今回はオリ主の闇信刃視点でお送り致します。
[3月10日午前8時半 アゼルリシア山脈中腹(フェオ・ジュラとフェオ・ベルカナの中間からそれて10分位の所にある広い空間)]
現在私こと闇信刃はシャルティア、デスナイト×5+エルダーリッチ×5を連れてクアゴア族の本拠地に招かれていた。最も案内役のクアゴア族を半殺しにして道案内をして貰い、仲間を呼んでもらってクアゴア族のリーダーに話を着けてもらえるようにしたのだが。
ペ・リユロ(以下リユロ)「ほう…。つまり貴様らは我々に支配下に入れと?」
クアゴア族の氏族王ペ・リユロは殺気の入り混じった視線を放ちながらそう言った。種族を束ねる者として冷静沈着を装っているが、配下を10匹以上殺した相手だ。その声と殺気交じりの視線はどの様に報復してやろうかという意図が伺えた。
闇「何と言うか、殺気や良くないことを考えてるってことがすぐわかるな…。リアルではこんな感覚感じなかったのに…。まさか種族が変わったせいか?そういえば死霊=「レイス」やスペクター=「守護霊」は敵の感情を、特に怨念を感じ取り近づいたり吸い寄せると聞いたことがあるが…」
言葉には出さないが、白金真理華としての感情は残っていても精神は確実に新しい体に引っ張られている。そう感じながらも悩みすぎて隙を作りすぎて逃げられないよう気を引き締める。
闇「ええ。はっきり申し上げますがあなた方では我々には勝てません。我々の戦力は逃げ帰った手下からお聞きしていると思いますが」
リユロ「ふっ雑魚を数人捻ったくらいで慢心しているのか?貴様が闘ったのは偵察兵、我が種族からすれば弱いほうだ」
闇「でしたらこういうのはどうでしょう。あなたがたの主力と呼べる軍隊とこちらの全戦力を戦わせてみるというのは?」
提案した直後シャルティアから横やりが入った。
シャル「お待ちを、至高の御方であられる闇信刃様がこのような30LV以下の雑魚を相手にするなど…御手を煩わせるような相手とは思えませんし、もし万が一のことがあれば…」
闇「もし仮にお前がやられるような相手が居たら、どうあがいても勝てぬ。撤退か死しか無かろう」
会話に一区切りが着くとドスの利いた声が響いた。
リユロ「オイオイ…俺様を無視しておしゃべりとはいい度胸だな」
シャル「至高の御方に対して殺気交じりの視線を向けるとは…」
闇「落ち着きなさいシャルティア、失礼。それで返答は?」
リユロ「・・・ふざけるなと言いたいが貴様らが並みの兵士では勝てないことも事実。こちらも損害を出したくないので受け入れよう。但しこちらの人数は主力だけでも1万はいるが良いのか?」
闇「1万でも10万でも構いませぬよ。ああっひとつ忠告が、闘うのはシャルティア一人です。我々はこの広場に続く4つの道に配置させて貰います。」
リユロ「ほう…そりゃどういうことだ」
リユロの顔に浮き出た血管がピクピク痙攣している。イヤー、ここまで解りやすい人、嫌いじゃないな。って人じゃないけど…。いや、それとも人じゃないから好感を覚えるのだろうか…。
闇「もしシャルティアに勝てたら私たちはあなた方から完全に手を引くと約束しましょう」
私はにかっと笑って答えた。(エレメンタルは顔がオリンピックの聖火みたいなものに緑金色の目の形をした炎がくっついているだけで笑顔かどうかは目型の炎の変化で判断するしかない。ぶっちゃけ解らない人の方が多い)
幸い話はまとまりクアゴア族主力4万匹VSシャルティア+エルダーリッチ×5+デスナイト×5と相成った。
とはいえ私とデスナイトとエルダーリッチは逃走防止のため待機しているだけで実際闘うのはシャルティア一人なのだが…。
結論から報告すれば手こずったのは逃げて来るクアゴア兵士の始末でした。
開始時はポ・ラム族とズ・アイゲン族の計2万がシャルティア目掛けて襲い掛かってきた。
しかしシャルティアは素早く鎧に着替えてスポイトランス一閃。それだけで3匹のクアゴア族の兵士が一瞬で(0.1秒で)弾け飛んだ。こちらの獲物が大きいから連続攻撃はできないと踏んだのか、ひるむことなく襲い掛かってきた。非常に統率が取れている。優秀な軍隊だなと感心したが相手が悪すぎた。
クアゴア族の兵士の平均レベルが(あくまでも私が測った時は)15。対してシャルティアは100LVの信仰系魔術師で肉弾戦にも長けた階層守護者最強の攻撃力を誇る(あくまで総合的な攻撃力だけ)。その為基本スペックに差がありすぎて勝負にならないのだ。敵が一回攻撃する間にシャルティアは4回はスポイトランスを振れる。つまり敵が爪を一度振り下ろす度に前後左右合計10~12匹葬れる事になる。敵の攻撃も50匹に一匹位は当たるがダメージが全く無かった。
2時間もしないうちにズ・アイゲン族の9割とポ・ラム族の5割が蹴散らされた。
ペ・リユロ氏族王は驚きすぎて開いた口が塞がらなかったそうです。
欠伸が出そうな状況の中(この体は呼吸もいらないのだが)弐式炎雷さんから〔伝言〕が来た。内容は現在ヘジンマールという氷竜から情報を聞き出し敵の戦力とボスは全面戦争を望んでおりボスを倒さない限りこの戦いは終わらないから相談したいというものだった。
モモ「そのままボス戦まで行っていいと思いますよ」
闇「一応は計画通りに行ってますし」
弐式「ただ問題は敵の首領がどの程度の強さかという事ですが」
その後、ヘジンマールが18レベルなら敵の首領が80LV以上という可能性はかなり低いと考えていいと、これからこっちも佳境に入ると話して通信を切った。
案の定全体の6割以上をシャルティアに殺され、彼らは目標を私たちに切り替えた。
バフ効果のあるペ・リユロの咆哮で若干ステータスと肝がアップしていたがついに兵たちが怖気づいて私とデスナイトたちに半々ずつ攻めて来た。
闇「はあ…。まあ私たちを相手にするほうが楽だからな・・・」
私は敵の判断に称賛して迎え撃った。生命の略奪=ライフサクションを食らった相手はミイラのようになりそのまま崩れ落ちた。
敵は其れを見た途端怖気づいて攻撃が止まった。
結論から言えばこの反応には助かった。何故なら私自身がその結果に驚き、数舜硬直したからだ。
闇「あれ~。ライフサクションってHPと経験値を奪うだけじゃなかったっけ?ユグドラシル時代は80LVのプレイヤー相手でも一割程度しか削れなかっし、8日前の検証で武人武御雷さんにやった時も3~4%しか削れなかったしな…。(しかもその後の反撃でHPが1/4以上持ってかれたし)」
その後の戦闘はお粗末なものだった。私と敵は同時に我に返り再び爪や牙で攻撃してきた。私はライフサクションやマジックサクションでは隙が大きすぎると見て剣を抜いて応戦した。不思議なことに恐怖心は無かった。リアルの私ならこんな化け物の大群に襲われたら震えて動けなくなるだろう。しかし目の前の敵は体長数㎝の小動物が背伸びをしているようにし感じず、おまけに呆れんばかりの遅さだ。人間種だったら欠伸を噛み殺すのに一苦労だったろう。襲ってきたクアゴア兵士は一匹も逃がすことなく斬殺した。デスナイトとエルダーリッチの場所も同様であっさり撃退できたらしい。
次に最後の主力、プ・ランデールをぶつけてきた。流石は精鋭というのか攻めて来る前に咆哮だけでなく第1位階魔法で全員身体能力を強化してからシャルティアに襲い掛かってきた。確かに先の二万とは違い今度はマジックキャスターもいた。第2位階までしか使ってこなかったのでダメージは無かったが。
最も結果は9割以上の殺害の後降伏した。
クアゴア族とフロストドラゴンを支配下に置いた我らアインズ・ウール・ゴウンはその後モモンガさんを呼んで盗賊系レアアイテム〔魔神開錠石〕(あらゆる鍵を開錠できる。回数が9回しかないので注意。今作では後6回)を使い城の金庫を開けて財宝を調べるというドキドキイベントを終え、フェオ・ジュラに戻り、報酬と今後の付き合いについて相談した。
[3月13日午前11時半 ナザリック地下大墳墓 第9階層 執務室]
モモ「ご苦労様でした。大金星ですよ」
現在私こと闇信刃はナザリック地下大墳墓に帰還しモモンガさんら7人と今回の騒動の報酬を精査していた。
※最も守護者らには「以後軽はずみな外出は厳に慎まれますよう」と威圧感たっぷりに言われてしまった。特にセバスはたっちさんが怒った時と瓜二つだった。そういう所は似なくていいのに…やはりNPCには創造者の性格や設定が色濃く反映されているようです。
クアゴア族とフロストドラゴンの戦いが終わりフェオ・ジュラに帰ってからはある意味戦争以上の騒動が起きた。
ゴンドさんが摂政会に話を通し証拠としてオラサーダルクの頭部とクアゴア族の精鋭兵士の比較的綺麗な遺体(戦闘終了後皆で話した時、モモンガさんとヘロヘロさんの提案でアンデット作成の為に運よく胴体を綺麗に切られている遺体を数十体〔無限の収納庫=インフィニティ・ハヴァ―ザック〕に入れてきた。)を摂政会員全員に見せた。摂政会員は混乱したり泡吹いたりと話し合いが再開されるまで一時間弱かかったが以下の状況に収まった。
内容:ドワーフ族の摂政会はギルド【アインズ・ウール・ゴウン】に対し以下の事を約束する。
⓵:周辺国家【リ・エスティーゼ王国、バハルス帝国、スレイン法国、カルサナス都市国家連合】に関してドワーフ族の視点で重要と判断した情報、あるいは強大な個人ないし集団の情報は必ずシャドウデーモンを通じて報告する。
⓶:【ユグドラシルプレイヤー】に関する情報あるいはその事に詳しい者の情報は最優先で報告する事。
⓷:財政を破綻させない程度の金銭を提供する事。
具体的には王国金貨100枚、帝国金貨100、法国金貨150、カルサナス都市国家連合金貨80、交易用白金貨40。
⓸:各種鉱石及び装飾品並びにマジックアイテム及びルーンアイテムの提供。
具体的には銅鉱石、鉄鉱石、玉鋼石、銀鉱石、金鉱石が1000kg(1t)。白金鉱石、ミスリル鉱石、オリハルコン鉱石、アダマンタイト鉱石が500kg。
上記の鉱石を用いた装飾品(銅、鉄、銀、金等)合計100点
金庫に眠っていたマジックアイテム2点、ルーン製の武器3点、ルーン製の防具3点。
⓹:ルーン技術者3名は受け入れ態勢が出来次第【アインズ・ウール・ゴウン】が指定する地に赴きそこでルーン技術の研究をする。※補足としてここでの研究成果は【アインズ・ウール・ゴウン】に所有権が有り【アインズ・ウール・ゴウン】の許可無くその技術を国家ないし個人に流出させた場合、厳罰に処す。
闇「我としてはこの条件で納得しております。皆様はどうですかな?」
ヘロ「私も弐式炎雷さんの仕事には満足してます。というかモモンガさんの言うとおりこれ以上の条件を引き出すのは難しいでしょう。武御雷さんは?」
武人「拙者も異存はない。鉱山の権利全て等の条件はリアルとは違い食っていけなくなる。これ以上の要求はドワーフ族に「死ね」と言っているのと変わらぬ。」
モモ「女性の意見は?」
やま「ボクも異論はありません。というか物資の交渉とか外交とか良く分からなくって。そうゆうことは明美に聞くことにしてるんだ」
明美とは「山明=さんみょう」の本名です。
山「10万人分の助っ人料としては妥当だと思います。流石にそれ以上要求すると後々遺恨が残ります。ドワーフ族の生計を立てる手段を潰しては同盟という建前が使えなくなるし、今後の目標の為の資金としても妥当だと思います」
やま「今後の目標って?」
やまいこさんがきょとんとした顔で妹に問いかけたが当の妹もきょとんとした顔で返答する。
山「弐式炎雷さんと闇信刃さんの情報を聞く限りアゼルリシア山脈の周りにはいくつかの国が有るんですよね。どんな種族がいるとか解りますか?」
弐式「周辺国家は基本的には人間の国らしいです。そういえば他にどんな種族がいるか詳しく聞いてませんでしたね。そうだモモンガさん、私とフェオ・ジュラにひとっ走り行ってくれますか」
闇「その必要は有りませぬよ弐式殿。シャルティアに〔転移門=ゲート〕をフェオ・ジュラに繋げてもらえばいい」
モモ「周辺国家の情報がないと動きようが有りませんのでひとっ走りしてきます」
その後シャルティアを呼んで理由を話すと「ああっモモンガ様とデート」等と不穏当な発言が聞こえたので前回行かなかったヘロヘロさん、やまいこさん、山明さん、武人武御雷さんも連れてフェオ・ジュラに行きそこで周辺国家とそこにいる種族について詳しく聞いてきた。
残念なことに周辺国家は全て人間の国だった。
やま「いやー、背が低いひげ面親父、まさにゲーム設定通りの生き物でしたね。ある意味安心しました」
ヘロ「幸いユグドラシルで学んだ通り大人しい生き物で助かりました。これからもお付き合い出来そうですね」
武人「拙者らの姿を見たとたん泣き叫んで逃げたりいきなり斧で切りかかったやつもいたがな」
ヘロ「無傷だったんだからいいじゃないですか。それよりも今後の付き合いを取りましょう」
初めてのナザリック地下大墳墓の外にいる生物と接触し、皆興奮しながら話し合っていた。因みに私とモモンガさんは興奮した後沈静化してを2度体験し、ため息をつきながら一時間ほど話したところで私はこれからの行動について意見した。
闇「皆、少しよろしいか。そろそろ今後の事について話したいのだが…」
やま+ヘロ+武人「今後の事?」
モモ「(大丈夫かなこの人たち…)いやいや、やらなきゃいけないことあるでしょ。てゆうかむしろドワーフ族の事より重要ですよ」
山「ちょっと、まさかお姉ちゃん解らないの?教師だから頭いいはずなのに」
やま「あけ・・・じゃなくて山明、ゲームとリアルは離して考えるものだぞ」
山「私たちにとってもうこの世界がリアルでしょう。そうじゃなくて周辺国家の調査の事よ」
途端に「ああっそうだった」とやまいこさん、ヘロヘロさん、武人武御雷さんが口を揃えて言った。う~んこの人たちに調査を任せるのは心配だなー。でも留守番は絶対断るよね。私だってこの世界の町や村とか言ってみたいもん。正直この好奇心を抑えるのは難しいと思う。だってユグドラシルプレイヤーの大半は”未知の開拓”を楽しむためにプレイしてるんだもん。
モモ「周辺国家に関して判明しているのは4つ。ひとつはアゼルリシア山脈に隣接する周辺国家は人間の国だという事。二つ目はエルフや亜人の国もあるにはあるが遠すぎで解らないという事、3つ目はリ・エスティーゼ王国とバハルス帝国とスレイン法国は仲が悪いという事。最後はカルサナス都市国家連合は全ての国に対し中立を表明しているという事」
闇「しかも我々が知っているのは周辺国家の名前とどの国とどの国が仲が良くて悪いかという類の事に過ぎず、ユグドラシルプレイヤーはおろか強力な個人や団体に関してもあまりに無知です」
弐式「そして様々な情報をローリスクで調べたり、この世界に有って【ユグドラシル】にはないアイテムを入手するにはこの世界の国々で流通しているお金が必要不可欠。もちろんそれを可能にするためのコネクション作りにも、です」
山「問題は”だれが”どの国に”どうやって”潜入し調査するかです。そしてこの仕事はNPCにだけに任せるわけにはいかないという事です」)
やま「それはどうして?」
山「いやいやお姉ちゃん何言ってんの?まさかお姉ちゃんこのままずっとナザリック地下大墳墓に引きこもってるつもり?私たちの姿と強さはゲームのままだけどここはもうゲームじゃないのよ。現実なのよ。一応一通りの隠ぺい工作は施してるとはいえこの状況で何の手段も取らなつもり?」
モモ「いいですかやまいこさん、ヘロヘロさん、武人武御雷さん、落ち着いて聞いてください。いくらナザリック地下大墳墓の表層を偽装しているとはいえこの世界に人間や亜人がいる以上いつかはばれます。そんな時この世界に無知であれば戦いの時、相手に主導権を握られてしまいます。そうしてナザリック地下大墳墓を失った時、誰がどうやって責任を取るんですか?そして、拠点を失ったら私たちは明日からどうやって生きていくんですか?」
弐式「それにこれは個人的な我儘だが、この世界の人々の暮らしがどういうものか是非見ておきたい」
ゴクリ、と何故か弐式炎雷さん以外の人が固唾を飲んだ錯覚を覚えた。
こうして人員の選考に入った。後にNPCが「何故至高の御方々が・・・」という質問があったがギルメン全員が「人から聞くだけでなく自分で見聞きした情報と合わせることで真実が見えてくるから」といい肝心な所は「極秘事項だ」とお茶を濁していたことは此処では割愛する。
※何しろ全員が「この世界を冒険してみたい」と言ったらNPC達が「自分たちが捨てられる」と要らぬ誤解をして混乱を招くことを皆知っているからだ。
次はいよいよ冒険者編です。今作は王国だけでなく帝国と竜王国に調査が行きます。
モモンガことアインズが冒険者として活躍する2,6巻は大好きな展開です。気合い入れて書きますので評価と誤字脱字の指摘お願いします。