『『『『『さあ進め BEACH BRAVERS!!』』
『『太陽の誘惑まっすぐ浴びて!』』
『『『『『Brand new style!!』』』』』
『『なりたいのは人魚でパイレーツ!』』
先陣を切った『放課後クライマックスガールズ』の五人は初夏を通り越して真夏の熱気を会場にもたらした。観客たちも彼女たちの煽りを受けて一曲目から最高にボルテージが上がりまくっている。
かく言う俺も遠巻きではあるものの、しっかりとペンライトを振りながらコールには参加している。隣のふゆちゃんとあかねちゃんも楽しそうに声を張り上げている。そんな俺たちとは対照的にアクアは腕組みをしたまま小さくペンライトを振っていた。
「お前本当に『B小町』以外興味ないのね」
「本来俺は初代『B小町』アイの単推しなんだよ」
「母親だよな……?」
これには俺も思わず言葉を失う。まさかこんなところでマザコンの極致を見ることになるとは思わなかった。
そしてここまでオープンにしているということは当然あかねちゃんも知っているだろうし、彼女もそれを受け入れているということなのだろうか。
……あ、そういえば次のユニットって。
サインはB
『B小町』
有馬 かな/星野 ルビー/MEMちょ
「かなちゃぁぁぁん! かなちゃんかなちゃんかなちゃぁぁぁん!」
あぁ、うん、お似合いのカップルだった。
「いくら俺でもここまで酷くない」
「自分の恋人捕まえてその言いぐさの方が酷いぞ」
そんなこと言いつつちゃっかり『B小町』グッズの重装備になってるし。
さて、ステージ上では15プロの三人のパフォーマンスが披露されている。アイさんから直接指導を受けているだけあって流石のクオリティだ。
このままアイドルたちのステージを何も考えずに楽しみたいところではあるのだが、生憎今回のライブにおいて俺の役目は審査員。こうして観客席側でペンライトを振りつつも、しっかりと彼女たちを評価しなければいけない。
恨まれるかもしれない。それでもいい。
さぁ、君たちの全力を見せてくれ。
トライアングル
『イルミネーションスターズ』
櫻木 真乃/風野 灯織/八宮 めぐる
『『『キミの好きなこと したいこと』』』
『『『まるごと知りたいな 教えてよ』』』
『点と点と点が繋がって 星座がまたたくの』
「うぉぉぉ! 真乃ちゃんの星座マジどことどこ繋がってるのか分かんねぇ!」
Bloomy!
『アルストロメリア』
大崎 甘奈/大崎 甜花/桑山 千雪
『『『もっと まっすぐに感じよう』』』
『『『いつも わたしらしくいよう』』』
『風が連れてくるよ カルペディエム』
『胸を張ってゆこう』
「うぉぉぉ! 甜花ちゃんのカルペディエムマジチャンスを逃がさない!」
NEO THEORY FANTASY
『L’Antica』
月岡 恋鐘/白瀬 咲耶/田中 摩美々/三峰 結華/幽谷 霧子
『『『『『星のせせらぎを 飛び越え NEO THEORY FANTASY』』』』』
『蘇る古きウタ 道標に』
「うぉぉぉ! 咲耶の道標マジ人生の案内経路!」
「ふぅ……やっぱり心苦しいな。アイドルのステージを評価するっていうのは」
「「どの口が?」」
全力で審査委員長としての仕事をこなしていたというのに、何故アクアとあかねちゃんのカップルはそんなにも疑わしいものを見るような目になっているのだろうか。
「一見ただ楽しんでいるだけに見えたかもしれない。それでも俺はしっかりと自分の仕事を楽しんでいるんだよ」
「楽しんでるんじゃねーか」
「間違えた。楽しみながら仕事をしてるんだよ」
「楽しんでいることの否定にはなってないですよ」
ダメだ、いくら俺の理論が完璧でもこの二人には通用しなさそうである。
「え、お仕事?」
そんな俺たちの会話が耳に入ったらしいふゆちゃんが可愛らしく首を傾げた。
「リョーさん、アイドル関係のお仕事されてるんですか?」
「あれ、その辺りは結華ちゃんから何も聞いてない?」
「『悪い人じゃないけど変な人』としか」
言っていることは同じなのに、何故か『変な人だけど悪い人じゃない』と言われるよりも悪意を感じる。
「大っぴらに言ってないだけで隠してることではないからね。実は今回のライブへの参加は趣味と実益を兼ねてるんだ」
「……ふゆぅ、少しだけどんなことしてるのか気になりますぅ」
「実はね~!」
「ふんっ」
「あだっ」
ふゆちゃんのキャルンとした上目遣いと猫撫で声にやられた脳が勝手に口を動かし始めたが、アクアが機転を利かせて足を踏みつけてくれたことで難を逃れることが出来た。
「さ、流石に言えないな。まぁいつかふゆちゃんの目にも入る機会があるかもしれないから、そのときは教えるよ」
「約束ですよぉ」
うーん、これはカムフラージュを兼ねて『遊び人のリョーさん』としても何かしらの仕事をするべきかもしれない。
アクアに小さく礼を言いつつ、意識をステージの上へと戻すのであった。
「恋鐘ちゃん! 凄く良かったよ~!」
「ありがと~めぐる!」
「さ、咲耶さん、お疲れ様でした」
「ふふっ、ありがとう、灯織」
「摩美々ちゃん! すっごくカッコ良かったです!」
「……ん、ありがと、果穂ちゃん」
「お疲れ様、霧子ちゃん」
「あ、ありがとうございます、千雪さん……」
圧巻のステージを終えて舞台裏に戻って来たアンティーカの面々を、283プロのみんなで出迎える。
「お疲れ様、結華ちゃん」
「ありがと、真乃ちゃん!」
私も結華ちゃんに声をかけつつ、タオルと水分補給用のボトルを手渡す。一曲しか披露していないものの、かなりの熱量だったことが結華ちゃんの汗から伺える。
「やっぱり、一曲しか披露できないとなると気合が入っちゃうよね~」
結華ちゃんはタオルで汗を拭きつつ「どう? 見てて何処か変なとこなかった?」と尋ねてくるが、少なくとも私の目にはアンティーカのステージに変なところはなかった……と思う。
「……リョーさんの目には、どう映ったかな」
「あっ……」
忘れていたわけではない。それは頭の片隅に追いやって考えないようにしていたこと。
「視線を泳がすわけにはいかないから、露骨に探すことは出来なかったけど……結局見つけれなかったな」
「……私もです」
私の場合はたまたま視界の中に入ったらなぁ、程度しか意識していなかったが、それでも私たちのステージを見ている良太郎さんの姿を見つけることは出来なかった。
けれどきっと今も、良太郎さんは先達のトップアイドルとしてステージを見守り、それと同時に『W.I.N.G』の審査委員長として見定めているのだろう。
「本番前は『バカみたいなことをやってる』なんて言ったけどさ、なんだかんだ言っても結局はしっかりと真面目に三峰たちのステージを見てくれてたと思うんだ」
「そうですね、良太郎さんならキチンと真剣に見守ってくれていますよね」
ステージ上では、スバルちゃんたちの出番がやって来ていた。
To The Real
『ライトニング・スターズ』
中島 スバル/ティアナ・ランスター/キャロ・ル・ルシエ
「やっぱり新人アイドルのステージからしか得られない栄養素ってあると思うんだ」
「分かる……」
思わず零れ出た言葉にふゆちゃんが同意してくれた。今日一日一緒にライブを見ていて感じたけど、キャルルンとした見た目と言動に対して根っこの部分は大分こっち寄りのようだ。コレは結華ちゃんが新たな集会メンバーに推薦するだけのことはある。
さて、そろそろ順番的には残り十組を切ったところではあるのだが……突然ながら今回のライブのセットリストは抽選によって決まっている。厳正なるくじ引きで行われ、そこにプロダクションや運営の意思は介在していない。
故に、トップバッターに放クラの五人が選ばれて大盛り上がりの開幕を果たしたことは全くの偶然であり――。
――次にステージに上がるアイドルがファンの間で『オオトリではないか?』と予想されていたほどの『W.I.N.G』
抽選の際、一部のスタッフたちが彼女たちの後に歌うアイドルたちのことを心配して、セットリストの順番への介入を進言してきたほど、彼女たちは新人アイドルという括りの中では突出した存在だったのだ。
結局運営はセットリストには介入しなかった。厳正な抽選が行われ、彼女たちの曲順はここになった。
「えっ」
「もう?」
「……………」
そのイントロにふゆちゃんとあかねちゃんが驚き、アクアもしかめっ面のままピクリと眉を動かした。観客たちも彼女たちの
心情的に知り合いを応援したい、頑張ってほしい、そう思う気持ちは勿論持ち合わせている。
それでも尚……間違いなくこの二人が優勝候補だと、そう思わざるを得なかった。
「ホント、『原石を見つけ出す』能力と『原石を磨き上げる』能力に関しては、間違いなく日本で五本の指に入るんだもんなぁ……」
――黒井社長は。
EVER RISIMG
『アルバノクト』
・サインはB
『B小町』の代表曲。
赤子アクルビが芸ヲタ打った奴。
・トライアングル
『イルミネーションスターズ』の楽曲。
明日のお天気は晴れだね(確信)
・Bloomy!
『アルストロメリア』の楽曲。
カルペディエムっていうのはラテン語で『その日を摘め』って言う意味で『今この瞬間を楽しめ』『その日のチャンスをつかめ』っていう意味らしい。
・NEO THEORY FANTASY
『L'Antica』の楽曲。
初めてフルを聞いて『!?!?!?』ってならない人いない説。
・「うぉぉぉ! 真乃ちゃんの星座マジ(ry
ニコマスの古き伝統。
分からない若いプロデューサーは『アイマス ピンク弾幕』で検索!
・To The Real
『魔法少女リリカルなのはStrikerS』における新人四人組のキャラソン。
すまないエリオ……君はお留守番だ……。
・EVER RISIMG
・『アルバノクト』
詳細は次回!
明確な悪役とかそういう感じにはしませんが、シャニマス編前期『W.I.N.G」編のライバル兼ラスボス枠の登場です。
アイマスPがいつまでも黒井社長がアニメでやらかしたアレコレ忘れないように……いつだって彼が『最大のライバル』を生み出し続けているという事実を忘れてはいけないのである。