まだネタ切れとかではないのであしからず。
では八話です。
ずっと憧れていたシンデレラ。
シンデレラのような努力家で真面目で輝くアイドルに私はなりたかった。
アイドルになれて良かったって心から思える日が今日でありたい。
ずっとずーっと追いかけていたから。
少し遠回りもしたけれど、ここまで頑張れたのはなんでなんだろう。
私を育ててくれたお父さんとお母さん?私を応援してくれるファンの人?それともプロデューサー?でも、これだけは言える。
私は誰かに支えられて生きてきた。
だから、恩返ししたい。
お願いします神様。
今日だけは力を貸してください。
「私を魔法でシンデレラにしてください」
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数日前…
「菜々さん!CDお渡し会決まりました!」
「本当ですか!!」
「いやぁ総選挙期間中にやれるなんていいですね!きっといい宣伝になりますよ!」
シンデレラガール総選挙投票期間の真っ只中にCDのお渡し会ができるという嬉しいニュースが私の元に飛び込んだきた。
こんな絶好のチャンスはない。ファンのみんなに応援してもらえるように頑張らなくちゃ!
そしてお渡し会当日がやってきた。
ありがたいことに応募者が殺到して抽選になったらしい。
久しぶりにファンの人とお話するので緊張していた。なぜかプロデューサーさんも緊張していた。
お渡しして話せる時間は30秒程度。ファンのみんなにいい気持ちで帰ってもらえるよう頑張ろう。少し不安だけど…
「それでは安部菜々CDお渡し会を始めさせていただきます!!」
「ワァァァァァァ!!」
ファンの方の歓声があがる。結構大きくてにやけてしまう。数秒の深呼吸をして小さいステージに上がる。
「みなさーん!!こんにちは!安部菜々です!キャハッ・:*」
「ウサミーン!」
「かわいいいい!!!」
「これから順番にお渡ししますので1人ずつゆっくり来てくださーい!」
私がそう言うと1人目のファンの方が来た。
メガネの男性で私はこの人が前から応援してくれていたことを知っている。私が地下アイドルだった頃から応援してくれていた数少ないファンだ。
「ウサミン応援してます!」
「ありがとうございます!」
「何事にも全力なところとか最近にはバラエティ番組にも出てて、昔から応援しててよかったです!総選挙も投票しました!」
「本当ですか!!ナナ、シンデレラガールになって応援してよかったってもっと思わせますから!」
2人目はピンクの髪のかわいい女の子。この子がアイドルでもおかしくないくらいのかわいい子。
「本物のウサミンだ!地下アイドルからトップアイドル戦線まで駆け上がってきたあのウサミンですよね!?」
「あ…はい多分そのウサミンです」
「えっこれ引かれた!?うそ!?やむ!!」
「ナナは全然引いてないですよ!むしろ嬉しいです!そんな風に思ってくれて」
「マジ神!一生推せる!CDいっぱい聞きます!」
なんか…すごい子だったな…
こんな調子で1時間ちょっとファンの人を相手にした。
「菜々さんお疲れ様でした!」
「よっこいしょ…はぁ〜〜疲れましたぁ!やっぱり体力がもつのは1時間ですねぇ…」
今日みんなと話したことでよりシンデレラガールになりたいという気持ちが強くなった。
応援が力になるって言うけど本当にそうなんだなぁ…
「笑顔も対応もすごい良かったですよ!明日はオフなのでしっかり休んでください」
「いえ、明日は行きたいところがあるんです。プロデューサーさんもよかったら…」
「明日は午後が空いてますけど、どこですか?」
「プロデューサーさんがスカウトしてくれたライブハウスです」
翌日、私は地下アイドル時代にお世話になっていたライブハウスに来た。
今でもプロデューサーさんがスカウトしに来てくれた時のことを思い出す。
あの時は先のことなんて全く見えなくて、同期や若い子達はどんどん上のステージに行ったり、引退したり。不安で不安でしょうがなくて。でもそんな時にプロデューサーさんが私に声をかけてくれた。だから恩返ししたい。この総選挙で。
「懐かしいですね〜」
「そうですね」
「あら?菜々ちゃん?」
「あっ!オーナー!」
「久しぶり!プロデューサーさんもお世話になっています」
ライブハウスのオーナーに会った。
母のような存在でよくお世話になったものだ。久しぶりの再開に話したいことを話した。テレビでの活躍のこと、楽しいこと、総選挙で上位に入れそうなこと。
話していると久しぶりに歌っていく?とステージに誘われた。私はプロデューサーさんと顔を見合わせた。
「これ会社的にいいんですか…?」
「目を瞑ります」
そんな訳で急遽「ウサミンゲリラライブ」の開催が決まった。
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ゲリラライブは大成功に終わり、他への口外は無しという決まりで幕を閉じた。
「みんなビックリしてましたねぇ」
「そりゃテレビに出てる大人気アイドルがあんな小さなところでゲリラライブですもん」
「そっか…私そんなに大きくなったんですね」
「菜々さん、絶対シンデレラガールなりましょうね」
「プロデューサーさんいいんですか?愛海ちゃんと輝子ちゃんもいるんですよ?」
「…全員シンデレラガールです!」
「ふふっ、それは無理ですよ!」
「なんか…複雑ですね」
「でも、3人からシンデレラガールが出たらみんなで喜びましょうね」
「はいもちろんです」
発表の日はすぐに来た。
発表は広いドームで行われる。
控え室ではアイドルのみんなが待っていた。
そわそわしてる子と元気いっぱいな子、静かに落ち着いている子と様々だった。
「ナナパイセン!緊張してますか!?」
「はぁとちゃん!そりゃあ緊張しますよ」
「菜々チャン!みくと勝負にゃ!みく負けないよ!」
「みくちゃんやめなよ…菜々さん困ってるよ」
「の、望むところですよぉ!」
「パイセン結構ノリノリだし大丈夫だよ李衣菜ちゃん☆」
話している内にだんだん緊張は解けてきた。
私達はステージに上がり椅子に座って発表を待つ。
第6位まで来たが私の名前はまだ呼ばれていない。
第5位 鷺沢文香
第4位 鷹富士茄子
第3位 北条加蓮
第2位 本田未央
自分の名前が呼ばれない。すごく不安になってくる。大丈夫、大丈夫と自分に言い聞かせる。お願いします。神様。
「第1位は!!!安部菜々!!!!!」
その瞬間、私は魔法にかけられた。
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発表の瞬間控え室で俺は叫んでいた。
「うぉぉぉぉぉぉ!!!!!!」
「プロデューサーさん!やりましたね!」
「ちひろさぁぁぁん!!!やったぁ!!大好きぃぃぃ!」
「私も(小声)…て!!ほら!菜々さんの挨拶ですよ!」
「私、今とても幸せでーーす!!!まさかナナが…シンデレラになれるなんて思わなかったから!!」
彼女は歓喜の涙を流していた。
それに釣られるようにファン達も次々と泣き出した。
もちろん、俺とちひろさんも泣いた。
「あんた達…喜んだり泣いたり情緒不安定だな」
「だって後゛藤゛!゛!゛自分の担当アイドルだぞ!!!」
「そ゛う゛で゛す゛よ゛ぉ゛!゛」
「ま、おめでと」
菜々さんのスピーチが終わり帰ってきた。
その後は愛海と輝子とちひろさんとみんなでバカみたいに喜んで菜々さんを祝った。
その日の菜々さんはステージで1番輝いていた。努力という魔法がかかった本当の
「シンデレラ」に。