アイドルの世界に転生したようです。   作:朝霞リョウマ

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今年最後の更新は忘年会!


番外編98 八事務所合同ライブ打ち上げ&忘年会!

 

 

 

「配信をご覧のみなさーん、こんばんわー」

 

 ――始まった!

 ――こんばんわー!

 ――音遠くない?

 

「ん? そんなことないっしょ?」

 

 ――うわあああぁぁぁ!

 ――ガチ恋距離助かる

 ――リョーくんが近いぃぃぃ!

 

「にしても、本当にわざわざ二次会までやるとはな」

「んなこと言って、冬馬だって楽しみにしてたくせに」

「はぁ!? んなわけねぇだろ!」

「はいはいツンデレツンデレ」

 

 ――とーまくんも来たぁ!

 ――ツンデレ助かる

 ――ホンマに助かってるか?

 

「残念ながら需要があるんだもんなぁ」

「間違ってんだよ、何もかもが」

 

 ――今北! まだ始まってない?

 ――まだ茶番

 ――今リョーくんととーまくんのオープニングトーク

 

「みんな準備出来たみたいだし、始めようぜ」

「ちんたらしてたら日付が変わるからな。準備いいかー!?」

『おー!』

 

 

 

 

 

 

 というわけで。

 

「八事務所合同ライブ打ち上げ二次会&忘年会! カンパーイ!」

 

『カンパーイ!』

 

 ――カンパーイ!

 ――乾杯!

 ――乾杯だぁぁぁ!

 

 俺の音頭に合わせてこの場に集まった全員が手にしたグラスを掲げ、コメント欄も乾杯コメントで溢れかえった。

 

 今日は先日行われた八事務所合同ライブの打ち上げの()()()で、未成年参加厳禁で飲酒解禁。さらに年末ということで忘年会も兼ねていて、ついでにその様子を配信するというおまけ付きである。

 

「恵美ちゃんを筆頭に未成年組から猛抗議を受けたけど、流石に……ねぇ?」

 

 ――アイドルはその辺しっかりしないとな

 ――恵美ちゃんは一年早かっただけに悔しかっただろうな

 ――これ何処でやってんの?

 

「ここ? うちの事務所の大会議室」

 

 ――123プロ!?

 ――広っ!?

 ――十人に満たないアイドルの事務所の規模じゃなさすぎる

 

 今回参加しているアイドルは二十人強。下手な飲食店を利用するより人目を気にする必要がないという理由での採用である。お酒や食事はスタッフさんたちが大量に用意してくれた。

 

「それじゃあ俺がカメラを持って色々なアイドルのところに話をしに行くから、みんな俺に感謝しつつアイドルたちとの疑似忘年会を楽しんでくれ」

 

 ――サンキュー良太郎

 ――いやそれだと画面に貴方が映らないのでは?

 ――おいお前も画面に映るんだよ

 

「安心しろ。こうやってたまに画面に映ってやるから」

 

 ――うわあああ急にアップで映るな!?

 ――佐久間まゆ:本当に助かります

 ――まゆちゃんも見てます

 

 

 

 

 

 

「春香ちゃん、美琴、ともみ、お疲れー」

「あっ、お疲れ様です」

「お疲れ」

「カメラマンご苦労」

 

 ――春香ちゃんだ!

 ――美琴さん美しい……

 ――ともみちゃん今日もナイス無表情

 ――いや凄い組み合わせだな

 

 ビールが注がれたグラスを三人と軽く合わせる。ともみもグラスのビールだが、春香ちゃんと美琴は缶チューハイだった。

 

「そうか、春香ちゃんももうお酒が飲める歳になったんだよなぁ……」

「も、もー、良太郎さん、それ去年から言ってますよ」

「でもリョウの言いたいことも分かる。なんとなくそんなイメージだから」

「ともみさんまで……」

 

 ――二人の言いたいこと、凄い分かる

 ――あの天海春香ちゃんがお酒を飲む歳になったんだな……

 ――俺たちも歳をとったんだなって

 

 春香ちゃんは恥ずかしそうに唇を尖らせる。肩に届くまで伸ばされた髪は確かに大人っぽくなった感じはあるのだが、それでもリボンがどうしても幼さを感じさせるのだ。

 

「あとついでに美琴もお酒を飲むイメージがないな」

「プライベートで飲んだことないからね」

「飲むときはわたしたちが一緒だもんね」

 

 ――表情乏しい系美女が二人……!

 ――来るぞ冬馬!

 ――冬馬は来るな

 

 ともみが美琴とくっ付いたことでコメント欄も大盛り上がりである。

 

 そんな中、三人の近くのテーブルに誰かがここにいた痕跡を見つけた。

 

「あれ、グラスもう一個あるけど誰かいた?」

「歌織さんも一緒だったんですけど、お家に電話してくるそうです」

 

 酔いどれお姉さんの姿を視聴者の皆様にお届けしたかったが残念である。次のテーブルのグループに向かうことにしよう。

 

 

 

 

 

 

「お疲れ様でーす」

「ん、お疲れ、すどうさん」

「Good evening! ミスターりょー!」

「お疲れ様、リョーさん」

「アッ、オツカレサマデス」

 

 続いて俺が目を付けたのは、次郎さんと類さんとみのりさんとりあむちゃんの四人だった。いやなんだこの組み合わせ。

 

 ――謎すぎる組み合わせ

 ――とりあえず夢見は燃える

 ――またか夢見

 

「誰が歌って踊れる固形燃料じゃぁぁぁい!?」

 

 ――何も言ってないぞ夢見ぃ!

 ――勝手に発火する固形燃料とかもはやテロだぞ夢見ぃ!

 ――アルコール飲んでる場合じゃないぞ夢見ぃ!

 

「それで、四人で何を話してたんですか?」

「いやぁね、わたなべさんとゆめみが、まつだの知り合いだって聞いてね」

「二人に俺たちとミズありさのgood old days(おもいでばなし)を聞かせてあげてたんだ!」

 

 ――そういえばプライベートで仲がいいんだっけ

 ――なにそれききたい

 ――松田亜利沙:変なこと話さないでくださいよ!?

 

「おっ、コメント欄に亜利沙ちゃん」

「だいじょーぶだいじょーぶ、授業中に寝惚けて『貴方は私の太陽ですぅ』って寝言を口にしたことはまだ言ってないから」

 

 ――松田亜利沙:今言いましたあああぁぁぁ!

 ――可愛いことしてるじゃねぇかよ松田ぁ!

 ――それはそうと授業中に寝るなよ松田ぁ!

 

「いやぁ亜利沙ちゃんの可愛いエピソードだけでお酒が進むよね」

 

 楽しそうにウイスキーのグラスを傾けるみのりさん。過去のエピソード的な話をするとみのりさんの方が相当アレだとは思うけど……流石にここで暴露するには色々とマズすぎるか。

 

「ところで道夫さんは? なんとなく道夫さんからの方が面白そうなエピソード聞けそうな気がしたんですけど」

「WCに行ったよー」

「アイドルはトイレなんて行かない!」

「さてはりあむちゃんもう酔ってるな?」

 

 どうしてストロング系の缶チューハイとか買ってきたんだよスタッフ。

 

 

 

 

 

 

「お疲れ様ー」

「あっ、良太郎さんお疲れ様でーす!」

「こんばんは、良太郎先輩」

「おっす良太郎君、お疲れ」

「……お疲れ様」

 

 美嘉ちゃんと奏、輝さんと薫さんの四人。再び謎すぎる組み合わせのグループだった。

 

 ――さっき以上に謎の組み合わせ

 ――共通点を見つけるゲームみたいになってる

 ――今度こそ共通点ないだろ

 

「まー確かに共通点って言われるようなものはないけどー」

「私たちが薫さんと話がしてみたかったのよ」

「……まさか医学部を受験する企画が上がってるとか」

「そんなわけないじゃ~ん」

「どうでしょう美城常務」

 

 ――確かにギャルが大学受験する企画って結構ポピュラーというか

 ――流石にキツいでしょ

 ――美城プロダクション公式:検討しよう

 

「おいコレ公式アカウントだけど絶対中の人美城さんだぞ」

「嘘でしょ!? 本当にやらないですよね!? ……やらないよね!?」

「俺は応援するぜ、美嘉ちゃん!」

「まず止めてください!」

 

 話が大分逸れてしまったが、どうやらきっかけは『蘭子ちゃん』らしい。

 

「蘭子ちゃん、事務所の中で結構色々な人に話してるんですよ。薫さんと色々なアフレコ現場で一緒になるって」

「蘭子ちゃんも最近は声優の仕事に力を入れているみたいだし」

「で、俺はその話が面白そうだったから交ぜてもらってるんだよ」

「なるほど、そっち繋がりでしたか」

 

 当然蘭子ちゃんに変な意図はないだろうし、きっと元お医者さんだし自分がきっかけで声優業に力を入れるようになってくれた薫さんの存在が気になっているのだろう。

 

「蘭子ちゃん、まるで弟のことを自慢するように話すからちょっと可愛いんですよ」

「うーん目に浮かぶなぁ」

 

 俺もアフレコ現場で二人と同席する機会は何度かあったが、意外と蘭子ちゃんが主導権を握るような会話をしていた記憶がある。根っこの部分は面倒見がいいお姉ちゃん気質なのかもしれない。

 

 ――神崎蘭子:変なこと言わないでください!

 ――どうした蘭子ちゃん言葉が変だぞ

 ――やみのまー

 

「お、蘭子ちゃんも釣れた」

 

 大勢のアイドルもしっかりと見てくれているようである。

 

「それで、ここにももう一人いた形跡があるんですけど」

 

 近くの机の上には積み重ねられた空き皿と箸。この時点でもう誰がここにいたのかは明白である。

 

「翼さんもいたんですよね?」

「あぁ、追加の料理を取ってくるって言って……あれ? どこ行った?」

 

 輝さんと共に周りを見渡すがそれらしき姿が見えない。もしかして直接裏のスタッフに食料を貰いに行ったのでは……?

 

 

 

 

 

 

 そんな感じで、カメラと共にアイドルたちの下へと顔を出していく。やはり事務所の垣根を超えたお酒の席というのは中々機会がないため、みんな楽しそうである。

 

 

 

 しかし、それは突然終わりを告げる。

 

 

 

 きゃあああぁぁぁ!?

 

 

 

 絹を裂くような悲鳴が事務所に響いた。

 

「なんだ!?」

「美優さんの声!?」

 

 ――なになになに

 ――これガチ?

 ――やばいやつかコレ

 

「向こうの部屋から聞こえた! 行くぞ冬馬!」

「お、おう!」

 

 冬馬に声をかけ()()()()()()()()()俺は悲鳴の出所へと急ぐ。

 

 ――いや撮影続行かよ

 ――ってことはまさか

 ――茶番か?

 

「美優さん! どうしました!?」

「りょ、良太郎君……しゃ、社長が……!」

「あ、兄貴!?」

 

 部屋に飛び込みながら美優さんに何事かを尋ねる。美優さんが青ざめた表情で指差す先に視線を向けると、そこには床に倒れ伏した兄貴の姿があった。

 

 ――いや社長www

 ――もうちょいちゃんと特殊メイクしなさいよ

 ――し、死んでる!(迫真)

 

「兄貴! どうしてこんなことに……!」

 

 カメラを美優さんに渡しつつ俺は兄貴の横に膝をつく。

 

 ――悲鳴を上げた張本人にカメラを回させるなw

 ――お前もお前でもうちょっと真面目にやれ

 ――月9で見せた名演どこ行った

 

「いや……え?」

 

 ――冬馬だけ困惑してるぞ

 ――露骨にカメラを向けられてる件について

 ――あっ(察し)

 

「薫さん……!」

「……………」

 

 付いてきてくれた薫さんが兄貴の首筋に手を当てるが、彼は静かに目を伏せて首を横に振った。

 

 ――薫せんせーまでwww

 ――真面目な顔してwww

 ――ノリ良くてワロタ

 

「おい良太郎、これ一体なんだよ聞いてねぇぞ」

「なに、冬馬お前今『ここは俺に任せてくれ』って言ったのか」

「んなこと一言も言ってねぇよ!?」

 

 ――力業すぎるw

 ――話が見えてきたぞ

 ――もしかしてこれって……

 

「頼む冬馬! 兄貴を襲った真犯人を、お前の推理で見つけてくれ!」

「おい嘘だろコレあれだろ!? 水ダウのあれだろ!?」

 

 ――言っちゃったw

 ――シーッ!

 ――冬馬が津田役かよwww

 

 

 

名探偵 天ヶ瀬

 

~犯人を見つけるまでミステリードラマの世界から抜け出せないドッキリ、めちゃしんどい説~

 

 

 

「嘘だろおおおぉぉぉ!?」

 

 

 

 ※続かない

 

 

 




・打ち上げ二次会&忘年会
そういえば何で本編でやらなかったんだ……?()

・第一グループ
ともみ22歳 春香21歳 美琴23歳

・第二グループ
次郎30歳 類23歳 みのり31歳 りあむ20歳

・第三グループ
美嘉20歳 奏20歳 輝28歳 薫26歳

・水ダウのあれ
・名探偵 天ヶ瀬
個人的には年末の笑ってはいけないの後釜になれる逸材だと思っている。



 名探偵津田が面白すぎた結果、こんなオチになりました。こういうバラエティー系のお話も書いていきてぇ。

 ちなみにまともな推理ものを考えるオツムがなかったため、丸投げエンド。その代わりに簡単な言葉遊びを作っておきました。本文中に犯人の名前が隠されているので探してみてください。来週答え合わせします。

 それでは皆さん、良いお年を。
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