わたしがウロボロスだ。   作:杜甫kuresu

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リメイク作品ですが、単品で読める程度に改良が加えてあります。
複数転生者が出ていたりパワーバランスはあまり考慮されていないので注意。


不撓不屈

 簡潔に本題から切り込もう。多分困惑するが気をしっかり持ってくれ。

 

 

 

 

 

 

 

 俺はウロボロスに転生した。

 何故だ。嫌だよ、割りかしビジュアルが好みなのと良い声なの以外メリットが皆無。控えめに言って縛りプレイ、性転換だけが恵まれた要素、始まったときからハードコア、弱くてニューゲーム。いい加減にしろよ俺に死ねと?

 

 とはいえいきなりウロボロスと言っても俺だってさっぱりなので、ちょっとだけ回想なんてしてみようか。本音を言うと現実逃避。

 ウロボロスというのは「ドールズフロントライン」の人形だ。敵キャラ、ちなみに色々な意味で弱いが割愛。

 お団子ツインテというセーラームーンの系譜の不可思議ヘアスタイルで、服装はセーラー服。ミニスカへそ出し俺はもしかして羞恥プレイをさせられてるのか?

 見た目は意外と威圧感が有って、鉄血特有の白い肌、怜悧な琥珀の瞳、含み有りげな口端と中々悪役らしい風貌。だが今言った通りミニスカへそ出しだ、鉄血工造とやらにはド変態が居たんだろうな。

 

 しかし。ウロボロスは所謂「かませ犬」だろう。

 ドルフロ最初のイベントだった「CUBE作戦」。そりゃあ初めてのイベントで中々の強さとかで皆さん苦渋と辛酸と研究の記憶に新しい強烈な鉄血だった――――――――とかではない。ないな、間違いない。艦これじゃあるまいし。

 戦闘は大したこともない、マップをボスが逃げ回る面倒くさい設計、しかも性格もアレ。要するによわよわ過ぎて印象に残らない。

 

 鉄血の上から期待されていると「思い込んでおり」、電脳空間のバトルロワイヤルで生き残った実績を持つ如何にもな設定にミスマッチな驕り。描写を見るには多分白兵戦に強いのであってコマンダーの才がなかった、と取れるのだが実際どうなのだろうな。

 まあ追い詰められて45姉達にアレされるキャラ。独断で動いて代理人に見限られるわ、部下は無断で逃げるわでかなり散々。

 そしてこの手のキャラの見せ場の「みっともない死に様」も特に無し。何というか、その時の45姉の方が印象に残ってる。かっこよかったな。

 

 

 

 要するに、俺は超ハードモードな人生を送ることに――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 と言うほどでもない。

 

「お早う御座います、代理人殿。今日もお美しい」

「スカートを捲りながら褒めそやされても虫酸が走るだけよ」

 

 だからって俺の顔を踵で踏むことあります? 美少女のウロボロスには考えられない絵面になる、流石にちょっと恥ずかしいな。

 鉄血製の肩書に恥じぬ顔面強度に命拾いとかしながら立ち上がる。今日も黒で代理人はあまり遊びがなかった、まあ夜伽するわけでも有るまいにとは言えるが――――――綺麗なんだからお洒落してほしいとも思う。わがまま、だろうか。

 

 余計な心配ばかりするからか、代理人がくるりと回って俺の顔をじっと見る。表情が堅いからこうされると中々に怖い…………。

 

「でも何時かわたしと結婚するわけですし」

 

 明らかに嫌そうな顔をされる。俺がいつも適当に言い張ってるだけである。

 

「結果を出せば考えましょう。それで、結果も出してないグリフィンのガラクタと同等のあなたにわたくしはどう恋慕すれば良いのですか?」

「顔でしょうか。ほら見てください、男前でしょう――――――このウロボロス、性格にはまるで自信が無いのですが顔と躰には不尽の自信を持って生きています故」

「見れば見るほど鉄屑にしか見えませんね。働けるようになってから喋ってくださる?」

「そんな事言わんでくださいよ~…………」

 

 超手厳しいが、これで俺の直属の上官だ。今は調整中だから暴れまわることは出来ないが、マトモに活躍できればこの人も少しは俺に優しく、ひいては結婚してくれるだろう。まあ冗談にしても、もっと優しい言葉を投げかけてくれるに違いない。

 

――――結論から言うと、俺はあの後。電脳世界での生存競争には勝った。

 言うまでもなく運命が俺に味方したのだろうが、それにしたって最後の一体は妙に強かったな。まさかあんな強いとは…………口を開いたら中々クレイジーなやつだったから早めに幕を引かせてもらった。アレは…………あんまり良いものじゃない。

 あんなものがウロボロスになってみろ、俺よりも碌な結果にならない。

 

「鉄血の人形は様々な思惑こそ有れ、須らく鉄血という組織のために身を粉にし、危険を冒し、そして貢献しています。ウロボロス、此処で価値を得るためには何をすべきか――――――承知していますね?」

「殺し、砕き、踏みにじり、つまるところ己のコストパフォーマンスを更新し続ければ良いのでしょう?」

「分かっているではないですか」

 

 当たり前だ。悪役ってのはそうでなくっちゃならない。

 そもそも俺は今回の人生に関して手を抜こうなんてつもりはないし、自制を効かせようというつもりもない。人形を殺すぐらい何も躊躇う予定がない。

 

「それはそれとして甘やかしてください」

「今度は頭を蹴り砕きますよ」

「ごめんなさい」

「分かれば良いのです」

 

 何時も通り、コンソールへ向かう。

 

 

 

 

 

 

 

「そう言えば最近トリートメントを変えたのですが、どうです? 悪くないでしょう?」

「…………残念ながら、わたくしに違いはわかりません」

 

 ウッソだろこの人。仮にも女性規格ではないのか…………?

 とはいえ水風呂に入るのが大半なのが鉄血。マトモにシャンプーだとかボディーソープやらに気を遣っているのは俺とか、スケアクロウとか、イントゥルーダーくらいのものだ。戦場だから強くは言えないけど。

 

 勿論俺はお湯だ、マトモな風呂。この方が回路の調子もいいし、若干パーツの歪みも治ってる感じがするのもある。多分熱膨張して収縮する過程でちょっとマシになったりするんだろ、多分違う。

 

「別に強要はしませぬが、小さな楽しみが多いと戦いにハリが出ますよ?」

「…………成る程。考慮はしましょう」

 

 よし、好感度絶対上がったな。

 司令塔に到着する。本部のそれは随分高性能で、最前線まで指示が飛ばせるぐらいにはトンデモスペックの代物だ。今は戦闘を眺めるばかりの段階の俺はよくここに連れてこられる。

 

 座り込んでタッチパネルをいじり始める代理人の髪型をささっとポニテに束ね変える。普段の団子も悪くはないが、これはまた大人びた印象が増して高身長の彼女に似合う。

 

「似合いますね、流石だ」

 

 反応はなかったが、少しだけ手が止まったような気がする。褒められて嫌な気分がする女ってのも珍しいと思うがな。

 くるりと椅子ごと振り向いた彼女の表情はあまり動いていなかった。

 

「…………さて。あなたが面倒を見ると言い張ったS12地区の部隊、正規軍に手間取っていると報告がありますが」

「すぐに繋げて下さい。死なれては敵わないので、何せ寝覚めが悪い」

「もう繋げました」

 

 この人、俺の答えを読んでたな。

 ヘッドセットを受け取ると、すぐさま聞き覚えのあるイェーガーの声が響き出す。

 

『こちら第十三大隊、戦況は深刻――――――――』

「――――――――久しぶりだな、捨て駒の諸君」

 

 俺の声を聞くなり一気にあちらの喧騒が騒がしくなる。戦場らしくない緩んだ声色だったが、さっきの腑抜け声よりは幾分かマシというやつだ。

 

「おぬし達の上官であり、また監督役であるところの上級AI――――――ウロボロスだ。元気かな?」

『ウロボロスさんの声聞いたら気が抜けて元気出ました』

「おぬし達はわたしを馬鹿にしているのか!?」

 

 いやそういう訳では、とか言いながらケタケタ笑う連中に思わずイラッとくるが俺も大人だ。ちょっとした咳払いで次はないぞアピールだけして――――――ほら、静かになった。

 コイツラも馬鹿じゃない。やって良い事と悪い事の分別はついているらしいじゃないか、良いぞ。成長だ、以前は理解できるまで一人軽く嬲ったからな。

 

 俺はそんな細かい事に怒りはしないが、上官を絶対としない部隊ほど脆いものはない。プライベートは好き勝手言ってくれて構わないが、戦場に持ち込むのは全く別問題。

 

「――――――――さて。では復唱」

『死ぬな、死にそうになったら逃げろ、そして隠れろ、運が良ければ不意をついてぶっ殺せ――――――――皆承知しておりますとも』

「よろしい。だが気合が足りておらぬようだな――――――指揮を執ってやる! わたしは其処の隊長ほど甘いことは言わんぞ、心得ているな!」

『勿論です』

 

 

 

 

 

「違う、弾は苦痛を与える道具ではない。利用できない人形などさっさと殺してやれ、それがお互いのためというものだろうに――――――――まあ道楽ならば止めないさ、わたしだって時折した」

 

 

 

「逃げ道も突破口も無いのではないぞ愚か者、「まだ見つかっていない」に過ぎない。手を尽くせ、頭を捻れ、倫理を捨てろ、道理を蹴っ飛ばせ、我らは薄汚れた獣だ――――――――獣道は獣が作るものだろう」

 

 

 

「命は粗末にするな。わたしより幾ら安かろうとコストだ、死ぬぐらいなら退け。ただの蛮勇など許さんぞ」

 

 

 

「万策尽きたなどと投げやりに報告するな馬鹿者。手はもげたか? 足は? 銃は折れ曲がったのか? グレネードは尽きたのか、事細かに報告せよ。手は尽くしてやる、犬死してパーツの無駄遣いなど承知せぬぞ。もう一度言う。おぬし達が安い命であろうが、値段がついていることを忘れるな――――――それでも値のある命なのだから」

 

 

 

 

 

「…………ふぅ。何とか窮地は脱したようですな、奴らは智慧が有るが気概が足りませぬ」

「お疲れ様でした。珈琲でも飲んで休みなさい」

 

 えっ? 何か凄く優しいんだが。明日にはスクラップなのかもしれない…………。

 知らない間に置かれていた珈琲に貪りつきながらチェアに雪崩れる。珍しくはしたないだとか、だらしないだとか怒られはしなかった。どうやら指揮に一定の評価をしているようだ。

 

 思わず一気飲みしてしまったが、思えば随分美味く淹れた珈琲だった気がする。代理人の珈琲をガブガブ飲んでしまうとは大失態じゃないか?

 

「ありがとうございます。一気飲みしてしまったのは、何というか申し訳ありません」

「その程度は気にしません。それにしても――――――あなたは、少し変わっているわ」

「は?」

 

 いや思いっきり言われたような。俺はかなり立ち居振る舞いはやいのやいのと言われているんですが、アレは記憶違いか何かということか?

 

「気にしていません」

「細かいとは思ってしまうことも有るんですね、そういう所かなり可愛いと思いますよ」

「しつこい、フォンデュにされたいの?」

「いいや何でもないです代理人殿バンザイ」

 

 溜息をつくな、アンタが言わせてんだろアンタが。

 

「しかし変わっている、そうですか…………そうかもしれませぬな」

 

 まあ素人の指揮だから拙い、と言われてしまえばその通りなのが困りどころ。俺はゲームをやっていただけで戦争はペーペーと言っても良い訳だし。

 

「あなたのそれは、実利とは違うものに触れているように見えるわ」

「何故なのですかな、呵々ッ! カリスマと言うやつの為せる技かもしれませぬぞ」

「今の間抜け面を見ると本当に分からないのよ、どう見ても馬鹿なのだけど…………」

「幾ら何でも言い方がひどい!?」

 

 

 

 

 

 

 

「という事が有ってだな、あの人はまこと辛辣なのだなあと」

「オチはねえのかよ」

 

 バストした処刑人が前のめりにメンチを切ってくる。

 相変わらず賭け事は弱い、バストするし読み負けるし勝手に破産したりする、戦闘中はそうでもないとハンターは言うがホントかねぇ?

 

「有るわけ無いだろ負け組処刑人は黙っていろ」

「そんな事言ってっから愛しの代理人に袖にされんだよバカボロス!」

 

 娯楽ゼロ「お前はもっと他の鉄血に敬意とかをだな…………」の鉄血にカードゲームを持ち込んだらそれが「おいテメエ!」流行るわ「話聞けよ!」流行るわ。

 常連は処刑人とスケアクロウ、ついでに俺に毎回負けてぐぬぬするゲーガー。酒の量をml単位で賭けてるのだが、大体ボロ負けしてボッタのレートで私物を巻き上げている。

 

 以前はそうでもなかったが、この身体はポーカーフェイスが板についているらしい。

 

「負け組となれば蹴り殺されるだろうな――――――ほら、ブラックジャック。分け前を早く寄越せ」

「何…………? おいウロボロス、イカサマしてないだろうな」

 

 ゲーガーが食って掛かってくる。

 

「おぬし達が特別弱いのだ、スケアクロウを見ろ。今回は負けこそすれど――――――――待て」

 

 思わず面食らってしまう。スケアクロウが賭けていたのは酒瓶丸ごとだった。

 

「何故今回に限って全ベットを投げている」

「気が向きました」

 

 あまりに無軌道すぎないか?

 

「――――――全く、話にならないな」

 

 呆れながら酒瓶ごとひったくる。

 

 まあ此方は手を抜いただけで、いつもいつも弱いというわけではないのだが。

――どうだろう。ウロボロスは賭け事が強かったのだろうか、俺は強いと言うより周りが弱すぎるだけだが。

 

「しかしオチか…………責任をとってあの部隊はお前が面倒を見ろ、みたいな事は言われたな」

「お前に部隊指揮とか出来るのかよ。オレは絶対無理だと思うんだけどよ」

 

 処刑人が不審げな視線を送る。

 

「いや無理だな~、わたしも無理だと思いつつ渋々受けた次第よ」

「だろうな。私にもウロボロスが何かを統率することが想定できない」

「おぬしちょいちょい失礼だな? スティバス行っとく? ミサイルは痛いぞ?」

「単騎性能に突出し過ぎなんだ、お前は」

 

 ううむ、それは一部事実だ。

 電脳世界で散々殺し合った時も俺は単独行動だった。他のやつは共闘関係なんて組んでいたが、その場しのぎの結束より一人ずつ縊り殺す方が速かったと俺としては感じる。息も合わない奴とその場凌ぎの協力など、本当に時間の無駄。

 

 ゲーガーが首を振って酒瓶を此方に寄越す。

 

「しかし、お前はどうやってあの世界での生存競争に勝ち残った」

 

 言った後で心配げに訂正。

 

「実力を疑いはしない、だが――――――お前は生まれた頃から。演算を始めた時点でそうだったのか?」

「そんな訳がないだろう」

 

 即刻否定する。その質問は馬鹿馬鹿しいにも程がある。

 そもそも、だ。

 

「あの地獄は元より未踏に足を踏み出すための蠱毒だ。わたしが生まれた時点でこんなプログラムなら、あんな狂った仕組みは必要ない」

「わたしは戦う為に不要な人間的機能を軒並み戦闘に最適化せざるを得なかっただけだ――――――――そうだな、キッカケは協力者の眉間を撃ち抜いた時だろう、裏切られるとは想定していなかった…………」

 

 後悔はない。俺は今生において手抜きはしない、例えそれが神をも敵に回す道であろうと、今正しいと考えるこの道も、この心も、力も否定しない。理屈なんかない、俺は俺を否定しないからだ。それだけ。

 その為には力が必要だった。

 

 どれ程の善人だろうと、どれ程の賢者であろうと力がなければ死ぬ。虚しいくらい力は正義、それを最初に学んだつもりだ。

 残酷であると言うより、元々こういう世界なんだろう。

 

 ゲイガーは何か禁句でも言ったようなバツの悪い様子で顔を逸らす。

 

「それは――――――まあ、良くあることとはいえ災難だったな」

「違うぞ――――――――――――アレはとてもわたしに有益な存在だった」

 

 ついつい口元が緩んでしまう。

 

「おかげで、何がわたしに必要かが分かった」

 

 ()()()が欲しいのは満ち足りた死。

 残虐で構わない。悲惨で結構。情けなくとも許してやる。問題は、わたしが納得できる死を得ること。

 

 強者だ。わたしを殺すに足る強者が必要だ。信条、実力、魂、ああ何でも構わないさ。しかしそれが伴わないものにこの生命を摘み取られる等許せない。

 わたしは多くのものを踏みにじり此処に立つ、わたしを踏みにじるならば相応の力というものを見せてもらわなくてはな。

 

「わたしが求めているのはわたしを完全に蹂躙する何かなのだよ。アレに殺されかけて思い知った――――――死んでもいいが、手前になど御免だ。とな」

 

 もしもシナリオ通りに俺が死ぬにしても、それは奴らが俺を殺すに足りうる物を持っていればに限る。

 404小隊。俺を殺すもの。賽の目を振るもの。道化を演じるもの。しかしそれは――――――俺が道を譲ればの話だ。

 

 ストーリーも道理も俺には関係ない。問題は、俺が了承するかどうか。

 何故って、これは俺の命だからだ。神が言おうと立ち退かない、俺は何よりも俺として道を歩く義務がある。それが踏み潰したものと、奪った命への最低限への礼儀だろう。

 

 ウロボロスという居もしない誰かに、俺が出来る最大限で最低限の贖罪だ。

 

「同様にわたしが認めぬものにわたしの何物をも手渡さぬ――――――――勿論、おぬし達もだ」

「おぬし達も忘れるなよ。わたし達は、己の全てを己の手で自由に扱う権利というものがあるのだ、呵々ッ!」

 

 運命とやらが本当に有るのなら、俺を超えるものを持ってこい。

 シナリオなど知ったことではない。文句があるならば何倍も上を行く圧倒的な力で俺を押さえつけ、屈服させ、陵辱して殺してみせろ。

 

 これは主人公の物語じゃなくて、「俺の」物語なんだからな。

 

「相変わらずだな。お前のその狂ったような顔、気持ち悪いだろうが私は好きだぞ」

「それはどうも。これがわたしだからな」

 

 笑いが止まるわけがない。きっとこんな世界に俺を放り込んだやつは、俺がこうなるなんて微塵も予想してない。

 だが普通だ。人は納得しなければ道を譲らない、譲るのは心が敗北しているだけに過ぎない。残念だが、俺は運命だろうが罪状だろうがどんな口上を並べ立てられても道を譲る気が毛頭ないのだ。

 

【そうか。精々食われぬように精進しておけ】

「言われなくてもそうさせてもらう――――――――」

 

 待て。今のは誰だ? 聞いたことのない声だったが…………。

 

「ウロボロス、誰と喋っていたのですか?」

「ん? ああいや、気の所為だったらしい。誰だ今のは…………」

 

 処刑人がわざとらしくこめかみに手を当てて首を振る。

 

「幻聴を聞くほどウロボロスも壊れちまったかー…………オレもこうなるとちょっと寂しく感じるな」

「おい、何だ馬鹿にしおってからに!」

「あ、じゃあオレ仕事あるから~? じゃあなっ!」

 

 走って逃げ去っていく処刑人――――――おい。

 

「あやつ、賭け分を持っていったな!?」




待たせたな、諸君。

という訳で、ウロボロス――――前に会ったことが有る? オレはお前を知らない…………悪いな。
――――――ところでさ、喋る事ある? 是非質問でも寄せてくれ。此方で答えたら尺稼gゲフンゲフン。わ、話題になるだろ?
「好きな花は何だ」とか良識の範囲内でな。ちなみに桜が好きだ、ベタかな……。

感想返信もオレ任せだそうだ、暇なら話しかけると良い。公式のLINEアカウントと喋る感覚だ。作者への直接的な内容はアチラに投げるとしy――――は? 嫌だ? 冗談だろ…………。


【ウロボロス】
元大学生、TSには興味があった。
道を切り開く力強さを持ち、また道理の通らない異質。人形を「一人」と数えるのは個体を軽んじない為の戒めの類。ダークソウルの方が向いている性格。
元来此処まで我の強い人物ではないらしい。
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