異世界転生は妖精と共に 作:リーン様の椅子になり隊
「怪しい子だったわね」
「いや、あれは子じゃないな。たぶん俺の10倍は軽く生きてる」
リーンの言葉に俺が訂正する。あの凄く美味そうな男、見た目こそあのガキと同じぐらいだったがかなりの年代物だ。何百年も新鮮な肉を食い続けていると臭いだけでその生物の健康状態、年代、性別などが解るようになってきたのだ。どぎつい香水つけてる奴は別だが……。
「ふぅん?ますます怪しいわね……」
「ま、取り敢えず敵ではないだろ」
「それはどっちの意味で?」
「俺の方が強い。彼奴が強さを隠すのがよほどうまいなら別だが」
「上出来よ。頭を撫でて上げようかしら?」
「良いのか?頼む」
「……………本当、大きくなってもそういうところは変わらないんだから」
と、リーンが手を伸ばしてきたので膝を付ける。頭を撫でられるのは、本当に久し振りだ。五年ぶりだろうか?相も変わらず、俺はこの一時が永遠に続けばいいと願う。
目的地に着いたが何もない。砂の下に埋もれているのだろう。リンドヴルムがその場にいるだけで嵐になり砂が巻き上げられていくので直ぐに見つけたが………。
円柱状の結界を作りその中を俺とリーンで降りる。結界の外はすげぇ砂嵐だ。リンドヴルム、帰すか。
「というわけで戻れリンドヴルム」
『了解した!次こそ殲滅を望むが良い!』
そう言いながら頭上に現れた魔法陣の中に入り元の世界に帰るリンドヴルム。俺とリーンは材質不明のドーム状の家一件ほどの大きさの物の前に立つ。扉はあるが取っ手はない。魔力でも流し込んでみようと手を伸ばせば向こう側へ突き抜けてしまった。リーンと顔を見合わせ、手を取り中に入る。が、リーンを入れようとしなかったので扉をぶち壊す。
遺跡の中には薄ぼんやりとした明かりの中に六つの石柱と転送陣がある。
「これが入り口か………そういや複数同時に転移出来んのかね?」
「出来なくても向こうでゲートを開けばいいでしょう?」
「それもそうか。んじゃさっそく」
魔力を流し、念の為リーンと手を繋いでから最後の魔力、無属性の魔力を流す。やはり視界が光に包まれた。
目の前には「庭園」と同じような風景が広がっていた。一つだけ違うのは、正面に大きな建物が見えるってことだな。真っ白いサイコロのような立方体の建築物が建っている。
その建物の方へ向かう道を歩き出そうとすると、突然道を遮るかのようにガキが飛び出してきた。
「そこで止まるでありまス!」
右手を翳し、僕をその場に留めようとする。少女はオレンジの髪を両サイドでお団子状にし、リボンの付いたシニヨンカバーでまとめていた。白い肌と金色の瞳はシェスカと同類であることを示しているようだ。おそらく彼女がここの管理人なのだろう。歳はシェスカよりも下に見える。身長が低いからだろうか。
「ようこそ、バビロンの「工房」へ。小生はここを管理する端末、ハイロゼッタでありまス。ロゼッタとお呼びくださると有難くありまス。それと、どちらの魔力で来たのかモ教えて欲しいでありまス」
そう、キチンとリーンも来ていた。まだ手は離してないがな。取り敢えず俺が手を挙げる。
「ここから先は「工房」の中枢でありまス。現在「適合者」以外は立ちいることを禁じられているのでありまス!」
「一応、トーマはシェスカからは「適合者」と認められたのだけど……はぁ、にしても……「工房」かぁ」
「なんだかイラッとするでありまス………シェスカ……フランシェスカでありまスか? なるほど、すでに「空中庭園」を手に入れているのでありまスね。それならば話が早い。「適合者」の資格があるか否か、試させてもらうでありまスよ」
「そこから一歩も動かずに、小生のぱんつの色を当てるでありまス!」
「……………何言ってんの此奴」
「風よ吹け、舞い上がる旋風、ワールウインド」
「何してんのお前」
いきなり分け解らんこと宣ったガキ型ロボットロゼッタの言葉に混乱しているとリーンが風魔法を使ってスカートをめくろうとする。が、失敗。何か魔法がかかっているのだろう。
「仕方ないわね。一歩も動いちゃだめなのはトーマだけ?私か直接見て教えるとか」
「その手は想定していなかったでありまス!反則扱いにしまス」
だ、そうだ。何かちょうど言い魔法は………
「リフレクト」
反射魔法リフレクト。あらゆる物を反射させるこの魔法を上手く使えば光を反射させる簡易鏡が出来る。床を鏡にしてロゼッタのスカートの中を確認する。
「掃いてない?いや、これは……ビニールみてぇな………透明」
「正解でありまス! あなたを適合者と認め、今現在より機体ナンバー27、個体名「ハイロゼッタ」は、あなたに譲渡されたでありまス。末長くよろしくお願いするでありまス!」
シースルーどころじゃねーな。つかリーン、そんなゴミを見るような目で見るな。
取り敢えず工房の四角い建物は小さな四角い塊で形成されていて、形を自由に変えて色んな道具になるらしい。物体もコピー出来るとか………実は俺、あんま使用したこと無いけどクリエイトっていう無属性魔法持ってるんだよなぁ。アナライズ使えばコピー出来るし、ぶっちゃけここ要らなかったな。
因みにクリエイトの使い手はかなりの魔力量の持ち主で、他の属性も持ちしかもエンチャントを持っていて魔剣を創ったりモアイみたいな巨大な顔面の像を落としてきたりと厄介な相手だった。アナライズ使いは魔力量は少ないが戦闘の癖を見抜かれたり俺自身が知らない、ダメージが回復しきっていなかった場所を的確につく格闘家だった。こいつも厄介極まりなかったな。
この二人は取り敢えず殺すことなく腕と足の一部をそれぞれ喰った。レア物だからとても美味かったが、彼処まで努力で強くなった奴見ると殺したくなくなるんだよな。だって、素直に尊敬するし……。
「取り敢えずベルファストに持って帰るか。移動させろ」
「了解でありまス!あ、そうだ……ここではフレームギアも造っていたりしましたが、残念ながら今はないのでありまス」
「フレームギア?」
「フレイズとの決戦兵器でありまス。世界の危機に博士が立ち上がり………使う前に消えまシた」
世界の危機?あれが?
先程のマンタを思い出し首を傾げる。あんなのが数万現れたところで、危機となるのは生命だけだろ。世界の危機ってのは、もっとこう……
「どうしたの?」
昔のことを思い出していると首を傾げた俺を不思議に思ったのかリーンが声をかけのぞき込んできた。
「………世界の危機って聞いて、前の世界を思い出したんだよ」
「ああ、貴方の言う前世のことね。そういえば、私貴方の死因を聞いてなかったわ」
「大地が揺れ砕け、空が燃え、ガハハと笑いながらおっさんが腕を振るい全てが吹き飛んでって……何だったんだろうなあれ?今まで相手してきた妖怪共とは比べ物にならない力を感じたが………俺の世界どうなったんだろ?みんな無事かね?」
「妖怪?」
「ああ、俺の神社、妖怪退治が生業だから……妖怪ってのは魔物みてぇな奴らで、退治した後魂が転生しないように食うことが出来る一族なんだってよ俺等……はぁ、親父生きてるかな?後四年しか生きられなかったのにあんな理不尽で死ぬとか冗談じゃねーぞ」
まああれだけ破壊された世界だと住むのも大変そうだが、親父なら生きてる限り上手くやるだろう。生きてさえいてくれれば、な……。
「取り敢えず冬夜達に今回の勝負に勝った事を………今回の勝負
「りょーかい」
トーマが上代刀磨だった時代に少し触れる
日本人ですが冬夜とはまた違った世界の住人だったわけですね
トーマの世界に妖怪が居たものトーマが転生したのも喰えば喰うほど強くなる力を持ってるものだいたい全部神って奴等が悪いんだよ!