作者の知識は原作小説、漫画、アニメです。
DIve Massively Multiplayer Online Role Playingu Game。通称DMMO-RPG。仮想世界で現実にいるかのように遊べる体験型ロールプレイングゲームのことである。
” YGGDRASIL ”西暦2126年に開発されたそのタイトルは数あるDMMO-RPGの中でも人間種(人、エルフ、ドワーフ等)や亜人種(ゴブリン、オーガ、リザードマン等)、そして異業種(モンスター)等の種族や職業を自由に選べるその自由度と広大なマップで世界中で大ヒットした。
しかし七年後の2133年ごろから別のDMMO-RPGがはやり始め八年目あたりから徐々にユーザーが離れ始め、2138年初旬に半年後にサービス終了するというメールが運営から届いた。
「やばいやばい」そう言って一人の女性が夜道を走っていた。年齢は約30代で、スーツ姿だった。 勤めている会社に今日だけは残業を許してもらい、睡眠時間確保のため明日少し遅れる旨を伝え急いで帰宅した。現在の日本は環境汚染が進み政治は大企業連合と呼ばれる複数の財閥が権力を握っていた。人々はアーコロジーと呼ばれる有害物質を遮断するバリアーのようなものが包んでいる都市で暮らしており、そのいくつかのアーコロジーで5000万人ほどの人間が大企業連合が所有する機関で働いて暮らしていた。本来下層域に住む人間は小学校を卒業後(この時代は義務教育は小学校までで中学は廃止されている)、大企業が運営する専門学校に入学し適性試験を受け自分に合った教育を半年~一年間受け、各企業や役所に配属されるのが通例だった。そういう人たちは残業放棄など許されないのだがその女性は違った。上層域の人間で、所謂勝ち組だった。
私は白金真理華。30歳独身。高校を卒業後両親が勤める会社に就職し、現在総務課で働いている。家族は両親と結婚して現在家を出た兄の4人家族。過去のトラウマで恋愛コンプレックスになった私の唯一の楽しみは、ゲームだった。ユグドラシルに出会ったのは20歳の時。今までやっていたDMMO-RPGで人間種は飽きていたので、心機一転異業種でやっていこうと思ったのが始まりだった。最初に選択した異業種は「天使」だ。始めて三日目に【天武】というギルドに出会い、友好的な人たちだったのでそのギルドに加入したが、そこでひどい目にあった。当時異業種狩りという行為が流行しており、ギルド戦の時よく狙われた。異業種プレイヤーを狩ると経験値が多く手に入るだけでなく人間種プレイヤーが特殊な職業に就くために必要だったからだ。その時【天武】が何故私を誘ったか分かった。「イヤー、いつも助かるよ」「良い盾になると思ったんだ。」「あ、私もその職業に就きたいから悪いけどフレンドリーファイアしてくれない?」等非常に傷つくことを言われた。
『私にはゲームが唯一の癒しなんだ』『なぜ仲間にこんなことができるんだ』『誰か助けてくれ』もうやめようかと思ったその時だった。
いきなり【天武】のメンバーの一人が吹き飛んだ。私を殺そうとしたのと別のギルドと戦った後だったので、油断していたのだろう。次々と仲間―いや、元仲間がPKされていく。それを見た時の衝撃と興奮は忘れられない。
「大丈夫ですか?シャドウブレイドさん」半魔獣人と白銀の騎士のプレイヤーがそう言って近づいてきた。私はその理想的な騎士の姿に少し放心していたら、エルダーリッチと思われるプレイヤーが話かけてきた。「たっちさん。やまいこさん。なんかこの人意識が無いっぽいです。」そしたら忍者の格好をした人が近づいてきて「まさかリアルでなにかあったんですかねー。運営に連絡してみますか?」その台詞で私はあわてて「いえいえ!大丈夫です。ありがとうございました。でも何故知人でもない私を助けてくれたんですか?」と尋ねると、白銀の騎士が「愚問ですね。仲間に裏切られ殺されそうになっている。理由なんてそれだけで十分です。」すると多分エルダーリッチが「いえ、やまいこさんから事情を聴いて助けに来たんですよ。」そう言われて以前盾にされたことを話した学生時代の先輩を思い出した。すると半魔獣人のプレイヤーが近づいてきて「てゆーか一番先に礼を言う人間違えてない?」そう言われて驚いた。「・・・まさか山瀬先輩?」「ストップ!ここでリアルの名前はダメだぞ後輩。」
それが私が一生分の楽しい思い出を作れた大切な居場所。【アインズ・ウール・ゴウン】との出会いだった。
【アインズ・ウール・ゴウン】最盛期には2000~2100とも言われたギルドの中でたった41人(私が加入した時は20人だった。)で第九位にランキングしたユグドラシル内では有名なギルドだ。そのギルドは他のギルドとは違い、『➊アバターが異業種である事』『➋プレイヤーが社会人である事』を加入条件としサービス開始当初から流行っていた『異業種狩り』と呼ばれるPK「プレイヤーキラー」に対抗することに燃えるギルドだった。
余談だが、結成当初は【ナインズ・オワン・ゴウン】(2126/10~2127/11)という9人しかいない弱小ギルドだった。【漆黒の牙】という6人しかいないギルドを仕切っていたウルベルトさんが加入し、そこからリアルでの知人の紹介などでヘロヘロさんら5人が加わり現在に至る。(私が加入したのはこの翌月)
モモンガさんと弐式炎雷さんの話を聞いて加入を頼んだ。幸い加入条件も満たしており問題はなかったが、”悪”を信念とするギルドで天使というのはあまりに浮いており、私自身このアバターでは昔を思い出してしまい心機一転したかったので、アバターを変更したいとギルドメンバー(以下ギルメン)に頼んだら喜んで承諾してくれた上、何人かがレベル上げに付き合うと言ってくれた。聞けばギルドマスターのモモンガさんも、前線指揮官のぶくぶく茶釜さんもPKされそうになっていた所を助けられて、今は自分たちもかつての自分を守れる存在になりたく、今のギルドに入ったと聞いてより一層このギルドが好きになった。
その時私は誓った。このギルドに忠誠を誓うと、カンストしたら、今度は自分がギルメンを守ろうと。
今まで私を狙ってきたプレイヤーは”異業種を狩る正義の味方”等を標榜する連中だった。
私だってもう大人だ。リアルではそういう連中が国を支配しているのは知っている。綺麗ごとだけでは、政治は出来ないし食べていけないことも。上層域に住んでる人間として、生きてくためにはある程度の理不尽は受け入れるしかないことも知っている。でも貴様らのやっていることは許せない!。例えリアルでのストレスを解消したくても、嫌なプレイスタイルに他人を巻き込むな!。中二病プレイがしたけりゃせめて同意を得ろ!。
そこで初めて自分のプレイスタイル。仮想世界での自分の生き方を見つけた。ならば私は正義に背を向ける。私は悪党でいい。しかし悪党とはただ無法に略奪し無辜の民を虐殺することを唯一の快楽とするものに非ず。それは外道と言うのだ。真の悪は、法を破ってでも信念を貫くために生きている者を言うのだ。現実ではアーコロジー内で監視されて生きている人間にそんな生き方はできない。ならばせめて仮想世界では、そう生きたい。
そうなると今度はアバターづくりはどうしようかと悩んだが、モモンガさんの「自分の好きな戦闘スタイルで決めたらいいよ。」という言葉に触発されて死霊(レイス)に決めた。理由は3つあり、➊自分が求める戦闘スタイルに適したスキルがあったから。➋運営の知り合いに話したら、趣味に合うスキルを追加してくれたから。➌他のメンバーで死霊を選択した人がおらず、アバターが被らなかったから。
そうして二ヵ月後、もう一人の私は完成した。種族は死霊(レイス)の上位種【英霊(サーヴァント)】。
更に、今までの自分と決別するという意味で、ユーザー名も「闇信刃=ヤミシバ」に変更し、信念を貫く為に地獄から這い上がった亡霊騎士という設定で行くため、口調も変えた。(やまいこさんは爆笑していた。)ちなみに最初は盗賊か家臣らしく忍者もよかったんだけど、自分の戦闘スタイルを求めた結果、聖騎士たっち・みーの影の闇黒騎士という設定で行くことにし、職業も騎士関連と盗賊関連を選んだ。偵察兼物陰から打つというスタイルが弐式炎雷さんしかおらず、自分のしたかった役割ができて更に敵の戦士タイプと闘う時剣で応戦し味方が来たら霊体化ですり抜けてから(一度使うと30秒のクールタイムが発生するが)『ネガティブタッチ(負の接触=麻痺+ダメージ)』や『ドレインタッチ(略奪の接触=HPの吸収)』『ソウルタッチ(霊魂の接触)』などで敵のHPや経験値を削りつつ仲間と連携して応戦できたからだ。(とはいっても一撃の威力は弐式炎雷さんには及ばない為、スキルを多用して勝負していた)
本当に・・・楽しかった。
そして月日は流れ、3年11ヵ月前にたっちさんとウルベルトさん(ナザリック最強の二人が)がそろって引退してから、徐々にギルドメンバーが引退していった。
そして2138年6月。サービス終了のメールが送られてきたときアインズ・ウール・ゴウンは36名が引退。残り5名の弱小ギルドとなっていた。
そして現在…サービス終了当日PM18:00。私こと白金真理華は、合成食品(この時代はパックの中に味付けした流動食品が一般的で、アーコロジー内で飼育や栽培されている肉や野菜などは絶対数が少ない為高級品でレストラン等の施設も上層域の人間でも毎日の利用はできなかった。)と果物で夕食を済ませ、念の為トイレも済ませて、ユグドラシルにログインし、ナザリック地下大墳墓第9階層円卓の間に来ていた。現在PM18:15どうやら私が一番乗りだったらしい。果たして何人集まるのだろうか?
一ヵ月前に『来月が最後なので、最終日皆で過ごしませんか?』というメールがモモンガさんから届いたのでモモンガさんは確実に参加…というよりあの人がこない状況が想像できない。私も大概だがあの人ほど、ユグドラシルとこのギルドを愛してる人はいないと何故か確信があったからだ。
待ってる間、自作のNPCとの会話(独り言)を楽しもうかなという時、弐式炎雷さんが現れた。
弐式「おお、闇信刃さん。お疲れ様です。やはりあなたが三番手でしたか。」
闇「お疲れ様です。盟友弐式殿。弐式殿も残業無かったのですか?」
弐式「はい。前日に22時迄会社に残って、今日の分少しでも減らしましたから。打ち合わせを明日に変更してもらったり。おかげで17時45分に帰宅。18時ジャストにログインできました。ははっ。」
闇「ところでなぜ我が三番だと?一番乗りは誰ですが?」
弐式「意外なことにヘロヘロさんです。実はヘロヘロさんの会社の上司がボロを出しましてね。自分の友人にその証拠が送られてきたらしいのでその人の働きかけで社長が変わったそうです。現在はグレー企業と呼べる迄改善したらしく今日有給取れたらしいですね。後何番手か分かったのは、本名は後日まで内緒ですが、同じ会社ですよ。私たち」
闇「サプライズというやつですかな?まあ最後ですしプライベートを根掘り葉掘り聞くのはやめましょう。それよりも一緒にナザリックを見て回りませぬか?今日で見納めですし。」
弐式「ええ。実は半年前にホワイトブリムさんに許可もらって設定いじったNPCを誰かに紹介したかったんですよ。」
闇「一番乗りのヘロヘロ氏は?」
弐式「ミズガルズの『最終日記念バザー』に参加してますよ。そこに上司の命令した証拠を集めてくれた人がいるのでお礼を言ってくるそうです。後外装データとスクロールを買い漁るそうです。さあ行きましょうか。」
弐式さんはそう言うと9階層のプレアデスが待つ廊下に私を招いた。
待機していたのはプレアデスの末妹であり指揮官であり第八階層【桜花聖域】守護者オーレオール・オメガ(ブループラネット作)とブロンド色に近い茶髪を後ろでまとめ眼鏡をかけたハルカという一般メイド(ホワイトブリム作)。そしてナーベラル・ガンマ(弐式炎雷作)だった。
弐式「ふふっ、どうですか?私の(こんな女性に甘えたりツンデレされたり叱られたい)3人です。
闇「そういえば貴公はMであったな。しかしオーレオール・オメガは良かったのか?」
弐式「いえ・・・。ブループラネットさんとは引退前にNPCのことで話したら「あの子の製作には弐式さんとタブラさんにお世話になりました。彼女は私たちの義理の娘のような存在です。よろしくお願いします。」と言われていますし、許可を取ろうにも肝心の本人は、半年以上前に亡くなってますから」
闇「なんですって!?」
弐式「理由は教えてくれませんでしたが、実験中の事故だそうです。彼の勤め先の大学に確認を取りました。」
闇「そうでしたか・・・。それは残念であるな。できれば今日一緒に話したかった。」
正直ショックだった。リアルでのブループラネット氏は大学で助教授をしていることしか知らなかったが、自然に対する愛情は深く良く夢を語り合った。私の設定を緑溢れる故郷を踏みにじられた故に復讐の刃と化し地獄から舞い戻ったにしてくれと頼まれたときは笑いながら返答に困っていたことを覚えている。実に楽しかった。
《モモンガさんがログインしました。》
そうこうしているうちにこの最終日の主役がやってきた。
モモンガ=以下モモ「良かったー間に合った。あ、お久しぶりです。弐式さん。闇信刃さんも忙しいのに来てくれてありがとうございます。」
そう言って現れたのは漆黒の魔術師のような両肩に大きな赤い水晶を付けたガウンを身に着けた骸骨だった。
ギルドマスター、モモンガ。種族は【オーバーロード=死の支配者】で700種類の魔法を使いこなす後衛型魔法使いだ。
私は入団してから2年後まで知らなかったが、元々アインズ・ウール・ゴウンのリーダーはたっち・みーさんでした。しかし方針を決める時ウルベルトさんと喧嘩してそのせいでギルドの作戦が決まらず、結果いつも仲裁している盟主が選挙で新しいギルドマスターになった。最もナザリックという本拠地を得て、メンバーが41人になってから彼の仕事はナザリック地下大墳墓とギルドメンバーの指揮と調整に徹していた。
だからこそ『アインズ・ウール・ゴウン』はユグドラシル内で第9位にランクインし、恐怖の代名詞と呼ばれるほどに成長したのだろう。
私達は先程の弐式さんと話していたことを語った。
モモ「設定変える前にひと言連絡してくださいよ。ほかのメンバーが知ったら絶対文句言われますよ。てゆーかよく設定変えられましたね?それは自分で作成した奴以外は俺の許可が必要なはずですが?」
そう。NPCは制作時製作者の名前を3名まで入力でき、その人以外での設定変更はモモンガさんが持つギルド武器を使う必要がある。
弐式「はい。オメガは製作者の欄に自分の名前入ってますし、ハルカはホワイトブリムさんが引退直前に設定変更をして頂きました。最も人物設定だけでなく忍者的な職業ビルドを70、メイド3だけでなくコックを1、ファーマーを5、加えてみました。計79レベルです。」
闇「盟主はこれで良かったのですか?」
モモ「ええ。以前自分のわがままも聞いてもらえましたし。」
闇「そういえば宝物殿の守護者を作りたいと言ってたっちさんとウルベルトさんの引退記念に敵対ギルドを2つ潰してNPC作成LVを新たに1000手に入れたんですよね。」
モモ「ええ。そして宝物殿守護者を3人も作成できましたしね。」
闇「我の娘もな」
そう。ナザリック地下大墳墓設立当時はNPC作成LVが500しかなく私は作成できなかったがこの時私に180LVが割り振られ第一階層守護者と二人目の桜花聖域守護者を作った。
一人は90LVの人間の女侍ともう一人は70LVの金髪エルフだ。理由は異業種ギルドで最初の守護者が人間だったら楽しいなと思ったのと90程度なら『弱い、攻略が楽』と思われれば3,4階層で他のNPCが大打撃を与えられると思ったから。
もう一人のエルフは単にオーレオール・オメガが一人だと可哀想と思ったことと金髪巨乳エルフを作りたかったから。(茶釜さんからは愚弟と話が合いそうだねと笑われた。)
《武人建御雷さんがログインしました。》
《ヘロヘロさんがナザリック地下大墳墓に転移しました。》
《やまいこさんがログインしました。》
現在18:50。昔話に花を咲かせ始めた頃、メンバー到着の知らせが入った。
モモ「おおーっ、まさか本当に来てくれるとは。ヘロヘロさんはともかく武人武御雷さんはメールを貰ってたとはいえ半信半疑でした。やまいこさんは確か妹を連れてくるから別の場所ですね。」
武人武御雷=以下武人「久方ぶりですモモンガ殿。そして弐式殿と闇信刃殿も。念のため聞きますが、たっち殿は?」
モモ「いえ・・・。やはり無理だそうです。」
たっちさんは今から4年前の1500人の大侵攻(ユグドラシル内においてもはや伝説の事件)の数日後に引退した。理由は奥さんの出産。これから仕事と子育ての両立でゲームは不可能だそうだ。
武人武御雷さんはギルド加入から『打倒たっちさん』に燃えていたためショックだった。
その後も彼は半年程たっちさんを超える神器と戦略コンボの開発に力を注いでいたが、仕事が忙しくなったのを期にユグドラシルは半ば引退状態だった。今回参加してくれたのは仲が良かった弐式さんに是非にとお願いされたのと娘さんが高校を卒業し家を出て肩の荷が下りたからだそうだ。
ちなみにリアルの武御雷さんは俳優でマイナーだが時代劇業界ではそれなりに知られている。
弐式「武御雷さんの出演した映画、無事クランクアップしたそうですね。おめでとうございます。」
武人「恐悦至極。放映は2週間後なので、是非見て頂きたい。」
二人とも日本や中国の時代劇が好きで、それ以外にもゲームなどの趣味が合うためとても仲が良い。
ヘロヘロ=以下ヘロ「二人とも羨ましいですねー。私なんか一日平均14時間労働と休日が2週間に一日ですから。転職先もブラックなんで、半年前から時間の感覚がおかしいんですよね。」
モモ「そういえばユグドラシルは一年10ヵ月ぶり位ですよね。お体は大丈夫ですか?」
ヘロ「体ですか?チョーボロボロですよ。まだ医者にかかるほどじゃありませんが…。三ヵ月前に経営者が変わって利益も上がったんでようやく週一で休めるようになりましたし今日有給休暇取れましたんで来れました。朝10:00位まで寝てたんで今日は最後までお付き合いしますよ。明日は4時半起きですけど。」
弐式「やまいこさん間に合うといいですねー。」
ヘロヘロさんはリアルではプログラマーで、ユグドラシル時代からブラック企業に勤めておりユグドラシルには週一、それも4時間位しか参加できなかった。
闇「各々方。リアルの話は一時忘れましょう。それより一月前に取引をしていた【闇の魔人衆】から『ユグドラシル終了記念バザー』に招待され世界級アイテムと、聖遺物(レリック)級の変装用アイテムが売られていた。小生が好きな外装だったので譲ってもらったので紹介したい。」
私はユグドラシル文字が読める眼鏡を着けるとワールドエネミーの弱点が解る処理が施された変装用具を人間の外装に憑りつき(スキルで)着用して皆に笑われたり驚かれたりで、話をリアルから逸らして楽しんだ。
余談だが、武人武御雷さんの装備を取るため宝物殿に行く時宝物殿守護者に一緒に会いに行こうと言ったらモモンガさんだけが遠慮した。理由は黒歴史を見たくないからだそうだ。
《やまいこさんがナザリック地下大墳墓に入りました。》
19:55、その台詞がコマンドスクリーンに映し出された時を同じくして侵入者を知らせる警報が鳴った
武人「むっ?これ侵入者を知らせるやつですな。どこぞの馬鹿が最終日記念に攻めてきたということですかな?」
モモ「いい趣向じゃないですか。こうゆうサプライズ俺好きですよ。どーです皆さん。最後ですし迎撃しませんか?」
弐式「いいですねー。最後ですし目いっぱい楽しみ…」
やまいこ=以下やま「おーい。モモンガさん警報切って第一階層に来てくんない。あたしです。妹連れてきました。」
突如やまいこさんから〔伝言(メッセージ)〕の魔法で連絡が入った。
モモ「あー皆さん。これ敵対ギルドのサプライズじゃありませんでした。侵入者は山明さんらしいです。」
闇「そういえば妹を連れてくると我にも連絡がありましたな。」
大切な友人が時刻に間に合ったので喜ぶべきなのだが期待していただけに全員二の足を踏んだ。
やまいこさん。本名は山瀬舞子。私の高校時代の先輩で、リアルでは小学校の教師である。ゴーレム種の『半魔巨人』という種族で帽子を取ると黄緑色の岩に眼球がついたような外見だ。ギルド内のあだ名は『脳筋ヒーラー』。職業レベルが格闘系と信仰系魔法に特化しているためだ。また、私とモモンガさんの為に最後までギルドに残り週に一度ログインしていざという時の為にお金とアイテムを稼いでくれた恩人でもある。ついでに私がアインズ・ウール・ゴウンと出会うきっかけをくれた人でもある。
次にやまいこさんの妹の【山明=さんみょう】さん。本名が山瀬明美なので、山と明を取ってつけたらしい。やまいこさんも山瀬舞子だから流石姉妹だ。実は山明さんはダークエルフなので、アインズ・ウール・ゴウンのメンバーではないのだが、私とやまいこさんが皆に頼んで、ナザリックに客人として招待したことがある。山明さんは生産職を取得しており、その縁でアイテムの取引をしていた。その彼女から一ヵ月前メールが届いた。「うちのギルド解散したので、最終日其方にお邪魔できませんか?」モモンガさんに確認したらOKだったので、楽しみにしていた。
しかし彼女はギルドのゲストメンバーを示すアイテムを所持していたはずだが…何があった?。
20:00ジャスト。最短ルートで第9階層まで来たやまいこさんは何と客人を二人連れていた。
一人は言うまでもなく妹の山明さん。外装は本人曰く身長155cm、体重45kgとやや小さい。アウラやマーレと違い金髪ではなく胸元まで届く長い銀髪だ。やや細いがブルーサファイアのような瞳は右側だけ眼帯型の眼鏡をしてるがれっきとした聖遺物(レッリック)級のそうびである。文句なく美人と言える整った顔立ち、本人も女性であるはずなのに出るところは出て腰はくびれている。(本人曰くギルドの女性陣の9割がエルフ巨乳派らしい)しかも装備は胸から腰まで守る白銀色の軽鎧で某アニメのアンドロメダの聖衣に似ていて、左肩にドラゴンのインゴットが付いている。魔術師らしくその上に藍色のフードと袖付のローブをはおり肩口にドラゴンのインゴットが付いている。ギルド内での立場は生産だが戦闘時はエルフらしく魔法を使った後衛型らしい。(モモンガさんと同じ)敵めがけて先頭で突進する姉のやまいこさんとは違い盗賊系スキルで隠れた所から魔法をお見舞いし、接近されたらナイトブレードの罠魔法で距離を取り魔法で仕留める戦闘スタイルらしい。そのためタンク役の手助けが必須らしい。
もう一人は人間の騎士だ。赤髪の端正な顔立ちで背は高めで、白銀の騎士と言う単語がピッタリの装備をしている。彼はNPCのアシェリートだと紹介してくれた。
山明さんが所属していたギルドは実は一年以上前に解散してしまった。本拠地には、彼女に最後までこのゲームを楽しみたいと言った友人二人と拠点NPC12人とプレイヤーに付き添う傭兵NPC3人とワールドアイテム一つに金貨100億枚。
友人の一人は解散する一年前に始めたばかりで今だにはまっているらしくリアルで仲良くしてくれたのでもう少し続けることにしたんだとか。
山明「驚かせてすみません。モモンガさんゲストメンバーの指輪、ありがとうございましす。」
モモ「やまいこさん。次からはナザリックに入る前に連絡してください。最も次なんてないんですけどね。(笑)」
闇「メンバーは3人残っていると聞いたが他の方々は?」
山明「一人はどうしても外せない用事があって。もう一人の娘はここで知り合った彼氏と一緒に本拠地(ホーム)で終了までいるそうです。」
弐式「イヤー、やっぱ山明さんの外装いいですねー。アウラやマーレと同じダークエルフでも切れ長で水色に近い青の目、銀髪、やや背が低いがボン・キュッ・ボンの体型。ビキニアーマーを見たときよく運営からクレームが来なかったと思ったよ。」
山明「一度着てみたくって。でもその時お姉ちゃんに怒られたから今日は着てきませんでした。」
やまいこ「姉としては少々複雑なの。それに今日はユグドラシル最終日でしょう!かっこがつかないよ。」
山明「私もそう思って最強かつお気に入り着てきました。」
ヘロヘロ「あのー。後4時間も無いんで、第一階層に転移してゆっくり見学しながら玉座に行きませんか?武御雷さんは装備取ってきたんですよね?」
武人「うむ、抜かりは無い。モモンガ殿とヘロヘロ殿は一応1~7階層までのトラップ装置を切っていただけますかな。」
モモ「はい。OKです。では皆さんで転移しますか。」
こうして私達は第一階層から思い出に浸りながら玉座に向かった。
登場キャラクター設定
名前:闇信刃「ヤミシバ」
種族:英霊「サーヴァント」(異業種)
カルマ値:-50(中立)
LV:100(内訳 種族LV25、職業LV75)
※最上位種は諸事情により取得しなかった。
取得種族=死霊「レイス」15、英霊「サーヴァント」10
取得職業=ナイト10、シーフ10、忍者10(取得には総合LVが60以上で、シーフ又はアサシンを5LV以上取得していることが条件)、ダークナイト5、カースナイト5、ドラゴンナイト10、上忍5、他20
スキル:⓵負の接触「ネガティブ・タッチ」
モモンガと同じ触れた相手に弱ダメージ+状態異常(麻痺or眠りor毒)
⓶透過「トランスペアレント」
障害物や敵プレイヤー等をすり抜けることが出来る。あらゆる物理、魔法攻撃も効かない。但し、透過が効いている時は自分から攻撃することもできない。
⓷憑依「ディペンデンズ」
人間種、亜人種、外装用人造人間(要課金)に憑りついて自分のアバターとして使用できる。但し以下の制約が掛かる
Ⅰ.特殊耐性値が100(100レベルプレイヤーの一般職又は特定異業種以外の最大値)を超えている相手には効かない。
Ⅱ.異業種には効かない。
Ⅲ.相手がプレイヤーの場合、HPが20%を切ったら憑依が解除される。又、HP21%以上の時一気に0にされると、自分も死ぬ(成仏とも言う)。
Ⅳ.憑依時のステータスは憑依した敵プレイヤー、POPモンスター、外装用人造人間の設定ステータスになる。※自身のステータスは加算されないがスキル+魔法は使用可能。
⓸生命の略奪「ライフサクション」
対象に触れることで、HP+経験値を吸収(与えたダメージで回復+経験値稼ぎ)する。吸収値は自身の特殊攻撃値と相手の特殊耐性値により増減。
⓹魔力の略奪「マジックサクション」
対象に触れることで、MPを吸収する。吸収値は自身の特殊攻撃値と相手の特殊耐性値により増減。
⓺騎竜召喚LV1~3「サモン・ドラゴン」
騎乗する竜を召喚するドラゴンナイトのスキル。職業レベル6,8,10で償還する竜が違う。(LV1,2はこうげきができない)
⓻アンデット召喚(LV1~8まで)
モモンガと同じアンデットモンスターを召喚する。
⓼精神魔法耐性
位階に関わらずあらゆる精神系魔法を無効化する。