姉は戦略級魔法師、その妹も戦略級魔法師!?   作:KIRAMERO

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はい。ということで九校戦編の2話目です。

今回の話では原作既存キャラが結構出てきます。(主に第三高校)




不可解な出来事と懇親会

7月31日。今日は私たち第一高校が九校戦の会場である国防陸軍富士演習場に向かう日だ。明後日には競技が始まるのだが私たちはまだ東京にある第一高校にいた。軍の施設で行われるため会場から1番遠い高校から会場入りしているため1番近い私たちが最後になった訳だ。

 

そして今は午前11時。朝に集合した私たちは約2時間程この場に留まっていた。

 

「それにしても随分暑くなってきたわね」

 

「そうねでも私の隣にいれば涼しくなるわよ?」

 

「え?どういうこと?」

 

「彩海奈、彩海奈バスの外見てみて」

 

雫に言われてバスの外を見ると達也がドアの前でたっているのが見えた。そこからは勘のいい彩海奈だ。深雪が考えていることがわかるとなるほどね…と分かりたくないことを分かってしまった。

 

「深雪、貴女の考えていることはわかるけれどそれだって大切な仕事の1つだよ。ほら達也って変なところで真面目だからねそれでしっかりしてるし」

 

「……それもそうね。お兄様ったら変なところで真面目なんだから」

 

良かった。これでブリザードが吹くことは無くなった。

 

「ねえ彩海奈?お兄様と随分仲良いのねちょっとあとで暇あるかしら?」ニコニコ

 

どうやら私限定で吹き荒れそうだ。この状況を見ていた雫、ほのか、エイミィ、スバルはやれやれといった感じになっていた。

 

そのあと七草会長が到着し出発してまもなく九校戦の会場近くを走行している時に私の端末が震えた。

送信元は芽愛からだった。内容は

 

『彩海奈様、第一高校のバス前方から車が1台近づいてきています。その車は先日話した無頭竜の構成員と思わしき人物が乗っていると思われます。お嬢様は決して手を出さないでください。私達だけで対処致しますので』

 

と書いてあった。文面から見て自爆テロを起こそうとしているのだと気づいた。その瞬間バスの前方に車が飛んでいるのが見えた。そしてそれと同時に車から何らかの魔法が行使された。その時バスの中では

 

「消えろ!」

 

「ぶっ飛べ!」

 

「お願い!」

 

「おいやめろ!魔法をキャンセルするんだ」

 

「みんな、落ち着いて!」

 

「行けるか?十文字」

 

「止めるのは行けるが、消火は無理だ」

 

「火は私が」

 

「頼むぞ」

 

「はい!」

 

摩利はこの会話を聞いて無茶だと思った。これだけ想子波が吹き荒れている中で魔法が使えるとは思っていなかった。

ところが摩利のその思いは瞬時に違う事象に目を向かせられた。そう想子波が一瞬にして消えた。摩利には何が起きたのかが分からなかった。

さらにその刹那また違う魔法に目を向けざるをえなかった。何と車が十文字の障壁魔法が出る前に潰れてさらに消火まで行われていたのだ。

 

キキイィィィィ

 

とバスが急ブレーキで止まる。私達はその出来事に呆気をとられて動けずにいた。ただ1人を除いて。

その名は五輪 彩海奈。彼女は平然としていた。まるでそれが起きるということを知っていたかのように。

そしてもう1人この場にはいないが司波達也、彼はバスの外を見ると目の前にいた。

 

「会長。外の様子を見てきてもいいでしょうか?誰も動けなそうなので」

 

「え、ええでも誰かしら付いていってくれないかしら?」

 

「ご心配せずとも既に達也が外にいますので、それでどうでしょうか?」

 

「え?達也くん?ってほんとね……はぁ〜もう行って大丈夫よ」

 

「ありがとうございます。会長」

 

そうして私はバスを出て潰されていた車の元へ向かった。そこにはいつの間にか外に出て車にいた達也。

 

「どう?達也」

 

「ああ、彩海奈か。見た通り潰れているな。しかもその前に何重かかに魔法が重なっているのもわかった。しかしよくこれだけの魔法が重なった状態から………もしかして彩海奈か?」

 

「いいえ、私じゃこれだけ強固な障壁魔法は作れないわ。そうね…これだけの障壁魔法を作れるのは十文字先輩くらいだけれど十文字先輩が使う前にこうなるとそれは違う。一体誰かしら……」

 

「君でもわからないか……まぁとりあえずは交通整理だ。五十里先輩を呼んでくる」

 

「ええ、そうね……」

 

こうして私達はこれからの九校戦に何か不穏な空気を感じ始めていた。

 

そして軍の近くからなのか軍にこの事故のことを任せ、私達は軍のホテルに向かった。

 

そして数十分後私達はホテルに着いたがその空気は悪かった。何よりも事故が目の前で起こったのだ。むしろこれで良い空気でいろと言われてもそれは難しい。

 

私がホテルの中に入っていくとホテルのスタッフと思わしき人からある伝言を伝えられた。

 

『懇親会終了後にV.I.P.ルームに来るように 九島烈』

 

とどうやら『老師』は私をいつまでも可愛いお嬢ちゃんと思っているようだ。(作者の個人的解釈)これは一言何か言わないとと思っていると今度は違うスタッフからも伝言を伝えられた

 

『彩海奈ちゃん?この伝言を聞いて何も無ければすぐにV.I.P.ルームにきて! 澪』

 

と我が姉ながらなんという伝言だ。と思ったが私は七草先輩に許可をもらい直ぐにV.I.P.ルームに向かった。

ただこの許可を貰うのに物凄く時間を要したことに私は不安を感じていた。一高がこのホテルに着いたのが遅れることはおそらく姉さんも把握しているだろう。だが到着から時間が開いていたので姉さんのフラストレーションが溜まっていないか今から心配だ。

 

そうこうしている内にV.I.P.ルームがあるエリアに辿り着くとSPの方々が私に近づいてきたどうやら持ち物検査のようだ。私はそれをパスするとV.I.P.ルームの前に着きドアを開け、入った瞬間何かが私に抱きついてきた。もちろん姉である。

 

「彩海奈ちゃーん久しぶりーー」ダキッ

 

「ね、姉さん久しぶりね。それと兄さんも久しぶりだね」

 

「ああ、一高を受験する時以来かな。はい姉さん離れよう。こうでもしないと彩海奈とも会えなかったんだよ?懇親会までにはまだ時間はあるし、それに今は芽愛さんも弥海砂さんもいるんだ。またからかわれるよ?」

 

「それもそうね……それにしても九校戦ほんとに本戦に出るの?」

 

「ええ、そうよ。ポイントを分け合うなら本戦でってことになって私が本戦に。まぁ一応十師族でもあるしということでね」

 

「そう、なら頑張りなさい。おそらくここに来ると思う十師族関係者、軍関係者に五輪家は澪だけじゃないっていうところを。もちろんあの魔法は使わないでね」

 

「わかったわ、姉さん。あまり目立つのは好きじゃないけど姉さんの要望に答えてみせるわ」

 

「彩海奈、決して無理はしないで。何かあったら私でも洋史でもいいから連絡してちょうだい。九島のおじいちゃんに伝えるから」

 

「ええ、わかったわ姉さん。ところでここには何をしに来たの?ただ私が出てるだけじゃ姉さんが出てくる必要は無いじゃない?」

 

「それは秘密よ。これは父さんに言われたことでまだ高校生の貴女にはまだ関係ないことだから」

 

どうやら姉はここに来た理由を話そうとはしてくれないらしい。まだ私には早い大人の世界ということか。

この時姉である澪は

 

『ごめんね、彩海奈ちゃん……貴女には十師族の一少女として過ごしてほしいのよ。私みたいに虚弱体質でも国家公認戦略級魔法師でもない。唯の五輪家のご令嬢として普通の生活をして欲しいって私は願ってる。私としては彩海奈ちゃんと離れ離れになるのは嫌だ。彩海奈ちゃんは私たちだけしか知らないけど戦略級魔法師だ。もしわかってしまえば私と同じ道を辿ってしまうかもしれない。それだけは何としてでも避けたい未来だ。だからお願いわがままなのはわかってるでも私に代わるほどの戦略級魔法師がいるなら早く出てきて欲しい』

 

と思っていた。これは純粋に私が彩海奈ちゃんに対しての願いであると共に私のわがままだ。

これは父さんや洋史、芽愛、弥海砂も知らない私の思いだ。このことは私に代わる戦略級魔法師が出てきて新たな『使徒』になったら私が国家公認戦略級魔法師であることに変わりはないが私を強要したりは出来なくなるだろう。私は元々虚弱体質でありあまり身体を動かすことが出来ない。それでも私は彩海奈ちゃんに対しては強いお姉ちゃんでありたい。

 

それから約1時間私たちは他愛も無い話や九校戦の話等をしていた。私は懇親会があるため姉さんがいるV.I.P.ルームを出て私の部屋へと向かった。

私のルームメイトは同じクラスのエイミィだ。私が部屋へと向かうと部屋にはエイミィはおらずどうやら懇親会の会場へと向かったようだ。私も時間を確認すると開始までそんなに時間が無かったため会場へと向かった。

 

会場の中に入るとそこには各附属高校の制服を着た高校生やこのホテルのボーイ等でいっぱいになっていた。私は一高が固まっていた場所へと向かうと、渡辺先輩が気づいた。

 

「お、間に合ったか。あとで真由美にも挨拶をしてくれ」

 

「はい、わかりました。ところであれはどういう状況なんでしょうか?」

 

彩海奈が見つけたのは七草先輩が他校の生徒会長(?)と話し合っているところだ。

 

「ああ、あれは探り合いの一種だ。まぁでも何処の高校ともしてるし真由美ならそうそう負けたりはしないだろう」

 

「そうですね、っとどうやら話し合いが終わったようなので挨拶しにいってきます」

 

「あぁ、よろしくな」

 

私は第七高校の方々と話してた会長の元へ向かった。

 

「会長、遅くなりました」

 

「あら、彩海奈ちゃん大丈夫よ。『老師』のお言葉には間に合ったからそれだけはちゃんと出て欲しかったしね」

 

「そうですか、では私は一高の方に戻りますので」

 

「ええ、皆と仲良くね」

 

こうして私は一高の元へ戻り深雪やエイミィ、スバル、達也、中条先輩などとお話をしていた。

千代田先輩にはアイス・ピラーズ・ブレイクでの対戦を待っておくように言われ、達也にはクラスメイトでどうやらバイトで来ているというミキこと吉田幹比古君と千葉家のご令嬢の千葉エリカとも顔を合わせた。さらに私がレオ君と知り合いと言うと彼もここに来ているようだ。ただレオ君と知り合いということにエリカ、幹比古君と達也に意外そうに見ていた。

そして楽しく談笑しているとアナウンスが鳴った

 

☆???side☆

 

俺たちは懇親会2日前の7月29日に会場となる富士演習場の近くにある軍のホテルに着いていた。

懇親会は明後日なので俺たちは練習場で練習やCADの調整などを行った。

そして7月31日今日は懇親会当日だ。しかし今日到着予定だった一高が事故の影響で到着が遅れているらしい。一高は前年、前前年と優勝をしており今年優勝すると3連覇を成し遂げるのだがその風向きが逆に流れているのはうちとしてはついていた。今年はうちには一条、一色を筆頭に有力ナンバーズが多数在籍していて一高を倒せるのではないかと言われているため今年こそはと優勝を狙っている。

懇親会が始まる頃には一高も到着していたようで無事に懇親会が始まった。そして俺はこの会場であの娘を探していた。だがそれはすぐに中断せざるを得なかった。一高の集団の中に紅一点の彼女を見つけたからだ。だが俺は誰か分からなかったため俺の良き友人であり参謀でもあるジョージに聞いた。

 

「なぁジョージ、あそこにいる一高の子は何と言うんだ?」

 

「あぁあの子は一高一年のダブルエースのうちの1人の司波深雪だよ。出場種目はアイス・ピラーズ・ブレイクとミラージ・バットだよ」

 

「司波深雪……か、でジョージダブルエースってことはもう1人エース格がいるのか?」

 

「珍しいね、将輝が女の子のことを聞くなんて。あぁもう1人は今ここからは見えないけど君と同じ十師族の五輪 彩海奈だよ。出場種目は本戦アイス・ピラーズ・ブレイクと新人戦バトル・ボード」

 

「う、うるさい…って五輪!?一高に五輪家のご令嬢がいるのか…これは知らなかった。それにしても本戦に出るのか……俺は本戦に十文字さんがいるから新人戦にしたけど女子は本命がいないからな……」

 

「そういうことだね……でもこれで僕達が優勝出来たら僕達の代は間違いなく3連覇出来るはずだ」

 

「あぁ、そうだな…よし負けないぞ」

 

「ところで挨拶しなくていいのかい?七草さんや十文字さん、五輪さんに」

 

「あ、あぁ後で行くさ」

 

と話していると会場のアナウンスが鳴った。

 

☆将輝side終わり☆

 

「それではこれより魔法協会の理事であり、これまでも九校戦を支援してくださっています九島烈よりお言葉を頂戴いたします」

 

パッと会場のスポットライトが照らされるとそこには金髪のお姉さんがそこには立っていた。

私は最初驚いたがどうせあの人のイタズラだろうと思うとその奥に本人が立っているのが見えた。どうやら今回は精神干渉系魔法を使ったようだ。規模が大きく会場全体を覆うほどのだ。そして一高の方を向くとニヤリと笑っていたのが見えた。前に立っていた女性に話しかけると女性は舞台袖に引いていき『老師』本人が姿を表した。

 

「まずは、悪ふざけに付き合わせたことを謝罪する。今のは魔法と言うより手品の類だ。だが手品のタネに気付いたのは私の見たところ、七人だけだった。もし私がテロリストだったらそれを食い止めるべく動けたのは七人だけだ。魔法を学ぶ若人諸君。魔法とは手段であってそれ自体が目的ではない。私が今用いた魔法は規模こそ大きいものの、強度は極めて低い。だがその弱い魔法に惑わされ君たちは私を認識できなかった。魔法力を向上させるための努力は決して怠ってはいけない。しかしそれだけでは不十分だということを肝に銘じてほしい。使い方を誤った大魔法は、使い方を工夫した小魔法に劣るのだ。魔法を学ぶ若人諸君。私は諸君の工夫を楽しみにしているよ」

 

九島烈はそう言うと会場全体からスタンディングオベーションが鳴り響いた。

 

(これが『老師』、この国の魔法界において頂点に立っているのね……戦略級魔法師がこの国の頂点と思われてる見たいだけどそんなことは無いわ…これがかつて『最高』であり『最功』と言われていた御方…私じゃ辿り着けないわね…)

 

九島烈の後にも日本魔法師界において名士と呼ばれる方のお言葉が述べられ懇親会は終了した。

 

そして私は数時間前にいたV.I.P.ルームとは違うV.I.P.ルームの前に立っていた。またボディーチェックを行いパスすると部屋に入るためドアをノックすると中から女性の声が聞こえ入室の許可が出た。

 

「お久しぶりです。それでご用件とは何でしょうか?」

 

「ああ、久しぶりだな彩海奈。そう焦るな久しぶりだから少し話したいことがあるんだよ。まずこの女性は私の孫娘でなこれから世話になるかもしれんから挨拶しといて損はなかろう」

 

「初めまして、九島烈の孫娘であり防衛省技術本部兵器開発部の技術士官の藤林響子です。これから彩海奈ちゃんって呼んでもいいかしら?」

 

「こちらこそ初めまして、五輪 彩海奈と申します。はいそれで構いませんよ。私は響子さんと呼ばせていただきます」

 

「さて、2人の自己紹介が終わったところで彩海奈。お前は何の種目に出るんだ?」

 

「はい、今年は本戦アイス・ピラーズ・ブレイクと新人戦バトル・ボードに出ます」

 

「ほお本戦に出るのか、一色家の彼女とどちらが活躍するかな今から楽しみじゃ」

 

「そうですね、お爺様。私も観戦させてもらおうかしら」

 

とこんな風に九校戦の話やこれまでの話をしているとさすがに時間が遅いためお開きになった。最後に去る際に烈から

 

『今年は普段より荒れるぞ』

 

という言葉に私はさすがに違和感を覚えざるを得なかった。

部屋に戻ると色々と振り回されてしまうと疲れるのかシャワーを浴び、ベッドに横になるとすぐ眠ってしまった。

 

そして九校戦が開幕する。




はい、九校戦編第2話です。

原作の次の追跡編が読みた過ぎて孤立→エスケープ→インベーション→急転編を結構読んでます。

戦略級魔法師がいっぱい出てきたんだからそろそろ澪さん出してもいいんじゃないかな……って思ってる作者です←

次回は今回より間隔が空くと思いますので出来るだけ早く投稿するつもりです。

今回もご読了ありがとうございます。感想、評価等よろしくお願いします。お気に入りをしてくれた方もありがとうございます
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