異世界転生は妖精と共に 作:リーン様の椅子になり隊
「はぁ………かったりぃ」
俺ことトーマ・カミヨ……或いは上代刀磨は転生者である。
確か俺の家は神社で、真名的なモノでは神世到魔だと前世の母親が教えてくれた。
生まれた瞬間から前世の記憶と自意識を持っており、名前を付けられることなく暫く育てられてから、捨てられた。
どうも俺はあらゆる病にかからず毒も効かぬ体質らしい。転生特典か?と真面目に考察したね。
さて、そんな不可思議な世界だが、たぶん不可思議でも何でもないんだろう。だってこの世界魔法あるしモンスターだっているし。
物騒な世界だよいやほんと。生き抜くためには強くなるしかない。だって俺身元保証人なんていないしね!だからモンスターを殺して金に出来る冒険者になりました。
そうそう結構昔に気づいたんだけど俺の転生特典はどうもかなりチートらしい。喰ったモノの特性を少しだけ得られるらしい。逆説的に何でも食える。だから毒も効かないし、ウイルスなども体内に入った時点で喰った扱いらしく病気にならない。
逆に俺は体液を超強力な感染力と致死率を持つウイルスに変えることも可能。毒にもな。普段は体液を猛毒に変えてモンスターと戦っている。だってほら、噛まれた時便利じゃん?へへへ、と言いながらナイフ舐めて死んだバカには腹抱えて笑ったが……。
しかしここまで来るのは大変だった。何せ本当に微妙だからな。例えば火属性に適正ある魔法使いの盗賊をぶち殺して喰ってもライター程度の火しか出せない。炎を扱う魔物を何体も喰らって漸く魔法使いらしいことが出来るようになった。この道のりの長いこと長いこと。
ちなみに剣術などは才能と鍛錬なので喰っても意味がない。どうも喰った数だけ俺の細胞分裂数も増えるようで、細胞が老化せず不老な俺は長い年月を掛け見様見真似で使えそうな剣術、体術を覚え複合させた我流を扱う。
「とはいえ、老化に関しては俺が意図したことじゃねぇからなぁ」
本来なら貯まった金を使い豪遊したいが、見た目若い冒険者が働かず飯を食っているなんて世間の目も厳しいだろうしそもそも何時死ぬのかも解らない。先に述べた不老理由もあくまで当時不思議に思ったから調べただけで今は普通に不老だし………どの魔物喰ったからなんだろ?
ああ、俺はこの先永遠に居きるのだろうか?やだなぁ、退屈だなぁ、早く発展しろよこの世界。
とはいえモンスターのせいで生活圏も不用意に広げられないこの世界の文明がそうそう発展する訳ないのだが……でもこの世界、何故かゴムとかはあるんだよな。
と、その時俺のポケットに忍ばせていた鉄の板が震える。
無属性魔法『プログラム』で幾つか機能を付けた鉄の板。そのうち一つが片方の鉄の板が感じた振動をそのまま返す……まあ通信だわな。これはその前に行う通知。
「承認」
『はぁい、元気かしら?』
と、そんな声が聞こえてきた。まあこの通信機に連絡よこせる人間なんて一人しか居ないのだが。
「どした?」
『用がなければ連絡しては行けないの?なんて………少し聞きたいことがあるのよ』
「聞きたいこと?」
『貴方、水の中で活動できるかしら?』
「まあなんなら水の中で暮らすことだって出来るけど、何で?」
『今すぐ私のところに来なさい』
「は?ちょ、何をいきなり……!こっちにだって仕事が………今日はねぇけど」
『なら良いじゃない。待ってるわよ』
そう言って通信が切れた。はぁ、本当………あの女は相変わらず勝手すぎる。とはいえ数少ない年上だ。敬うべきだろう。
「【ハイ・サーチ】………うわ、どんだけ遠くにいんだよ。問題ねぇけどさ……【テレポート】と」