Fate/Duel Order   作:ノウレッジ@元にじファン勢遊戯王書き民

7 / 24
月に2回くらいを目安に投稿したいです(目標)


Turn:7 だからあのカードはミラフォだっつってんだろ

 マスターが管制室に漸く出向くと、皆が難しい顔をして各々のモニターと睨めっこをしていた。

 

「ダ・ヴィンチちゃん」

「やぁ、やっと来たね」

「ナイチンゲールさんのお説教喰らっちゃってね」

 

 そんな挨拶もそこそこに、ダ・ヴィンチに現状をマスターは問う。

 イタリアの変態、もとい天才は黙って中央の1番大きなモニターを指差した。

 

「これは……」

 

 大画面は皆のモニターの状況を画面を分割して映しており、そこには細かい状況こそ違えども似たような状況があった。

 そこにうつされていたのは、敵と相手を映しだしたマスターデュエルの盤面。最初から用意されている相手のカードや自分の手札、正解ならピッタリ削り切れるライフポイント。

 誰かが再チャレンジに挑んだのか、また別のデュエルが始まり、また誰かの時間切れや手詰まりによる敗北が刻まれる。

 そう、詰めデュエルだ。

 

「敵の侵入経路を探っていたら、コイツにぶつかってね。毎回問題が変わる上に、5分の制限時間つきと来た。カード知識が無いと解けないし、あっても解くのは至難の業だよ」

「ホームズは?」

「部屋に籠ってる、返事は無い」

「で、俺か」

「うん。これなら身体に負担もかからないだろう?」

 

 ダ・ヴィンチ曰く、この問題を迂回して敵の行動をトレースする事はできないと言う。

 幸か不幸か、このファイアウォールは雑な作り方がされており、制限時間はあっても挑戦回数の制限は無いらしい。ただ問題は常に変わるため、対策を立てたくても意味が無いとの事。十数人のスタッフがつきっきりで対応しているが、未だに同じ問題が出て来ていない。

 謎解きが得意だったり天才的な頭脳を持っていたりするサーヴァントも居るが、それよりも現代を生きて実際にカードに触れているマスターの方が適任だと考えたのであった。

 

「聞いた所によると、詰めデュエルは勉強にもなるらしいじゃないか。実戦ばかりで根を詰めてないで、こういった形で気分を変えるのも良いんじゃないかな?」

「んー……」

 

 確かに一理ある。実際、先刻までは身体に強い負荷をかけるスタンディングデュエルで直観と運命力ばかり鍛えていた。それらが重要である事は疑いようが無いが、かといって他の要素を疎かにしてはデュエリストとしてはド三流である。そういうのが許されるのは、知識の要素を補って余りある天性の才能を持つ者だけだ。

 

「『ネームジャマー』は完成している?」

「勿論」

「分かった、やってみよう」

「OK、そうこなくっちゃ! じゃあ私のモニターを使いなよ」

「……もしかしてダ・ヴィンチちゃん、自分が楽したいって意味もある?」

「ソンナコトナイヨー」

 

 えぇ~、本当でござるか~? と問いたいが、時間の無駄であろう。

 苦笑いしたマスターは天才のモニターに向かい、デュエルを開始するのであった。

 

 

  ☆

 

 

 モニターで【DUEL START】のボタンを押すと、詰めデュエルが開始された。

 詰めデュエルは条件・状況こそ様々だが、おおよそにして『このターンで勝利せよ』というのが勝利条件になっている。

 その難易度を上昇させるために、通常なら共存できないようなカテゴリー同士のカードがフィールドに並んでいたり、時には禁止カードが投入されている場合もあるのが醍醐味の1つだ。

 

「良し、始めよう」

 

 フィールドを見る。

 こちらの手札は6枚、相手は2枚。フィールドは相手が強固なロックを完成させており、一見すると突破は難しいだろう。

 

 

【フィールド状況】

 

 

ゲスト:LP 100

手札:『ウォーター・スピリット』、『ギャラクシー・サーペント』、『ジェネクス・コントローラー』、『エンジェル・トランペッター』、『A(アーリー)・マインド』、『D・(ディファレント・)D・(ディメンション・)R(リバイバル)

フィールド:

EXモンスターゾーン無し

『レアメタル・ドラゴン』(ATK:2900)、『ランサー・デーモン』(ATK:1700)、『マンモス・ゾンビ』(ATK:1900)

伏せカード3枚(『サンダー・ブレイク』、『ナイトメア・デーモンズ』、『爆導索』)、『コモンメンタルワールド』(永続魔法)、『幸運の鉄斧』(装備魔法、『レアメタル・ドラゴン』に装備)

墓地:『マンモス・ゾンビ』

EX:『灼銀の機竜(ドラッグ・オン・ヴァーミリオン)』、『PSYフレーム・ロードΩ』、『瑚之龍(コーラル・ドラゴン)』、『A・ジェネクス・トライフォース』、『幻層の守護者アルマデス』、『始祖の守護者ティラス』、『終焉の守護者アドレウス』、『恐牙狼ダイヤウルフ』

 

 

 

ホスト:LP 2100

手札:『Em(エンタメイジ)フレイム・イーター』×2

フィールド:

EXモンスターゾーン無し

セットモンスター(『アリジバク』(DEF:1000))、『切り込み隊長』(ATK:1200)×3

伏せカード3枚(『聖なるバリア-ミラーフォース-』、『ブービートラップE』、『コザッキーの自爆装置』)、『マクロコスモス』(永続罠)、『ダストンのモップ』(装備魔法・『マンモス・ゾンビ』に装備・カウンター×1)

墓地:『マジック・ガードナー』、『虚無空間(ヴァニティー・スペース)』、『デモンズ・チェーン』、『スクリーン・オブ・レッド』、『王宮の勅命』、『光の護封霊剣』

 

 

【挿絵表示】

 

 

「んん、複雑……」

 

 マスターは思わず眉を顰めた。何せフィールドのメインモンスターゾーンと魔法・罠ゾーンが殆ど埋まり切っている状況だ、空いているのはEXモンスターゾーンの2か所とメインモンスターゾーンの3ヶ所しかない。

 詰めデュエルは基本、与えられたカードの大半に意味がある。それを踏まえると、この問題は中々に難易度が高そうである。

 制限時間は5分、解答開始だ。

 

「相手のライフは2100、『コモンメンタルワールド』で5回シンクロすれば勝てるけど……」

 

 残念ながら、そんなに連続してシンクロする事はできない。エクストラデッキにはレベル5と6、8と9しかいないからだ。小刻みにシンクロしたいなら、もっと召喚権を増やしたり特殊召喚用のカードが必要となる。

 

 

 

コモンメンタルワールド

【永続魔法】

自分がシンクロモンスターのシンクロ召喚に成功する度に、相手ライフに500ポイントダメージを与える。

 

 

 

 更に敵の伏せカードも問題だ。1枚は『聖なるバリア-ミラーフォース-』、最早説明不要なパワーカードの1枚。これに『マンモス・ゾンビ』を巻き込まれたら一発でアウト。

 おまけにその『マンモス・ゾンビ』は『ダストンのモップ』を装備されているため場から離し辛く、しかもそのモップは『マジック・ガードナー』のカウンターで守られているので1回だけ破壊から免れてしまう。

 

「――チッ、予想してたけど『マンモス・ゾンビ』の表示形式が変更できない」

 

 カチカチッと朽ち果てた紫の屍象のカードをクリックするが、詳細情報を表示するか問うアイコンが出るだけで、守備表示に変更できない。

 攻撃表示のモンスターはミラフォの恰好の餌食、そして破壊された瞬間に1900ダメージを与えるモンスターと組み合わされれば、攻撃宣言=自殺でしかないだろう。

 

 

 

マンモス・ゾンビ(効果モンスター)

星4

地属性/アンデット族

ATK 1900/DEF 0

自分の墓地にアンデット族モンスターが存在しない場合、このカードを破壊する。

フィールド上に表側表示で存在するこのカードが破壊された場合、その時のコントローラーにこのカードの元々の攻撃力分のダメージを与える。

 

 

 

ダストンのモップ

【装備魔法】

装備モンスターはリリースできず、融合・シンクロ・エクシーズ召喚の素材にもできない。

フィールド上のこのカードが相手のカードの効果によって破壊され墓地へ送られた時、 デッキから「ダストン」と名のついたモンスター1体を手札に加える事ができる。

「ダストンのモップ」は自分フィールド上に1枚しか表側表示で存在できない。

 

 

 

マジック・ガードナー

【通常魔法】

自分フィールド上に表側表示で存在する魔法カード1枚を選択して発動する。

選択したカードにカウンターを1つ置く。

選択したカードが破壊される場合、代わりにそのカウンターを1つ取り除く。

 

 

 

(『サンダー・ブレイク』があるからこれで破壊する? いやダメだ、『ブービートラップE』がある。迂闊に破壊すれば墓地の潤沢にある永続罠と交換されるだけだ)

 

 幸いにもエクストラデッキには『幻層の守護者アルマデス』がいる。このカードは攻撃する時、相手にカードを発動させない。これならリバースした瞬間にダメージを与える『アリジバク』とミラーフォースを封殺できる。

 そして『ランサー・デーモン』と組み合わせる事で1300の貫通ダメージも与えられる。

 が、そこまでだ。敵のライフは800残ってしまう。これでは勝てない。

 

「先輩」

「ん、マシュ」

 

 刻々と時間が減る中、マシュがいつの間にか隣にいた。さっきまでシミュレーターで特訓していたのだが、終わったのだろうか。

 

「詰めデュエルですか……」

「中々の難題でね。これ多分だけど結構難しいよ」

「ここは攻撃あるのみです。『ランサー・デーモン』と最高攻撃力の『灼銀の機竜』で……」

「駄目だ、足りない」

 

 確かに、『灼銀の機竜』の効果を使えば、手札のチューナーを除外して『サンダー・ブレイク』がもう1枚あるような状況にもなる。攻撃力と守備力の差は1700、残りは400だ。

 しかし、攻撃しても次が無い。『切り込み隊長』は仲間の戦士族を攻撃させない効果を持っており、仮に『アリジバク』を無事に処理できても、残ったモンスターを狙う事はできない。手持ちのカードではロックを崩せない。

 

(くっそ、除去カードが足りない!)

 

 現在、フィールドのカードを破壊できるのは手札コストを要求する『サンダー・ブレイク』とエクストラデッキの『瑚之龍』、墓地コストが必要な『灼銀の機竜』。そしてエクシーズモンスターである『始祖の守護者ティラス』と『終焉の守護者アドレウス』の合計5枚。出そうと思えば全て出せるが、それをムリヤリやっても後が続かず、このターンの勝利はできないだろう。

 ちなみに『サンダー・ブレイク』と『D・D・R』は“手札を捨てる”コストであり、“墓地に捨てる”コストでは無いため、『マクロコスモス』の影響下でも問題無く発動可能だ。

 

 

 

アリジバク(リバース・効果モンスター)

星3

地属性/昆虫族

ATK 1500/DEF 1000

このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。

(1):このカードがリバースした場合に発動する。

お互いのプレイヤーは1000ダメージを受ける。

(2):このカードが戦闘・効果で破壊され墓地へ送られた場合に発動する。

相手に1000ダメージを与える。

 

 

 

マクロコスモス

【永続罠】

(1):このカードの発動時の効果処理として、手札・デッキから「原始太陽ヘリオス」1体を特殊召喚できる。

(2):このカードが魔法&罠ゾーンに存在する限り、墓地へ送られるカードは墓地へは行かず除外される。

 

 

 

「大丈夫ですか、マスター」

「うん、今はね」

 

 様子を見に、背後からアルトリア[ランサー]が顔を覗かせる。

 先の戦いでは清姫、マシュ、BBに良い所を持って行かれて悔しがっていたのは、当人だけの秘密である。

 

「マスター、攻撃しましょう。相手のカードを複数枚除去して『ナイトメア・デーモンズ』に繋げれば行けます」

「ミラフォ忘れてるよ」

「う……」

 

 苦虫を潰したような顔になるアルトリア。ミラフォは古くから存在し、今でも強力なカードである。これを無視してこの詰めデュエルに成功は無いだろう。

 

(やはりここは『ヴァーミリオン』か? いやダメだ、貫通を残すためにも『ランサー・デーモン』は素材にできない。『D・D・R』で帰還させるにせよ、迂闊に『ランサー・デーモン』は使えない)

 

 効果ダメージは『Emフレイム・イーター』の餌食になるだけだ。何とかして戦闘ダメージで勝負したいが……。

 

「バトルできるのは、裏守備の『アリジバク』だけ。しかもリバースした瞬間にお互いに1000ダメージを与える、これを喰らったらこっちだけ敗北か」

 

 前述した通り、『切り込み隊長』は互いに互いを守り合っているためバトルできない。戦いたいなら3体中2体を除去しなくてはならない。

 

(『サンダー・ブレイク』とエクストラのモンスターで……、いやそれだと攻め手とミラフォが……)

 

 カチカチとタイムリミットは刻々と迫り続ける。

 失敗は許されない。その思いがマスターに焦りを募らせた。

 

「先輩、落ち着いて状況を整理しましょう」

「ああ」

 

 まず最初に攻める場合、敵のミラフォが邪魔だ。仮にこれを処理したとしても『ブービートラップE』で墓地の永続罠カードを伏せる場を与えてしまう。『ブービートラップE』で伏せたカードはそのターンに発動できる以上、優先的にミラフォを破壊するのは悪手か。

 

 

 

ブービートラップE

【通常罠】

(1):手札を1枚捨てて発動できる。

自分の手札・墓地の永続罠カード1枚を選んで自分フィールドにセットする。

この効果でセットしたカードはセットしたターンでも発動できる。

 

 

 

 次に敵のロック解除から取り掛かる場合、これはこっちの攻め手が減ってしまう。即座に発動できるのは『サンダー・ブレイク』と『爆導索』だ。しかし『爆導索』は同じ縦列にあるカードを全て破壊するカード、つまり破壊した瞬間に効果が発動される『マンモス・ゾンビ』と『コザッキーの自爆装置』が巻き添えになるという事。合計ダメージは2900、たった100しかないLPで受ける事は不可能である。

 なら『サンダー・ブレイク』の手札コストで手札のチューナーを捨て、『D・D・R』で帰還させるか。しかしエクストラデッキのどのモンスターでも、一撃で倒す事はできない。

 

 

 

サンダー・ブレイク

【通常罠】

(1):手札を1枚捨て、フィールドのカード1枚を対象として発動できる。

そのカードを破壊する。

 

 

 

 相手モンスターが4体いる以上、『ナイトメア・デーモンズ』はスペースが足りず発動は不可能。これを適用できれば、『サンダー・ブレイク』で破壊し800ダメージ、そして貫通ダメージを組み合わせる事で倒せそうだが……。

 

「『アルマデス』で『ミラーフォース』を防ぎつつ貫通し、『ナイトメア・デーモンズ』のトークンを『サンダー・ブレイク』で破壊するのはどうでしょうか?」

「それも良いんだけどね……、これが邪魔なんだよ」

 

 こんこん、と画面を叩く。指の下には『コモンメンタルワールド』が。シンクロモンスターの登場と共に、相手に500ダメージを与えるカードである。

 

「シンクロ召喚した瞬間に相手にダメージが行く、って事は『フレイム・イーター』の召喚条件が発生するって事だ。だからこれをどうにかしないと、シンクロはできない」

 

 相手の手札に2枚ある『フレイム・イーター』は効果ダメージをコントローラーが受ける時に特殊召喚される。『アルマデス』をシンクロすれば『コモンメンタルワールド』の強制効果が発動し、特殊召喚の条件が整ってしまう。

 そして特殊召喚時に互いに500ダメージを与える効果もあるため、残りライフ100はこれで焼き尽くされてしまうのだ。

 

「マスター、攻撃しましょう。貫通ダメージで、突破口は開ける筈です」

「ミラフォがあるんだってば」

 

 更にマシュの隣から顔を覗かせたランスロットが口を挟む。

 無論、歴戦の武人である彼の言なのだから『ミラフォを対処した上で』という前提なのだろうが。

 

「デュエルは攻撃あるのみ、シンクロして踏み込むのだマスター」

「だからミラフォで迎撃されるんだよ。後、『コモンメンタルワールド』が発火する」

 

 再び提言するランスロットに対し、マスターは彼を見ずに忠告を返す。

 敵の防衛ラインは堅い。さてどうしたら良いモノか。

 攻めるに難しく、崩すに次の手があり、穿つに固い。まさに盤石の態勢を敵は整えている。墓地除外は封じられ、攻撃対象は制限中。ロックの種類こそ簡単だが、だからこそ攻略は難しい。

 

「マスター、『サンダー・ブレイク』と『灼銀の機竜』で『切り込み隊長』を破壊し、貫通を合わせて勝利するのです」

「だからあのカードはミラフォだっつってんだろ、聞けよ!」

 

 (3度目のミラフォ無視発言は流石に)マスター、切れた!

 イライラしながら後ろを向くと、しょんぼりしているファントム・オブ・ジ・オペラと「あちゃー」な表情のカエサルが。どうやら2回目と3回目はランスロットでは無く、声が似ている2人だったらしい。

 

「……ごめん」

「るるるるる……」

 

 いつもは甲高く叫ぶファントムのメロディも、流石に落ち込み気味である。

 精神汚染という狂化に似たスキルを持っているが故に、マスターからの叱責は心に刺さったようだった。

 まぁ流石にミラフォという基本的な罠を何度も無視してはマスターが怒るのも分かるのだが。

 さて何と謝ろうかと思った、その時だった。

 

 

 

 

 

「あ、そうか、ミラフォなんだ」

 

 

 

 

 

 その時マスターに電流走る! まさに圧倒的閃きっ!

 

「そうだよ、何で気付かなかったんだ! ミラフォなんだ! あれは『ミラーフォース』なんだよ! ありがとう、ファントム!」

 

 天啓の如く舞い降りたそれに従い、マスターは大急ぎでコンソールに指を滑らせる。

 残り時間は既に、2分を大きく切っていた。

 

「行くぞ!」

 

 

カルデアのマスター:LP 100

防衛プログラム:LP 2100

 

 

  ☆

 

 

「まずはざっと整理しよう。この攻略の難関は全部で3つ。

 1つ、そこかしこに配置されているバーンの地雷。

 2つ、攻撃対象の制限、切り込みロック。

 3つ、次の罠が用意できる『ブービートラップE』。これらを解決しないと勝利は無い」

「はい」

 

 マスターの指を立てる動作に、神妙な表情でマシュは頷く。

 

「特に1つ目のバーンが問題だ。今、仕掛けられた地雷は3つ。『Emフレイム・イーター』、『マンモス・ゾンビ』、『コザッキーの自爆装置』。後ろの2つは後回しにして、まずは『フレイム・イーター』を対処しよう」

 

 そう言うと立香はモニター上のカードを選択し、伏せられたカードを開示した。

 

「まずはこれだ。トラップ発動、『サンダー・ブレイク』。手札1枚を捨てて、フィールドのカードを破壊する。これで『A・マインド』を捨てる」

 

 シュウン、と手札ゾーンから消える闇色の球体マシン。

 次いでフィールドの全てのカードが破壊の対象候補として黄色い枠線に囲まれる。

 その中の1枚に、マスターはマウスのカーソルを合わせた。

 

「え!?」

 

 だがそれを見たマシュは驚きの声をあげる。

 何故ならそのターゲットにしたカードの名前は――

 

「俺は、『コモンメンタルワールド』を破壊する!」

 

 そう、自分のカードだ。

 雷撃のエフェクトを受け、ポリゴンの欠片に砕け散る永続魔法。2枚のカードは『マクロコスモス』のエフェクトで墓地には行かず、手札コストにされたカードと共に除外ゾーンへと移動した。

 

「成程、これで『コモンメンタルワールド』の効果で『Emフレイム・イーター』を呼ばれる事は無いという事なんですね」

「そういう事」

 

 一見すればただの自傷行為だが、その裏に戦術的な意味がある。デュエルの醍醐味の1つである。

 

「更に手札からチューナーモンスター、『ウォーター・スピリット』を召喚!」

 

 続けて攻め入るため、マスターは手札の最低レベルのチューナーを呼び出した。

 半透明の不気味なゼリー状の生物は、残念ながら活躍の場に恵まれないモンスターの1体である。

 

「レベル4『レアメタル・ドラゴン』に、レベル1『ウォーター・スピリット』をチューニング!

 虚ろな世界の守り手よ、幾重もの幻を纏いて現れろ!」

 

 

☆1+☆4=5

 

 

「シンクロ召喚! レベル5、『幻層の守護者アルマデス』!!」

 

 

ATK:2300

 

 

 黒い鉱石の竜を4つの光の星に、水の精霊を1つの輪に変えて合わせ、炎と氷を繰る白い魔神を呼び出す。

 攻撃力こそ若干低いが、戦闘を介した制圧力は非常に高いモンスターだ。

 

「さぁバトルだ! 俺は『アルマデス』で裏守備モンスター『アリジバク』を攻撃!

 この瞬間、『ランサー・デーモン』の効果発動! 味方モンスターが攻撃する時、1ターンに1度だけ貫通能力を与える!」

 

 

 

幻層の守護者アルマデス(シンクロ・効果モンスター)

星5

光属性/悪魔族

ATK 2300/DEF 1500

チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上

このカードが戦闘を行う場合、相手はダメージステップ終了時まで魔法・罠・効果モンスターの効果を発動できない。

 

 

 

ランサー・デーモン(効果モンスター)

星4

闇属性/悪魔族

ATK 1600/DEF 1400

相手フィールド上に守備表示で存在するモンスターを攻撃対象とした自分のモンスターの攻撃宣言時に発動する事ができる。

そのモンスターが守備表示モンスターを攻撃した場合、その守備力を攻撃力が超えていれば、その数値だけ相手ライフに戦闘ダメージを与える。

この効果は1ターンに1度しか使用できない。

 

 

 

「『アルマデス』がバトルする時、相手はカード効果を発動できない。よって『ミラーフォース』も『アリジバク』のリバース効果も使えない、“ミラージュ・ストライク”!!」

 

 右手の炎と左手の氷が刀剣に姿を変え、横向きになっていたカードを4枚に切り刻む。そこから腹の膨らんだアリが現れるが、爆発する効果は発動せずに消滅した。

 ちなみに『アリジバク』にはリバースした時以外にも発動するもう1つ効果があるが、墓地に行かず除外されたため発動しないし、そもそもそのタイミングもまだ『アルマデス』の効果が適用されているためやはり発動しない。

 

 

防衛プログラム:LP 2100→800

 

 

「1300の貫通ダメージ、お見事です」

「しかしまだ800残っている。どうしますか、マスター」

 

 攻撃できるのなら『ランサー・デーモン』と『マンモス・ゾンビ』の連続攻撃で倒せる。だが攻撃ロックの前では進軍する事はできない。これ以上の攻撃は無理だ。

 

「うん、こうする」

 

 ニカッと笑ったマスターはフェイズをメインフェイズ2に変更し、続いて手札1枚の発動ボタンをクリックした。

 

「装備魔法『D・D・R』を発動。手札を1枚捨てて、除外されている『A・マインド』を特殊召喚!」

 

 手札の『エンジェル・トランペッター』と引き換えに、先程除外された闇のマシンを呼び戻すマスター。

 これで、レベル5が2体揃った事になる。

 

「レベル5の『幻層の守護者アルマデス』と『A・マインド』でオーバーレイ!」

 

 カチカチッと素早く2体を選び、素材に指定。白い魔神と黒い機械はエクストラモンスターゾーンで重なり、新たなモンスターを呼び出した。

 

 

☆5×☆5=★5

 

 

「エクシーズ召喚! ランク5、『終焉の守護者アドレウス』!」

 

 入れ替わるように現れたのは漆黒の羽を持つ悪魔の如き何某か。右手に赤い石の短剣を持ち、同じく赤い眼でギラギラと睨み付けている。始祖の守護者と対を成す、破壊の力を持った魔神である。

 

 

ATK:2500

 

 

「『アドレウス』の効果発動! オーバーレイ・ユニットを1つ使い、フィールドのカードを破壊する。俺は『切り込み隊長』を破壊!」

 

 

 

終焉の守護者アドレウス(エクシーズ・効果モンスター)

ランク5

闇属性/悪魔族

ATK 2600/DEF 1700

レベル5モンスター×2

1ターンに1度、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除き、相手フィールド上に表側表示で存在するカード1枚を選択して発動できる。

選択したカードを破壊する。

 

 

 

 カードの下から取り除かれて墓地、の代わりに再度除外ゾーンへと行く『A・マインド』。

 そして同様に粉砕され、消失する『切り込み隊長』。当然、まだ同名モンスターは2体残っているのでロックは健在だ。しかも空けたモンスターゾーンは『爆導索』の前、発動条件を自分からふいにした形となった。

 だが、これで相手のモンスターゾーンが3ヶ所空き、アレが発動できる。

 

「相手モンスターがこれで4体から2体に減りました。つまり――」

「ああ。更にトラップ発動、『ナイトメア・デーモンズ』! 俺は『ランサー・デーモン』をリリースし、相手フィールドに『ナイトメア・デーモン・トークン』3体を特殊召喚!」

 

 

ATK:2000

ATK:2000

ATK:2000

 

 

 相手フィールドにぴょこぴょこ踊るひょうきんな細い悪魔が呼び出される。普通に考えれば攻撃力の高いトークンを3体も送ると言うデメリットしかないコンボ性の高いこのカードは、今でこそ生きるのだ。

 

「これで終わり! 『爆導索』、発動! このカードと同じ縦列のカードを全て破壊する!」

「え、でも先輩それは!?」

 

 ピッ、と発動が確定した赤いカードを発動した音が響いた。その効果により、『マンモス・ゾンビ』、『コザッキーの自爆装置』、『ナイトメア・デーモン・トークン』が吹き飛ばされる。

 本来ならただの自殺行為だが……。

 

「先輩、どうして!? 2900ものダメージを自分から――」

「いや、その前に決着さ。見てみなよ」

「え?」

 

 促されてモニターを見ると、そこには何と

 

 

 

 

 

『CLEAR』

 

 

 

 

 

の文字が。

 

「ど、どうして? 効果ダメージが発生しなかったんですか?」

「正確には、効果ダメージが入る前に決着したんだよ」

 

 除外ゾーンには確かに破壊された『マンモス・ゾンビ』と『コザッキーの自爆装置』がある。そしてマスターの除外ゾーンの他のカードは変わらずだ。何か別のカードをチェーンした様子も無い。

 マシュが頭に大きなクエスチョンマークを浮かべて首を捻っていると、マスターはにっこり笑って答え合わせを始めた。

 

「マシュ、チェーンブロックは知ってる?」

「はい。確か連続して発動した効果を、後から順に処理しているシステムの事です」

「うんうん、じゃあ“トークンは通常モンスター”って事は?」

「え、そうなんですか?」

「そうだよ」

 

 基本、モンスタートークンは実体の無いモンスターであり、その存在は常に通常モンスター扱いだ。特殊能力を持っていてもそれは変わらない。

 例えば『カイエントークン』は『冥府の使者ゴーズ』に伴って現れ、攻撃力はダメージと同じになる。また今回の『ナイトメア・デーモンズ』で呼び出された『ナイトメア・デーモン・トークン』は破壊されれば800ダメージを与える能力を持つ。

 しかしこれらは“トークン”の効果では無く、『冥府の使者ゴーズ』や『ナイトメア・デーモンズ』の効果が残っているだけなのだ。

 分かりやすく言えば“既に発動していた”である。

 

「トークンの残存効果はとっくの昔に適用され、発生が目に見えるのが遅れただけなんだ。つまりチェーンブロックに乗らない」

 

 800ダメージを与える効果は『ナイトメア・デーモン・トークン』を破壊した瞬間に発生する。これはチェーンブロックに乗らない。

 一方、『マンモス・ゾンビ』と『コザッキーの自爆装置』はチェーンに乗る。よってダメージが発生するのは『ナイトメア・デーモン・トークン』が先になる。

 結果、残りライフ800だったシステムの方が先に敗北する、というカラクリだ。

 

「す、凄いです。カード効果じゃなくてルールの方を利用するなんて……!」

「多分だけどここの詰めデュエル、こういう本当にガチで深い、それこそ普通にデュエルする中では使わない知識を問われる問題が多かったんじゃないかな?」

 

 スタッフの皆が、いくら詰めデュエルとは言え、長い時間アタックを続けて突破口がずっと皆無だったとは思えない。

 となればこういうニッチな方面での解法が求められていたに違いないだろう。

 回答権が無限にあるという事でゾンビアタックのように何度も自分達だけで挑戦させようとするという一見不可解な仕組みは成程、チャンスを無限に与える事で、逆に正解までの時間を稼ぐ罠だったという事だ。

 

「んっ、中々良い刺激になったよ。次はもう少し余裕を持って正解したいな」

 

 タイムリミットを見ると、残り時間は1秒を切っていた。まさに間一髪である。

 だがまぁ正解は正解だ。マスターはコンピュータの事はさっぱりだがそれでもメインモニターに映るデータはどんどんと何かが進行して行き、周囲からは次第に歓喜の雰囲気が生まれ始めていたのだから。

 やがてモニターの数字やアルファベットの羅列が全て緑に変わり、『ぽーん♪』と軽快な音が鳴った。

 

「やった、やったぞ!」

「ナイスだマスター君! やっぱり君は凄いね!」

「先輩、凄いです! 先輩最高です! ベスト・オブ先輩です!」

「流石ですマスター。貴方に我が槍を預けたのは、やはり間違いでは無かった!」

「お姉さん、また君の事を見直しちゃったわ!」

「きゃー素敵! 抱いてー!」

 

 ちなみに最後のは男性職員のセリフなので「ヤです」とスッパリ彼は断ったそうな。

 

 

 

爆導索

【通常罠】

(1):このカードと同じ縦列全てにカードが存在する場合、セットされたこのカードを発動できる。

その縦列のカードを全て破壊する。

 

 

 

ナイトメア・デーモンズ

【通常罠】

(1):自分フィールドのモンスター1体をリリースして発動できる。

相手フィールドに「ナイトメア・デーモン・トークン」(悪魔族・闇・星6・攻/守2000)3体を攻撃表示で特殊召喚する。

「ナイトメア・デーモン・トークン」が破壊された時にそのコントローラーは1体につき800ダメージを受ける。

 

 

 

コザッキーの自爆装置

【通常罠】

セットされたこのカードを破壊したプレイヤーに1000ポイントダメージを与える。

 

 

 

  ☆

 

 

 一方の医務室では、サンソンとナイチンゲールが険しい顔で英霊2人の処置に当たっていた。

 

「霊核は問題無い。ですが霊基の損傷が大きすぎます。何をどうしたらこうなる事やら、ドラゴンに踏み潰されてももう少しマシなダメージでしょうに」

「筋肉、骨、共に異常無し。脳波も安定、弱いですが自発的に呼吸もしているので脳死でも無いし、そも植物状態の傾向も見られません。これは一体何が原因なのでしょう」

 

 八方手を尽くし尚も眠り続ける皇帝ネロと騎士アストルフォ。このカルデアの仲間では無いとは言え、彼らは重傷患者だ。見捨てるのは医療に携わる者として選択肢には無い。

 

 さてジークと一緒に来た青年の2人だが、彼らの処置はもう終わっている。後はもう目覚めるのを待つばかりだ。

 しかし2騎のサーヴァントは未だ目覚めの兆候すら見えない。如何にエーテルで出来た肉体とは言え、基本的な肉体構造の概念は人間のそれと大差無い。切られれば血が出る、疲れれば息が上がる。腕が逆に曲がる事なんて出来ないし、折れた骨を1秒で治す事もできない。

 つまり、治療方法の基礎は人間のそれと同じだ。ナイチンゲール達が治せない道理は、無い。

 

「いつもなら患部を切り落とすなり何なりするのですが、患部が分からないのでは処置のしようがありません」

「ナイチンゲール女史、いつも思うのですが切除を第一に考えるのはそろそろやめた方が……」

「最近では切らずに治すのが主流だそうですよ?」

 

 サンソンや医療スタッフの進言もどこ吹く風。

 聞けば彼女の医療に対するあり方は、英雄王や太陽王すら口を噤み、初代山の翁や花の魔術師すら口を挟めず、マスターや所長等のお偉いさんですら口を閉ざす程に頑固一徹、と言うよりも一本筋を通している。

 健康のため、命のため、彼女は今日も信念を持って治療に臨むのだ。

 ……例え途中で死者が出ても。

 

「非科学的な話極まりませんが」

 

 だからこそだろう、彼女はお手上げな程の重症相手に、弱音を吐く。

 

「これはいわゆる“魂を抜かれた”状態に近しいような気がします」

 

 珍しい発言だ、とサンソンは思った。

 魂を抜かれる等、それこそまさに非科学的の頂点にあるような例えの1つ。それが彼女の口から発せられたという事は、この打つ手の見当たらない状況に相当参っているようである。

 

「こういう弱音は本当は吐きたくありません。しかし、はてさて、何がどうしたらこうなるのやら、何が最善の手なのか全くの不明で……」

「ナイチンゲール女史……」

「いいえ、いいえ。泣き言は後です。治療法が不明だと言うのなら、発見できるまで延命するのみ。どの治療法にどの程度のリスクがあるか分からない以上、五体満足で維持させます。良いですね、スタッフの皆さん!」

 

 パン!と己の頬を張って鋼鉄の天使は気合いを入れ直す。

 ほんの少しだけ見えた彼女の弱い部分を心配しつつも、スタッフとサンソンもまた意気込み新たに重症患者達に向き直る。

 取り敢えず再度バイタルチェックをするため、採血用の注射器を取り出すのであった。

 

 

  ★

 

 

 青年は夢を見る。

 夢の中の青年は月の王であった。

 無用な戦いを廃止し、誰もが笑って暮らせる平和な世界を作ろうとしていた。

 その生まれは偶発的な物であるが故に、この世の常から外れた存在であるが為に。

 やがて青年は幾度と無い戦いの果てに平和な町を1つ作った。

 1つの町は2つに広がり、2つは4つに、4つは8つに、8つはもっと沢山に、その平和の輪を広げて行く。

 戦いの中、数多の仲間を得て、そして大切なヒトが出来て。

 

 嗚呼、されどこの身は戦いの中にあり。

 平和と戦争は表裏一体。

 例え平和を築いたとしても、その中でまた新たな戦いの火種を生み出してしまう。

 

「キャス、……タ……ァ、ル……テ……」

 

 掠れた呻き声をあげる茶髪の青年は、ただただ、己が身を捧げて散った少女達を思い、未だ醒めぬ夢の中に。

 

 

  ★

 

 

「バーサーカーよ」

 

――何だ、キャスター

 

「あの女狐はどうした」

 

――メギツネ?

 

「先日、月で捕縛した奴だ。全く、折角この私がマスターと共に手ずから躾けてやろうと思ったのに、見当たらんではないか」

 

――ああ、奴なら逃げた

 

「何!? 貴様、ちゃんと見張っていろと言っただろう! ただでさえ肌の黒い劣悪種には逃げられたのだぞ!?」

 

――肌の色で差別とか、サーヴァントのクセに随分な言葉だな

――そもそも無理を言うな、アイツのオリジナルが誰だか分かっているのか? 太陽の神だぞ?

――たかが近代の殺人鬼がどうこう出来る相手じゃねぇ、拘束したけりゃ神霊連れて来い

 

「何が太陽の神だ、所詮は極東の蛮族の邪神ではないか!」

 

――何だ貴様は、貴様の信じる神の膝元にいない奴は、全て下等生物扱いか?

――道理で、お前が陥れた奴が英雄になる筈だよ、今まさに実感してるね

――ハッ、神サマに救われなかったお前と救われた聖人、良い対比じゃないか

 

「貴様、言わせておけば! あの魔女の方が私より格上とでも言いたいのか、訂正しろ!」

 

――ハァ……

――それより、貴様の方こそどうなんだ、随分と失態を重ねているようだが?

――アサシンやアーチャーが、貴様に極刑を与えに来るなんて噂されているぞ?

――無能な働き者は、ゼークトの組織論によれば死あるのみだ

 

「それとこれとは関係無い!」

 

――ならば俺に命令するな、俺は貴様の従者では無い

――それにあの狐は中々良い術士だった、敵なのが勿体無いくらいだ

 

「……フン、仕えん奴め。まぁ良いわ」

 

――使えんのは貴様だ

――同じ術士として張り合えば貴様には勝ち目が皆無だからこそ、俺に監視を頼んだのだろう?

――キャスターですら無くなった輩に、なお術で負けるとは、な

 

「だ、黙れ! あれは奴が邪法の術を使っているからである!」

 

――見苦しい言い訳だな

――そもそも邪法だと言うのなら、それこそ神様の聖なるパワーの出番なんじゃねぇの?

――ハッ、司教だか司祭だか知らねぇが、大した事ねぇなぁ

 

「おのれ、たかが卑しい殺人鬼の分際で、恥を知れ! 主の怒りに焼かれるぞ!」

 

――生憎、神様がいるのは知っているんだよ

――お前程度を挑発して怒る狭量なヒトじゃねぇ事もな

――自分の怒りを神に押し付けるとは、聖職者の分際で恥を知れ、耄碌ジジイ

 

「きっっっっっ、さまぁぁあああ!!」

 

――俺だって忙しいんだ、お前のワガママに構ってる余裕はネェ

――あばよキャスター、次に会うのはテメェの死に際かもな

 

「待て! まだ話は――! ええい、逃げ足の速い!」

 

 

 

 闇の中、術を操る者と狂気を司る者が相対する。

 彼らは同じ陣営なれど、だからと言って仲良しこよしとは行かず。

 ただただ、対立の芽を残してバーサーカーはキャスターと分かれる。

 残された老年のサーヴァントは、その場で地団太を踏む事しかできなかった。

 

 

To be continued

 




詰めデュエル作成の難しい事、難しい事。
作中で指摘した解答以外にルートがあれば教えて頂けると幸いです。
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