魔法少女育成計画Devotee   作:天ヶ原カコ

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0.プロローグ:迷宮事変

 〜登場人物〜

 ☆朽木川ヒナ

「空中に絵を描けるよ」

 ☆みょーじん先生

「漬物を一瞬で作れるよ」

 ☆リィシェイド

「氷の形と硬さを自由に変えられるよ」

 ☆ダブルアンプ

「魔法のメガホンでみんなをビックリさせるよ」

 ☆シストレア・ブルーダー

「好きな人への想いが強いほど強くなるよ」

 ☆エーリャ・ビスク・ハーミット

「たたくと増える魔法のビスケットを持ってるよ」

 ☆アムール・フジサン

「正しい道がわかるよ」

 ☆ニャンダフル・メイベル

「目の前の猫に変身するよ」

 ☆半田アーク

「ものを溶かしてくっつけるよ」

 ☆魚市場仰天

「魔法の出刃包丁でなんでも三枚におろすよ」

 ☆トライらんと

「コピーをみっつ作れるよ」

 ☆レリーズ・ド・チェイン

「鎖を使って戦うよ」

 ☆アトラ

「触れたものを硬くするよ」

 ☆トルテ

「触れた人を落ち着かせるよ」

 ☆ナインライブズ

「命を9個持っていたよ」

 ☆アル=アジフ=ネクロノミコン

「霊体を自分の体に憑依させることができるよ」

 …………………………………………………………

 ☆朽木川ヒナ

 "それ"は突然だった。

 日課だった夜の人助けをしていたときに"それ"は始まり、数分も掛からずに完了していた。

 大地は酷く揺れ、人々は何事かと外を見ては"それ"に気づいて逃げ惑う。

 魔法少女である朽木川ヒナすらも動揺し、自分の目を疑った。

 

「何……あれ……?」

 

 目の前にあったのは、視界に入りきらないほど大きな壁だった。

 

 数秒後、混乱した頭が叩き出した答えは不可解なものだった。いきなり目と鼻の先に巨大な建物が出現した。入り口からは異形の化物が現れ、逃げ遅れた者に襲いかかっている。まるで夢のような光景だ。

 

「え……あぇ……何……が起きて……」

 

 戸惑う頭で導き出した答えにまた戸惑って……朽木川ヒナは完全に動けなくなっていた。そう、このまま動けないままだっただろう。

 

「何やってんの!行くよ、ヒナ!あれを助けられるのは私たち魔法少女しかいないんだから!」

 

 友人であり、パートナーでもあるこの魔法少女。ナインライブズがいなかったら。

 

「あ……う、うん!分かった!行こう!」

 

 2人の魔法少女は街を駆ける。

 超常の力を持つ魔法少女は、常人ではありえないほどの美しさを持ち、常人には捉えられない程速く走り、常人の何倍もの力で敵を打ち倒す。

 

(今までは全開で使ったことがないこの力だけど、こんな街の危機で使わないでいつ使うの!)

 

「ハァァァァ!」

 

 骸骨の剣士を、速度に任せて蹴りを一撃。それでバラバラになってしまった骸骨には目もくれず、次の標的を探す。悲鳴を感じ、その主を探して救い出す。助けた少年を比較的安全な場所へ連れて行き、また飛び出していく。

 

「この街は、私たちが守り抜く!」

 

 そう、必ず守り抜く。私たち2人なら絶対できるはず。そう信じて朽木川ヒナはもう一度駆け出していった。

 

 

 死者49人 行方不明者397人

 後に「迷宮」と呼ばれることになる"それ"を含め、このT市で起こった出来事の結末である。その発端は「迷宮」が出現した5月6日から3日ほど遡ったところから始まった———

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