バージョン:セリパ   作:雄良 景

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 ※レタスはここまで出張らせるつもりなかったはずなんですけど…?
  もっと顔見知り程度の浅い付き合いの予定だったんですけど…??









ぜいたく

 

 

 

 ―――――ターレスは思ったより才能があった。

 

 頭も悪くないんだろう。連れ帰って1か月もすれば言葉も流ちょうになって、文字の読み書きだって上達した。最近は本を読んでることも多くて、物によっちゃあアタシも分かんないような頭よさそうな本を読んでることもある。

 さらに1か月もすれば戦い方もうまくなった。今の戦闘力はだいたい400ってとこかな。順調に成長してる。まあ当り前さ、あたしがわざわざ手取り足取り教えてやったんだからね。その分メディカルマシーンの常連に仲間入りしてるけど。

 

 ただ、腹立つことにこいつは鍛錬が好きじゃないらしい。「ラクして戦闘力があげられればいいのに」だのとぬかしたときはぶん殴ったね。こいつはギネと別ベクトルでサイヤ人らしくないやつだ。あとクソ生意気。

 

 

「なあ(あね)さん。アンタのチームに俺と瓜二つの男がいるんだろう?」

「あん? アンタに言ったことあったかい?」

 

 

 そういえばバーダックと会わせたことはなかったはずだけど、と思えば、あれだけ噂になってたなら俺だって聞こえるさ、と返される。ああなるほど。あのクソ不愉快な噂話はガキの耳にも入っていたらしい。まあ爆発的(比喩)に広がって爆発的(物理)に消滅したからね。

 それは置いといて、なんでも、自分と瓜二つのバーダックが戦闘力10000越えってのが気になったらしい。どんなことをしたらそこまで強くなれたんだ、ってことか。馬鹿だね。これ見よがしに大きくため息を吐いてやれば、ニヤニヤしてた顔はむっすりとふくれっ面になった。

 はん、すぐヘソを曲げるのはまだまだガキの証拠だよ。

 

 

「アンタにゃ無理さ。なにせ、あいつは自分より強いやつとタイマンしまくって、死にかけては復活しての繰り返しで戦闘力を上げたタイプだからね」

 

 

 地道な鍛錬が嫌いなアンタにゃ到底できないだろ、と言ってやれば、ターレスの顔がげんなりとした。「なんだよそいつ……ドМじゃねえか」吹いた。ドМ! バーダックが!!

 そうか、そういう考え方があるのか! 言われりゃ確かにそうだね。わざわざ何回も死にに行くなんて、とんだド変態だよ!

 ケタケタ笑えば、ターレスが鼻で笑ってくる。「そういう意味じゃ、似たようなことしてる姐さんもド変態だぜ」

 

 

「上等だこの紫レタス。表出な、しごいてやるよ」

「レタス言うな! アンタだってパセリだろ」

 

 

 小粒レタスをメディカルマシーンにぶち込んだあと、帰り道で会ったバーダックに「よおド変態」と声を掛けた。殴り合いになった。まあアタシらもメディカルマシーンに入る羽目になるよね。ギネにはバレなかった。

 

 

 

 

 

 

 ―――――ターレスが上級戦士のチームに入ることになった。

 

 もちろん立場は下級戦士のままだけど(変動することはない一生モンだからね)、連れ帰って3か月でもともと100程度だった戦闘力が700に上がったから正式に戦闘部隊に入れられることになったらしい。

 小粒レタスが育ったもんだ。祝ってやろうかと言えば、ガキじゃねえんだからと肩をすくめてた。緩みそうになってる顔については言わないでおいてやるよ。

 

 じゃあ『ついで』だと、ギネの祝いの席に引っ張て行くことにした。なんでもギネってば、腹にふたりめが居るらしい。それについてはバーダックを殴った。いや、これはアタシは悪くないだろ。あの野郎、アタシがしばらくターレスと仕事でギネに会えてなかったから、ギネから妊娠のことを伝えておいてくれと言われてたらしい。だってのにすっかり忘れてやがって、結局アタシが久しぶりに会ったらデカくなってた腹を見てひっくり返ったことで事態が発覚したわけだ。

 バーダックはもちろんギネに怒られてたけど、当たり前みたいに殴り返してきた。

 

 

「……なんで殴った?」

「忘れてたことに関しちゃ悪いとは思ったけどよ、それとは別に殴らせたことはシンプルに腹が立った」

「いい度胸だ牛蒡表出な!!」

 

 

 ギネには怒られた。違うよ殺し合いをしたわけじゃないってば。スキンシップさスキンシップ。「気持ち悪ぃこと言ってんじゃねえ」黙れ牛蒡。

 メディカルルームに様子見に来たターレスに、やっぱり揃ってド変態じゃねえかと言われた。やかましい。

 

 ―――――まあ騒がしい経緯はあったけど、とりあえず妊娠はめでたい。チームの連中で祝おうって話になってたんで、そこにターレスを連れて行くことにしたわけだ。あいつらに顔見せも兼ねてさ。

 

 

「へえ、こいつがターレスか」

「マジでバーダックじゃねえか!」

「………」

 

 

 トーマとパンブーキンが騒いでる。デカブツに囲まれたターレスは少したじろいでたけど、多分1番威圧感あるのは無言で見下ろしてくるトテッポだろうね。

 会ってみたかったんだぜ、と笑うトーマに、じゃあ会いにくればよかったじゃないかと言えば、揃って苦笑いされた。

 

 

「だってよ、お前変な噂たてられてブチ切れてただろ? そんな時に興味本位で顔出したらぶん殴られると思ってよ」

 

 

 否定はできないね。頷けば、だろうな、とため息を吐かれた。バーダックはターレスをチラリと見てそのまま興味をなくしたように話は無視してるみたいだけど、ギネはバーダックの後ろから顔を出して話に入ってくる。

 

 

「わたしは疑っちゃいなかったよ! でも、もしセリパが本当にバーダックのことを好きだったらわたしに勝ち目はなかったからさ、安心しちゃった」

 

 

 いじらしいことを言ってくるギネに気分がアガる。もしバーダックがギネ以外を選んでたら殺してたよ、と笑えば、ギネもケラケラと笑った。バーダックはさすがに「気色悪ぃこと言ってんじゃねえ」って顔をしかめてたけど、他の連中も笑ってる。

 ターレスだけが「頭おかしいだろこの連中……殺すってどっちだよ」なんてげんなりしてたけど、どっちだって? 馬鹿だね。バーダックに決まってるじゃないか。

 

 

 

 

 

 

 ―――――ラディッツの機嫌が悪い。

 

 今までアタシの顔を見るたび逃げだしてきたくせに、今日に限って自分から近付いてきたと思えば無言で足を蹴ってくる。何してんだこのガキ。いや、まったく痛くないけど。痛くはなくても腹立つ。特に的確に脛を狙ってきてる辺りが。

 無言で顔面をワシ掴んで持ち上げれば、……なんだいアンタ、また泣いてんのかい。

 

 ラディッツはそのままの体勢でブチブチと文句を言い始めた。やれこないだのお祝いパーティーに自分は参加してないだの、やれギネが妊娠してからないがしろに扱われるだの。

 馬鹿だね。パーティーの時はアンタは仕事だっただけだし、ないがしろにされてはいないだろ。ただ、バーダックは仕事とギネのサポートに忙しくて、ギネも腹が大きくなるにつれ体調を崩しやすくなってるから今まで通りに動けないだけ。

 アンタ寂しいのかい、と笑えば、んなわけあるか! と騒がれる。ちょっと、バタバタ暴れんじゃないよ。うっとおしいからそのまま放り投げ―――――へえ、着地くらいはまともにできるようになったか。

 ぶすくれ顔のままのラディッツは、もしょもしょと話を続ける。いわく、寂しいわけではない。けど、腹の中にガキが居ると言われてもよくわからないし、見たこともないやつのために環境が変わっていくのが気持ち悪い、だと。

 

 正直知ったこっちゃないけど、まあそういう考えもあるのかもしれないね。

 

 

「馬鹿だね。アンタが生まれる前だってそうだったさ。今アンタが見てるのは、あんたが生まれるときと同じような光景だよ」

 

 

 それでも納得できなくて変わっていく環境に取り残されるような気持ちになるなら、アンタも変える側になればいい。ギネの代わりに家事を手伝って、バーダックの代わりにギネを手伝って、そうやって自分も一員になればいい。

 他の上級戦士からも色々言われてんだろうラディッツは、納得しきれないように「サイヤ人らしくない」だのと小さな声で言ってくる。情けないね。周りの意見に流されて自分の主張を殺してる方がよっぽどサイヤ人らしくないだろう。

 

 

「アンタだって分かってるだろ? こんな仕事だ。いつ死ぬかなんて分かりゃしないってさ。アンタもアタシも、今日が命日になる可能性なんていくらでもある」

 

 

 やろうと思った時にやらなきゃ、死んでから後悔したって知らないよ。そう言えば、とうとうラディッツは黙った。

 

 

 

 

 

 

 ―――――スカウターが壊れた。

 

 前の仕事の時になんとなく不調かな、とは思ってたけど、急にエラー音を出して動かなくなったときは驚いた。スカウターってこんな壊れ方するのか…

 しょうがないから工房に持っていけば、すぐに修理が終わるらしい。時間もあったから後ろから眺めることにした。へえ、構造はこうなってんのか。暇つぶしには悪くない。

 

 これは何だそれは何だと質問すれば、技術スタッフは少しめんどくさそうに答える。無視しないのはアタシの戦闘力が高いことを知ってるからだろう。いい判断だね。サイヤ人を相手にするときは、相手の立場と同じくらい戦闘力を考慮して態度を変えるべきだ。なにせ血の気の多い連中だから。

 

 ふと、作業台の端にあるバラされてるスカウターを見つける。あれはどうしたのかと聞けば、スカウター内部の通信機能パーツが使い物にならなくなってるから新しいのを積まなきゃいけないやつらしい。

 

 

「へえ、ならそれ、そのままアタシにくれよ」

 

 

 ちょうどよかった。鍛錬するときに自分の戦闘力を測ったりしてスカウターを使うことはよくあるけど、たまに通信回線からノイズが聞こえたりするんだよね。集中してる時にやられるとイライラするんだ。もともと通信機能を積んでないやつが別で欲しいと思ってたところだったから、ちょうどいい。

 持ち運び用スカウトスコープを使えばいいだのと言われたけど、軽いし装着できる気軽さがいいんじゃないか。文句あんのかい、と軽く凄んでやれば、スタッフはあっけなく白旗を上げた。ふん、情けない。

 

 

 

 

 

 

 ―――――ターレスが王子と同じ部隊に入ったらしい。

 

 出世じゃないか、と言えば、ただの子守りだ、とため息を吐いた。今回ばかりは本当にめんどくさそうだ。なんでも、完璧血統の上級戦士王子様はわがまま坊やで、相手をするのが本当にめんどくさい、と思ってるんだと。

 本当に不服そうにしているもんだから、そういえば、同部隊にバーダックのガキが居るよ、と言ってみる。あ、顔つきが変わった。少し興味が出てきたらしい。ただ、こういう顔をしてる時は面倒ごとを起こす確率が高いってのは、ここ数か月でアタシも知ってるよ。……まあ、ターレスの戦闘力はまだ780。だいぶ育って下級戦士のガキにしては強いけど、ラディッツはこの前1200に到達したばかりだ。まともにやりあっても大事にはならないだろ。

 

 と、思ってたらターレスがラディッツを泣かしたらしい。ラディッツを指さしてケタケタと笑うターレスと、ほぼ本気泣きのラディッツが、アタシとギネを間に挟んで対立してる。

 なんでこう、面倒ごとになるかね……とりあえず未だに揶揄い続ける紫レタスに、キツイ一発を頭にぶち込んで黙らせ、家に引っ張って帰ることにした。ギネ、ラディッツは任せたよ。

 

 

「何がそんなに気に入らないってんだい」

 

 

 ストン、と、一瞬。ターレスから表情が抜けた。けどすぐに馬鹿にした笑みに戻る。ああ、めんどくさいガキだね。わざわざ突っ込んで構ってやるのも時間の無駄だから、力を込めてターレスの頭を引っ掻き回す。ギャアギャアと文句が飛んできたけど知らないよ。

 仲良くしろとは言わないけどね、仕事に支障が出るよなことはするんじゃないよ。ただでさえ今はアンタの方が弱いんだから。ターレスは、あんな泣き虫すぐに追い越してやるよ、と笑った。

 

 

 あの後ギネに話を聞くと、吹っ掛けたのはラディッツらしい。まあ納得。あいつ泣き虫のくせにデカい態度とるからね。おおかた、入ってきたターレスに先輩風吹かそうとして失敗したんだろ。ラディッツとしては聞いたことのある名前のやつが来たから、面倒見てやる光栄に思えよって感じか。もうすぐ下のきょうだいが生まれるから、お兄ちゃんしたい気分だったのかもね。

 対してターレスは、あの反応からしてもともと思うところがあったんだろ。で、ラディッツが気付かず地雷を踏みぬいた、と。手を出さずに口で負かしたのは自分の戦闘力と相手の戦闘力をしっかり把握できていたから。そしてラディッツの性質を見抜いて、最も有効な攻撃手段として選んだから…ってとこかな。そういう判断力の高さはあいつの有能なところだね。やっぱり脳筋で猪突猛進の気があるサイヤ人らしくなく、冷静な奴だ。ここぞというときに自分を抑えるすべを知ってる。

 ただ、経緯くらい自分の口から言えっての。

 

 家に戻ったら、ターレスが腹減った、と寄ってきた。その頭に手を置く。力は籠めずに、置くだけ。ターレスは間の抜けた顔をしてから逃げてった。

 

 

 

 

 

 

 ―――――ふたりめが生まれた。

 

 バーダックに瓜二つの男だった。独特の髪形なんかが特に似てる。爆笑するアタシたちにバーダックは微妙な顔をしてたけど、これは笑うだろう。

 せっかくだからターレスも並べて鑑賞してやろうと思ったけど、アイツは嫌がって来なかった。なんでもバーダックのやつ、なんだかんだターレスを気にかけてるらしくてね。顔を見かけるたびに「俺と同じツラしてなんだその貧弱な戦闘力は」って戦闘訓練させられるんだと! なんだいアンタ、案外ターレスを気に入ってんの?

 まあそんなわけで同行拒否したターレスは不在。そしてラディッツは、ひたすら無言で赤ん坊を見つめてた。

 

 気になるのかい、と声をかけてみる。まあ、と煮え切らない返事が返ってきた。まあ、うん、まあ……俺、兄ちゃんだし。そんなこと。馬鹿だね、笑っちまうよ。…アンタもギネにそっくりで、割かし甘ったれな男だね。

 

 二人目の名前はカカロットになった。うん、悪くない。けど残念なことに、カカロットの潜在能力は2。完璧に下級戦士だ。……それも、『飛ばし子』レベルの。ギネは産まれてきたことを喜びながら、飛ばし子にしなくてはならない未来に不安げな顔をしていた。バーダックはそこらへん、あんまり悲観してないみたいだけどね。まあ、バーダック自身も下級戦士の生まれだし。

 

 

「上に掛け合ってみるかい? 下級戦士でありながら上級戦士並みの戦闘力を持つバーダックの子だ。下手に飛ばし子にするより、手元で育てた方が有益な戦士になるかもしれないとでも言えば、何とかなるかもしんないよ」

 

 

 ギネは、うん、そうだね、と前向きに考えてる。バーダックも自分が息子を育てることには異論はないらしい。上さえ説得できりゃ、しっかり戦士に鍛え上げるだろ。アタシたちだって手を貸すさ。

 

 家に戻ればターレスが居た。なんとなく、カカロットの話をする。ふうん、と言っただけだった。

 

 

 

 

 

 

 ―――――カカロットが王宮の育児カプセルに入った。

 

 取り合えずしばらくは様子見で、また改めて潜在能力を計測する。その時の結果によって待遇が決まるわけだ。ギネはしょっちゅう顔を見に行っていて、バーダックはギネの付き添いって体で突っ立てるけど、たまにひとりでも様子を見に行ってるらしい。アタシも2回くらい顔を出したかな。チームの連中も一回は見に行ってる。それにしたって能天気な寝顔だった。

 ターレスは本当に興味がないみたいで、ついてきたことはない。まあサイヤ人ならこういう反応の方が普通だろうね。アタシらが気にしすぎなのさ。

 ……ただ、ラディッツは一度も顔を出したことがないって話だ。ギネが声をかけても拒否するらしい。また周りになんか言われたのか知らないけど…あのガキはちょっと我の強さが足りないね。ヘタレだよ。気にせず好きにすりゃあいいのにさ。『兄ちゃん』なんじゃないのかい。…まあ、普通は兄弟なんて興味ないもんだろうけど。バーダックも静観してるみたいだし、アタシもこれ以上特に言うことはないね。……ここが境界線か。変わったサイヤ人になるのか、ありきたりなサイヤ人になるのか。まあどっちになろうと、自分で決めるべきものを他人に流されてるようじゃいつまでたっても腑抜けさ。

 

 報告業務を済ませて、ふと、時間があるからカカロットの顔でも見に行こうかと方向転換する。王宮の育児カプセルは同年代の赤ん坊が並んでるから、それを眺めながら有望そうなやつを探すのは案外楽しいもんだ。そのうち成長したらチームを組んで戦うことになるかもしれないやつが居るかもしれないからね。

 

 専用ルームに着くと、大きな泣き声が聞こえてきた。こりゃまた……元気なことで。やかましくって仕方がないよ。誰だいこの泣き声は。

 

 ……カカロットだった。アンタ、泣き虫なのはラディッツにそっくりだね…。それにしても腑抜けた寝顔だったくせに声量だけは一人前か。ギャアギャアと泣いて、いっこうに泣き止まないカカロット。さてどうしたもんかねと悩んでいれば、カカロットの隣のカプセルからも泣き声が聞こえてきた。あーあ。アンタ泣き声で隣のやつ泣かせてんじゃないか。そっちの攻撃力は上級戦士かい。

 さすがに耳が痛くなってきたし、かといって放置して帰るにはギネの顔がチラつく。とりあえず、ギネの見よう見まねで腹をポンポンと叩いてみれば、ものの1分ほどで泣き止んだ。アンタそれでいいの? 情緒不安定か。

 けど、もう大丈夫かと手を離すとまた泣き始める。それの繰り返し。おいまさか気が済むまで叩いてろってことじゃないだろうね……そして隣のカプセルのやつも泣き止まない。ああ、理解した。アタシは最悪のタイミングで来ちまったわけだ……

 

 結局、アタシの帰りが遅いことに不信がったターレスがギネを連れて専用ルームにたどり着くまで、アタシはひたすらカカロットの腹でリズムを刻みながら尻尾で隣のガキをあやす羽目になった。

 ちょっとカカロット、指をしゃぶるんじゃないよ! あ、おい隣のガキも尻尾に噛みつくな! ターレス! 笑ってないで手伝いな!!

 

 ……瀕死の重傷を負った時より疲れた気がするよ。

 

 

 







 俺は、お前が嫌いだ。





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