って踊る姿は大変可愛らしくも不憫で仕方がありませんわ……あと何故か『りょーくんを巻き込んだな! 法廷で会おう!』と言いがかりを付けられているりあむさんも……」
周藤良太郎のコメント
「コレめちゃくちゃ楽しかった。次はりあむちゃんのオタヘンとか歌いたいなぁ」
MOON FORCE
佐久間 まゆ/城ヶ崎 美嘉/砂塚 あきら
天ヶ瀬 冬馬/山下 次郎/蒼井 享介/秋月 涼
『『『Moonlit 月灯りに照らされて』』』
『『『満点の星が隠れるぐらいに輝いて』』』
『『『けれど君の眼を焼くほど強く輝くことは出来なくて』』』
月村忍のレビュー
「さっきまでの混沌が中和出来たかと言われれば、正直微妙なラインであるんだけど……それでも、あの『魔王エンジェル』の曲を他のアイドルが歌うっていう歴史的な場面なだけに、全員聞きいっちゃったわよ。私好きなのよねぇこの曲。私も月の光っていうのが大好きで。別に月村だからってわけじゃないのよ?」
周藤良太郎のコメント
「なんでお前は未だに吸血鬼だっていう冗談を引き摺ってるんだよ」
天上天下!123独占!
東豪寺 麗華/天海 春香/天道 輝
高町 なのは/日高 愛/緋田 美琴/辻野 あかり
『『『天上天下!天下無双!天下統一!』』』
『『『見ろよこれが俺たちの国だ!』』』
『『『天辺獲りたきゃかかってきな!』』』
松田亜利沙のレビュー
「いいんですか語っていいんですか語りますよえぇ存分に語りますともこの曲はあの123プロがあの123プロダクションが初の全体曲として発表した曲でしてコンセプトは社長である周藤幸太郎さんが事務所設立時に掲げた『周藤良太郎を超えて業界の123全てを独占する』という理念の元に作られたわけですこれは『打倒周藤良太郎』でありつつ実は『全てのアイドルに喧嘩を売る』という何とも豪胆な曲になっているわけです実際『Jupiter』や『Peach Fizz』といった業界でもトップレベルのアイドルを次々に排出していることからこれが大言壮語などではないことは決定的に明らかなわけでして更にそんな曲を披露するのが各事務所の錚々とあるメンバーなわけですえぇ亜利沙の目は誤魔化せませんよ特に亜利沙が注目しているアイドルちゃんはなんといっても――!」
周藤良太郎のコメント
「ごめん、流石にカット」
・「アンタの悲願」
この小説のメインテーマ。
・Yes! Party Time!!
シンデレラガールズからの楽曲。
開幕YPTだぁぁぁ!(会場に響く一斉にUOを折る音
・Growing Smiles!
サイドエムからの楽曲。
俺の心は未だにMOIW2023に囚われている……。
・PHANTOM MINDS
今回も水樹奈々氏の楽曲を310プロの楽曲として採用。
ついに始まりましたね、なのは新作!
・Do the Idol!!〜断崖絶壁チュパカブラ〜
ミリオンライブからの楽曲。
嘘じゃない!俺は本当に見たんだ!SSAを破壊するチュパカブラの群れを!
(訳:ハッチポッチ2楽しかったですね)
・MOON FORCE
『魔王エンジェル』のオリジナル楽曲。
元ネタは威力95のフェアリータイプ。
・天上天下!123独占!
123プロのオリジナル楽曲。
感謝祭ライブ編の外伝の最後の掛け声を楽曲に。
最終ブロックのお祭りパート! 全員声が嗄れるまで叫べ!
ここをしっかりと描写しろよとか言われそうですが、ここ全部書くとあと半年以上かかりそうで……。
次回、八事務所合同ライブ、閉幕。