改心、そして更生へ   作:HAY

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2話目です。


斑目編

「これは一体……?」

 

 刑務所の自分の独房で、斑目は窓から見える景色が異様なことに気付いた。

 

『風景画にでもすれば、面白いかもな……』

 

「⁈」

 

 後ろから声が聞こえ、振り返るともう1人の斑目がいる。

 

「お前は……誰だ?」

 

『ワシはお前だよ。天才画家のな………』

 

「天才画家……?何を言っている?ワシの作品は全て弟子たちの盗作で………」

 

『そうだ。その弟子たちこそがお前の作品だ。たくさん飾っていただろ』

 

「何を言って……うっ⁈」

 

 

 

 

—————有終の美くらい……せめて自分の作品で飾れ

 

 

 

 

「……祐介………」

 

『アイツの才能は本物だったな』

 

「ああ、ワシなんか足元にも及ばないほどにな………」

 

『アイツが羨ましいか?』

 

「当然だ……。アイツだけじゃない、ワシの弟子たち、全員が羨ましいさ………」

 

『そうだ。お前の弟子たちはみな、素晴らしい芸術家だ』

 

「ワシも……本当なら、自分の才能と絵で世に出たかった………」

 

『だが世の中は上手く渡った者が勝つ。お前は絵画では何も得られず、惨めだった』

 

「そして盗作に走った……。何人もの弟子を育てては、潰してきた………」

 

『全く……あの時に自分の才能と作品の価値に気付いていれば、怪盗団に狙われることもなかったろうに………」

 

「……?才能?価値?」

 

『才能があったとしても、開花できる奴が何人いる?あれだけたくさんの作品を作ったのは……間違いなくお前だ。』

 

「?…………⁈ワシの弟子たちは……ワシの作品………」

 

『そう、お前が作り上げた。お前が……完成させた。お前には、その才能があった』

 

「ワシは……ワシの作品(弟子)を誇れば良かった……?ワシの作品(弟子)たちが成功したことを………」

 

『だがお前は、画家としての成功にこだわり、盗作に走った。皮肉なものだな。お前の才能と作品の価値を、一番理解していなかったのが、お前自身だったとは』

 

「あ、あああ………」

 

《絶対に……絶対に………》

 

「?」

 

《……世界を奪い取る!》

 

「祐介………」

 

『アイツがなぜ、神に歯向かっているか、わかるか?』

 

「アイツのことだ……神の作ろうとしている世界が、アイツの美学に反するから……美しく、塗り替えようとしてるのだろう?」

 

『やはり腐っても師であり、育ての親であっただけはあるな』

 

「何を言う、ワシのどこが師だ……どこが親だ………」

 

『あんな子供から、なぜサユリのことがバレるだなど考えた?母親ごと始末すれば良かったのではないか?』

 

「…………」

 

『あばら屋での日々を、お前は本当に常に仮面を被って過ごしていたのか?』

 

「分からん……もう分からんよ………」

 

『……そう言えばアイツ、さっき牢獄の前で、ワシのことを先生と言いかけたぞ」

 

「え……?」

 

『許すつもりはいないが、憎み切れてもいない、といったところか………』

 

「そうか………」

 

『…………』

 

「弟子が作品なら、教育もまた芸術だったはず……。そんな着想が浮かばん奴が……画家になどなれるはずがないな」

 

『…………』

 

「祐介の言う通りだ。せめて最後くらい、自分で飾らんとな。いい加減、他人に頼って、他人の評価にこだわるのは止めるか」

 

カッ!

 

 その瞬間、シャドウ斑目の姿が変わる。

 ベレー帽を被り、画材道具を両手に抱え、所々絵の具で汚れた服を着たその姿は、まさに芸術家そのもの。

 

「祐介……ワシが言えた義理ではないが、必ず見せてくれ。お前が神に歯向かってまで求めた……美しい世界を……。お前の……最高傑作を!」




思えば祐介とのコミュイベントで、斑目と祐介の関係を見たのが、この作品を作るきっかけになったのかもしれません。
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