「クギャアアア!!」
「うおっ!?あっぶねぇ!!?」
本を開いていた勝則の背後から小さな何かが飛びかかる。勝則は何かの鳴き声を頼りにギリギリで避けるが、爪か何かが左腕にかする。幸い大きな怪我にはならなかった。
勝則はリュックからスカウターとバットを取り出し、スカウターを装着、下だけ履いた作業着のポケットからサバイバルナイフを取り出す。
勝則はスカウターのスイッチを押して何かをスカウターに捉える。
「ディロフォサウルスか。ジュラシックワールドで見たことあるぞ。毒吐く奴だ!」(実際にはディロフォサウルスが毒性のある何かを吐いていたという事実は発覚していません。つまりフィクション。)
ディロフォサウルスはいつの間にか三体になっており、先程勝則を襲った奴は勝則を睨み付け、後の二体はアンティリヌスを襲っていた。
しかしレベルが低いのかアンティリヌスの前足や尻尾になぎ倒されており、アンティリヌスがやられることはなさそうだ。
「てことは俺がこいつをやればいい訳だ………………」
勝則とディロフォサウルスは円を描く様に間合いを取る。しかしすぐに焦れったくなったのかディロフォサウルスは単調だが素早い動きで勝則に飛びかかる。
しかし勝則は金属バットをスイングしてディロフォサウルスの顔面を殴り飛ばす。その一撃が意外に重かったのか、立ち上がる時にフラフラしている。勝則は追撃とばかりにバットをディロフォサウルスの顔面に振り下ろす。
それが止めだったのか、頭から血を流しながらディロフォサウルスは倒れ気絶した。
アンティリヌスの方もどうやら終わったようで、勝則が自分にしたようにディロフォサウルスの頭を打ち、気絶させるだけにしたようだ。頭良すぎ。
「なんというか………………弱っ。肉食みたいだけど弱い。それと早いとこ血を洗わねぇと。何か余計なのが寄って『ガサガサ』……………来ちゃったよ。クソが。」
勝則は右手に金属バットと左手にナイフを持ち、スカウターを装着したまま近くの草むらに隠れる。
早めの行動が功を奏したのか勝則が隠れた瞬間勝則の隠れている草むらから泉を挟んで反対側の森から音の正体が現れた。
「クシュュュュ……………」
そいつは背中に特徴的な帆を持った四足歩行の生物だった。
「ディメトロドンか。こいつは知らんな。だがなんかきめぇな。」
ディメトロドンは早速一番デカイアンティリヌスへと襲い掛かる。反応が遅れたアンティリヌスは尻尾に噛みつかれ、全力で尻尾を振り抜抵抗するが、深く噛まれているのか中々離れない。
やがてディメトロドンの方が諦めたのか尻尾から顎を離して地面を転がりながら着地した。
しかしディメトロドンは全く逃す気は無いのかグルルと低いうなり声を挙げながらアンティリヌスを威嚇する。アンティリヌスは草食にしては大きな態度でディメトロドンの威嚇に対抗して前足で地を鳴らして挑発する。
ディメトロドンはその行動が頭にきたのか再度ディメトロドンはアンティリヌスの頭に飛び付く。しかしアンティリヌスはそれは後ろ足で立つことで頭の位置を逸らして避ける。そして飛び付きが空ぶって地面に着地したディメトロドンを前足で思い切り踏みつけた。
ディメトロドンはアンティリヌスの重さで倒れるが、何とかして抜け出そうとじたばたと暴れる。十数秒すればディメトロドンはアンティリヌスの拘束から抜け出し、アンティリヌスから距離を取った。
「(アンティリヌスは比較的頭を使って立ち回ってるがディメトロドンを仕留める決定打となる攻撃がないな。ディロフォサウルスならまだしもディメトロドンともなると尻尾による打撃じゃ運良く急所に当たらない限り無理だな。ここで俺が加勢するのもいいがまだ隙を作らないと恐らく返り討ちに会う気がする。アンティリヌスが隙を作ってくれるのを祈るか。)」
アンティリヌスは距離を取ったディメトロドンに対して追い討ちとばかりに突進して頭突きを繰り出す。ディメトロドンはそれをまともに受けて再度倒れた。
アンティリヌスは倒れたディメトロドンを何度も頭突きで勝則の隠れている草むらの方へと転がしていく。
「(アンティリヌスってそんなに頭いいのか?人間と同じくらいの知能持ってんのか、俺がアンティリヌスレベルの知能しか無いのか……………………とりあえずまた威嚇しあう状態になったら不意打ちでもしてみるか。)」
ディメトロドンは何度もころころ転がされる事に怒りを覚えたのか右前足の爪と左後ろ足の爪でアンティリヌスの顔面を引っ掻く。
アンティリヌスはそれに怯んで一メートル程後退し、ディメトロドンに対して威嚇を行う。ディメトロドンもその四本の短い足で立ち上がるとアンティリヌスを低いうなり声で威嚇する。そしてその位置は勝則の隠れている草むらに背中を向けている状態だった。
「(今のディメトロドンの背中は隙だらけ………………奇襲するなら今しかねぇな。)」
勝則はナイフをポケットに仕舞い、金属バットを両手で構える。そして隙だらけのディメトロドンへと飛び出し、音に驚いて振り向いたディメトロドンの横っ腹に金属バットのフルスイングをお見舞いした。