異世界転生は妖精と共に   作:リーン様の椅子になり隊

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告白、そしてキス

「空中庭園……ね。古代文明パルテノの遺産とも言えるわね」

 

 辺りを見回しながらリーンが感慨に浸っていた。

 古代文明パルテノ。様々な魔法を生み出し、それによる道具、アーティファクトを創り出した超文明。

 バビロンもその文明が創り出した遺産のひとつであり、それ自体がアーティファクトとも言える。つまりシェスカもアーティファクトに含まれるのだろう。

 ガキ共は好き勝手庭園を見に行った。池や噴水などもあり、花壇に咲く様々な花。まあ確かに見応えはあるだろう。ん?つーかあのガキ持ってる板スマホじゃね?

 その一角、池のほとりに設置された休憩場になる東屋で、俺とリーン、そしてシェスカがくつろいでいた。

 

「どうだリーン?気に入ってくれたか?」

「ええ、私は古代魔法をいくつか発見できたらいいなと思ってたんだけど、それ以上のものが見つかっちゃったからねえ」

 

 喜んでもらえて何よりだ。

 

「つまり「バビロン」という空中に浮かぶ島を貴女たちの生みの親、レジーナ・バビロン博士が5000年以上も前に造った。それが今はバラバラになって世界中の空に漂っているというの?」

「左様でございまス」

 

 リーンがシェスカから聞いた話をまとめる。しかしレジーナ・バビロン、かぁ。全属性適性に加えこんなモノを造れるほどの脳味噌、遺体とかねぇかなぁ……。

 

「そんな物が空に浮かんでいたら、騒ぎになりそうなものだけど」

 

 と、何時の間にか戻ってきていたガキの女の一人の姉妹の姉の方がもっともなことを言う。

 

「バビロンには外部からは視認出来ない魔法障壁が張られテいます。このため、地上カラその姿を確認することはほぼ不可能でス」

 

 古代の天才博士は、ありとあらゆる古代魔法を駆使して、完璧なるステルス性をバビロンに与えていたらしい。

 発見するにはただひとつ、転送陣からの侵入しかない。しかし、それが許されるのは博士と同じ全属性持ちでなければならない。つまり俺かガキのような存在。

 

「それで、一体いくつこのような浮き島があるんでござるか?」

「私の「庭園」に「図書館」、「研究所」、「格納庫」、「塔」、「城壁」、「工房」、「錬金棟」、「蔵」と当時は9つありましタたが、現在いくつ残っているのかわかりませン」

「私としては、その「図書館」に惹かれるわ。古代文明の様々な知識がつまってそうじゃないの」

 

 侍女の言葉に答えたシェスカ、リーンは楽しそうな笑みを浮かべる。何が何でも見つけたくなった。

 

「他の管理者と連絡は取れないのか?」

「残念ながラ他の姉妹とは現在リンクが絶たれていまス。障壁のレベルが高く設定させていルので、いかなる通信魔法も受け付けませン。マスターが許可しない限り、下げられるコトはないでしょウ」

「ああそうだ、マスターと言えばそこのガキも一応全属性持ちだぞ」

「……そうデスか…………では」

 

 と、スカートを捲るシェスカ。

 

「ぶふぅ!?ちょ、何してるの!しまって!」

 

 などと顔を赤くして目をそらすガキだがチラリと視線がパンツに向く。

 

「ほら、お前好みのムッツリだ」

「誰がムッツリだ!」

「確かにムッツリでスね………でも、彼は正規のルートから来たわけデハありませんシ」

「まあそいつに権限与えようとしたらその瞬間ぶち壊すが」

「………嫉妬ですカ?ポッ」

「赤くなってねーよ。単純にガキに此処をやれねぇってだけだ」

 

 古代文明の遺産だぞ?こんな脳味噌空っぽの奴に渡せるかってんだ。かといって、俺が管理するのもな……それはそれで問題がある。

 どこかの国に所属したとしてもその国が狙われる原因になるし、かといって個人でもって居ると世界中が敵になるかもしれん。その辺をどうするか決めるまで存在は秘匿しておくか……そのためには、まずはこのガキ共だが────

 

「…以前私たちのを見たにもかかわらず、またですか。そんなにぱんつが好きですか」

「いや、前のは事故で、見えてしまったというか……」

「…今回のは自分の意思で見た、と?」

「なんですか、昨日の水着姿じゃ満足できませんでしたか? けっこう見てましたよね、私たちの」

「いや、あれは、その〜…」

「私も頑張ってお姉ちゃんとお揃いのビキニにしたんですが、ダメでした? やっぱり水着と下着は違いますか、そうですか」

 

 ………………なにやってんのこのガキ共。そしてあのガキは……なんだあの顔、ふざけてんの?女からかって遊んでんのか?

 

「なんで怒られてるのかわからないって顔ね」

「───!!」

 

 あ、ガキがリーンを見た。その目は雄弁に心が読めるの?エスパー?無属性魔法?それちょうだいと物語っている。こんなに解りやすいくせに他人の心は少しも理解しないのか………。

 

「まあ、あんだけやって気づかないのもどうかと思うが口にも出さず秘めた思いなんて耳障りの良いこと言って何も行動しないくせに他の女と仲良くすると私怒ってます的な反応する奴もどうかと」

「そうね……特に貴方なんて、大変だったものね。私に好意を寄せていた男共からの決闘三昧……あの頃はまだそこまで強くなかったのに」

「俺と違って百年も猶予があったくせにプレゼント一つおくらねぇ奴が何を言ったところで、止まるかよ。こっちはきっちり告白して、その上ふられたってのに」

「そうね。確か、500年早い、だったかしら?」

「おうそうふられた…………そういや今年で丁度500年経ったわけだが、まだ俺はアンタを手にするのに相応しくねぇか?」

「呆れた。まだ諦めてないのね」

「そりゃな」

 

 などと話していると双子妹が何やら俯いていた。

 

「き、きっちり………告白………冬夜さん!」

「…っハイ!」

「私は、冬夜さんが好き、です」

「っむぐっ!?」

「「「ああぁあああぁあ─────────ッ!!!!」」」

 

 と、宣言してガキにキスした。えっと………何これ?いや、うん。告白は良いよ?でもお前、つき合ってもない相手にキスって……。まあ好き合ってるなら良い、のか?

 

「マスター、私も遺伝子採取のためニキスをしてもヨロしいですカ?」

「あら駄目よ。私が許可しないわ」

「………アナタに、止めル権利があるノですカ?」

「あるわよ。だって私、さっきトーマに告白されたばかりだもの」

 

 嫉妬してくれるのは嬉しいが、俺にも殺気を向けないでほしい。が、俺の言葉に返事をしてないのを思い出したのかバツが悪そうに顔を逸らす。

 

「……何時までも濁す気はないけど、もう少し待って頂戴。あの頃はまだ子供がそういう風な感情を持った、で済ませられたけど、流石に今の貴方の想いをそんな風に笑い飛ばせないもの」

 

 それに、もう子供として見れないしね、と笑うリーン。嫌悪感はなさそうで安心だ……。

 

「500年待ったんだ。もう100年ぐらい待つさ」

「私当て馬ニされましタ」

 

 シェスカが何か言ってるが知るか。黙ってろポンコツ。

 

「それにしても………」

「いきなり、きっ、きっ、キスするとか! 私だってまだなのに! 私だってまだなのに!!」

「……俺たちは一体何を見せられてるんだ?」

 

 公然の場で告白した俺が言うのもアレかもしれないが公然の場でキスはもっとどうかと………。

 にしても思い切ったな双子妹。双子姉も侍女も我が儘姫もガキに惚れてたようだが………一歩リードだな。あのメスガキ共は何か意を決したような顔をしてるから、すぐ追い付かれるだろうが。




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