姉は戦略級魔法師、その妹も戦略級魔法師!? 作:KIRAMERO
はい。スティープルチェイス編の2話目です。今回はまだ競技に入りません。タイトルを見ればわかるかもしれませんが今回は前半部分が物語、後半部分が回想シーンになっています。
もう少しで2019年も終わりますね。自分としては今年の2月から小説を書き始めたので色々なことがあった1年ですがそれでも充実した1年だったと思っています。
懇親会翌日、今日は休息日になっているため各校が各競技の練習に励んでいた。それは一高も例外なく
同じであり特に今年からの新競技シールド・ダウン、ロアー・アンド・ガンナーの練習場には各校の代表選手が犇めきあっていた。ロアー・アンド・ガンナーに一高からは新人戦ペアに出る七草 香澄、本戦ペアに出る五輪 彩海奈、レナーテ・ジルヴィア、本戦ソロに出るエイミィを含む計10人は試合の日に向け練習していた。時は過ぎてお昼時、彩海奈はレナーテ、本戦ミラージ・バットに出場するスバル、本戦シールド・ダウンのペアに桐原先輩と出場する十三束君、本戦ロアー・アンド・ガンナーのソロに出るエイミィは共に宿舎内にある食堂でお昼を食べているとそこに思わぬ来客がいた。
「彩海奈ー」
「あら?愛彩じゃない。どうしたの?」
「ほんとだ、久しぶりだね」
「うん、レナーテさん、エイミィ、スバル、十三束君も久しぶり」
「それでどうしたの?」
「ああ、この前言ってた術式とデバイスが出来たから持ってきたんだ。本当なら真唯さんが来るはずだったんだけど、どうしても都合がつかないって私になったの」
「そう、それでそのデバイスと術式は何処にあるのかしら?」
「今はVIP控え室に置かせてもらってるよ。ここに来る前に芽愛さんと弥海砂さんにお願いして置かせてもらったんだ」
「分かったわ、後で……そうね2時半くらいになったら取りに行くって芽愛さんに伝えてくれないかしら」
「いやいや、彩海奈が伝えなよ」
「冗談よ」
それからは愛彩も加わり彩海奈達が座っていた席は十師族の彩海奈、外国人のレナーテ、昨年の実績があるエイミィ、スバル、十三束君、そして五輪と対等に話せる女の子という異様な雰囲気を纏っていた。
その後、芽愛さんにデバイスと術式を取りに行くと伝えVIPエリアにいくとそこには4人ほどの小さな集団がいた。彼ら(?)は私の方を見るとそそくさにVIPエリアにある一室に入っていってしまった。私はどうしたのだろう?と思いながらも芽愛さんから指定された部屋に向かっていった。
「失礼します」
「ようこそ、彩海奈様」
「お邪魔します、芽愛さん」
「霧島 愛彩様から頼まれたデバイスと術式はこちらにございます。それと先日九重 八雲様が仰っていたP兵器ですがどうやら九島家が絡んでいるようで弥海砂からは昨夜水無瀬様から仰っていた言葉の通りにした方が良いとのことです」
「そうですか…弥海砂さんがそう判断したのならばここは静観しましょう。これは水無瀬 結那さんも仰っていたように古式魔法師にとっての問題です。我々十師族が動くことは余計な火種を作りかねません」
「そうですね、では待機させている皆様には撤収してもらいます」
「よろしくお願いします。それと愛彩の見張り役もありがとうございます。それでは」
私はVIP室の一室を出るとまた先程の4人の男性なのか女性なのかわからない集団が私を見ていた。生憎私は話しかけられない限り話しかけようとは思わないのでそのままエレベーターに乗り私達が泊まっているエリアへと戻っていった。
☆十師族・水無瀬side☆
・水無瀬家の場合
今年の九校戦は水無瀬の代替わりが年始に控えることから私水無瀬 唯衣花と娘の水無瀬 侑那の2人で今年は行くことになっていた。ただその直前7月の終わりになって私の元にある一本の電話が掛かってきた。相手は私の母であり水無瀬家先代当主水無瀬 結那だった。
「お久しぶりです、お母様。本日はどういったご用件でしょうか」
『今度の九校戦、唯衣花どうせ行くんだろう?それならば私も行くことにする。どうやら少し老人共が騒ぎを起こすみたいだからな』
「そうですか……わかりました。生徒の皆さんがホテルに入る2日前に現地入りする予定でしたのでその日に神無月さんを其方に向かわせます」
『分かった。くれぐれも他の十師族の者共が何もせぬように相手をしておいてくれ』
「かしこまりました、お母様」
そう言うと唯衣花は結那との通信を切って傍にいた神無月 正義に結那のお供を命令したあと当主の椅子に腰を預けた。
「(九島がこの前のパラサイトを使って何かしているとは思っていたけどまさかお母様までもが動くとはね……)」
この時唯衣花は結那が九校戦に来ることによって起こることについて考えていた。今年の九校戦におそらくは一条、三矢、四葉、七草辺りが来るだろうと思っている。この中で特に気をつけなければならないのは四葉と七草だ。四葉は言わずもがな魔法師の中ではある意味一番目立たざるをえない存在となっている。それは私達水無瀬とは比べ物にならない程に。それに比べ七草は四葉と並び立ち日本魔法師界の双璧と言われる程であり政財界にも顔が効く。それでいて七草の魔法師の特徴は「万能」であり得意魔法というものが無い。七草 真由美嬢みたいにハッキリしている方が珍しいのだ。この二家の当主が同時に表れる九校戦というのは珍しく、去年真唯からこのことを聞いた時は私でさえ驚いたのだから。
他にも思っていることは沢山ある。孫である五輪 彩海奈と彼女の幼馴染でドイツの国家公認戦略級魔法師の妹であるレナーテ・アルベルタいや今はレナーテ・ジルヴィアさんの2人は前評判から注目を浴びているがその後にまた株をあげることになるだろう。その事だけでも唯衣花にとっては気苦労が絶えない九校戦になると自身が思った時には今年だけの辛抱だと思い九校戦に行くための準備を進めた。
・四葉家の場合
今年の九校戦、国防陸軍の対大亜連合強硬派が首謀者と思われるグループがスティープルチェイス・クロスカントリーにおいて新兵器の実験を企てていることを国防陸軍少将第101旅団長佐伯 広海に伝えてから四葉家当主 四葉 真夜は彼女の執務室に黒羽家当主黒羽 貢を迎えていた。
「以上が今回のスティープルチェイス・クロスカントリーで行われると思われる出来事です。続いてですが五輪 彩海奈嬢とレナーテ・アルベルタ嬢のことですが」
「何かわかりましたか?」
「いえ、彼女達のことは分かりませんでしたが彩海奈嬢の母親である五輪 真唯…旧姓水無月 真唯殿のご実家である水無月家のことです」
「水無月家の?」
「はい。今まで水無月家は古式魔法師の名家とは言われていましたが伝統派や「九」に関係する魔法師としてはどちらにも属せずとは言われていました。しかし最近そのことであるかのとがわかりました。どうやら水無月の背後には謎の集団がいるようです」
「謎の集団?その集団のことについては何かわかりましたか?」
「いえ、仮にも相手は古式魔法師の名家でありますゆえそこまでは」
「わかりました。後のことはこちらで調べます。貢さん貴方達は五輪 彩海奈さん達のことを調べてください」
「仰せのままに」
・五輪家の場合
今年の九校戦に水無瀬家の重鎮中の重鎮である水無瀬 結那殿がやってくる。そんな情報が私の元にやってきた。このことは国家公認戦略級魔法師である私と母親で実家が水無瀬の母親の元にしかやってきていない情報でこのことは今のところ私達2人しか知らない。私の曾お祖母様である結那様は私からしたらもはや生ける伝説の存在だ。私は今年も九校戦に行く予定になっている。もしかしたらV.I.P.エリアで会う可能性もなくもない。そして極一部の古式魔法師から「古式の闇」と言われている集団についてはまだ彩海奈ちゃんには知らせてはいけないそんな事だ。このことを彩海奈ちゃんに知らせるのは時期尚早だとお母さんにも伝えたが水無瀬のしきたりの1つだということで順調に行けば今年の九校戦の最終日スティープルチェイス・クロスカントリー終了後に伝えることになっているという。私も国家公認戦略級魔法師になる数年前にこのことは水無瀬から言い伝えられていたが今ではその任から解き放たれている。彩海奈ちゃんがその任を任されたとしても今後の生活を考慮しても少なくとも今後数年は憂慮はされると思っている。
それでも今は目の前のことに気をつけなければならない。今私の目の前にいるのは水無月家当主水無月 沙耶。彼女は今回水無瀬からのエージェントとしてやってきたという。
「今回、私が五輪 澪様に直接お伝えしたかったのは例の件においてです。五輪様の妹君であられる五輪 彩海奈様には高校卒業後より私達の下に加わっていただく、これが水無瀬 唯衣花様、水無瀬 侑那様からの要望でした。しかしここ最近の事情を鑑みて来年より私達の下に加わっていただくこととなりました」
「それは決定事項ですか?」
「いえ、このことはまだ五輪家及び澪様にお話しをしただけです。それ故にまだ確定事項ではありません。それにこのことは彩海奈様の今後にも関わることです。勇海様、真唯様、澪様の了承が取れればこのことは彩海奈様にもお話をする運びになっています」
「それだと私と父と母全員が了承しない限りあのことに彩海奈が関わらなくなりますがよろしいのですか?」
「いえ、今回はあくまで来年からのご参加に関することですので」
「そうですか……」
「ただ1つ言えるのは少なくとも2年後からは彩海奈様には参加してもらうことになると思います」
「わかりました。1度父や母と相談してからご報告したいと思いますがどうでしょう?」
「わかりました。良い報告が聞けますようにお待ちしております」
そう言うと沙耶は護衛を引き連れて澪の自宅から引き揚げていった。澪は沙耶を見送るとすぐ側に立っていた芽愛と弥海砂に目を向けた。
「どう思った?さっき沙耶さんが言っていたこと」
「仕方ないのではないかと思います。彩海奈様もいずれは水無瀬か五輪どちらかを選ばねばなりません」
「洋史様は御一家の長男だから五輪家を選ばれましたが彩海奈様は違います。私は彩海奈様のお気持ちはわかりませんがこのことは彩海奈様が下すべきことです。私達に出来ることはありません」
「そう。やっぱりこのことは彩海奈ちゃんに一任するしかないわね。私としては寂しいけど彩海奈ちゃんがどっちの道を選ぼうとも私はそれを尊重するわ」
この日国家公認戦略級魔法師 五輪 澪は決意した。例え最愛の妹が澪とは違う道を進むのならば決してその思いに異議を唱えず最愛の妹が進む道を応援すると。
如何でしたでしょうか?スティープルチェイス編読む度になるほどって思うところが多いので良かったです←
少し前ですがMay'nXmasに行ってきました。May'n部長のライブは初めてだったのですがそれでも凄い良かったです。(語彙力)
約1年で入学編からスティープルチェイス編までこれたので来年の同じ時期くらいまでにはインベーション編辺りまでやりたいと思っています。
どうか読者の皆様も2020年を今年も良かった1年だったと思える年にしてください。それではまたこの小説の最新話でお会いしましょう。
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