姉は戦略級魔法師、その妹も戦略級魔法師!?   作:KIRAMERO

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はい。今回の話から冬休み編になります。最近リアルが忙しすぎるので投稿頻度が落ちてますが6月1週が終われば少しは楽になると信じてるので←

次巻が6月8日ということであと1週間ですね!


冬休み、新たなる衝撃
姉の心配事と母親の実家


西暦2095年12月27日の午後3時場所は五輪本邸内にある五輪家の長女にして国家公認戦略級魔法師である五輪 澪のプライベートルーム、ここでは今部屋の中をただならぬ雰囲気が漂っていた。このプライベートルームには今現在彼女の妹にして非公式の戦略級魔法師五輪 彩海奈、五輪家の主に澪、彩海奈の世話を担当している如月 芽愛、如月 弥海砂両名を含めた合計4人がいる。

 

「それで、どうして25日に来なかったのかしら?」

 

「……学校の友達にクリスマスパーティーやるって誘われて…」

 

「そう…私は25日に来るものだと思っていたから」

 

「そ、それはごめんなさい…25日はパーティーも招待とか無かったしね。24日はあったけど二木家の結衣さんに誘われただけだから」

 

「へぇー…それで何でそのまま来ようとは思わなかったのかしら?」

 

「えっと…その…」

 

「澪様、そこは私達から……彩海奈様が現在お住まいになられてる住宅には、九校戦前及び終了後に七草家からホームサーバーにクラッキングが試みられた形跡がございました。この件についてはご当主様には伝えその後長期的に離れる際は愛彩様が構築されたカウンタープログラムをご用意してもらったのですが23日の時点でまだ用意出来ていなかったので26日になってようやく全ての用意が終わり今日になってしまったということです」

 

「そう……またあの七草と来たら……」

 

どうやら姉さんは七草家に怒り心頭のようだ。何故姉さんが怒っているのかは謎だがそこまで怒らせることがあったんだろうと内心は思っていた。

 

「まぁ、もういいわ。こうしてちゃんと来てくれたわけだし」

 

「そう…じゃあまた後でね。父さんに呼ばれてるから。本当だったらここに来る前に行こうとしてたから」

 

「そう……じゃあまた後でね」

 

私達は姉さんの部屋を出て父さんーー五輪家当主の執務室へと向かった。

 

コンコン「入ってもよろしいでしょうか?」

 

『あぁ、入ってくれ』

 

「失礼します。五輪 彩海奈、如月「芽愛」、「弥海砂」両名含め3名無事です。それで何かありましたか?」

 

「うん、とりあえず3人とも無事で良かったよ。昨日弥海砂から聞いたが北山家のお嬢さんが交換留学すると聞いてこれはと思って3人を呼んだんだ。実はこの交換留学には裏があるかもしれない。おそらくはハロウィンの時の戦略級魔法絡みだとは思うが、その留学生の中にUSNA軍所属の魔法師がやってくるという情報を掴んだんだ。だからもし何かあったら芽愛か弥海砂、それに九島閣下に伝えてくれ」

 

「わかりました。ですが何故九島閣下に?」

 

「留学生の中にアンジェリーナ・クドウ・シールズという少女がいるのだが、どうやら第一高校にやってくるみたいで九島閣下の血縁にあたるみたいなんだ」

 

「わかりました」

 

「何度もいってはいるが…絶対に戦略級魔法師としてバレないようにお願い出来るかな」

 

「大丈夫だよ。でもいざとなったら私はやらなければいけないけど」

 

「それは仕方の無いことだ。ただし人目があるところでは極力ダウングレードしたものを使ってくれ」

 

「ええ、父さんが命じない限り私から打つことは無いわ」

 

「それが分かってるならいい。話は以上だ。何かあるかい?」

 

「1つ聞いていいですか?」

 

「あぁ、私に答えられることなら」

 

「1度母さんの実家に行きたいと思ってます。出来れば年度内に」

 

「母さんの実家か…わかった…母さんには実家の方へ行けるように言ってみる。ただ期待はしないでくれ。あそこに行けるのはその家の関係者のみなのだからな。例え十師族でもあそこに行けるのはほんのひと握りでもある」

 

「わかりました、それでは失礼します」

 

私は執務室を出ると、今年の3月まで暮らしていた部屋に、芽愛さんと弥海砂さんは本邸内にある使用人が使っている部屋へと戻っていった。

 

「(アンジェリーナ・クドウ・シールズ……ただの少女で九島の血縁なら多少は気を使わなければいけないけど何故そんな警告を与えるようなことを……)」

 

私は三学期やってくる少女に多少な警戒心と厄介事が起きなればそれでいいと思っていた。

 

ーーーーー

 

コンコン「母さん入っていいかな?」

 

『あら、入っても大丈夫ですよ』

 

「失礼するよ。さっき彩海奈がお前の実家に行きたいと言ってきた。出来れば俺としては彩海奈もそろそろ知らなければいけない日が来たということで行かせてやりたいんだがどうかな?」

 

「一応聞いてはみるわ。ただあそこはそんなおいそれと行ける場所ではないから。私でも今となっては滅多に行ける場所ではないから」

 

「あぁ、その辺は彩海奈には話してある。彩海奈は出来れば年度内に行きたいそうだ」

 

「そう…じゃあその時は私と澪、洋史、彩海奈、芽愛、弥海砂で行くから軍への連絡と留守はよろしくね」

 

「あぁ、その時は気をつけてな。それじゃあ私はこれで」

 

五輪家当主夫人・五輪 真唯(いつわ まゆい)。旧姓 水無瀬 真唯、彼女の実家水無瀬家こそこの物語においてイレギュラーな存在になりうるそんな家である。

 

彼女の実家である水無瀬家はかつてこの国において時の人や朝廷にまで影響を与えるような家であり、水無瀬家が出来たとされた年から約1200年の時が経つ今現在においても十師族と同等あるいはそれ以上の権力を有しているとも言われている。何故それほどまでこの水無瀬家が重要視されているかは謎に包まれている。そしてこの水無瀬家の存在を知っているのは天皇陛下、十師族当主及びその関係者の極一部、時の内閣総理大臣のみであり居住地においては京都より西にあるということだけが伝えられている。

 

さらにはこの水無瀬家は秘密主義を余儀なくされており前述の居住地、家族構成など現当主とその妻又は夫以外は何一つ情報がない。そんな水無瀬家の現当主は真唯の母親(「水無瀬 唯衣花(みなせ ゆいか)」)が務めていて、再来年には次期当主として真唯の姉(「水無瀬 侑那(みなせ ゆうな)」)が即位することが決まっている。何故秘密主義を余儀なくされているかは水無瀬家が使っている魔法に関係している。元々は古式魔法を得意分野として発展し、名だたる古式魔法の大家から「水無瀬家こそが古式魔法の最高峰」と呼ばれるまでになった。

 

しかしある年に生まれた1人の少女をきっかけに水無瀬家の秘密主義が始まった。その少女の名は「水無瀬 結那(みなせ ゆいな)」、真唯の祖母であり水無瀬家の先代当主だ。全盛期の彼女はあの「老師」九島 烈、四葉の名を世界に知らしめた四葉家先々代当主 四葉 元造の2人に並ぶほどの魔法師であり魔法師界においても多大なる影響を与える人物の1人だ。その彼女なのだが全盛期は古式魔法はもちろんのこと、当時あまり適性がないと言われていた現代魔法においてもその才を存分に発揮しあの「老師」から「彼女以上の魔法師は現世において存在しない」と言われるほどだった。そういうこともあり、彼女の婚約・結婚に関しては外部に漏れないように四葉家と九島家が協力し厳密に執り行っていた。そんな彼女は現在水無瀬家の当主の座を降りて、旧長野県にある水無瀬家の別荘と京都より西にあるという水無瀬家本邸を行き来する生活を送っている。

 

話を戻すが澪、洋史、彩海奈の母親である五輪 真唯(旧姓 水無瀬 真唯)も五輪家当主夫人になる前までは水無瀬家の人間として過ごしてきた。2人の馴れ初めは大学生まで遡る。彼女が当時大学生の時に同級生だった五輪 勇海に好意を寄せており告白して交際する流れになり見事ゴールインしたのである。実はこの時勇海自身も真唯のことを好いてはいたものの十師族として大丈夫なのかという葛藤があった時に彼女自身から告白され、念の為本家へ確認したところ約2週間後に許可がおりて2人は交際を始め、勇海が23歳、真唯が24歳の時にに結婚しその翌年には澪が産まれたのである。

 

そんな水無瀬家であるがこの家の本邸に行けるのは水無瀬家の関係者、当主の招待客のみである。例え十師族の当主が行きたいと言ってきても決して来ることは出来ない。水無瀬家本邸に行くには京都にある魔法協会本部にいる水無瀬家の使用人に自分の名前と来訪の目的を言わなければ水無瀬家には行けないという徹底ぶりだ。

 

そんな水無瀬家の家の中に電話の鳴る音が当主の部屋に鳴り響いた。水無瀬家の当主がいる部屋に電話がかかってくることは滅多にない。それこそ家族や魔法協会上層部、政府等関係者のみにしかナンバーが公開されていない。今回鳴り響いた音は家族関係の鳴り出し音であり当主は通話ボタンを押した。

 

「久しぶりね、真唯。それで今日はどういうようかしら?新年の挨拶にはまだ早い気がするのだけど」

 

『お久しぶりです、お母様。新年の挨拶はまた今度ということで。今回伝えたい内容は娘のことです』

 

「それは澪さんのことかしら?」

 

『いえ、今回は次女の彩海奈の方です』

 

「彩海奈さん、ね。わかったわ。彼女はもう水無瀬家自体は知っているのよね?」

 

『ええ、勇海さんと話した限り知っているみたいです』

 

「そう。なら、新年……そうね1月4日〜1月6日までで来れる日のあるか聞いてくれないかしら?彩海奈も高校があるでしょう?」

 

『わかりました。それで行く時は私と澪、洋史、彩海奈、芽愛、弥海砂の合計6人で行きたいと思ってるのですが』

 

「構わないわよ。この屋敷には幾らでも部屋はあるから。母さん、貴女の子が見れて嬉しいわ」

 

『そういえばそうね。澪とは京都で会ってたわね母さん。洋史と彩海奈は初めてよね?』

 

「そうね。あとは侑那がずっと貴女に会いたいってうるさいから今度からはある程度は会ってあげなさい」

 

『姉さんのそれは何とかならないのかしら?』

 

「無理ね」

 

『全く……澪のあれも遺伝なのかしらね』

 

「そうなのかもね。それじゃあそろそろ切るわよ?日程が分かったらメールでもいいから連絡入れて頂戴」

 

『わかりました。それではまた後日』

 

「ええ、またね」

 

電話を切ると水無瀬家現当主 水無瀬 唯衣花はハンドベルを鳴らした。

 

「御用でございますか、奥様」

 

当主の部屋に現れたのは水無瀬家の執事「神無月 正義(かんなづき まさよし)」だ。神無月家は代々水無瀬家の執事として仕えこの水無瀬家の表の世界の役割を統括している。

 

「この家にある真唯の部屋と客間、客人の部屋を綺麗にしてちょうだい。真唯が子供達とその護衛を連れて来るから」

 

「かしこまりました、奥様」

 

神無月 正義が部屋を去るとまたしてもハンドベルを鳴らした。今度は先程使ったハンドベルとは違うハンドベルで鳴らした。

 

「御用でございますか、御当主様」

 

現れたのは水無瀬家の裏の役割を統括、担っている水無月家の次期当主「水無月 沙耶(みなづき さや)」だ。水無月家も同様に代々水無瀬家に仕えてきている。唯衣花、侑那、真唯は水無瀬家の人間だが表の世界では水無月として過ごしていた。(水無瀬家は聞く人が聞けば強大なインパクトを残すため唯衣花以降の水無瀬家の人間は水無月性を名乗っていた)

 

「今度…そうね…今年度内に真唯が子供達とその護衛を引き連れてやってきますから、京都の魔法協会本部に迎えに行ってもらってもいいかしら?」

 

「かしこまりました、御当主様。真唯様が来るということは澪殿のことでしょうか?」

 

「いえ、今回は次女の方みたいですから、彼女を紹介しておきたいということでしょう。再来年には侑那が当主になるからその前に、ということでしょうね」

 

「かしこまりました」

 

「ええ、よろしくお願いね」

 

沙耶が部屋を去ると唯衣花は当主の部屋に置かれている椅子の深くまで腰掛け、彼女以外誰もいない部屋の中に語りかけた。

 

「3人の子供ね…いつしか真唯も子供を連れて帰ってくるとは思っていたけどまさかね……それに1人は国家公認戦略級魔法師で他の2人も能力としては申し分ない。特に妹の彩海奈さん。彼女も九校戦で使った魔法からして戦略級魔法師なのかしらね」

 

と呟いた。水無瀬家の現当主も四葉家と同様の答えを示していた。だが水無瀬 唯衣花と四葉 真夜はまだ知らない。彩海奈が有している特殊なスキルに。それを知っているのはまだ五輪 勇海、五輪 澪、五輪 彩海奈だけということを、それにこの特殊なスキルの使い方が公に広まれば日本という国が世界の各国から危険視されることを。

 

ところ変わって五輪家内にある魔法研究所では……

 

霧島 愛彩は年末にも関わらず五輪家にある研究所でせっせと研究に謹んでいた。

 

「うーん…………よしこれでいいかな?」ピコン

 

「なんだ……って帰ってきたのか」

 

『おーい、帰ってきたよーー』

 

「えっと……『お帰り!』っと」

 

「よし、今日のところはこれでいいだろ。さて、彩海奈も来たことだし、行ってみるか」

 

こうして霧島 愛彩は夏休みに澪に言われてから1度も行けてなかった五輪本邸に足を踏み入れるべく研究室のセキュリティを最大限に引き上げてから研究所を出てむかっていった。

 

ところ変わって五輪本邸内にある次女五輪 彩海奈のプライベートルームには3人の人影があった。1人はこの部屋の主五輪 彩海奈、もう1人は彼女の母親である五輪 真唯、3人目は五輪家の魔法研究所において研究員として所属している霧島 愛彩。何故この3人が相いれたのかは最初彩海奈と愛彩が先日の横浜の時に使用したCADや謎の魔法師(達也)が使っていた未知の治癒魔法、戦略級魔法と思われる魔法について話していた時に母親である真唯が入ってきたという状況だ。

 

「えっと……」

 

「ごめんなさいね、2人でのお楽しみを邪魔しちゃって」

 

「い、いえ…は、初めましてえっとその……霧島 愛彩って言います」

 

「霧島 愛彩さんね。初めまして彩海奈の母の真唯です。今度からは気にせずここに来てね、私ならほぼ1年中この本邸内にいるから」

 

「えっと…善処します……」

 

「はぁ……それでどうしたの?」

 

「さっきお父さんからあのこと聞いたでしょ?だからあのことについて話しておきたいと思ってね」

 

「あ、それじゃあ私は出ていった方がいいですか?」

 

「ええ、少しだけ席を外してもらえるかしら?」

 

「それじゃあまた後でね、彩海奈」

 

「う、うん……それでお話って何?」

 

「私の実家が水無瀬家だってことはもう知ってるのよね?」

 

「え、あ、うん」

 

「なら、それを前提に話をさせてもらうわ。彩海奈、貴女は澪や洋史と同じ血が流れてるけど貴女は違う。もしかしたら貴女は五輪家の次期当主じゃなくて水無瀬家の次期当主候補になるかもしれないわ」

 

「わ、私が水無瀬家の?」

 

「ええ、といっても今の水無瀬家当主は私の母がやってるんだけど再来年には姉さんが当主になるからその姉さんの次の候補ね」

 

母さんから発せられたその言葉、それはわたしにとっては衝撃的な言葉だった。そしてこの水無瀬家こそが私の……いや私の周りの出来事を全て一変させていく。

 




如何でしたでしょうか?リアルでの出来事と新しく登場した家の事を考えながら書いていたら思ったより時間がかかりました。

次回はもう……というより年越しのところになります。

今回もご読了いただきありがとうございました!感想、評価、お気に入り登録よろしくお願いします。

そしてこの家のことについては投稿日から数えて翌々日のうちに設定集のところに加えますのでよろしくお願いします
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