ドゴッと言う音をたててアンティリヌスの顔面に金属バットがめり込む。勝則は念のためもう一発アンティリヌスの顔面にバットを振り抜く。するとようやくアンティリヌスは状況が読めたのかパニックになりながら逃げだそうとする。しかし焦っていたせいか思い切りスッ転んでしまい、隙を曝す。
勝則はその隙を逃さず金属バットでアンティリヌスの頭に乗り連続で殴打する。
数十発殴り勝則の息が絶え絶えになった頃、アンティリヌスは意識を落としてしまっていた。一応胸が上下しているところからまだ生きているのだが、恐らくこのまま放っておけば死ぬだろう。
勝則は金属バットをリュックに突っ込むと、そこら中に生えているシダに似た植物を大量に集めてアンティリヌスの口近くに貯めた。
そしてアンティリヌスの口に草をねじいれると、無意識なのか癖なのかねじ込まれたシダをゆっくり租借した後こくっと飲み込んだ。
それを繰り返すこと三時間。
アンティリヌスの体がピクピクと動きだし、ノロノロと起き上がった。しばらく周囲の様子を探ると、アンティリヌスは勝則に顔面を近付ける。
「……………………なんだよ。」
勝則がそう問いかけると、まるで言葉を理解しているかの様に勝則に頭を擦り付ける。
勝則はそのじゃれを全身で受け止めるが、小型なアンティリヌスとはいえ4mは伊達ではない。相当重いが勝則はそれを根気で対抗した。
そのままじゃれること5分間、アンティリヌスを何とかして落ち着かせると勝則は一旦地図を確認する為に本を開いた。ちなみに今は午後の3時です。
勝則は歩いている間ずっと本を開きながら歩いていた。お陰で勝則の二時間の成果はアンティリヌスだけでなく、約5kmの地図だった。
「はぁ、とりあえずアンティリヌスとやらをテイム?したのはいいが食料と水がなぁ……………ってんんん??」
勝則は気付いた。目の前の泉の水を飲めばいいことに。
勝則は見つけた。泉の中に豊富な魚が泳いでいる事に。
そうと気付いた勝則は泉の側にある岩の上に腰掛けると、これからの事を考えながらアンティリヌスをそっと撫でた。
夜の8時頃、いつの間にか眠っていた勝則は目を覚ますとかなりの空腹感を感じた。アンティリヌスはどうやらずっと今まで通りに生活していたのか、草を食っては水を飲み、水を飲んでは草を食っていた。
「腹が減ったな。流石にアンティリヌスのように野草をそんまま食うなんて事できねぇし………………」
勝則は仕方なく作業服を全部脱ぎ泉に飛び込むと異形の魚を6尾捕獲すると、サバイバルナイフで容易く息の根を止め、骨と内蔵を取り出し骨はリュックのポケットに入れ内蔵は地面に埋めた(放置してると多分ヤバいのがよってくるから)。念のため集めた枝とシダにライターで火をつけて80cm程の丈夫な枝で魚を貫き地面に挿す。
そしてアンティリヌスが眠り始めた頃合いに魚の具合を確認するとちょうどよい焼け具合だった。
「うん、旨そうだ。」
勝則は味の確認のため少しだけ口に含む。味も悪くなく毒がある様子もない。勝則は問題ないと判断して焼き魚に思い切りかぶりつく。
その瞬間焼き魚特有の旨い脂と淡白な風味が勝則の口の中にぶわっと広がる。がつがつと食べるとあっという間に60cm程の魚は無くなってしまい、次の魚もまた次の魚もすぐに胃の中に収まってしまい、気付けば6尾いた魚は全て消えていた。
「天然物ってすげぇな。この世界の魚ってこんな旨いのか?」
実際旨そう。後淡水魚って寄生虫やべぇらしい。この小説では後の展開に困るためこの泉の寄生虫は全部殺虫したけど、よい子の皆は野生の川魚は食べない様にしような。
「まだまだいるな。これなら当分飯は尽きないだろう。」
勝則は火で照らした泉を覗きながら一人呟く。まぁアンティリヌスがいるけど。
アンティリヌスはいつの間に起きたのか、またそこらの草を啄んでいる。
勝則は今まで寝てしまったせいで眠気が全く無いため本に羽ペンで記録を刻む。
後ろの木から覗く3つの視線にも気付かずに。
勝則が食った魚は黄緑色の鯉を想像してください。
アンティリヌスのレベルはテイムボーナスで27に上がりました(適当)