姉は戦略級魔法師、その妹も戦略級魔法師!?   作:KIRAMERO

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はい。冬休み編もあと数話で終わりで来訪者編になります。この冬休み編の最大の目玉はこれからの水無瀬家への訪問なのでお楽しみに。


追跡編(下)発売されましたね!この話の投稿が終わってから読もうと思っているのでまだ読んでないのでこれから読みます(多分投稿した時には読み終わってるかも?)


次期当主と新年への年越し

水無瀬家の次期当主。聞く人が聞けば一大事であることだ。確かに私か兄さんかどちらかが五輪家の次期当主になることは間違いなく私はそれが兄さんだ思っている。となれば私は何処かに嫁入りするというのが定石だろう、というかそう思っていた。一条家、七草家辺りがその候補になるのだが、それは私の個人的事情により成立はしないだろう。確かに水無瀬家であれば母さんの実家、さらには存在があまり知られていないという点も含めて有り得なくはない。だがそれならおかしいと思う。母さんによると今の水無瀬家の当主は母さんの母親の水無瀬 唯衣花さんが務めていて、再来年には母さんのお姉さんである水無月 侑那さんが即位することが決まっているみたいで侑那さんはまだすぐに退位する年齢じゃないことから私の継承は決定したとしても少なくとも数十年後になるだろう。そんな年齢になるまで私が五輪家の人間として入れるかが不透明だ。今の世の中では魔法師は姉さんや四葉 真夜さん等特殊な事情を持っていない限り早婚が推奨されている。

 

そんな中特に体調に問題はなく、何か特別な力を公には持っていないとされている私には高校卒業あるいはもう在学中の今からでも縁談の話はひっきりなしに来るであることは簡単に予測できる。ただ私の婚約に関しては公表されてない部分において容易には出来ない立場にあるためその道はなかなかな困難だ。ただその点水無瀬家の次期当主として地位を確立出来ればその問題は一気に解決される。ただ水無瀬家ということもあり、なかなか相手は見つからないそうでお母さんも、お母さんのお姉さんも自分で見つけてきたという。はたしてそれが私に出来るだろうかと思うところも無いことは無いはずだ。

 

「そう、貴女が水無瀬家の次期当主になる可能性というのは否定出来ないわ。もしかしたら姉さんの子供がそのまま次期当主になる可能性だってある。でも貴女も少なからず水無瀬の血を継いでる1人よ。澪は『13使徒』、それに洋史はあまり古式魔法に適正が無いからさすがにそんな人を当主にはさせない。それで残るのは貴女なのよ。国家公認戦略級魔法師でも何でもないただの十師族の1人のご令嬢なの、なんのしがらみも無いけど水無瀬家からしたら十師族というのはちょっと目立ちすぎるかもしれないけどそれでも貴女が水無瀬の血を継いでるということだけでそういう存在になりえるのよ」

 

「………………」

 

「これは私が思ってること。お祖母様やお母様が何を考えているのかは分からないけど、少なくともこうなるとは考えておいて。このことはこの場だけに留めておいて。これはお父さんには話してあるけど澪、洋史には話してないから」

 

「わ、分かりました」

 

「大丈夫よ。もし彩海奈が水無瀬家のことに関わることになったら私も勇海さんもバックアップしてあげるから。それになんて言ったって私達の娘なんだから」

 

「は、はい。あ、ありがとう」

 

「何時まで経っても、甘えん坊なのは変わらないのね彩海奈は」

 

「そ、それはお母さんだけだよ」

 

「はいはい。それじゃあ、愛彩ちゃん呼んでくるから。それにしても愛彩ちゃんの調整は上手よね。違和感というものを何一つ感じさせないもの」

 

「え?お母さんのCADって愛彩が調整してるの?さっきが初対面じゃなかったの?」

 

「ええ、そうよ。でも私の使ってるCADを愛彩さんが調整してるってことは勇海さんから聞いてたわ。しいていえばこの五輪家のCADの全てを彼女1人で調整してるわ」

 

「し、知らなかった……」

 

「それもそうよ。彩海奈ったら1人で調整してるんだもの。それに澪、洋史、芽愛、弥海砂もみんな彩海奈が調整してるんだもの」

 

「そっか…」

 

「それじゃあ、呼んでくるわね」

 

「うん」

 

お母さんが私の部屋から出ていき私1人だけになったこの部屋は広く感じた。私は思い出したかのように端末を手に取り、エイミイの連絡先にメッセージを送った。三学期が始まるのが1月7日、初詣に行こうと約束していたのが1月5日。その日に水無瀬家に行かなければならなくなったためその断りと謝罪がその主な内容だ。メッセージを送り終わったと同時に愛彩が入ってきた。それからはこれからどういう風なコンセプトで新たなCADを作っていくかや魔法式の改良等色々なことを話し合った。

 

その後エイミイからのメッセージが届き、また三学期にということでメッセージをやり取りしていた。

 

時は経ち今日は12月31日、あと数時間で新年を迎えるそんな時に父さんが五輪家の当主として母さんや姉さん、兄さん、私や芽愛さん、弥海砂さんをはじめとした使用人全員を五輪家本邸内にある1番大きい部屋に集めた。

 

「それじゃあ、みんな揃ったことだから話始めるかな。まだ公には公表しないけど五輪家の次期当主は洋史、お前に任せるよ。今後数年間は基本的には僕の補佐として少しずつ当主としての仕事を覚えていってくれ」

 

「はい、わかりました。次期当主としてその名に恥じぬようにこれからも努力してまいります」

 

「あぁ、固い言葉は次期当主として正式に発表する時でいい。今は非公式に次期当主として決まったというだけだからな」

 

「「おめでとう、兄さん(洋史)」」

 

「ありがとう、姉さん、彩海奈」

 

「「「「「おめでとうございます、洋史様!!」」」」」

 

「皆さん、ありがとうございます」

 

「それで、澪のことだがこれまでは洋史が常に傍にいたけど来年度からはあまり入れなくなる可能性もあるから、その時は彩海奈、芽愛、弥海砂の3人で傍にいてあげてくれ。彩海奈に関しては高校もあるから、基本的には芽愛と弥海砂が付いていてくれるかな?芽愛と弥海砂が澪の方にいる時彩海奈にはある人が行けるようにお願いしてるから」

 

「ある人?それは信用出来る人なの?」

 

「あぁ、それはもちろんだ。むしろ相手側からお願いしてきたからな」

 

「そう……それでその人のお名前は?」

 

「それはこの場では教えられない。この後母さん、澪、洋史、彩海奈は残ってくれ」

 

「わかったわ……」

 

「じゃあ、とりあえず解散ということで。また23時30分にここにまた集まってくれないかな?」

 

「「「「「わかりました!」」」」」

 

「芽愛さん、弥海砂さん……23時20分までに私の部屋に「あれ」を用意できますか?」

 

「わかりました……程々にお願いしますね?」

 

「それは芽愛さん達次第というのもありますよ?」

 

「それは……善処します」

 

芽愛さんと弥海砂さんは部屋を出ていき、「あれ」の準備をするために動いてくれるのは何とも心強い。そして部屋には先程残るように言われた人だけが残っていた。

 

「それで彩海奈ちゃんの傍には誰が付くのかしら?」

 

「あぁ、水無月家現当主の水無月 沙綺(みなづき さき)さんだ」

 

「あの御方が……彩海奈ちゃんの傍に……」

 

「すみませんが…どちら様でしょうか?」

 

「あぁ、水無月家は水無瀬家に代々仕えている家の1つで主に裏の役割を担っているらしい。来年度からは次期当主に決まっている水無月 沙耶さんが当主になられるのが先程水無瀬家からもたらされた」

 

「ちょっと、水無瀬家のことを彩海奈ちゃんに話してもよかったの?」

 

「あぁ、大丈夫だ。もう水無瀬家のことは知っているみたいだ。それで1月5日に水無瀬家へと行くことになっている」

 

「そう……ならいいわ」

 

「1月5日には水無瀬家当主、水無月家当主、次期当主とも会うことなるかもしれないがその時はくれぐれも失礼のないようにな」

 

「「はい(わかりました)」」

 

「じゃあ23時30分になったらまた来てくれ」

 

私達は部屋を出ると私は姉さんに声をかけた。

 

「姉さん、水無月 沙綺さんってどんな人なの?」

 

「え?水無月 沙綺さん水無月家当主としてその名はこの魔法界の上層部の一部しか知らない存在ね。私も知ったのは国家公認戦略級魔法師になってからだもの。知ってるのはそうね……十師族・師補十八家の当主、魔法協会会長、私、国防軍のトップくらいかしらね。とにかく水無瀬家並の秘密があるとされてるみたい。水無瀬家と水無月家はいつもどっちが実力として上なのかって言われてるくらいにね。でも本当は水無月家は水無瀬家に代々仕えている家の1つ。どっちが上かはハッキリしているわ。それでも魔法に関する技術はどれもが世界基準ね」

 

「そんな方がなんで私の傍にいることを希望したのかな……」

 

「分からない……ただ水無瀬本家当主の娘の子供ということに興味があるのかしらね。一応私達も水無瀬家の血縁だからそれに恥じないような実力かを見たいのかしら……私は戦略級魔法師で洋史も十師族並の魔法力はあるけど彩海奈ちゃんはまだ表面上では分からないからということかしらね」

 

「最悪……私が戦略級魔法師だということが露見したとしても問題があると思う?」

 

「どうかしらね……水無瀬家も水無月家も四葉家と同等かそれ以上の秘密主義だからわかったとしても公表はしないかと思うけど……この件はまた父さんと話してからにしましょう。私達だけでどうにかなる問題じゃないから」

 

「そう……だよね……じゃあまた後で」

 

「ええ……また後でね」

 

私は姉さんと別れ、新年が明ける前に行われる五輪家年越し恒例の会が今年も催されるみたいなので一旦自室に戻っていった。この会は姉が国家公認戦略級魔法師になった時に年越しだけはみんなでいようということが決まったらしく私も知らない間に恒例になっていった。

 

そして時は経ち、23時30分私は数時間前までいた部屋に戻っていった。そこには既に集まっていたのか五輪家の使用人ほぼ全員と父さん、母さん、兄さんが揃っていた。意外なことにあの姉さんがまだ来ていないことに驚きを隠しつつ、私は部屋の中に紛れていった。その数分後には姉さんと芽愛さん、弥海砂さんがやって来て全員が揃った。そこからは何も起きることは無く私達と使用人そんなことは関係なくみんなが楽しんでいた。

 

そんな中私は部屋の外にある庭園で夜空を見上げていた。

 

「今年はずっと何かが起こってた年だったかな」

 

「そうですね……特に入学後は「ブランシュ」、九校戦は「無頭竜」、論文コンペでは大亜連合、色んなことがありましたね」

 

「弥海砂さん…来年もよろしくお願いしますね?」

 

「もちろん。彩海奈様に何かあっては何が起こるか分かりませんから」

 

「その時は……よろしくお願いします」

 

「もうそろそろ年越しですよ?中に入って祝いましょう」

 

「そうですね…では入りましょうか」

 

「あ!彩海奈ちゃん、ほらこっちこっち」

 

「ちょっ、姉さんそんなに引っ張らないで!?って姉さんなんか酔っ払ってない?」

 

「そんなことなぁいよぉー」

 

「やっぱり……はぁ……」

 

「「「「「3.2.1.0」」」」」

 

「「「「「あけましておめでとうございます!今年もよろしくお願いします!」」」」」

 

「あぁ、あけましておめでとう!今年もよろしく」

「あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いしますね?」

「…zzz……ハッ、あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします!」

「あけましておめでとう。今年もよろしくお願いします」

「あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします」

 

こうして何事も無く終えた会は夏休みと違い無事に終わり、姉さんが芽愛さんと弥海砂さんに付き添われ部屋に戻っていったのを除き全員が部屋に戻っていた。

 

そして明けた2096年1月1日、十師族各家当主、内閣総理大臣、天皇陛下宛に1枚の書状が届いた。送り主は水無瀬家当主 水無瀬 唯衣花。用件は「水無瀬家当主の退位と次期当主の決定」であり、その中には

 

・2097年3月31日をもって水無瀬家現当主水無瀬 唯衣花は当主の座を退くこと

・2096年1月1日、水無瀬家次期当主として水無瀬 侑那が決定したこと

・2097年4月1日をもって水無瀬家次期当主として水無瀬 侑那が水無瀬家当主に就くこと

・2096年1月1日、水無瀬家次期当主水無瀬 侑那が滋野井家次男 滋野井 詩季と結婚したこと

 

以上の3点が記されていた。同日中には十師族各家当主、内閣総理大臣、天皇陛下は独自の情報端末において水無瀬家現当主へのこれまでの労いと次期当主への祝辞、これからの健闘を述べたお祝いのお言葉を水無瀬家に対して送った。(結婚自体は侑那が27歳の時にはしていたが水無瀬性を名乗っていなかったため発表はされていない)

 

 

謎に満ちた水無瀬家の当主の退位と次期当主の即位、それはこの国、ひいては十師族各家に何かをもたらす存在なのか。そのことはまだ誰も分からない。そして時と同時にやってくるUSNAからの留学生アンジェリーナ・クドウ・シールズ。彼女は彼女らを何処へ導くのか

 




如何でしたでしょうか?次の話は水無瀬家への訪問前編になります。水無瀬家への訪問は2話もしくは3話くらいを予定してます。

この冬休み編、原作では書かれていないので少し四葉継承編に似た形にはなっていますが四葉継承編の時も似た感じにはなりそうな感じはしてるのですがオリジナルに書いていきたいと思います。(何ヶ月……いやもっとあとの話ですけどね)

今回もご読了ありがとうございます。感想、評価、お気に入り登録よろしくお願いします。また誤字脱字もご報告よろしくお願いします
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