※もしNPCの設定で原作と違うところがあったら指摘願いますが一週間以内に訂正がなかったら作者のオリジナル(あるいはご都合主義)設定と認識してください。
私『闇信刃』は現在第6階層の円形闘技場に来ている。
第9階層の『円卓の間』から転移の指輪を着けて第6階層に行きたいと念じたら(アイテムの設定欄にはそう書いてあった)ひんやりとした雰囲気の灰色の壁に「魔法の光」のランタンが等間隔で付いている廊下に転移した。そこを近くの出口に向かうとそこは予想どうり第6階層の円形闘技場だった。
どうやら指輪やマジックアイテムは問題なく起動するようだ。
先ず観客席が並ぶ階段を下りて闘技場の中央に向かう。
下りた其処は直径100m位の砂が敷き詰められた丸形のグラウンドだった。その場所は文字道理の円の形をした闘技場で中央のグラウンドを中心に外側に観客席が広がり客席中央部には東京ドームにあるようなVIP席が設けられている。
私は5人の仲間と共に闘技場に立っている。早速実力テストをする前に先程話し合っていたNPCを探す。(いきなり敵対行為を取られたら大ダメージだから)
闇「皆、スキルの確認の前に茶釜さんが作ったNPCと話してみませぬか?」
弐式「私も賛成です。私は急襲による近接戦特化型なのでもし他のNPCが味方かどうか確認しなければ安心できません。そうですよね武御雷さん」
武人「うむ、弐式殿のステータスは把握しているからわかるが例えばシャルティアやマーレなどがいきなり後ろから襲ってきたら、弐式殿では瞬殺される可能性がある」
やま「まあアウラとマーレには久しぶりに会いたいしね。僕はいいですよ―」
山「私もOKです」
皆さんの意思を確認して呼んでみようかと思ったとき「とあっ」という声がコロシアムに響き、アリーナから一人の人型の何かが飛び降りた。
砂埃を起こしながら舞い降りたその人影はダークエルフだった。年齢は10~13歳位、身長140㎝、体重34kg(推定)。外見は非常に愛らしい子供で中性的な印象を受ける。髪は金髪、目は左右で紫+碧色のオッドアイ。服装は白を基調としたベストとズボン。内側の服は赤で蛇あるいは竜の鱗のようなもので出来た長袖のTシャツ。靴は茶色の革靴。其の全てが『聖遺物級=レリック・クラス』以上のマジックアイテムだ。
彼女は全速力で走りながら近づき、丁度私の3メートル手前で止まった。しかも土埃が掛からないようにだ。恐ろしい技術力だ。
彼女の名はアウラ・ベラ・フィオーラ。ナザリック地下大墳墓第6階層の守護者の片割れで、レンジャー兼ビーストテイマーだ。制作者の趣味で男装している。
ちなみに製作者はぶくぶく茶釜さん。【アインズ・ウール・ゴウン】のタンク役で、たしかスライム種の一つである『ローパー』という種族だった。防御力とカウンタースキルに特化しており数多くのギルドに『最強の盾』と称されたプレイヤーだ。
かくゆう私もギルドVSギルド戦やワールドエネミー戦で世話になっておりタンク役の性格上前線リーダーになることが多く、何よりも指揮官としての腕が的確なため、モモンガさん不在のおりは彼女が集団戦の指揮官となることはざらにあった。
アウラ「いらっしゃいませ、闇信刃様。やまいこ様。弐式炎雷様。武人武御雷様。私たちの守護階層へようこそってあれ?」
私たちに一通り挨拶を済ませると急に表情を硬くしたため私も挨拶の返しが出来なかった。
やま「ん?どうしたのかな、アウラ」
アウラ「…やまいこ様…。そちらのダークエルフは何者です。皆様と仲が良さそうですから侵入者ではなさそうですが…それに何故かやまいこ様と同じ気配がするのですが」
アウラが頭に疑問符を浮かべているような顔が少しおかしかったが、ここで笑うのは間違いだろう。
やま「いいことに気づいたねアウラ、この娘はね、僕の妹なんだ」
山「初めましてだねアウラちゃん。話は聞いているよ。私は山明「さんみょう」。種族が違うからわかりずらいけど君が感じた通り私はやまいこの妹だよ。以前このナザリック地下大墳墓にお邪魔したことがあったんだけど、あの時は別のギルドに所属していたから万が一各階層の情報が漏れることをウルベルトさんに懸念されてね…。9と10階層しか見せて貰えなかったんだ」
アウラに色々と事情を説明した後、もう一人を呼んだ。
やま「ねえアウラ、マーレはどこに行ったの」
アウラ「あーそれがアリーナの上に居まして…。マーレ、至高の御方々がいらっしゃってるんだよ。とっとと飛び降りなさいよ」
マーレ「わ、分かったよう…。えいっ」
かわいい声と共に観客席北側のアリーナから人影が降り立った。
その人影はアウラと同じダークエルフだった。しかしアウラとは明らかに容姿が異なっていた。髪は同じ金色だが、長い耳はアウラが斜め上に尖っているのに対し斜め下に垂れていた。瞳はアウラと同じ紫+碧眼だが左右対称だ。顔立ちも中性的だが、アウラより大人しくオドオドした印象だ。しかしこれは茶釜さんが「姉には逆らえない」「いつも弱気な顔をしているがナザリックに敵対する者には容赦しない」と設定したためであり、実際はカルマ値がマイナスなため強気でナザリックに所属しないものを見下している。服装に目をやると上はアウラと同じ白を基調としたベストと鱗の付いた長袖Tシャツなのだが、内着は青色た。下は白を基調としたミニスカートと茶色を基調とした脛の半分を覆う長めのブーツだ。
彼の名はマーレ・ベロ・フィオーレ。アウラと同じ第6階層守護者で、基本は森司祭=ドルイドだが様々な魔法に精通しているマジックキャスターだ。しかも範囲攻撃に関してはナザリック随一である。ちなみにれっきとした男だが茶釜さんの趣味で女装している。
彼はミニスカートを直した後、木製の杖(に見える神器級アイテム)女の子走りでこちらへやってきた。茶釜さん、こんな所まで細かく設定したのか…。
マーレ「お、お待たせしました。皆様」
オドオドしている所がとてもかわいい。少しだけBL好きな人の気持ちが解ってしまった。
やま「久しぶりマーレ、あっ先に紹介しておくね。この人は私の妹山明」
マーレ「あっはい。初めまして。ってでもこの人僕たちと同じダークエルフですよね、し、姉妹なのに何故種族が違うのですか?」
答えずらい問いに戸惑っている山明さん。
私もこの質問に対して明確な答えは持ってない。実際は人間で、ユグドラシルというゲームが無くなりどういうわけかゲームのアバターがそのまま自分の体になった。
何て説明できるはずがない。そう話したところで私が彼らの立場なら理解に苦しむだろうし、ただでさえナザリックには異業種が多い。もちろんアウラとマーレは別にしても【アインズ・ウール・ゴウン】の加入条件が『アバターが異業種であること』である為だ。私たちが元人間と判明したら、どう反応するか分からない。下手をすると「人間を排除すべし」と襲ってくることも考えられる。
私がどうやって山明さんを助けるか考えていた所に弐式炎雷さんが助け舟を出した。
弐式「すまないがその問いに今答えることは出来ない。しかし時期が来れば必ず話す。そしてその時期とはお前たちが事実を受け止められるだけの成長を遂げた時だ。今はそれで納得してはくれぬか。これは私だけではないここに居る全員の頼みだ」
その瞬間全員の頭に〔伝言=メッセージ〕が届いた。
やま「ごめん皆。僕も弐式さんの提案に乗ることにした。悪いけど皆話合わせて」
弐式炎雷さん流石と私も皆も他に代案が無い為弐式遠雷さんの話に乗ることにした。
そして私はようやく本題に入ろうと皆に提案した。
闇「それでは皆、そろそろ本題に入りませぬと時間が勿体ないですぞ。此処に来た意味をもう一度思い出して頂きたい」
山「それじゃあまず私からいいですか?私の提案はこうなる前に、つまりログアウトができる時にここのメンバーでやったようなバトルをしたいです。もちろんいざという時の為にHPが50%以下になったら終了ということで・・・ってあれ?もう終わったの」
山明さんの素っ頓狂な声で、皆はその視線の先を追うと観客席の出口からモモンガさんとヘロヘロさんがこちらに向かっていた。
弐式「おおっモモンガさん。ヘロヘロさん。お帰り」
やま「アルベドとの初夜は楽しめた?」
武人「武士としては初夜に3Pなどはどうかと思うがな」
モモ「こんの裏切り者!んなことするわけないでしょ!」
ヘロ「そうですよ。皆さん酷いですよ」
いやいや、あれは明らかにあんたたち二人がアルベドの設定を変えたことが原因でしょ。取れない責任は仕方ないけど自分一人で取れる責任は自分で取りましょうね。
しばらく言い合いが続き20分後に何度目かの「本題に移ろう」の話になった。
闇「さて、先ずはスキルと魔法の確認ですよね。魔法が使えるかどうかは〔伝言〕が使える時点で解決してますが、攻撃魔法の威力はまだ未検証です」
モモ「私も賛成です。時間が勿体ないですしちゃっちゃと進めましょう。最初は誰が?」
山「トーゼン私ですよね。『錬金術師の妖精』で『世界災害者=ワールドディザスター』の魔法の威力、早く試してみたいです」
武人「それじゃあまた拙者がお相手いたそう」
こうして戦闘力測定が行われた。
ルールは。➊現状蘇生アイテムの性質が変化している可能性を考慮し、HPが30%以下になったらその時点で試合終了とする。➋試合はあくまでも闘技場内で行い客席に出ないこと➌審判は〔生命感知=ライフエッセンス〕で常に対戦している二人のHPを把握し、HPが50%以下の状態でHPを25%以上削ると予想されるスキルまたは魔法(超位魔法含む)の使用が認められたら、即座に中断を宣言すること。
以上が決まり二人は闘技場中央で対峙した。
山明さんはいつもの最強装備で武器は先端に六角形に尖った水晶がはまった杖だ。対する武御雷さんはいつもどうりの伝説級の鎧と神器級の靴(素早さでタッチ・ミーに対抗するため)。ただ武器はいつも使っている神器級アイテム『武御雷六式or八式』ではなく伝説級アイテムの『武御雷弐式』にした。理由は上記の武器では威力が強すぎてスキルと併用した場合一気に半分も削ってしまい最悪殺してしまう危険性があったからだ。蘇生アイテムが少なく正常作用するかが不明な段階でそのようなリスクは犯せない。
山「それじゃあ始めましょう」
武人「よろしく頼む」
開始と同時に山明さんが後方へ飛び素早く魔法を発動した。
山「〔光輝緑の身体=ボディ・オブ・イファルジェントベリル〕、〔魔法詠唱者の祝福=ブレス・オブ・マジックキャスター〕、〔無限障壁=インフィニティウォール〕、〔自由=フリーダム〕、〔上位身体強化=グレーター・フルポレンシャル〕、〔生命力上昇=ライフブースト〕」
山明さんが素早く魔法を唱えて戦う準備を確認してから武御雷さんは高速で迫った。恐らく彼女が戦闘準備を終えた後でなければ検証にならないと思ったんだろう。
武御雷さんは前衛職を多く取得しており更に種族は『蟲王=ヴァーミンロード』だ。素早さはマジックキャスターの山明さんを遥かに上回る。
勢いに任せた一撃をかろうじて交わした。
武人「ほう…。以前は当たったんだが、学習しましたな」
山「それだけじゃありませんよ〔上位転移=グレーター・テレポーテーション〕」
一瞬で山明さんが武御雷さんの背後20m位まで移動した。
山「〔魔法最強化・星幽界の一撃=マキシマイズマジック・アストラルスマイト〕」
山明さんの第8位階魔法が黒と白の電流が走らせて武御雷さんに直撃した。
武人「ぬうう、これが…」
武御雷さんは構えなおしながら少し考えていた。
山「マジックキャスター相手に距離を置いていいんですか?〔魔法最強化・鮫竜巻=シャークスサイクロン〕
今度は広範囲の第7位階魔法を放つ。二匹の鮫が竜巻を作って武御雷さんに襲い掛かる。
しかし武御雷さんは苦も無くかわしスキルを発動。
武人「スキル発動、阿修羅」
斬撃と魔法防御力強化のスキルを使い再び接近戦を仕掛ける。
最初は下段の横なぎの攻撃で体制をくずし、上段からの一撃、山明さんは思わず〔上位転移〕でかわす。しかしそれを読んでか直ぐに後方に飛び、周囲を警戒。すると10時の方角、丁度1mの所に山明さんが現れ、とっさに横なぎした。
刃は脇を臓器に達するまで切り裂き血しぶきが舞う。その時私は確かに見た。山明さんが苦悶の表情を浮かべているのを。
これが指し示すことはただ一つ。痛覚があるということ。何よりこれは魔法やスキル。そして戦闘感覚を試すテストだ。事態は急を要する為、演技をして皆をからかっている場合ではないことはここに居る全員が承知していることだ。
そう思った瞬間、〔光輝緑の身体〕が発動。ダメージを一度だけ無効化する。山明さんから苦悶の表情が消えた。
武人「山明殿、次は手の平で受け止めよ」
武御雷さんが伝説級アイテム『武御雷壱式』を刺突用に構えた。山明さんもそれに応じ、左手を前に出した。刀身がやや広くもあって刃は手を貫き手の平の指の付け根まで割った。
山「〔魔法最強化・現断=リアリティスラッシュ〕」
第10位階魔法(山明さんの最強魔法)が武御雷さんの腹にもろに命中。例え鎧が伝説級であっても大ダメージは避けられない。
次の瞬間二人は示し合わせたように離れた。
山+武人「モモンガさん、残りHPは」
オイオイ二人ともハモってるよ。たったあれだけの戦闘で、兄弟同然になったの?などといったジョークを心の中で言いながら審判役のモモンガさんの方に向いた。
モモ「武御雷さんが1500・・・いえ、すみません。後78%で山明さんが84%です」
武人「ふむ、やはり私の減り具合はユグドラシルと同じか」
山「私も同じですが左手の中指、薬指が動きません。やはりユグドラシルとは違う面もありますね。見た目と違ってダメージは少ないですから」
モモ「どうします?続けますか?」
武人+山「無論❕」
再び距離を置いて試合は再開された。山明さんは今度は杖から小剣に変え、盗賊の素早さと魔法で対抗した。
武御雷さんは魔法をかわしながら距離を詰め正眼の構えからの上中下段で横なぎに切ったり沖田総司をまねた三段突きを繰り出したりした。
様々な魔法と斬撃を当てたり交わしたりして、山明さんのHPが34%になった時点で終了した。
その後も全員が模擬戦を終え現在の状況の結論が出た。しかしそれは薄々気が付いていたとはいえ衝撃的な内容だった。
1.この世界はユグドラシルⅡといったゲームの空間ではない=痛覚や嗅覚が有りログアウトも運営との連絡も出来ない為。
2.【アインズ・ウール・ゴウン】のメンバーは精神性がリアルの自分と違う感覚になってる。=全員異業種の為。
3.NPC達が自分の意思で動いている。理由は不明だが設定に沿った性格や性能を持っている。
4.魔法やスキルは問題なく発動できる。回数制限もゲームと同じだった。またHP、MP共に時間による回復量は20秒に1ポイントでユグドラシルと同じ。使用するときは声に出さなくても体の奥に意識を向けるだけで発動でき、HPMPの残量も解る。
以上だった。
やま「これは…。予想してたとはいえ…ショックですね」
弐式「そうですね。私も精神性はリアルと比べてまだ解りませんが模擬戦で感じた感覚は明らかにリアル…というより人間だった頃に比べて格段に鋭くなってます。これだけでも今の状況がゲームの中ではない、自分たちの身体はアバター道理に成ってしまったわけだと確信できます」
武人「拙者も目が六つ有ったり口が昆虫の様にカチカチいって口の両端にある触角?も己の意思で動かせる。ユグドラシルの時には考えられぬ。」
山「私なんて生まれて初めて耳を自分の意思で動かせました。リアルじゃあり得ない感覚です。視力も聴力も明らかにリアルより鋭く…いえ進化してます。姉さん、眼鏡かけてないけど視力は大丈夫」
やま「大丈夫というより眼鏡をかけていた時より視力良くなってるよ。私もこの体に精神、或いは魂?まあ意識は明らかに人間ではないこの体に移り馴染んでる」
私は自室で一人になったらちょっと鎧を脱いで鏡で自分の身体を確かめようかと考えていた時に時間が来た。
モモ「草原…。解った。間もなく守護者が全員集まる。お前も第6階層の円形闘技場に来て見てきたことを守護者たちにも話せ」
モモンガさんの独り言が〔伝言〕によるものだとすぐにわかり私は尋ねた。
闇「盟主、セバスからですか」
モモ「ええ、貴重な情報を手に入れてくれました。間もなく守護者たちが揃いますのでそこで話します」
そうこうしている内に闘技場の中心地から恐らく〔転移門=ゲート〕の魔法で出来た空間の穴のような所から一人の少女が出てきた。
年齢は12~14歳位。髪は銀、目はルビーを思わせる真紅、身長145㎝、体重42kg。服装は黒一色のゴスロリファッションで確かボールガウンと呼ばれる球状の丸みを帯びたスカートだった。武器は無く黒い日傘を差していた。
第3階層守護者シャルティア・ブラッドフォールンだ。ペロロンチーノさんが自分の性癖を限界まで詰め込んだ容姿、戦闘力共にナザリック内指折りの実力者だ。
シャルティア(以下シャル)「おや、私が一番でありんすかえ」
そう言って周りを見渡しモモンガさんを見つけると猛スピードで突っ込んできた。
シャル「ああっ我が君…」
シャルティアは盟主に抱き着いた後、首に腕を回しぶら下がりながら濡れた目で戯言をほざいていた。
チョット盟主。ナンカ嬉しそうに見えるのは気のせいかなー。シャルティアちゃんは私にとってもお気に入りなんであまりにイチャイチャしてると怒りが込み上げてくるんですけどー、…と沈静化したな。個人的には盟主…いえモモンガさんはたっちさんの次に恩人なんでドーニモ複雑な気持ちだ。
アウラ「あんたさあ、いい加減にしたら?モモンガ様を始め至高の御方々がいらっしゃってるんだよ」
アウラがシャルティアに突っかかる。
そういえば他にも『至高の存在』が4人もいるのに何故盟主にだけとち狂った少女の様に周囲を見ずに盟主に突撃したんだろ。あっそういえばペロロンチーノさんがシャルティアは死体愛好家って設定書いてたっけ。そしてアウラと仲が悪いとも。やはりNPC達の性格、性質は設定が深く関わっているのは間違いないと考えていいだろう。
シャル「おや、ちびすけ。いたでありんすか。」
シャルティアは嘲るような眼でアウラを一瞥し私たちに向かってひれ伏した。
シャル「お久しぶりでございます。至高の御方々。皆々様が集まわれるのは実に1年10ヵ月ぶりでございます。ああっ今日は何と良き日でしょう。ペロロンチーノ様とぶくぶく茶釜様は戻られたのでしょうか」
この質問はすごく答えにくい。ペロロンチーノさんもぶくぶく茶釜さんもリアルが忙しく最終日にもログイン出来なかったんですよね。
どう答えるか悩み始めていた時弐式炎雷さんが助け舟を出した。
弐式「詳しいことは話せないが彼らは決して君たちを見捨ててはいない。いつか必ず会える。この言葉を信じてほしい」
流石弐式炎雷さん。私もNPC達に創造主の事を聞かれたらそう答えよーっと。
シャル「畏まりんした。少なくともそこのガキ二人よりは物分かりが良いと思っております。弐式炎雷様のお言葉、しかと胸に刻んでおきまする」
アウラ「ニセ乳」
シャル「ああっ」
アウラ「図星ね、だから〔転移門〕なんて使って来たんだ。急いで走ると盛りすぎた胸パットがどっかっちゃうから」
シャル「なっなによ、あんたなんか全くないでしょう」
アウラ「私はまだ50歳だけど、あんたはアンデット。成長しないってつらいよねー」
シャル「オンドリャー。はいたつば飲むんじゃねーぞー」
アウラ「走ると胸どっかいっちゃうよー」
微笑ましいのーと私を含めた何人かがNPC達のやり取りを見つめていると(一応NPC達の性格性質を見極める必要があることも忘れずに)闘技場の南の入り口から硬質的な声が響いてきた。
コキュートス(以下コキュ)「騒ガシイナ。御方々ノ前デハシャギスギダ」
その声の主はひと言でいえば巨大で異様な色の昆虫だった。全身がライトブルーの外殻で覆われており、顔はアリとカマキリを足したような感じでに昆虫特有の青い複眼が6つ並列にはまっており、果物のキウイフルーツを伸ばして棘をつけたような触手が両端についた口からは白い冷気が吐き出されている。胴体部は節足動物特有の関節に鎧をはめ込んだように見える。腕は4本生えておりかぎ爪と小手をはめたような下腕部、関節は節足動物そのもの。そしてその手には中世の時代に使われていたハルバードのような武器が握られている。足も昆虫らしいが二足歩行用に進化している。
第5階層守護者コキュートスだ。
製作者は武人武御雷さん。本人曰く性格もコンセプトデザインも武人という設定だ。
モモ「急に呼び出してすまないな、コキュートス」
コキュ「オヨビトアラバ即座ニ…ムウ、ア、アナタサマハ」
表情は読み取れないがその言葉には感動的な物が含まれていると感じ取れた。
武人「久しいなコキュートスよ。息災か」
コキュ「オオォ…ワガ創造主…。必ズゴ帰還下サルト信ジテオリマシタゾ」
感動的なシーンが出来ていた所に無遠慮な声が響く。
デミウルゴス(以下デミ)「皆さん、遅れて申し訳ありませんねえ」
その声の主はひと言でいえば悪党顔したエルフの近親種だ。髪は黒のオールバックで解りにくいが宝石が埋まっているような眼をしている。口は映画に出てくる妖怪の様にやや裂けているように見える。180㎝強の細身の体には赤いスーツを纏っており、靴も革靴だ。そして人間ではない証拠として紫色の10以上の関節が付き末端には棘が6本付いたしっぽが生えており歩くたびにゆらゆら揺れる。
第7階層守護者デミウルゴスだ。
製作者はウルベルト・アレイン・オードルさん。種族は製作者と同じ『最上級悪魔=アーチデビル』でコンセプトデザインも同じだ。制作者のウルベルトさんは「悪」のロールプレイに拘る人だったのでNPCにもそれを受け継がせているようだ。
神楽「私も遅れて申し訳ございません」
デミウルゴスの後ろから発せられた声の主はひと言でいえば侍の格好をした女性だ。
身長170㎝、体重65kg。顔立ちはぱっちりした黒目と整った鼻、唇はピンク色で太陽が照ると一層見栄えする其の全てが絶妙のバランスで構成されており文句なしの美人だ。髪は日本字らしい黒で風が吹くとさらさらとゆれて手入れが行き届いてるがごとき美しさ。その胸当たりまで伸びた髪をポニーテールでまとめている。ナーベラルが純日本人的な美しさなら彼女は英国紳士とのハーフと言ったほうがしっくりくる。体は武人武御雷さんと同じ日本製の甲冑を着こなしており、具足も同様足袋と草鞋だ。武装は腰に差した日本刀と手に持った槍で槍は古代中国の豪傑が使用していた「方天画劇」という武器らしい。
彼女こそ私こと闇信刃が制作したNPC、神楽である。
種族はナザリック地下大墳墓では珍しく人間。武人武御雷さんと同じで純粋な戦士職にした。LVは90。これは侵入者を油断させるためでもあるが、もう一人の自作NPCにLVを70まで振り分けたいためでもある。
私は精神鎮静化が2回も起こる程自作のNPCが動いてることに感激し今すぐ抱き着いて色々と話し合いたかったがそれを察したのか盟主から〔伝言〕で「時間がないから我慢してください」と言われ泣く泣く盟主の隣に立った。精神鎮静化が無ければ盟主の命令といえど振り切っていただろう。感激が半減してしまったのは残念だが今だけは感謝だちきしょうめ。
それから5分程いくつかやり取りがあり、全階層守護者が揃った。(4、8階層は除く)
盟主は南東の客席の近くに立ち盟主を中心に私たちは私、やまいこさん、山明さんが左側に。弐式炎雷さん、武人武御雷さん、ヘロヘロさんが右側に。守護者たちはその前に集まった。
先ず挨拶をと言っていたが私はここが正念場と考えている。守護者たちの性格もいくらかは把握したが完全とは言えない。他人の考えてることを完全に理解することは不可能だが対応を誤れば守護者たちを何人か敵に回しかねない。守護者たちはほぼ全員が100レベルだ。中でもシャルティア、マーレを敵に回せば私では相性が悪い為殺される可能性が高い。幸い一人ではないのでその時は潔く仲間に頼ろう。
そう考え始めた時、アルベドが口火を切った。
アル「では皆の者、至高の御方々に忠誠の儀を」
忠誠の儀?アルベドはなにをいっている?。
神楽「第1階層守護者神楽、御身の前に」
シャル「第3階層守護者シャルティア・ブラッドフォールン、御身の前に」
コキュ「第5階層守護者コキュートス、御身ノ前ニ」
アウラ「第6階層守護者アウラ・ベラ・フィオーラ、御身の前に」
マーレ「同じく第6階層守護者マーレ・ベロ・フィオーレ、御身の前に」
デミ「第7階層守護者デミウルゴス、御身の前に」
アル「守護者統括アルベド、御身の前に。第2階層守護者恐怖公、及び第4階層守護者ガルガンチュア、並びに第8階層守護者ビクティムを除き、各階層守護者御身の前に平伏し奉る。ご命令を」
ちなみにこの儀式で私と盟主とヘロヘロさんが2度精神鎮静化を起こしたのは内緒の話である。
だいぶ遅れてしまい申し訳ありません。この話の原作と違う部分をご説明しておきます。
1.オリジナルNPCが第1階層守護者になってる。
2.シャルティアの守護階層が第3階層だけになってる。※第2階層は恐怖公。
3.描写は無いがモモンガさんはヘロヘロさん相手に『スタッフ・オブ・アインズ・ウール・ゴウン』で火の精霊=ブライマル・ファイヤー・エレメンタルで戦っている。そしてアウラ、マーレは戦闘はしていない。