死の支配者とその影『六天将』達   作:暗愚丸

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何で女性のオリ主が男の身体で登場したのか書いてあります。
勿論この話も闇信刃視点です。


第13話 幕間⓶

3月16日 午前5時半 ナザリック地下大墳墓 執務室

 

 私こと闇信刃は現在重大な悩みを抱えている。

 冒険者の自分は男になるか女になるか…。話は一昨日前に遡る。

 

 

 

転移から14日後の3月14日 午後2時半 ナザリック地下大墳墓 円卓の間

 

モモンガ=モモ「せっかく新しい冒険するんだからおれ、戦士やってみたいです」

 

 この唐突な一言は他のギルメンを困惑させた。

 

 現在エクスチェンジボックスで余分に召喚した伴蔵やシャドウデーモン、そして恐怖公の眷属を周辺諸国へ派遣し大まかな情報を調べている。未開の地の調査ならレンジャー兼ビーストテイマーのアウラが適任なのだが彼女はトブの大森林とアゼルリシア山脈の調査を任せている。現在はナザリック地下大墳墓の周囲5㎞と全体の2/3の調査が既に終わっており、最後に残った北部が終わり次第アゼルリシア山脈の調査に取り掛かるとの報告を受けていた。

 そこでNPC達が動いている間”だれが””だれと””どの国に”向かうかという話に入った。

 条件は以下の通りである。

 

 1.一人で調査に当たるのは絶対に避けること。

 2.必ずNPCを一人連れていくこと。

 3.最低三日に一度は定時報告をすること。前の連絡から75時間たっても連絡が無く、此方からの応答に応じなかった場合、非常事態と判断する。

 

 一つ目は言わずもがな。一人では対処できない問題が多すぎるしこの世界の生物の戦力はこちらより弱いというのは分かっているが、強力な個人や集団に遭遇し敵対した場合、とても一人では逃げ切れないからだ。

 二つ目はもし、上記の状況に陥った時、生存確率を上げる為殿が必要な時、盾にする為である。これはNPCを愛するメンバーから反対意見が入ったが、NPCは生き返らせることが出来ても自分たち『プレイヤー』はどうなるか分からない上、実験したくても万一蘇生魔法等が『プレイヤー』に通じない可能性がある以上怖くてできない。そして何より大きな理由はNPC達からの懇願があったからだ。「お一人で行くというのなら例え殺されてもおとめします」「最低でも一人僕をお連れ下さい。」「どうしても無理と言われるのならこの場で我らの首を切り落として頂きたい」と言われては妥協するしかない。NPC達に蘇生アイテムが効くのは確認済みだ。それに私と弐式炎雷さんは自分のNPCと旅をしてみたかったしね。

 

 そんな訳で先ずは連れていくNPCの選定に入った。

 

モモ「そんな訳でつれていくNPCなんですが…。」

闇+やま+山「自分のNPCを連れていきたいです」

 

 取り付く島もない。

 

ヘロ「待って下さい。皆さんの気持ちは解りますがそれだと色々と不都合が生じることになります」

闇「不都合とは?」

ヘロ「先ずやまいこさん、ユリはダメです」

やま「ど、どうして」

ヘロ「何故ってホントに判らないんですか?我々が調査に向かう先は人間の町なんですよ」

やま「そりゃ何度も聞いたよ」

ヘロ「自分で作ったのに忘れたんですか?ユリ・アルファはデュラハンなんですよ。人間に見えたのに突然首が浮いたりしたら受けるかもって言ったのやまいこさんでしょ」

やま「ちょ、チョーカー外さないようにすれば・・・」

ヘロ「我々は冒険者として活動するんですよ、モンスターの攻撃を受けた衝撃で首が取れてそれを別の冒険者に見られたら身の破滅ですよ。その時点で冒険者としての社会的地位は断たれます」

 

 ・・・うん。そりゃ誰も言い返せないよね。一日二日ならともかく周辺国家の調査と資金稼ぎが済むまでどれだけかかるか解らない。仮に一年とした場合、前衛職と料理人とメイドの職業しかとってないユリが前衛職以外をこなせるとは思えない。ユリが人間じゃないとばれるのは時間の問題だよね。

 

 皆の説得もあり山明さんと山明さんの連れてきたNPCのアシェリート君と一緒という事で納得してくれた。

 

 次は弐式炎雷さんと武人武御雷さんだ。

 先ず悩んだのは武人武御雷さんだ。何しろ自作のNPCはあのコキュートスだ。『人化の指輪』は2つしかなく一つはやまいこさんと武御雷さんが使う予定なので早々にナザリックに残すことに決定した。どの道ナザリックを空にはできない。階層守護者は最低でも二人は残しておかなきゃね。

 次は弐式炎雷さんだがさっきとは打って変わって即採用された。理由は種族は違っても外見は人間で、ダメージを食らった場合ちゃんと赤い血が出るし、何より攻撃魔法は無論の事〔伝言〕が使えるし人間の街に溶け込むのに必要な偽装系魔法も使える。マジックキャスターとして強すぎ無い為この世界ではそこそこ優秀なマジックキャスターとして通用する。

 次に挙げられたのは私のNPCである第一階層守護者「神楽」だ。この世界には自分たちの知らないスキルがたくさん存在する。もし耐性突破型のスキルや動きを封じるスキルが存在する場合、弐式さんは紙装甲なのでたとえ拘束時間が数秒であっても4回喰らえば死んでしまう。弐式さんのスキル〔金剛の術〕は一日3回しか使えず1回でも使うと回数が回復するのは24時間後だ。(確認済み)

 神楽は武人でありタンク役として適した職業構成をしている。弐式さんはもちろん防御力に不安がある人?のお供にうってつけだ。

 

 そんなこんなで弐式炎雷さんのお供はナーベラルと神楽、武人武御雷さんのお供はオーレオール・オメガが担当することになった。その間ナザリックの転移システムの管理は私のNPC「ティファニア」が担当することになった。更にオメガは後方支援に特化している為戦闘で役立つかという意見が有り、せっかくだからワールドアイテム「魔神の杖」を持たせることになった。これは第一位階~第十位階の魔法をMP消費無しで使えるというものだ。これは私が持ってマジックキャスターとして活動してみようかと考えたがオーレオール・オメガは攻撃魔法が3つしか使えず、騎士系統の武器防具は装備可能だが物理攻撃力は精々半分だ。敵がプレイヤーでなくともレベル50以上だったら勝てる可能性は低い。そんな訳で持たせることになった。勿論この世界のマジックキャスターは第6位階が限界らしく更にどのマジックアイテムにどんな魔法が込められてるか看破できる魔法もあるらしいので(ロック談)アイテム専用の隠ぺい魔法が込められた永続系マジックアイテムを持ち、非常事態に備え10位階の魔法も込めるがこちらが許可しない限り第5位階以上の魔法は決して使わないように厳命した。最も最大の理由は弐式炎雷さんと武人武御雷さんならオーレオールのスキルと魔法で強化すればユグドラシルでも勝てるプレイヤーは指で数えるくらいしかいないからだが…。

 

 

 

 そんな訳でそれぞれが連れていくメンバーは決まった。しかし肝心の私は今大きな決断を迫られている。それは私の仮の姿の性別をどうするかである。

 私の種族〔幽霊=レイス〕にはこの種族又は、〔傀儡師〕の職業を取得しているものしか使えないアイテムが存在する。それが人形だ。私の種族はこの人形に憑依してその人形に設定されている能力が使えるようになるのだ。勿論憑依すればレイスとしてのスキルも本来の職業も使用不可能私はユグドラシル時代一時期このアイテムの製作に没頭した時期があった。

 努力の甲斐あってか様々能力を持つ人形が6体完成した。

 男女3体づつで戦士系、魔法詠唱者系など各種揃えている。全員美形で髪形も男子は水色のオールバック、赤茶色のロング、金髪のショート。体格も30代、20代の痩せ型筋肉質、10代のショタ系美少年。女子は髪形が藍色のロング、金髪の三つ編み、ストロベリーブロンドのツインテール。体格もボンキュッボンのナイスバディからロリっ娘まである。

 盟主と武人武御雷さんは気づいていないようだが私はリアルでは女子だ。だから仮の姿も女にしたいのだが連れていくNPCも全員女子だ。だったら普通は女子のアバターを選ぶだろう。しかし我らが敬愛する盟主は30代後半の男性に見えるように幻術で偽装するらしい。盟主一人が男子では冒険者として名声を得た時、女冒険者を漁る好色家などという噂もたつだろう。ハーレム状態のパーティーが周囲にどう思われるかなど自明の理だ。人間とは事実に関係なくそう言う下品な話の方を信じようとする。それに私も男に扮してルプスレギナやハルカと一緒に街を歩くのも悪くない。

 懸念があるとすれば情報収集だが幸いルプスレギナとハルカは話し方が明るく社交的であったため聞き込みなどは任せてよさそうだ。ギルメンとNPC二人一組で行動すれば悪い虫がたかってトラブルを招く危険も少ないだろうし今の話し方は変えたくない。リアルの引っ込み思案の自分に戻ってしまいそうで怖いのだ。

 そんな訳で紆余曲折の末、男のアバターにすることにしました。女子のアバターは機会があればやってみようと思う。

 職業構成は聖騎士系と生産系に特化した構成にした。あくまで調査と資金調達が目的であり、何より盟主が前衛でやりたいと言っているしルプスレギナは「神官=クレリック」でハルカは忍者で弐式さんが盗賊、アサシン、ガンナー、スナイパー等の職業も取得させていた。(本人曰くやっぱメイドの暗殺者に射撃能力は外せんでしょう。とのこと)

 私が何をしたいかというと一番は暗殺者系だが今はかつて一人だった私を救ってくれた盟主を守りたいというのと一度生産職をやってみたいと思い戦闘時は聖騎士だが実はアイテム制作のエキスパートというギャップが味わえるこの男の身体にした。

 

 最も新しいボディは男なせいか慣れない感があったので、コキュートスに戦闘訓練を4日、副料理長に料理の訓練を2日、パンドラズ・アクターに錬金術の素材を見分ける訓練を一日つけてもらった。

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