モフモフ幻想郷ex   作:アシスト

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※新作ちょいネタバレ注意



17.俺氏、なんとなくわかる。

 

 

 

 

至る所で蝉が鳴き、外の気温が30度を超える真夏のある日。

 

「「きゅー!」」

 

こうも暑い日が続くと、お店の外でマスコットと化しているすくすくめーりんとすくすくあうんはしんどいかなと思って様子を見に来たのだが、2匹とも全然元気そうだ。

 

しかし、水分補給はちゃんとすること。

暑かったら無理しないで、店内に入ってくるんだぞ。

 

「「「きゅー」」」

 

そう言い聞かせて3匹の頭を撫でる。

うむ、暑くても心地よいモフモフ感。たまらんね。

 

 

ところで、一匹増えてない?

 

「きゅー」

 

千万両と書かれた小判を持った三毛猫っぽいすくすく。

 

招き猫ならぬ招きすくすく。

コイツは縁起が良い。後で猫まんまをを作ってあげよう。

 

 

 

 

————————

 

 

 

 

「……………」モフモフモフモフモフモフモフ

 

「きゅー?」

 

「……トオルトオル、アイツは一体何してるの?」

 

 

本日のオススメ『黒蜜きなこあんみつ』をテーブルに置いたタイミングで、ばんきさんが俺の耳元でヒソヒソと聞いてくる。

 

ばんきさんの視線の先には、一言も喋ることなく両目を閉じて集中しながら、一心にすくすくミケをモフり尽くすモフモフソムリエ阿求さんの姿。

 

ああ、あれはですね。すくすくを極限までモフモフすることで、すくすくの神髄について調べているんですよ。

 

「……ごめん。ちょっと意味わかんない」

 

安心してください。俺もよくわかってないです。

 

 

阿求さん曰く、すくすくミケの元となった人物は『お金かお客を招き入れる程度の能力』を持っているようで。

 

これがなかなか難儀な能力みたいで、お金かお客のどちらかを招き入れるともう一方を遠ざけてしまうという飲食店で扱うには致命的な能力らしい。

 

「ですので! お店に悪影響を及ぼさないか調べるために、精一杯モフモフさせていただきます!」と阿求さんに言われたのが事の始まり。

モフればわかるのか…阿求さんも人間やめてきたなぁ…。

 

まぁ俺としては何の心配もしていない。現時点で、すくすくとはいえ疫病神と貧乏神が居座っているが、うちの経済面に支障はない。一匹ぐらい特殊な能力を持ったすくすくがやってきたところで何の問題もないだろう。

 

 

で、阿求さん。

結果はどうですか?

 

「はい、全く問題ありません! たくさんモフモフしてしまいごめんなさいすくすくさん。少し窮屈でしたよね」

 

「きゅーっ!」

 

「えっ? 気持ちよかったからもっとモフモフしてほしい? ああもうすくすくさんは本当にもうっ! もうっ!!」モフモフ

 

とろけるような笑顔で、再びすくすくミケをモフりだす阿求さん。

 

ついにすくすくと意思疎通できるようになっておられる。モフモフソムリエになっても、阿求さんの進化は留まることを知らないようだ。

 

「トオルもすくすくの言葉がわかるんだよね。どういう風にわかるものなの?」

 

阿求さんの行く末を少しだけ心配する俺に、ばんきさんがそう聞いてくる。

 

どういう風といわれても……なんとなくわかるんですよ。

 

「きゅー!」

 

例えば、今のすくすく橙は『新しい猫友だ!』って遊びたそうに言ってますし。

 

「きゅー!」

 

今のはすくすくめいりんが『喉かわいたー!』って言ってます。

 

「きゅー!」

 

今の鳴き声は『初めましてー!』って言ってますね。

 

 

ん? 初めまして?

 

「きゅー」

 

鳴き声の正体は、お団子ヘアが特徴的な黄色のすくすく。首元には埴輪のような装飾を付けている。

 

名前はすくすくまゆみって言うそうです。

礼儀正しいすくすくみたいですね。

 

 

「私には全部同じ聞こえる……って言ったら、すくすくに失礼かな」

 

「きゅー?」

 

「ん、今のすくすくの私はなんて言ったの?」

 

今のは……えーっと……他の人に聞かれるとちょっと恥ずかしい程度のことを言いましたよ。

 

「ちょ!? ホントになんて言ったの!? おい私、何を言った!」

 

「きゅー…」

 

すくすくばんきっきの両頬をムニムニとこねくり回しながら尋問をするばんきさん。その隙にそそくさと厨房に戻る俺。

 

 

ふむ、『次のデートはいつするのー?』か……。

夏っぽいデートプランを考えておこう。

 

 

 

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