殺した人と殺す人   作:ロリコンの人

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連続投稿☆

他の作品と比べると文章力上がってる気がする。


出会い② お食事 シノンside

「さ、好きな物を頼むといい」

 

彼ーー水鳥さんに連れてこられたのは、駅前にあるファミレス。豊富なメニューに学生でも手が届く値段。それにソフトドリンクなどのお代わりが無料と言う有名なお店だ。

 

あまりこういう店には来ないのでメニューをなかなか決められずに悩んでしまう。

 

「お気に召さなかったかな?」

 

ずっと無言でメニューを見つめている私を心配したのだろう、彼は気遣うように私に話しかけてきた。

 

「いえ、そんな事は無いわ。ただ、あまりこういった店に来る事が無くて悩んでるだけよ」

 

そう彼に返し再びメニューに没頭する。

 

ソフトドリンクは頼むとして…。

 

他のメニューはどうしようか。

 

パスタ、ステーキ、カレーにピザ。デザートまでしっかりと目を通しながら決める、ステーキは少し重そうだし、無難にパスタにでもしよう。

 

「魚介のトマトソースパスタにでもしようかしら」

 

「お、随分悩んでたようだが何を食べるか決まったか?」

 

話しかけられたので彼の方を見ると、彼はとっくにメニューを閉じ定員に差し出された水をゆっくりと飲んで此方を見ていた。

「ええ、待たせてしまってすまないわね。魚介のトマトソースパスタにポタージュスープ。あとはソフトドリンク、食べ終わった後でデザートも頂くわ」

 

「意外と食べるんだな」

 

そう言って彼は店員を呼び出すボタンを押す。

 

「あら、少食にでも見えた?」

「いや、もうちょっと遠慮するものかとな?」

 

「好きな物を頼んで良いと言ったのは貴方よ?」

 

「そうだな。ま、お金には余裕があるから安心してくれ」

 

そう言って彼はポケットから財布を取り出し、ヒラヒラさせる。

 

「ええ、期待してるわ」

 

と、言った感じで2人でくだらない掛け合いをしているとボタンで呼び出した店員がくる。

 

私は自分で選んだメニューを言う。

 

「じゃ、俺はチキングリルのガーリック風にライス大盛りにコンソメスープを頼むよ」

 

「あら、意外と食べるのね」

 

「少食にでも見えたか?」

 

ニヤリと笑って彼は返す。

 

「全く見えないわね」

 

私もニヤリと笑って返す。

 

「ふふ、仲がいいですね。親子さんですか?」

 

店員が私たちに話しかけてくる。

 

「あぁ、たまには親子でこうやって食事も良いかと思ってね?反抗期なんてものも無く、聞き分けのいい良い娘をもったよ」

 

……私はいつこの人と親子になったのだろうか。

 

店員がいるので今は何も言わないでおく。

 

「うふふ、楽しそうで何よりです。では、ごゆっくり」

 

注文を取り終わった店員はニコリと私に笑いかけた後、礼をして去っていく。

 

店員が遠くへ言ったのを確認して私は口を開く。

 

「ねぇ、貴方はいつ私の父親になったの?」

 

「今どきは大人の男性がJKと居たらマズいんだよ。分かるだろ?」

そのまま彼は「援交で捕まるのはゴメンだ」と苦笑する。

 

「ふふっ、確かにそうね。私も貴方にはそんな事で捕まって欲しくは無いしーー」

 

「よろしくね?()()()()()」と彼にニコリと笑う。

 

「全く、結婚もして無いのに娘が出来るとは驚きだな」

「私も今日出会ったばかりの女の子をいきなり娘にする人が居るなんてビックリよ」

 

そして、お互いに暫く顔を見合わせたまま、笑う。

 

 

 

 

 

くだらない事をお互いに話してるだけなのに、凄く新鮮で、久しぶりに楽しいと思えた時間だった。

 

 

 

 

「ねぇ、貴方はどうして私を食事に誘ったの?」

 

「食事に誘った理由、か。ちょっとお話したくてね」

 

お話、か…。大体どんな内容なのかは想像が付くが念の為聞いておこう。

 

「ねぇ、その話って私を助けてくれた時の事?」

 

「あぁ、その事もあるが本題は他にあってね…」

 

「本題って?」

 

「あー、そうだな。聞いても良いものか…」

 

突然、話しても良いものかと悩み出す彼。私は彼のその様子を見て彼の本題について気付く。

 

「気遣ってくれるのね、ありがとう。感謝するわ。あまり触れられたくは無い内容だから」

 

「そうだろうな、どんな事があったのかは想像がつくし、無理に話してもらわなくて大丈夫だよ」

 

お互いに話の内容について察している為、具体的な事は言わずに会話が続く。

 

「そうして貰えると助かるわ、そのうち落ち着いたら相談に乗ってもらっても大丈夫かしら?」

 

「ああ、しっかりと相談に乗れるかは分からないけど。話ぐらいは聞けるはずだ」

 

「あら、随分と頼りないわね?もうちょっと男らしいかと思ったんだけど」

 

「無責任な事は言えないからな。俺と君が()()()()()は同じでも、そこに至るまでの経緯に生じた感情はお互いに違う物だ。君が今抱えてるものは君だけの物なんだよ。だからそれを解決出来るのは君しか居ないんだ。俺にできる事は相談に乗るぐらいさ」

 

「確かに…そうね。私が抱えてきた事は私にしか分からないものね。ありがとう。少し参考になったわ」

 

「お、なら良かったよ。厳しい事を言ってる自覚があったからな」

 

「腫れ物扱いしたり、下手に同情してくる医者に比べれば最高よ。それにーー」

 

「ん?それに?」

 

「いえ、なんでもないわ!気にしないで」

 

思わず言ってしまいそうになった言葉に顔を赤くする。

 

ーーそれに、私の事を思ってくれて言ってくれてるんでしょ?嬉しいわ。

 

こんな事。私には恥ずかしくて言えなかった。

 

気を取り直すために私は少しぬるくなった水を1口飲み、新しく話を切り出す。

 

「ねぇ、出てくるの少し遅くない?」

 

「いや、こんなもんだぞ。他にもお客さんがいるしな。多分厨房にあまり人が居ないんじゃないか?」

 

指摘せれて周りを見てみると、店内には意外と人がいた。

 

「確かに結構人がいるわね」

 

「だろ?こういった所に来るのは初めてなのか?」

 

「ええ、お金もかかるしこういったお店で食べる事はこれが始めてね」

 

「どうだ?来てみてさ」

 

「どうって聞かれても…、まだ食事も来てないから分からないわ」

 

「頼んだパスタは結構美味しいから期待してくれ」

 

「あのパスタ食べた事あるの?」

 

「ああ、前に来た時な」

 

「…なんか意外ね。あまり外食しそうなタイプには見えないわ」

 

「料理が作れなくてね。基本外食で済ませる事がおおいんだよ」

 

何故かそこで少し拗ねたような表情をする彼。

 

何故だろう。少し彼が可愛らしく見える。

 

「今度機会があったら手料理でも作ってあげるわ」

 

「手料理か、意外と家庭的なんだな」

 

「意外とは余計よ」

 

 

 

 

 

 

 

「美味しいわね…」

 

始めて食べるファミレスの料理に少し不安はあったが、そんなものは料理が届いた途端に吹き飛んだ。

 

食欲をそそるトマトと魚介の香りが私の鼻を通過する。

 

香りだけでは無くて味も凄く良かった。しっかりと魚介の味が出ててトマトソースとの相性も抜群。パスタの麺は標準より少し細めでソースとよく絡み、私は最後まで満足して食べ終える事が出来た。

 

「デザートはどうするんだ?」

 

「いや、やめておくわ。これ以上はキツイから」

 

「よし、なら店を出るか」

 

 

 

 

 

 

 

食事を終えて店から出ると彼が話しかけてきた。

 

「さて、これからどうする?家まで送ろうか?」

 

「…ねぇ。良かったら泊めて貰えない?」

「は?」

 

口をぽかんと開けたまま彼の顔が暫く固まる。

 

「いやいや!待て!どうしてそうなる!まさか援交とかじゃないよな!?」

 

ナイフを向けられても全く動揺しなかった彼が、私のたった一言で動揺するのを見ると、何とも言えないよな快感のような物を覚える。

 

「違うわよ。ただ私一人暮らしで家は連中に知られてるから…」

 

「ああ、そういう事か。なら初めからそう言って欲しかったがな」

 

「悪かったわね」

 

「まぁ、良いけどさ。親とかには頼らないのか?」

 

「あまり迷惑は掛けたくないのよ」

 

「そうか…。なら一室ホテルでも借りて来ようか?」

 

「そこまではして貰らうのは気が引けるわ。それに…。ほら、手料理だって作るわよ?」

 

自分がどれだけ馬鹿な事を言ってるのかは分かる。

 

でも、きっと、今が私が変われるチャンスだと思う。

 

何も出来ない弱い朝田詩乃から。

 

新しく強い朝田詩乃へと変わるチャンス。

 

私はこのチャンスを絶対に逃す気はない。

 

真剣な目で彼の事をジッと見つめると、暫くたってから彼はため息をつく。

 

「はぁ、分かったよ。降参だ、降参!そんな真剣な目で見られたら断れないだろ。それに助けたのは俺だからな、最後まで責任は取るさ」

 

「ありがとう。責任取ってくれて」

「はぁ…、あのなぁ。……手料理頼んだぞ?」

 

「えぇ、持ちろんそれくらいはするつもりよ」

 

「じゃ、1度俺の家に家に行って車に乗ってそっちの家に行くぞ」

 

「私の家に?」

 

「あぁ、荷物とか必要な物あるだろ?あ、取りに行った後に買い物するぞ」

 

「買い物?食材とか?」

 

そう聞くと彼は少し口ごもる。

 

「…いや。食器と調理器具も」

 

「…貴方が今までどうやって暮らしてたか凄く不思議ね…」

 

自分から誘っておいてなんだが、調理器具や食器すら無いという彼の台詞に不安を感じる私。

 

「はぁ…」

 

ため息をつくと幸せが逃げると言うが、今ため息をついた私を咎めるものは1人も居ないだろう…。

 

 

 

 

 

 

 

こうして、私、朝田詩乃の人生は大きく変わった。

 

過去の罪を抱えたままの弱くて怯えた少女から、踏み出す勇気を持った少女へと。

 

ゆっくりと私に歩調を合わせ隣を歩く彼を見上げて、自分に誓う。

 

いつか必ず彼の様に強くなると。

 

これはそのための1歩だ。




アンケート機能使ってみました。よく分かりません。

感想評価待ってます!全裸待機です。全裸は嘘です。

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