異世界転生は妖精と共に 作:リーン様の椅子になり隊
「こ、今回のは無効です!私達は、遭難していた人達を助けてたら!」
「そーなんだ」
「ぶふっ!」
取り敢えずガキの屋敷に行き報告すると我が儘姫が何か言い訳して、適当に返すとなんかガキが笑い出した。
「冬夜殿、何を笑ってるでござるか?負けてしまったのでござるよ?」
「た、だって遭難がそーなんだって、古くて懐かしいなぁって……」
「?今の何処に笑う要素が?」
「へ?」
双子妹の言葉にガキが首を傾げる。此奴、やっぱり日本語を理解してるな……そのくせ、此方の世界の言葉を全く理解してないな。どういうことだ?
知識を植え付けられた?誰に?いや、何に?
と、ガキが何やら考えてからジッと此方を見てくる。
「……女を囲って、次は男か?俺にその手の趣味はねぇぞ」
「僕だってないよ!」
「と、冬夜さん……」
双子妹が何やら顔を赤くしている。此奴、腐ってやがるな。
リーンに移すなよマジで……。
「あの………もしかしてだけど、君って──」
「ああ?」
「あ、貴方は日本に住んでたんですか?」
「ああ」
「やっぱり!」
と、叫んで立ち上がるガキ。その目には仲間を見つけたような喜びが見て取れる。
「スマホの扱い方知ってたからもしかしたらって思ってたんだ。まさか同郷に会えるなんて……!」
「と、冬夜さん?その、同郷というのは?」
「あ、うん。僕もこの人も日本出身みたい………今の言い回しだと日本語も理解してそうだし、名前もたぶん本当はかみよとうま、ですよね?」
「ああ」
「そっかぁ……あれ、でも500年前にスマホ?それに見た目も……金髪に茶色どころか黒……」
「似たような世界だからって同じとは限らねーだろ。単純に類似点が多い世界なだけかもしれねぇぞ?例えば俺の故郷だと2011年に富士が吹っ飛んだ。その時金色の毛を持つ巨大な九尾の狐が暴れ回っている姿がネットを拡散して世界中に知れ渡った」
「何そのファンタジー!?2011年にそんな事件無かったよ!?」
なら類似点が多いだけの別の世界なんだろうな。いやぁ、あの頃は大変だったわ。一種の信仰の域に達した到達した伝承『九尾の狐』だからなぁ。念動力も狐火も桁違い。もはや別物だった。まあ戦ったのは親父ですけど。俺まだ戦い方習ってなかったし……。習う前に転生したからな。
でも、あの九尾の狐はクソやばかったけど、それでもあの世界を破壊していたおっさん……取り敢えず破壊神と呼ぶか……あの破壊神に比べたらかわいいものだしなぁ。
「ちょっと冬夜さん!?何でそんな親しげに!その人達は敵ですよ!」
「え?別に敵じゃないでしょ?どっちも僕等からつっかかったわけだし……そりゃ、ユミナ達が馬鹿にされたのは悔しかったけどあの後国王陛下からも軽く考えすぎていたって謝りに来たじゃないか」
「っ………冬夜さんは、私と許嫁になったことが間違いだと………?」
「ああ!ち、違うんだよ!ただ、その……考えなしではあったのかなぁって……ユミナが僕を選んでくれたのは、素直に嬉しいよ」
「………何だこれ。まあ良い、俺は帰るな」
「あ、うん。またね……良かったらトーマ……さんの故郷の日本のことも教えてください。文化の違いとか、細かい相違点とか知りたいし」
「……………気が向いたらな」
何というか、薄気味悪いガキだな。
「不気味な奴だったな……俺、彼奴苦手だわ」
「あら、前からじゃないの?とっくに嫌いでしょう?」
「俺が嫌いなのは俺に敵意を向けてくるあのメスガキ共みてぇのだ。あのガキは気に入らない……お前にそこそこ気に入られてるし、狡して強くなってるくせにその力を自分の力だなんて厚顔無恥に言い張る……けど、今回は違う。何なんだ彼奴?
その時その時に流されて生きてやがる。普通誰だって深く考えることを深く考えない割に、当たり前のことを難しいことのように捕らえてやがる。気味が悪ぃ………俺は彼奴が苦手だ」
「………ふぅん。なのに、懐かれちゃったわね」
「まあ嫌いならともかく此方が一方的に苦手にしてるだとか、個人的な理由で気に入らない相手を無碍にする気はねーよ。悪いことしてるわけでもねーんだ。人には人の価値観があるのは仕方ねぇことだしな」
どのみち今度ロゼッタに会わせなくちゃだしな。本人は俺に従うとか言ってたが、元々はガキのために用意されたんだから一度目にさせるのが遺産を残したレジーナとか言う奴への筋だろう。まあバビロンは俺が貰うがな。
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