守護者全員の挨拶が終わった後、誰かが「どうなってんだ」と叫びたくなることを察したのか我らが盟主モモンガさんが口火を切った。
モモ「皆よく集まってくれた。感謝する」
打ち合わせ道理盟主は魔王ロールで行くようだ。さて、どうなるか…。
アル「感謝など勿体ない。我ら守護者及びナザリック地下大墳墓にて至高の御方々によって作られた者たちはその命尽きるまで主に尽くすことが望み。例え至高の御方々にとって取るに足らない存在だとしても全身全霊でお支えすることを誓います」
守護者全員「「「「「誓います」」」」」
今の心境をひと言でいえば「驚愕」以外にありません。
モモ「素晴らしいぞ、守護者たちよ。お前たちならば我らの意思を正しくくみ取り目的を果たしてくれると強く確信した」
おおっ盟主。いつになく魔王ロール乗ってますねー。確かにこの忠誠心を感じさせるNPCの態度にはその対応は正解かもしれない。
さて、次の一手はどうするおつもりですか?盟主。
モモ「さて、現在我らは原因不明の事態に巻き込まれている。ここに居る者たちで何か原因もしくは変わった兆候など、心当たりのある者はいるか?」
アル「申し訳ございません。私には特に思い当たることは」
モモ「他のものは」
他の守護者たちも首を横に振った。どうやら転移の原因は分からずか…ん、誰か来た?。
弐式「モモンガさん。セバスが戻ってきたみたいだよ」
山明さんの声で皆が東の入り口を振り返ると、丁度セバスとナーベラルが入り口から姿を現した。流石弐式炎雷さん、私は言われる一秒前に気づいたけど弐式炎雷さんは第6階層に来た時点で気づいたと思う。流石【アインズ・ウール・ゴウン】の特攻偵察隊長。外に行く時はこの人の力が必要だな。
それから私たちはセバスの話を黙って聞いていたが、内容はシンプルだがおどろくべきものだった。
モモ「森と山?」
セバス「はい、少なくとも私とナーベラルが調べた結果ナザリック地下大墳墓が置かれている場所、といってよいのでしょうか。此処より半径1㎞圏内は以前ナザリック地下大墳墓が存在した毒の沼地とは全く異なり、緑にあふれた森と山脈に囲まれておりました」
ヘロ「遭遇した生命体や人工建築物などは」
セバス「いえ、ナザリック地下大墳墓の周囲50m程度はまるで予め刈り取られていたように小さな草が生えているだけですがそこから先の森には小さな動物がいただけで。後は数匹の狼に襲われましたが苦も無く撃退できました」
弐式「狼?それは知能のあるモンスターでしたか?」
セバス「いいえ、話しかけたらいきなり襲われたので仕方なく」
弐式「他に何か気になることは」
セバス「はい、ナザリック地下大墳墓から900m程離れたところにゴブリンの足跡がありました」
闇「ゴブリン!それはユグドラシルと同じモンスターか?」
私は思わず聞き返してしまった。判断を誤るかもしれないから質問は最後まで聞いてからにしようと思っていたのに…。
セバス「はい、ゴブリンの外観は私の創造主たっち・みー様からうかがっておりますので間違いないかと」
闇「盟主…どうやら外もとんでもないことになっているようですね」
モモ「ええ闇信刃さん。後で其処も全員で話し合いましょう」
6人全員がモモンガさんの言葉に静かに頷いた。
さて、後は守護者たちが集まっているこの時点で、早急にやっておかなきゃならないことってあるかな。外に出るのは後で話し合って決めるとして…待てよ。考えたくないがもし外にイベント限定で開く洞窟に出てくるような80LVのモンスターが外にいてそいつらがこの墳墓を見つけたら…。
闇「盟主、早急にやっておくことがありませんか?私は何らかの形でナザリック地下大墳墓を隠す必要があると思うのですが」
弐式「私も賛成です。索敵も私の仕事だからわかるのですが外のモンスターがこの地下墳墓を見つけてら絶対入りますよ。私だって旅をしていてこんな建物見たら中を調べたいって思いますよ」
武人「拙者も同感だ」
というよりここにいる全員がそうするだろう。何しろ未知への冒険はユグドラシルというゲームの最大の魅力で皆それに憑りつかれていたんだ。
モモ「同感です。マーレ、幻術などの魔法でナザリック地下大墳墓を隠ぺいすることは可能か?」
マーレ「ま、魔法という手段では難しいです。ただ、壁に土をかけてそれに植物をはやした場合とか…なら可能かと。幻術と違って触れても解りませんから」
その時モモンガさんの近くで殺気が漏れ出ているのを感知した。
アル「栄光あるナザリックの壁を土で汚すと…」
オイオイ落ち着けアルベド。
モモ「アルベドよ、少し黙れ。私はマーレと話しているのだ」
アル「はっ申し訳ございません。モモンガ様」
いきなりバトル始まらないで良かったー。アルベドもマーレも可愛いんだから。そんな娘の闘う姿なんて見たくないよ
モモ「壁に土をかけて隠すことは可能か?」
マーレ「はっはい、お許しいただけるのしたら」
弐式「モモンガさん、それだと大地の盛り上がりが不自然なのでは?。私自身見て来た訳ではありませんが外は森と山なんでしょう?。実際どのように隠すか等は直接外を見ないと意見がまとまらないと思いますが」
山「あの、でしたら周辺の土も盛り上げダミーを作れば。うちのギルドも森の探索の時そのやり方で仮の拠点を守りましたから」
説得力のある発言がありその後隠せない上空部分は後に幻術を展開しようという話でけりが付いた。
モモ「となると次に重要なのは情報の共有だな。守護者統括アルベド、並びに防衛戦の責任者デミウルゴス」
アル+デミ「「はっ」」
モモ「両社の責任の下、緊急時やトラブル発生時に使う情報共有システムを作り警護を厚くせよ」
守護者全員「はっ」
おおっ流石盟主。私も恐らく皆もそこには気づきませんでした。やはり実務と調整を主任務としていた人は違うなー。
モモ「最後に質問したい。お前たちにとって私達7人はどのような人物…もとい存在だ?」
ありがとうございます盟主。正直私はそれ聞いてもいいかかなり不安でした。精神魔法無効スキルのおかげで精神的には大丈夫だが不安は拭えない。
神楽「ギルドマスターモモンガ様は英知に溢れ、至高の存在をまとめ上げてこられた偉大なる御方です。やまいこ様は先頭に立って戦いながら回復役としても活躍され【アインズ・ウール・ゴウン】の屋台骨を支えられました。弐式炎雷様はナザリック内において「最強の一撃」と称された程の武を有するお方で常に先頭に立ち偵察任務と数々の敵将を打ち取り【アインズ・ウール・ゴウン】の名声を世界に轟かせました。武人武御雷様はワールドチャンピオンたっち・みー様と互角の腕を持ち前線にてその武力と手腕を発揮し【アインズ・ウール・ゴウン】の剣となり盾となり武威を示す存在と相成られた伝説級の存在です。そして闇信刃様はギルドマスターを始め皆様の影となりその多様なスキルで【アインズ・ウール・ゴウン】の存在を影から支え続けた慈悲深く深い配慮に優れ【アインズ・ウール・ゴウン】も闇信刃様がいなければ崩壊していたかもしれぬと言われるほど至高の御方々を支え続けた偉大なる御方です。そして何より私が最も誇り愛するわが創造主様であります。」
その台詞を聞き終わった後、私は精神安定化のスキルが有ったことに心から感謝した。そうでなければむせび泣きドン引きし過ぎてとてもその威厳を維持できなかったろう。ああっ私の神楽、お母さんは今日ほどお前を産んでよかったと感じたことはない。後でいっぱい話そうねー。正直ドン引きしてどう話していいか悩んでるけど。
その後シャルティアは「美の結晶」コキュートスは「絶対なる力と支配者と呼ぶに相応しい指導者」アウラ、マーレは「慈悲深く深い配慮に優れたお方」デミウルゴスは「端倪すべからざるという言葉が相応しい」アルベドは「ここに居るお方全てが私のいとしいお方です」という意見が出て終わった。
ぶっちゃけどう答えたらいいか解りません。
私は盟主のローブの裾を引っ張り小声で話した。
闇「盟主、我は精神鎮静化が激しくて気分が悪いのですが…」
ヘロ「私も同様ですよ。でも今はなさなければならない案件がまだありますから…。それに山明さんの紹介も今しておかないと。せっかく守護者全員集まってるんですから」
やま「全員じゃないけど僕からも頼みます。さっきの私たちの評価で連中妹の事言ってなかったでしょう。妹の事しっかり説明しておかないと後で敵か味方かという話になってしまいますよ」
モモ「そうですね。コホン、最後に皆に話しておくことがある。実は今客人が来ていてな。紹介しておこう。やまいこさんの妹山明(さんみょう)さんだ」
紹介されて銀髪碧眼のダークエルフがまえに前に出る。動きが何故かぎこちない。無理もないなー。私だって別のギルドでこんな異常事態で紹介されたらそうなる。山明さんのようにまだ二十歳そこそこなら尚のことだ。
山「えーと、初めまして皆さん、私は山明と申します。種族はダークエルフですがそちらに居る半魔巨人(ネフィリム)やまいこの妹に当たる者です。私は【アインズ・ウール・ゴウン】のメンバーではありませんが諸事情により姉が所属するギルドにお世話になっております。詳しい事情は事態が落ち着いてから再度話し合う場を設けますのでどうかしばらくの間受け入れてもらえるようお願い申し上げます。」
なかなかの演説だったな。少なくとも失言したようには見えなかった。さて、NPC達はどう反応するか…。まあ大方の予想は付くけど。
アル「質問よろしいでしょうか?」
山「ああ、どうぞ」
アル「失礼ながらあなたには聞いてません。私はモモンガ様に尋ねたのです」
山「・・・それは…失礼しました」
アルベドの質問には敵意が感じられた。やはり他のギルドから来た山明さんは味方とは思ってないようだ。
モモ「質問は許す。しかしアルベドよ、彼女は一応やまいこさんの妹だ。余り敵意を向けられると我々としては困るのだが」
アル「申し訳ございませんモモンガ様、しかし【アインズ・ウール・ゴウン】に所属しているわけではない以上、守護者統括としてはどうしても確認しなければならないことがいくつがございます。どうかお許しください」
やま「ありがとうモモンガさん。いいよアルベド何でも聞いて」
アル「ありがとうございます。何故【黄昏の妖精】のメンバーである山明様がここに居るのですか」
やはりきたか、山明さんが失言したら私たちがフォローしないとな。一応【黄昏の妖精】とは同盟組んでるし、NPC達を敵に回すとかなりやばいし。
山「理由はいくつかあります。一つは姉とモモンガさんから最終…ああ失礼。たまには一緒に集まらないかという話が合って、私ももう一度ナザリック地下大墳墓を見たくてきたんです。そこでこの異常事態に巻き込まれて今に至るわけです。二つ目は自分のギルドメンバーと連絡が取れない状況だからです。」
アル「解りました。次にモモンガ様に質問があります」
モモ「許す」
アル「ありがとうございます。人間種である彼女は信用できると判断してよろしいのでしょうか」
やま「そこは私が保証するよ。崇めろとは言わないけど客人である以上丁寧に接してくれると有難いんだけど」
アル「畏まりました。至高の御方々に信用に足る人物と言われた以上異議はございません」
山「あ、ありがとうございます」
モモ「他の皆も聞いてくれ。山明さんは今後客人待遇としてナザリック地下大墳墓に住むことになった。もしトラブルがあれば私たちに報告してくれ」
守護者全員「はっ」
ふう、どうやら丸く収まったな。念のため彼女は一人にしないほうがいいかもしれないけど話は粗方終わったかな。
モモ「さて、これから私はギルドメンバー全員で密議を開く。皆は情報共有システムの構築とナザリックの隠ぺいの件よろしく頼む」
守護者全員「はっ」
こうして私たちは第9階層の『円卓の間』に転移した。そこでの会話は混迷を極めた。
モモ「つ、疲れた。何あれ、あいつらマジだよ」
武人「取り敢えず落ち着きましょう。拙者も少し時間が欲しい」
そんなこんなで5分たち皆は円卓の席に座り会議となった。
やま「正直あれ程とは思わなかった。何あの忠誠心、死ねって言ったらほんとに自害するタイプだよあいつら全員」
闇「皆々様、我から一ついいですかな」
やま「ああごめん、どうぞ闇信刃さん」
闇「我としては余りNPCを怒らせぬように接したほうが得策と思いますが、どう思いますか」
ヘロ「私も賛成です。あのNPC達の忠誠心の高さは腹に一物抱えた人間よりも危険です。やまいこさんの言うとうり死ねといったら死ぬでしょうし、忠誠心を削ぐようなことをすれば、逆にナザリック内の全NPCを敵に回すことになりかねません。そうなったら私たちはどうなると思いますか?」
弐式「私などシャルティアやコキュートスの攻撃なら3発で終わりです。いくら私がナザリック一の素早さを持っていたとしても守護者全員を相手にした場合、全ての攻撃をかわしながら闘うのは金剛盾等のスキルをフルに使っても不可能です」
円卓の間を数秒静寂が支配する。
モモ「チョットいいですか?、その点は此処で言い合っても解決しないと思います。先ずは何人かのNPC達と語り合って性格などをきちんと把握することから始めませんか?」
闇「我は盟主を支持する」
私は唐突に返事をしてしまった。だって私早く自分のNPC達とおしゃべりしたい。
やま「私も概ね賛成かな。明美は正確には【アインズ・ウール・ゴウン】のメンバーじゃないからきちんと言い聞かせておかないと後々面倒だよ」
ヘロ「では一度散会してNPC達と話し合ってみませんか」
モモ「賛成です。反対の方は?」
全員がおし黙った。反対はいないようだ。
山「すいません。気が抜けたら急に眠気が…」
やま「実は私も…。モモンガさん、散会したら私は妹と自室へ行きます。妹をベットに置いたら私は執務室のソファで休ませてもらいます」
武人「そういえば今午前3時過ぎだな。拙者は大丈夫だがやはり人間種は睡眠が必要なようだな」
やま「私は異業種だけどやはり種族によって体調管理が違ってくるのね」
モモ「それじゃあ休息が必要な人がいるので散会したら明日の6時ごろここに集合ということで」
全員「「「「「「異議なし」」」」」」
こうして私たちは一度ナザリック各所を見て回ることになった。私の神楽とティファニアどうしてるかな。そしてどう変わったのか楽しみだな。
危険性よりも楽しみが勝り私はまず第1階層に転移した。
次話の予想
1.NPC達の考え方判明
2.皆で夜空を眺める。その時モモンガさんの世界征服宣言
3.アゼルリシア山脈で人型の生命反応感知。そして探索メンバー選別