姉は戦略級魔法師、その妹も戦略級魔法師!?   作:KIRAMERO

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あけましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いします。

書いたはいいけどあげるのを忘れていたので今の時期になりました。




黒羽と四葉、九校戦終了間際

 

2096年度九校戦も4日目、今日は本戦アイス・ピラーズ・ブレイク男女ソロ・シールド・ダウン男女ソロが行われる。今日で本戦は一時中止し明日から新人戦が始まるためいい結果で終わりたいのが各校の陣営としての本音だ。しかしアイス・ピラーズ・ブレイクについてはその可能性はほとんどない。男子には第三高校に在籍している十師族・一条家長男 一条 将輝、女子には第一高校に在籍していて女性でさえ惚れてしまう美貌の持ち主で一高のダブルエースの1人の司波 深雪がいるのだ。本来のルールならばこの2人に加え女子には十師族・五輪 彩海奈が加わっていたのだ。それだけで女子ソロの決勝リーグ2枠はほぼ決まっていただけに他の高校はこの今年のルールに安堵したと言えよう。

 

2096年8月8日この日彩海奈とレナーテは競技場ではなく一高本部にいた。今日はアイス・ピラーズ・ブレイクに深雪とエンジニアの達也、シールド・ダウンに五十里先輩、中条先輩がそれぞれエンジニアで行っている。他にも生徒会役員にほのかや泉美もいるのだが2人とも深雪の試合を見に行っているため一高本部内に生徒会役員がいないという非常事態になっているため彩海奈が本部にいるということになった。ちなみに風紀委員長である花音は許嫁である五十里啓にくっついていき部活連会頭の服部範蔵も同級生の沢木 碧の試合を見に行っているためいない。

 

「ほんと、深雪ってすごいね」

 

「深雪は振動減速系が得意だからこのアイス・ピラーズ・ブレイクほど適した競技はないからね。私でも深雪に勝てるかって言われたら分からないわ」

 

「じゃあ私だったらどうかな?」

 

「貴女には誰も勝てないわよ……それこそ一条君みたいに一瞬で試合を終わらせるようなことが出来ないと無理ね」

 

「そんなにレナーテってすごいの?」

 

「まだ小学生の時どっちの魔法が早く正確に的に当てられるかっていうことをやったことあるんだけどその時は私はレナーテに1度も勝てなかったわね」

 

「ほえーすごいねレナーテさん」

 

「えへへ、そんなんでもないよ」

 

そんな他愛のないことや今回の九校戦のことに喋っていると試合が終わり、その後深雪と達也が一高本部へと帰ってきた。

 

「優勝おめでとう、深雪」

「おめでとう」

「Herzlichen Glückwunschあ、おめでとう」

 

「ありがとう彩海奈、エイミィ、レナーテさん」

 

「見てた感じ何処も問題無さそうだったね」

 

「そうね、去年の今頃は来年本戦で貴女とやるのかと思うと気が遠かったけどね」

 

「私も来年はもしかしたら深雪とやるかもしれないと思ったら気が遠かったわよ」

 

「ほんと見てみたいよね。彩海奈と深雪のどっちがすごいのか」

 

「私も見てみたい」

 

「やりたいのはやまやまだけど今年は難しそうね……それに何処でやるのよ…この九校戦期間中は無理だとして練習場所も本番の会場使ってたし」

 

「それもそっか……でも見てみたいよね彩海奈と深雪がやってるところ」

 

「来年にまたルールが元通りになったらその時は出来るかもしれないんだからそれまでお預けね」

 

「そうね、まだこの後も新人戦と本戦モノリス・コード、ミラージ・バット、スティープルチェイス・クロスカントリーが残ってるから競技日程的にも少し無理があるわ」

 

こうして4日目までの競技が終了しアイス・ピラーズ・ブレイクソロは男子が一条君で女子が深雪、シールド・ダウンソロは男子が沢木先輩で女子は千倉先輩が優勝した。第一高校の成績は4日目が始まる前まで70ポイント差があったのが30ポイント差まで差が縮まっていた。

 

一高の快進撃は本戦から新人戦に変わっても続いていき5日目(新人戦1日目)のロアー・アンド・ガンナーでは女子を彩海奈がエンジニアを務めた七草 香澄ともう1人のペアが男子は達也と1年生エンジニアの1人隅守 賢人通称ケントくんがエンジニアを務めたペアがそれぞれ優勝を飾った。新人戦2日目はシールド・ダウンとアイス・ピラーズ・ブレイクが行われ、シールド・ダウンでは男子は3位に終わったが女子は優勝。この競技には達也の従姉妹だという桜井 水波が出場していたが達也の従姉妹だということを十分に見せる程の実力を有していることが分かった。アイス・ピラーズ・ブレイクもシールド・ダウンと同じように男子が3位、女子は優勝。女子アイス・ピラーズ・ブレイクは七草姉妹の妹、七草 泉美の独壇場でありこれまたエンジニアを務めていたのは彩海奈だった。泉美が天幕に戻ってくると何処と無く煩悩を臭わせる笑顔で深雪に抱きついたが、この時ばかりは深雪も泉美の気が済むまで抱き枕に甘んじていた。

 

新人戦3日目今日はミラージ・バットが行われていた。私は競技場ではなく一高内の天幕にいた。

 

「すごいね、四高の子」

 

「そうね。確か彼女の名前は黒羽 亜夜子。ここ最近の魔法師界隈じゃ聞かなかった覚えはない名前よ」

 

「そうなの、彩海奈」

 

「ええ。最近ある噂が流れてたから、四葉家の分家には「黒羽」という分家が存在するってね」

 

「四葉家?」

 

「そういえば貴女は十師族とかそういうこと知らなかったわね。夜に教えてあげるからとりあえず話を続けていいかしら?」

 

「うん」

 

「最近その噂が流れ始めた頃私も最初はそれをあまり信じてはいなかったの。ただ今はこれだけの結果を見せられたらちょっとでも思っちゃうよね」

 

「まあそれはそうかもね」

 

「それに達也がどうして香澄ちゃんと泉美ちゃんのどちらかをミラージ・バットに出すのかを必死に止めていたかも分かったわ。でもならどうして達也はこうなることがわかっていたのかしら」

 

彩海奈はどうして達也が香澄と泉美をミラージ・バットではなくロアー・アンド・ガンナー、アイス・ピラーズ・ブレイクに出場させミラージ・バットには他の選手を推していたのかがようやく分かった。だが彩海奈には同時に疑問が生まれた。何故達也は四高の一年生のことを知っていたのかだ。彼女は私は1度だけ会ったことがある。今年の2月あの"吸血鬼事件"においてあの四葉家の末席に名を連ねると名乗っていた彼女であり、今回の噂によって私は彼女が四葉の血縁であることを確信し同時に達也と深雪が四葉の血縁それに四葉家当主四葉 真夜と同じ直系クラスの四葉の血縁だという可能性が高まったと私は思った。

 

次の日も四高の"黒羽"は圧倒的な強さを九校戦において発揮していた。新人戦モノリス・コードこの競技は性質上一高と三高が毎年の優勝決定戦と言われていた。しかし今年は多少"イレギュラー"な選手がいることでその構図は崩れた。今年のモノリス・コードは全校の総当たり戦によって行われており何処の高校も1度は対戦する形式になっている。なんとその四高と三高の試合で四高が勝ったのだ。この試合で特に活躍していたのが黒羽 文弥。正確な情報では無いがおそらく黒羽 文弥と黒羽 亜夜子は双子でありどちらも四葉の末席に名を連ねているのだろう、と彩海奈は思っている。四葉家を輩出した旧第四硏は精神とは何かということを研究していたという。その点から考えてみても黒羽 亜夜子が使っていた魔法は精神干渉系とは違うがもう1人の黒羽 文弥が使っていた魔法は無系統魔法の1種ではあるもののどちらかというと精神干渉系の魔法を織り交ぜることによって無系統魔法をさらに強力な魔法に出来ると考えていた。

 

ブーーーーー

 

そんなことを考えていたら少し前から始まっていた一高と四高の優勝決定戦の試合が終わった。結果は四高が勝利し、観客の間では「番狂わせ」という声が多数聞かれていた。

 

「やっぱり凄いわね、あの姉弟」

 

「そうね。私はミラージ・バットで彼女に、お兄様ならあの子には勝てそうだけどね」

 

「あら、そうなの?じゃあ来年の大会が今年と同じ仕様なら私はアイス・ピラーズ・ブレイクに出ようかしら」

 

「そう簡単に言うな……来年は来年でまだ何かが決まったわけじゃないし」

 

「そ、そうだよ彩海奈」

 

一高の天幕内で起こったプチ事件が起こるほど今の一高には去年には無かった余裕という空気が生じていた。ところ変わって九校戦が行われている富士演習場の生徒達が泊まっているホテルとは別のホテルの高級士官用の部屋に日本魔法師界の最高峰と裏の最高峰が顔を合わせていた。

 

「久しぶりだな、皆の衆」

「お久しぶりです、皆様」

「お初にお目にかかります、十師族当主の皆様。水無瀬家次期当主水無瀬 侑那と言います」

 

「「「「お久しぶりでございます、水無瀬様」」」」

 

「今こうして私がいるのは何年ぶりになる?5年か6年くらいか?」

 

「7年前になります。奥様」

 

「そうか、もうそんなに経ったか。今回皆を呼んだのは他でもない。この九校戦における種目変更とスティープルチェイス・クロスカントリーの実施に関してだ」

 

「種目変更に関しては国防軍が昨年の横浜事変における魔法の有意性を考えてのことでしょうがそこに何故スティープルチェイス・クロスカントリーを織り交ぜたかが問題だと私達は思っております」

 

「私達はこのスティープルチェイス・クロスカントリーが組み込まれたことにこれからの未来を担う魔法師の卵の生徒達にこのような競技を行わせるのは非常に危険だとは思っています。皆様方はどう思いますか」

 

「確かにあの競技だけは危険度ははるかに上がる。だがしかし昨年の横浜のことを考えればと私は思うが」

 

「私もこの新競技については色々と思うところはあるが水無瀬殿の言うことについては私もそう思う」

 

「私は七草殿が言っていることに賛同する」

 

「真夜、貴女はどうだい?」

 

「私もスティープルチェイス・クロスカントリーについては七草殿や水無瀬殿の言う通りに非常に危険であると思います」

 

「ふむ、真夜も同じか……皆に1つ言っておくが今回の九校戦スティープルチェイス・クロスカントリーにおいて「九」の老人共がひと騒ぎを起こすがこのことに関しては水無瀬家が責任を持って行わせていただく。お前達の息がかかってる魔法師あるいは国防軍を使っての排除等は控えるんだ」

 

「何故、と聞いてもよろしいですかな」

 

「三矢……まぁいいだろう。今回「九」の老人共が使おうとしているのは昨年度末やってきたパラサイトをヒューマガイドに組み込んだパラサイドールだ。パラサイトに関してはお前達より我々の方が因縁深いのでな」

 

「なるほど…わかりました」

 

「お前達もこのことに関しては水無瀬の名前に免じて手出しは控えてくれ」

 

「「「わかりました」」」

 

「それじゃあ私達はこれで失礼します。くれぐれもよろしくお願いします」

 

こうして水無瀬 結那、水無瀬 唯衣花、水無瀬 侑那の3人は十師族・一条家、三矢家、四葉家、七草家当主達がいた部屋を出て富士演習場の近くにある水無瀬家の別荘へと戻っていった。

 

九校戦は新人戦も終わりまた本戦へと戻っていった。今日はミラージ・バットの予選・決勝が行われ明日モノリス・コードの決勝が行われ、明後日に2.3年生全員によるスティープルチェイス・クロスカントリーが行われる予定になっている。彩海奈はスティープルチェイス・クロスカントリーまで特段エンジニアだったり選手として出場するということが無いため一高の天幕にずっといた。正直スバルのミラージ・バットの試合も見に行きたかったがほのかが選手として、達也がエンジニア、中条先輩がスバルのエンジニア、モノリス・コードには部活連会頭の服部先輩が選手として、五十里先輩がエンジニアとして出向いているため深雪と共に一高の天幕内に一高幹部がいなくなるという非常事態を避けるためにいることになった。レナーテとエイミィ、十三束くんはエリカやレオ君、美月達と共にミラージ・バットを見に行っている。結果はほのかが優勝でスバルは準優勝で一高はワンツーフィニッシュを果たした。この結果を持って一高は三高をかわし総合首位に躍り出た。最終日も服部先輩、三七上先輩、幹比古のチームが三高のチームを倒し優勝した。そして様々な思いが入り混じる最終日、2.3年生によるスティープルチェイス・クロスカントリーが行われようとしていた。

 




如何でしたでしょうか?予定としては次話でスティープルチェイス編は終わりで夏休みを挟んで原作古都内乱編になります。

原作ではスティープルチェイス編から古都内乱編までの話というのが無いので完全オリジナルになります。
多分というより絶対この魔法科の世界では無いことをお届けする予定です。
今回もご読了ありがとうございます。お気に入り登録、評価、感想よろしくお願いします。
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