Fate/Duel Order   作:ノウレッジ@元にじファン勢遊戯王書き民

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サブタイトルは「Vain」、或いは「Vain Hope」

彼は味方では無く、敵であり、希望を運んだかと思えば絶望の鐘を鳴らす。
闇を溶かしたような存在は、光を突き進む少年に試練を突きつける。


Turn:19 裏切りの嘲笑

 すぱー、と悪臭の込められた煙が吐き出される。

 刻んだ葉を紙で巻いて火をつけた嗜好品――煙草だ。

 

「で、キャスター。随分と手荒い歓迎だったな」

「その手荒い歓迎で我が配下を蹂躙した貴様が言えた筋か」

 

 タバコを弄びながら皮肉を言うバーサーカーに対し、憎々しげにキャスターが言い返した。

 今彼らは教会の奥、小さな会議室のような所にいた。キャスターとバーサーカーがサシで対話し、それにキャスターのマスターと『聖女ジャンヌ』が付け加えたり訂正したりする形を取っている。

 不満そうな顔でバーサーカーは煙を燻らせ、キャスターを睨み付けた。

 

「キャスター、俺は言ったよな? あのクソマスターは研究を進行している最中で、実験結果を届けに来る事があるって」

 

 そう言って黒い男は懐から1枚のカードを取り出す。

 彼が持って来たのは、今回彼のマスターが開発した新しいカードである。それをこの電脳特異点ルーアンまで届けに来たのだが、彼の予想に反して大きな妨害を受けてしまったのであった。

 

「そして、だから俺の顔は周知させておけって。届けに行くのは俺の役目で、それを阻むなら阻む奴は殺すし、文句は受け付けない。そう言ったよな?」

「だからと言ってあそこまでやるか! 貴様のお蔭で“オフィシエ・カトル”は1人死んだんだぞ!」

「だけじゃない! 中隊長もこれで3人死んだのだ! おまけにNPCは私の出せる全戦力の7割がこれで壊滅! 我が陣営はボロボロなんだぞ!」

「へーへー、そうですか。だが俺は事前に口を酸っぱくして言っておいたぞ。現に同じ物を届けに行ったランサーやライダーの陣営は、あいつらの部下が通してくれた。お前だけなんだよ、俺の事を知らせていないのは」

「ぐっ」

 

 バーサーカーのマスターが開発したカードは、その場に居合わせたアサシン、セイバーのマスター以外の4人のマスターとサーヴァントの下へと届けられる算段になっていた。

 バーサーカーが運び屋として足を運んだランサーとアーチャー、ライダーの電脳特異点では、彼は快くとは行かなくとも届け物を問題無く配達できたし、少なくともデュエルをするハメにはならなかった。このルーアンだけなのである、彼を妨害してきたのは。

 

「四天王が1人死んだ? 中隊長が合計3人やられた? 雑魚AIが壊滅? 知った事じゃないな、テメェの不手際が原因だ」

「貴様……!」

「抜け抜けと……!」

「そもそもキャスター共、忘れてねぇか? 俺達は聖杯戦争をやっているんだ。優勝できるのはたった1組、仲良しこよしなんて出来やしネェんだよ。持って来てやっただけ有り難く思え」

 

 耄碌したか、と黒い男は老魔術師の恨みを鼻で嗤い飛ばした。

 実際、バーサーカーの言う通りである。

 キャスターを含め、バーサーカー達は7人で聖杯を取り合う聖杯戦争を実施している。そうである以上、彼はキャスターの敵だし、キャスターは彼の敵だ。そこに例外は無い。

 彼が郵便屋の真似事をしているのは、彼が強いからというのもあるが、加えて言えばまだ全陣営が己の電脳特異点を整え切れていないからだ。今のまま戦っても陣地が傷付くだけであり、言ってみれば戦争中に設けられた休戦期間である。

 全員それを理解しているとばかり思っていたが、キャスターは違うらしい。バーサーカーは心の中で嘲笑った。

 

「ま、良いさ。カルデアの連中は既にこの特異点に来ている。今頃はお前に刃向うレジスタンスとやらと合流してるだろうよ。もしかしたらとっくに襲う算段をつけてるかもな」

「何?」

「おいおい、まさか予想してなかったのか?」

「……」

「……地図と警備のシフトとルート見せて貰うぞ」

 

 言うが早いか、バーサーカーはコンソールを開いてデータを入力する。

 数秒の後、彼は大仰に溜息を吐いた。

 

「キャスターとそのマスター」

「何だ」

「気安く呼ぶな、使い魔」

「お前ら、やる気ある?」

 

 術士のクラスを抱く老人とそのマスターは、沈黙を以てそれの解答とする。

 そして『聖女ジャンヌ』に至っては怪訝な顔をするだけで、どうやらその辺には一切携わっていないらしい。

 バーサーカーは激しい頭痛を感じざるを得なかった。

 

「取り敢えずお前らが、陣地運用に関して完全な無能だってのは分かった」

「何だと!?」

「言うに事欠いて無能だと!?」

「訂正しろ、下民めが!」

「俺にこの辺いじらせろ、多少はマシな形にしてやるよ」

 

 

  ☆

 

 

「ってなワケで、2日後の夕方、裏口から入るとラクに奥に行けるぞ」

「何で平然とバラせるんですかねこの人は」

 

 ケラケラとバーサーカーが笑って話す相手は、しかしキャスターでも、キャスターのマスターでも無い。

 もっと言えば、彼が今いるのは先程まで頭を痛めていた教会の会議室でも無かった。

 時刻は夜。場所はカルデアとメンバーとレジスタンスがいる草原――つまり難民キャンプだ。

 

「キヒヒ、そりゃお前さんアレだよ。手助けしてやってるからだ、カルデアのマスター」

「何でまた――いや、聖杯戦争をやってるんだったね」

「そういう事だ。アイツと俺は敵同士。助ける理由は無い。それに、このままじゃキャスターのグズがルーアンを完成させるのに何日かかる事やら。もう見限った方が良いって判断した次第さ」

「……」

 

 ニヤニヤとバーサーカーは嗜虐的な笑みを浮かべ、しかしいきなり顔を顰めた。

 

「それと、テメェの尻に火を着けにきたって意味もある。キャスターの部下なんて雑魚に苦戦してんじゃねーよ、ガッカリすんだろうが」

「……っ!」

 

 数分前、彼はいきなりここに現れた。この難民キャンプはこれまでキャスター達には一切見つからず、出入りするのも通り抜ければ良いというようなものじゃない魔術で作られた要塞として機能していた。

 だと言うのに彼は何でもないかのように突然現れた。

 気付いたのは作戦会議で遅くまで起きていたマスターとジャンヌの2人、そして管制室にいたダ・ヴィンチと数名の職員、および嘘を見抜くためのサーヴァント。10人程度だが、それでも戦力としては1人相手なら充分だろう。

 その状況を理解してなお、バーサーカーは余裕の表情で平然とマスター達に状況と警備の穴を説明した。その意図の不明瞭さに、マスターは、そして通信先のカルデアのメンバーは思案顔を作らざるを得ない。

 

「んー? 俺が嘘吐いてるんじゃないかってツラだな」

「ああ」

「そっちのサーヴァントが『嘘は吐いてない』って言ってるのにか?」

 

 通信越しに清姫とカルナが頷いているが、しかし例え嘘じゃなかったとしても本当である保証が無いし、何か致命的な事を隠しているかも知れない。

 

「信用できるかどうかは別だ」

「クク、良いぜ? なら今から俺が言ってる事が本当だって事を教えてやる」

 

 そう言うと黒い男は懐から懐中時計を取り出し、キン、という音と共に開いて時間を確認する。

 明かりと言えば星か焚火しかないのだが、彼はその薄暗い視界の中で時間を読み取っているらしく、ニヤリと笑った。

 

「5秒後、カルデアに侵入者が現れる」

「え?」

「そいつの狙いは医務室で寝ている奴だ、故に医務室の近くに出現する」

 

 瞬間、通信からアラートが鳴り響いた。

 

『た、大変だ! そいつの言う通り医務室近くの廊下に侵入者だ!』

「何だって!?」

「だけじゃねぇよ、その通信室にも2人行くぞ。気ィ引き締めときな」

『ああ、通信室にも来た! 片方は『サイファー・スカウター』、もう片方はミスターTだ!』

『わたくしが行きます!』

『オレも行こう、不足かも知れんがな』

「清姫、気を付けて! 相性が悪い相手だ! カルナも油断しないで!」

 

 通信先であわただしい音が鳴り響く。

 得体の知れない敵、ミスターTに加え、敵軍の中隊長までまさか乗り込んで来るとは。

 更に下級モンスター『サイファー・スカウター』は戦士族相手に限っては滅法強いカードである。『ニトロ・ウォリアー』を軸にした清姫でどこまで戦えるか、不安要素は大きい。

 

 

 

サイファー・スカウター(効果モンスター)

星3

地属性/機械族

ATK 1350/DEF 1800

このカードが戦士族モンスターと戦闘を行うダメージ計算時に発動する。

このカードの攻撃力・守備力は、そのダメージ計算時のみ2000ポイントアップする。

 

 

 

 クツクツと愉快そうにバーサーカーが笑う。

 こちらも一度引き上げてカルデアの応援に行きたいが、電脳特異点はアンカーポイントからでなければ行き来できない。

 それに突然現れたバーサーカーが急に心変わりしてここを襲い始めない保証も無く、カルデアに残した皆に対応を任せるしかなかった。

 

「バーサーカー、まさか手引きしたのか……っ!」

「睨むな少年。これは当然の行動だ」

「何が当然だ!」

「ククク、俺はお前の味方じゃないんだよ少年。俺の理想は、君達がこの聖杯戦争を引っ掻き回す。そして最後に俺が漁夫の利で聖杯を手に入れて願いを叶える。だから君らには強くあってもらわねばならないし、かと言って俺と仲良しと思われたら袋叩きの可能性が出て来る。

 敵であり情報提供者、時に敵対行動を取る意味深な黒ずくめ、というのが他の6人から疑われず一番勝ち残りやすいんでね。……ちっと、俺はマスターとの仲がアレなんでな」

 

 満月のバーサーカーは強い。自分の腕に自信があるし、この聖杯戦争で充分勝ち筋を持っていると自負している。そしてそれは間違いでは無い。

 しかしそれでも敵には人外の力を持つサーヴァントが6人に、それをバックアップするマスターが更に6人もいる。つまり彼単独では12人もの敵がいる事になる。自害させる気が見え透いているマスターを考慮すると13人だろうか。

 これでは例えトップサーヴァントであっても勝ち抜くのは至難の業だ。

 

「ま、要するにそういう事さ。将来的にはブッ倒す。だが今は利用し利用される。特に優勝候補の片割れであるセイバーは、得体の知れないアサシンと組んでるからな。俺も乱入者である君らと一時中立って事にしたい」

「――見返りは?」

「ほう?」

「聖杯戦争をしているのはそっちの都合だ。なら、それに振り回される俺達に中立の盟約を求めるなら、こっちに何かしらのメリットが欲しい。何なら今ここにいる全員でアンタを討伐しても良いだけど? 特に今、アンタはカルデアに兵を送った。ぶっちゃけて言うと、現時点で中立になる旨味が無いどころかマイナスなんだよ」

「言ってくれるね」

「俺はマスターだ、サーヴァントの安全を守り、万全の状態で戦えるよう整える義務がある」

「……キヒッ! 良いね、気に入った! あいつらはサーヴァントを道具程度にしか見てなかったが、お前さんは違うようだ! ハハハ、特にあのカス野郎なんざ俺に見向きもしねぇ! 触媒無しで召喚して言う事聞かねぇバーサーカーが出て来たらそりゃそうなるわな! ハハハハハッ、お前に召喚されたかったよ! ヒィーハハハハハハハァー!!」

 

 狂化の影響だろうか、楽しくて仕方ないと言わんばかりに大笑いするバーサーカー。或いは「カルデアのサーヴァントになりたかった」というのは、本心かも知れない。

 まぁ彼がどこの誰かは分からないが、それでも自分を無視する奴より大切にしてくれる人の方が良いのは当然だ。

 

「良いぜ? お前に3つの特典をくれてやる。中立を約束してくれるなら安いモンだ」

 

 ぬっ、とバーサーカーは指を3本立てた。

 

「1つ、優勝候補のセイバーかアーチャーを撃破するまでお前らを俺は襲わない。この中立の約定を、俺は命を賭して守ろう。

 2つ、お前らが電脳特異点をクリアする度に、俺から報酬を出そう。クリア特典って奴だ。受け取って損はさせない。

 3つ、今この場でお前らを信用させよう。お前らがキャスター討伐に明確な目標を持てるよう発破かけてやるよ」

 

 黒い男はどこからか1枚のカードを取り出した。

 緑色の魔法カードかと思いきや、魔法を示すアイコンが無い。そしてそのカードにはこう記されていた――『愚劣な叛逆英霊 “悪竜の妻”ジャンヌ・ダルク』と。

 

「――それは!?」

 

 ジャンヌはそれを見て眼を見開いた。

 何を隠そうあれは、ミスターTと名乗るグラサンウニ頭が襲撃を仕掛け、返り討ちにした際に落としたカードの内の1枚である。それが何故ここに――!?

 

「これと同じモンがキャスター陣営にもう1枚ある。ただしキャスターが実際に所持しているワケじゃない。これを取り返しな。それこそが、カルデアに避難した邪竜と化したホムンクルスの今の悲願だ。そしてそれは、足踏みを共にした茶髪の男の願いでもある」

「っ、あの2人を知ってるのか!?」

「勿論」

 

 シュッ、と漆黒の男はカードを投げてジャンヌに寄越し、慌てて聖女はこれを受け取る。

 この間と同じくアイコンもテキストも無い緑のカード、しかしイラストは黒一色では無かった。本体キャラクターや風景が描かれている箇所には、奇妙な紋様を挟んでジャンヌ愛用の旗や鎧が置かれている。

 まるで、模様付きのガラスケースに保存してあるかのように。

 

「邪竜を助けたいなら、落とすなよ?」

(人理修復という一大事のために、世界の裏への旅路の寄り道を選びはしました。だがしかしこんな事になるなんて……!)

 

 ジークとの再会は勿論望んでいた。だが、それがこんな形だなんて思いもしなかったのである。

 もっと長い旅路の果てに到着するものだと思っていたのに、誰がこんな血腥い形になるなんて予想できるだろう。

 彼ばかりどうしてこんな辛い目に遭っている。自分が生かそうとしたのはやはり間違いだったのだろうか。あそこで1人のホムンクルスとして、儚い命の1つとして導かないでいるべきだったのではないか。

 ジャンヌの悪い癖だ。自分に対する評価が低く、他人のためなら何でも捧げられる。

 そうした行いの先には破滅しか待っていないと分かっている。嗚呼、これがその破滅なのだろうか。他人の身を以て自分に与えるとは残酷にも程があるじゃないか!

 あの一件で悪人がいるとすれば――無辜の命に生きる事を強いた自分だと言うのに!

 

 唇を固く結んで涙を堪えるジャンヌ。そんな彼女の心情を知ってか知らずか、バーサーカーはマスターの方を向く。

 

「ああ、それと少年。盾の少女からあんま離れるな。君は先日の俺の『RUM(ランクアップマジック)』の力を直に浴びた、精神が悪い方向に向いている」

「え?」

「中てられてるんだよ、心の闇にな」

「心の闇……」

「人が抱えるそれは、一個人で解決は困難だ。お前の頼れる後輩チャンを支えにしておけ」

 

 一説には『ルサンチマン』と呼ばれるそれは、ダークサイドの心理としても扱われる。

 社会的、特に理性を以て構成される社会の中では認められない破壊衝動や邪心を表し、人間が大なり小なり皆が持っている内心の(ひずみ)だ。

 

「少年、君の中にある何かのコンプレックスが、俺との戦いで目を覚ました。それから目ェ逸らすなよ。光と闇と向き合い、時には合わさり、その上でどちらを手にするか決めた者にこそ、真の力が手に入る」

「難しい事を言うね……」

「何も難しくは無い。ああ、それとも追い詰められないと分からないか。俺の見立てだと少年は相当な善人だ。他人が傷付くより自分が傷付く、誰かの笑顔のために奔走し自分も笑う。嗚呼、あのクソみてぇなライダーあたりが大嫌いなクチだぜ。

 ……だからこそ、自分の本当の本当に重要なポイントについては無頓着になりがちなんだよ、お前みたいなのはな」

 

 その言葉に――マスターは思わず顔を伏せた。

 人理修復の時を始め、自分は目標達成のためなら無茶をする事は往々にしてあったからだ。

 時に女神や子供達を抱えて走ったり。

 時に遥か上空から女神にフライング・ボディプレスをしたり。

 時に山のように巨大な大蛇の射程距離に居座って仲間を援護したり。

 時に巨大なゴーレムに乗ってこれまた巨大なマンモスと大立ち回りを繰り広げたり。

 

 仕方が無いと言えば仕方が無い。藤丸何某は魔術師としての質は最低に近い。回路もパスもへなちょこで、魔術師の『魔』の字すら知らなかった。今だって、一番簡単と言われる強化魔術すら使えない。

 故に彼は身体を張って戦ったのである。足りない魔術は肉体で、それで足りないなら命で、彼はいつだってそうやって戦って来たのだ。

 

「……泣くんだよ、そういう戦い方をすると誰かが。これは私見じゃねぇ、経験則だ」

「でも、俺には」

「他に方法が無い? なら良い機会じゃねーの、この戦いで何か見つけろ。身体を張るのだって、もっと良いやり方を見つけな。……オメェ、戦地に立つ奴が、ギリギリの勝利で満足して良いと思ってんのか?」

「……」

 

 バーサーカーの言う事は的を得ている。

 これまでは数多の幸運に恵まれて生き残れたが、いつまでもそうとは限らない。いつか天運が尽きてアッサリ死ぬかも知れない。

 であれば、彼の言う通り、ここで新しい戦い方を身に着けるべき というのも一理ある。

 

『バーサーカー、まるで見て来たかのように言うんだね』

「あ?」

 

 顎に手を当て考え込むマスターに代わり、今度はダ・ヴィンチが通信画面越しにバーサーカーとの対話を始める。

 彼女(彼?)の瞳にはありありと不信感が浮かんでいた。

 

『いや、君は先日マスター君と初めて出会ったんだろう? どうしてそんな詳しく切り込めるんだい?』

「んー……、そうだなぁ……」

 

 再びバーサーカーは懐中時計を取り出し、現在時刻を見る。

 よく見るとその夜闇を溶いたような瞳は猫のように細くなっており、まるで猫の目のようだとマスターは思った。

 

「話してやっても良いが……、そろそろ襲撃から5分だ、『サイファー・スカウター』共のデュエルも終盤だろう。長居して情報ダダ漏れにしても面白くねぇからな」

『何を』

「言っただろ、俺はお前らの尻に火ィ着けにきたってよ。友達になりに来たんじゃねぇんだ」

『む、大切な所をはぐらかすとは、諮問探偵ソックリだ』

「褒めてるのか貶しているのか微妙な評価ありがとう。さて――じゃ、この場でマスター君には更にやる気を漲らせて貰おうか」

 

 諮問探偵が誰か分かるのか、その言葉をダ・ヴィンチは呑み込む。

 それと同時にパチン、とバーサーカーは指を鳴らし、その十数秒後、大きな音が通信先のカルデアから鳴り響いた。

 

「ダ・ヴィンチちゃん、どうしたの!?」

『分からない! ただ管制室で戦っていた清姫の周囲に突然弾幕が!』

「清姫は!? 清姫とカルナは無事なの!?」

『そっちも不明だ! でもさっきまでかなり有利な状況で――、何だって!?』

「どうしたの!? ねぇ、そっちで何があったのさ!!」

 

 モニター越しに見えるダ・ヴィンチは明らかに動揺している。

 それを見てマスターは、藤丸は背筋が凍るような嫌な予感がし始めた。

 程無くして、ダ・ヴィンチの口が開かれる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「――清姫とBBがカードにされた!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「な、んだと……!?」

「ははははは! やっぱそのくらいはキッチリやってくれるか! キャスター、テメェの部下の評価は少し訂正しておくぜ!」

 

 

To be continued

 




ちょいと都合により展開巻きました。
本当は2章の予定でしたので、現在シナリオ書き換え中。
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