勝則が拠点となるはずだった泉から出発してから歩き続けて約1時間半、代わり映えしない森の景色は未だ変わらずにこれといった恐竜も出ず、小さな鳥達が上空を飛んでいるだけだった。
勝則はそこらに群生している木の実や果実を手当たり次第ディロフォサウルス2号に毒味させながら齧っていた。しかし所詮木の実では腹が完全には膨れず、さらに原に入った分もすぐに消費されてしまうため、あまり意味を成さずにじり貧状態であった。
「なんか出てきて欲しい訳でもないけど、このままじゃじり貧だ………………せめて草食恐竜でも出てきてくれねぇかなあ」
草食恐竜と言えど一頭剥げばかなりの食料は手にはいる。まぁディメトロドン達の胃のなかに半分以上消えていくが。
しかし勝則にはそれをする度胸はない。大昔の人ならともかくゆとりのせいでグロ耐性も残酷さも無くなった現代人の勝則には死体とは言え、生物を剥いで肉を採るなんて事はできなかった。何?魚を剥いでたじゃないかって?君たちは魚捌けるでしょ?じゃあ犬は解体できる?そういうこと。
「…………………………………んん?なんか見えるな。眩しくて見えんが。」
勝則の視界の奥、約2km向こうに何かが見えた。勝則は小走りになりながらその何かへと向かう。アンティリヌス達も急に速度を上げた勝則に疑問を覚えながらもこちらも速度を上げて着いていく。そして30分程かけて到着するとそこには…………………
「おおぉ…………なんじゃこりゃあ…………………」
勝則は言葉を失う。そこには多数の草食恐竜達と、数頭の肉食恐竜が闊歩していた。
「アンティリヌスにアンキロサウルス、トリケラトプスもいるじゃねぇか。肉食の方はディロフォサウルスやラプトルに強い奴でカルノタウルス………………正直言って男のロマンだらけじゃねぇかよ……………」
勝則は決して恐竜マニアやオタクという訳ではない。だがしかしこんな間近で沢山の原始の命の脈動を感じては感動を耐えきれなかった。勝則はあまりの感動に涙さえも流しそうになった。だがまぁアンティリヌスはカルノタウルスに怯え、ディロフォサウルスやディメトロドンは大量の餌に涎を垂らしているので感動とギャグで±0である。
「………………でもこいつらを殺して肉を採らないと俺たちも生きていけないんだよな。よし、アンティリヌスは俺の護衛してディメトロドンとディロフォサウルス達は草食恐竜を狩ってこい。2頭位でいいからな。」
アンティリヌス達は頭を上下に振りながら各自の仕事に移る。アンティリヌスは勝則の横で見張りをし、ディメトロドン達は早速アンキロサウルスを襲っている。
そして今晩は捕った獲物を巡って肉食恐竜との戦いが開催されることを今の勝則は思いもよらなかった。
次回、またテイム回かよ