姉は戦略級魔法師、その妹も戦略級魔法師!? 作:KIRAMERO
達也とエリカ、そしてアンジー・シリウスと思われる人とぶつかり合った日の翌日、彩海奈はいつも通りの日常を過ごしていた。何もないそんな日は彩海奈にとって久しぶりだった。しかし、それはわずか数日で壊された。問題になったのは2日後、この日は弥海砂が担当の日だがそこで再びアンジー・シリウスと思われる人、司波達也が対峙しその場面を弥海砂が目撃していたその後達也と弥海砂の師匠でもある「九重八雲」、そして達也の妹である深雪が出てきたという。その後弥海砂さんは九重八雲さんに引っ張り出されその後アンジー・シリウスの正体が今我が校に留学してきているアンジェリーナ・クドウ・シールズだということを知らされた。その後深雪とリーナによる対決が行われたが達也によって中断されたという。私はそこで達也に関してある1つのことが分かった。達也の魔法に関する干渉力が私や姉さんよりも上だということだ。他国の戦略級魔法師にこの国でもトップクラスの魔法力がある深雪の魔法に対する干渉力を上回っているということだ。その後弥海砂さんは九重八雲さんによって帰されたらしい。そしてその翌日私はその張本人に会議室に呼び出された。
「それで、私を呼び出した理由は何かしら?」
「彩海奈、これをやる」
「これは?」
「吸血鬼にトレーサーを埋め込んだ。それを追うためのものだがお前達には不要か?」
「いえ、私達といえどそこまでは出来てないから。それに私は個人で動いてるから五輪からのバックアップはないのだけれど」
「そうなのか?五輪も動いていると思ったのだが違うのか」
「ええ、七草家に十文字家が動いてるみたいだもの。五輪が出る幕では無いわ」
「なるほどな。それと1つ聞いておきたいことがあるんだが」
「何かしら?私で答えられる範囲ならいいのだけれど」
「如月 亜沙音という少女を知っているか?」
「亜沙音さんがどうかしたのかしら?彼女なら確か愛媛にある自宅にいるはずなのだけれど」
「先日、エリカとその亜沙音という少女と共にパラサイトに遭遇したんだが」
「エリカと?彼女もこちらに来ていたのね」
「知らなかったのか?来ていることを」
「ええ、私は何も知らないのだけれど」
「そうか、分かった。用件はこれだけだ。それと、それは十文字家と七草家のチームと幹比古とエリカのチームにも配っているからそれだけ伝えておく」
「ほんとに何でも出来るのね……流石はっていったところかしら?」
「そうでもないさ。君だって色々なことしてきたんだろう?」
「まぁ、それはお互い様ね。とりあえず有難く受け取っておくわ」
「ああ、何か進捗があったらでいいから教えてくれないか?」
「ええ、分かったわ。伝えるのは学校ででも構わないかしら?直ぐにでも欲しいのなら送るけど」
「出来れば頼む。俺達だけじゃ対応しきれないこともあるかもしれないからな」
「分かったわ。芽愛さんと弥海砂さんにも貴方のプライベートナンバーを共有しても構わないかしら?」
「構わないが、彼女達のプライベートナンバーも教えて貰えると助かる」
「ええ、もちろん。ただし、無闇に広げないでもらえると助かるわ」
「それはもっともだ」
「それじゃあね。可愛い妹さんがこちらを睨んでいるんだもの」
「あぁ、それじゃあ」
その後私はいつも通りに日課を終えると帰宅して、今日は私の担当だったため動きやすい服装に着替え、都心へと出ていった。先日の横浜事変から復興しつつある横浜のとある公園付近へ近づいた時違和感を感じた。それは敵意を感じると共に何か良からぬ視線を感じていた。私は付けていたヘッドセットから五輪家と水無月家のチームに応答をかけたが何も連絡は来なかった。その瞬間に四方から何処かの軍隊を思わせるかのような出で立ちをした人達が目の前に立ち塞がっていた。
「貴方達は一体……」
「Is it the AMINA ITSUWA?」(五輪 彩海奈だな?)
「(英語……ということはスターズ?)貴方達に答える筋合いはありませんがどうやら答えるしか無さそうですね。如何にも私は五輪 彩海奈ですがあなた方は?」
「We are USNA Army.Unplug your device and hold your hand behind」(私達はUSNA軍。デバイスを外して手を後ろにくめ)
「(USNA軍?……まぁどうせスターズでしょうけど)流石にその要求は飲めませんね貴方方は私を先日の戦略級魔法の術者の候補の1人として疑っている。そんな中私が貴方方に従うと思いますか?」
「Then it can't be helped. I do not want to use hard means, but there is no help for it.」(それなら仕方がない。強硬手段は使いたくないが仕方がない。)
「実力行使ですか……分かりました。私も出来るだけ穏便に済ませたいので」
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彩海奈とスターズの隊員達は先日達也、深雪、リーナ、九重八雲が対峙していた河川敷へとやってきていた。
「Are you a strategic magician? If it is clear, it will be easy for us to move.(お前は戦略級魔法師か?そこがハッキリすれば我々としても動きやすいのでな)」
「先程も同じようなことを聞かれましたが分かりませんでしたか。私は戦略級魔法師ではありません、何よりそれは貴方達の方がよくお分かりなのでは?」
「I can't help it. I'll go(仕方ないわ。それじゃあ行くわよ)」
そう言う声がスターズの隊員の奥から聞こえてきた。奥から出てきたのは深紅の髪に黒い仮面、黄金の瞳を宿していたあの時の彼女だった。
「貴女…アンジー・シリウスね。まさか一国の国家公認戦略級魔法師に会えるなんて思わなかったわ。でもここは日本よ、スターズ総隊長がいて良い場所ではないわ」
「That's not what you should say(貴女に言うべきことではないわ)」
「そう……ならばやりましょうか」
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スターズと彩海奈が対峙していた頃、達也は九重八雲に九重寺へと呼び出されていた。
「パラサイトをおっているのは風間君からも聞いているけど、それでもこの件は君には伝えておいた方が良いと思ってね。ただこの話は深雪君や四葉の御当主にも出来れば教えない方が僕としては良いんだけどね」
「何でしょうか?パラサイトに関することならある程度は分かるようになっているのですが」
「いや、今から話すのはパラサイトとは無関係だ。そして付け加えるとこの件は確証も何も無いそんな話だよ」
「確証が無い?それでどんな話でしょう?」
「五輪 彩海奈、彼女は君と同じような眼を持っているかもしれない。それも君の眼よりずっと高性能のね」
「彼女が視覚魔法を?彼女は九校戦の時には視覚魔法は持ち合わせていないと仰っていましたが……」
「そうなのかい?いやそれでも君には話しておきたいことだ。1月7日だったかな、ちょうど彼女を見かけたものだから後を付けてみたんだ。僕だって忍びだ、気づかれないように後をつけたらものの数分で彼女に気づかれたんだよ」
「まさか……師匠の隠形すらも見破られたということですか?」
「そこはわからないけど、結果として見つかったんだ。だからこそ僕は思ったんだ、彼女五輪 彩海奈は君の「精霊の眼」を超える視覚又は知覚魔法を備えているということを」
「有り得ない話ではありません。例えば七草 真由美嬢、彼女は先天的な視覚魔法を有しています。ただ他の七草家の人間は有してはいません。なので彼女が有していても不思議ではありませんがそれでも俺のを超えるというのは些か気になります。俺のは俺の得意魔法が基になっている面もありますが彼女の得意魔法が分からない以上どういう効果を持っているのかが気になります」
「そうだね…僕も彼女の得意魔法は何一つとして分かってはいない故にわからないことの方が多いんだ。ただ今この場でハッキリ言えるのは彼女は達也君を超える人の気配を知覚することが出来る能力を有していることだ。もちろんそれが知覚するだけだとは僕は思えない、それだけ情報が彼女の元にはあると見ている。今回のことについても彼女は他家を凌駕するほどの情報を持っているはずだ。彼女を当てにしてみるのも僕はいいと思うよ」
「分かりました。それとありがとうございます。彼女のことについてはこちらとしても色々分からないことが多かったのでそれが分かっただけでも」
「そうかい。それじゃあもうお帰り、深雪君も君の帰りを待っているんだろう?」
「それでは師匠、これで失礼します」
九重八雲は達也を送り出すと、何処か遠くを見ながら先代から聞かされた話を思い出していた。この話は先代から聞いた話だ。その先代もその前の先代から聞いた話だという。その話とは「水無瀬に関するある噂」。これはこの九重という性を先代から継承する際に言われたことであり、この話は門外不出でそれが例え弟子であろうとも話すことは許されていない。
「もしかしたら、あの家も今回のことで動いてるかもしれないけど動いてても分からないからねぇ」
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「さて、こんなところに大勢でやってきたら目立つんじゃないんですか?」
「Don't worry, that person will do it for you. We don't get out of hand.(心配するな、貴様の相手はあの方がやってくれる。我々は手を出さない。)」
「そうですか…では早速」
私はそう言うと最初から飛ばしていった。それもあの横浜の時のように。アンジー・シリウスと思われる人は確かに私よりも魔法力は高かった。戦い続けてから30分が経った頃お互いに実力は拮抗していた。アンジー・シリウスと思われる人の後ろにいるスターズの隊員も息を呑んで見守っていた。
「If this is the case, you won't be clear.(このままじゃ埒が明かないから、お互い次の一手にしましょうか。)」
「分かったわ…それじゃ、行くわよ」
ここで私が選んだのは夏の九校戦以来練習していた「ニブルヘイム」。正直あの九校戦の時のようなニブルヘイムでは無いが一応実戦では使えるようにしていた。対照的にアンジー・シリウスと思われる人から放たれたのは「ムスペルヘイム」。お互いに力を振り絞っていたため膠着状態が続き、最後の方にはお互いに立っているのが精一杯という状況になっていた。
「Let's pull each other here. After this, even if we seize you, our name will only get dirty. Next time I will give you a lead.(ここはお互いに引きましょう。この後私達が貴女を取り押さえても私達の名が汚れるだけ。次こそは私が引導を渡してあげるわ。)」
そう言い残すとスターズは帰っていった。
「わかった……わ。私も次こそは倒してみせるから」
強気にそんな言葉を言ったが今の彩海奈からは全く想像出来ない。ただ単に十師族それに彼女は非公認であるものの戦略級魔法師という肩書きがその言葉を発していた。彩海奈はスターズが帰っていくのを見送ると芽愛さんと弥海砂さんに自分のGPSの位置情報を添付して連絡した。しばらく私はその場に座り込んでしまったけれど、連絡したのは数分前なのにすぐに弥海砂さんが来てくれたのが見えたその直後彩海奈は意識を失った。
如何でしたでしょうか?スターズのところは完全にオリジナルです。自分はスターズがこの作品のようにあんな優しいとは思ってません←
またもうそろそろ奪還編の発売ですね!あらすじみたいなので確かパールアンドハーミーズ基地からみたいなのがあった気がしたので魔法科で初めての海外になりますね。
こんなことを語っても仕方ないと思うので9月10日を待ちましょう。
今回もご読了ありがとうございました。お気に入り登録、評価、感想よろしくお願いします。