気がつくと、どういうわけかベッドに横になっていた。
視界には、白い天井だけが見える。
知らぬ間に着替えさせられているようで、着ている服は軍服では無かった。ふわふわした触感のよく見たことのある入院服だ。
はて? ……どうして、こうなったんだ?
記憶を辿ろうとすると、頭が突然刺すように痛み、思考が停止させられる。
不知火と出会ったことだけは間違いないんだけれど、彼女の後ろ姿を見た後の記憶が無くなっている。
彼女を行かすまいとしてして、彼女を怒らせた記憶だけはある。……その後、何かあったんだろうか?
「お目覚めになりましたか? 」
すぐ側でささやくような声がした。
驚いて声のした方を見ると、息がかかるくらいの近くに三笠の顔があった。
「うわっ」っと驚いて思わず声を上げてしまった。
冷泉のベッドの枕元に彼女がいたのだ。
しかも、彼女は身を乗り出し、冷泉の顔をのぞき込むようにしていた。
艦娘は全員が全員、当たり前のように容姿が整っている。それもかなり高次元の造形でだ。
艦娘によっていろいろ個性的ではあるけれど、どの艦娘も人間の女性と比べて飛び抜けて美形となっている。それは艦娘という生物がもともと持った特性なのか、それとも後天的に作られたものなのか、冷泉には分からない。そもそも、彼女たちがどんな存在であるかが知られていないのだから、見当もつかない。……当然か。
冷泉の知る知識では、艦娘と呼ばれる者やその関係者の中で、最上位の権限者だと思われるのが三笠という艦娘である。その彼女は美形揃いの艦娘の中でも彼女の地位と同様に、最上位の美しさを持つ艦娘と言われていし、冷泉も思っている。何度か会っているし、話もしての感想だ。
彼女の眩いというか圧倒される美しさには目を奪われてしまうのは事実だ。そう思ってしまうのは、彼女が艦娘と呼ばれる存在のトップに立つという立場的なものも理由の一つだろうけれど。
ただその美しさの裏にある何か、はっきり言えばあまり良い意味で無いもの……が感じられるので、美しい外見とは違うものを彼女は隠し持っているのだろうと考えている。
冷泉はその裏にあるものを実際にいくつか垣間見た。それはあくまで氷山の一角でしかなくて、もっともっとあるのだろうなと思っている。故に、怖いしあまり得意な艦娘ではない。
彼女の瞳は相手の心の奥底まで見通し、その美しい笑顔の裏で誰かを陥れるための邪悪な企みを考え続けている……。そんなイメージしかもっていない。
三笠は、あたふた驚く冷泉を面白そうに見ている。凝視しているといってもいいくらい。その瞳に晒されることで観察される動物の気分になってしまう。
けれど、何も知らない人間だったらこんな彼女に見つめられたら恥ずかしくて、顔を赤らめて照れてしまうだろう。けれど、彼女の本質をわずかでも知っている状況では、ただただ嫌な感じがするだけだ。
「俺は、一体……どうしてこんなことに」
「大変だったんですよ、提督。約束の時間になったっていうのに、いつまでたってもいらっしゃらなかったんですから。速吸の話では駅まではちゃんと連れてきたし、どうやら係の者がちゃんと連れてきたというのは分かったんですけど。で、探させたら、こちらの廊下で倒れてたんですよ」
どうやら、不知火と会った後、倒れて気を失っていたらしい。
「床一面血の海になっていて、血溜まりの中に倒れた提督を発見した者はずいぶんと驚いていたそうです。ですので、着替えさせてもらいました。もちろん、血で汚れた体も綺麗にさせていますよ」
と、クスクスと愉快そうに笑う。何がおかしいんだ?
「なんで俺は倒れていたんだろう。俺は不知火に会って、彼女と話して、そして……」
「不知火と会ったんですか? なるほど……轟沈したはずの不知火に出会ったことで、動揺してしまったのかもしれませんね。提督kには……術後にお話したと思うんですけど、肉体にも心にも負荷をかけるような事は極力避けるようにって言ったはずですよ」
不知火と冷泉が出会ったことを知っているはずなのに、あえて知らないような顔をして
言う。むしろ、わざと二人が会うように仕向けたとしか思えないのに。
「司令官の立場では、肉体的精神的負荷から逃れることなんてできないよ。おまけに軍警に拉致されて取り調べを受けたりしていたからね。そりゃあ不調を来しても仕方ないよな」
「お渡しした鎮痛剤は利きましたか? 軍に捕らえられたと聞いてからは、速吸を行かせてもう少し効果の高いものをお渡ししましたけれど、大丈夫でしたでしょうか? 」
「ああ、薬には本当に世話になったよ。普通に暮らしていても耐えられない程の痛みを押さえ込む事ができたからね。薬の沈痛作用があったからこそ軍警の拷問を受けても耐え抜くことができたよ。いや、感謝してます。……副作用さえなければ……ね」
あえてイヤミっぽく言ったつもりだったが、彼女はなんとも思っていないようだ。
三笠にもらった薬は痛みを抑えこむために別の種類の痛みをもたらすという、嫌がらせのような薬だった。
そして、冷泉に施された治療自体が完治できるものでなく対症療法でしかなかったわけで、治療したところで別のどこかが破壊されるというものでしかなかったようだ。当然、痛み止めで与えらた薬も同じものであったようで、どこかの痛み押さえることができたとしても、その代わり違うどこかが痛み出すというものだった。おまけに効果が切れたら痛みが無くても、更なる激痛をもたらすという最悪のものだ。そして、一度目より二度目、二度目より三度目と摂取するたびに効果時間が短くなり、量を求めるというものだった。
それに気付いた時には、すでに手遅れだったわけなのだが。
せめてもの救いは、取り調べに伴う拷問に耐えることができたのだから、その一点にのみ良かったというべきか?
「ふふふ……良薬口に苦しといいますからね。効果の高い薬には、それなりの副作用があるものです。それをご承知の上で、承諾されたと思っていたのですよ、私は。もちろん、手術を施術したのだって強制したのではなく、あなたの強い強い希望があったからですよ。お忘れになりましたか? 」
「……背に腹は代えられないとはいっても、はたして手術を受ける前よりマシになったのか……今となっては分からないけどね。後悔していないといえば、おそらく嘘になるんだろうけど」
と、少し憎々しげに三笠を見る。
「あらあら、酷い言いようですね。私は、あなたのことを思って治療をお勧めしたんですよ。そんな風に責められたら、私、辛くなってしまいます。私としては、本当に善意で言ったのに、辛いです。酷いです」
「善意……ね。良い面だけしか説明せず、その問題点については何も言ってくれなかったと思うけれど」
「それは、あなたが聞かなかったからで、問われればきちんと説明をしたんですよ。けれど、あなたは随分とお急ぎだったようで、私の話をちゃんと聞いてくださらなかったですもの。とにかく早く治してくれと余りにも急かすものですから、その迫力に圧倒されてしまいました……」
嘘かホントか困惑したような表情をしてみせるが、それが上っ面だけであることは冷泉にも分かる。
「状況が良くなったか悪くなったかはなんともいえないから、これ以上文句を言うつもりはないよ。結局、選択したのは俺自身なんだからな。様々な問題点はあるけれど、自分のことは自分でできるようになっただけマシだ」
現状での判断で有り、今後、自分の体がどうなるかは分からないけれども、生活するに誰かの手を借りなければ生きていけないということから逃れられたのだから、その一点だけでいえば手術は間違いではなかったのだろう。
「済んでしまったことはもういいよ。そんなことより、不知火は? 」
現状の理解はまだおぼつかないが、それよりも気になった事を問う。
不知火と話したことを復唱するかのように三笠に伝えた。
「そうですね、彼女は呉鎮守府へ着任すべく、もうすでに出港態勢に入っているでしょう。護衛を伴い、まもなくこちらを出ると思いますが、それがどうかしましたか? 」
「お願いだ。その命令を取り消してくれ。そして、彼女を俺の……いや、舞鶴鎮守府所属とするようにしてくれ」
艦娘の所属を決めるのは軍である。三笠に言ったところでどうなるかは分からない。更に冷泉は現状、鎮守府司令官の地位には無い。人事権に口出しする権限など無い。けれど、彼女の行く末を案じた上での願いだった。
「それはどうしてです? 」
「あなたも知っているだろう? あの呉の提督の性癖を。たとえ今は部下でないとはいえ、艦娘を慰み物にするような奴のところにあいつを行かせるわけにはいかない。俺に艦娘の人事に口出しするような権限が無い事など分かっている。けれど、自分の部下だった艦娘が不幸になると分かっているのに何もしないわけにはいかない。……どうか、あなたの力で彼女の人事を止めて欲しい」
「クスクス……クスクス」
と、突然、三笠は嗤う。
「な、……何がおかしい? 」
「すみません、あまりにあなたが変な事をいうものですから」
「変な事は何も言ってない。スケベ爺にいいようにされるなんて許せないんだ」
「ふふふ。不知火の事が大好きだったんですね、提督は。けれど……そんなに大好きな大好きな彼女を裏切り者に奪われたのに何もせず、目の前に現れたというのに救うことすらできず、それどころか見殺しにしたというのに……ね。言い方は悪いですが、まずは何もできずに彼女たちを守れなかったその無能を悔いるべきでしょう」
冷たく責めるような口調の三笠に何も反論ができなかった。
もっと部下に目を配らせておけば鎮守府に入り込んだ敵の暗躍を見逃さなかったかもしれない。少なくとも裏切りを阻止することができたかもしれない。扶桑たちと戦闘になった時だって、うまくやって説得できたかもしれないし、捕らえることができたかもしれない。けれど、結局は不知火を死なせ、扶桑も死なせてしまった。その事実は消すことはできない。
「冷泉提督がもう少し有能であれば、あの子たちを日本国から裏切らせるような勢力の侵入を許さなかったでしょうし、彼女たちを救うこともできたかもしれませんね。もっとも、あなたにもいろいろ言いたいことはあるかもしれませんが、結果としてあなたは不知火を守ることができなかった。ただ裏切り者として見殺しにすることしかできなかったのです。そんなあなたが不知火を守るからよその鎮守府に行かせるなと言うのですか? 呉に行けば不幸になる? そもそもあなたの言うことについて、具体的な証拠でもあるのですか? 噂などという曖昧なものだけで証拠もなくよその提督を批判しているわけではないですよね」
「いや、それは」
と、しどろもどろになることしかできない冷泉。
「そもそも、呉鎮守府への異動は、軍の命令では無く不知火の希望なのですよ。不知火と話たことでご存じだと思いますが、沈んだ艦娘の記憶は初期化されます。まっさらな状態の不知火がいくつもある鎮守府の中で自分が属するべき鎮守府を選んだのです。それまでいた舞鶴鎮守府では無く……。普通は、元々いた鎮守府を選ぶ娘が多いんですけどね」
三笠のその言葉が冷泉の胸に深く突き刺さる。記憶は無いはずなのに、本能的に不知火は冷泉を避けたというのか。
「艦娘は自分の運命は自分で選ぶのです。冷たいようですが、仮に提督の仰るようなことがあったとしても、それは彼女の選んだ運命です。そもそも、艦娘は所属する鎮守府の提督の指揮下に入るわけですから、身も心も上司たる提督に捧げているわけです。つまり、そういった男と女の関係になることも、提督の意思であれば艦娘は従うものです。それは彼女の意思でもあるのですから。それは冷泉提督も実体験として……えっと」
唐突に三笠は口ごもった。何故か動揺したような態度を示したかと思うと、不可解なものを見るような目をした。
「何か気になることでもあったのか」
三笠の叱責に精神的に参っていた冷泉は、その変化に戸惑う。
「いえ、まさか冷泉提督は舞鶴の艦娘に、その……手を、手を出したりしてはないのですか? 」
「そ、そんなことするわけ無い」
顔を赤らめて慌てて否定する冷泉に、三笠は哀れみの表情を向ける。
「どうしてなのですか? 」
「そ、そんなことできるわけない。彼女たちには彼女の意思がある。好きでも無い男にそんなことさせられるわけないだろう! 司令官にそんな権限があったとしたって、俺にはそんな命令できるわけない」
「戦場では司令官の命令は絶対でしょう? 死ねと言われれば艦娘は喜んでその命を捧げるでしょう。そんな覚悟ができている彼女たちであれば、司令官に体を差し出すことなど造作もないことでしょう? 」
「そんなのできるわけない」
そう否定するしかできない。
「あらあら、あなたの部下の艦娘には、女としての魅力は無かったのでしょうか? みんな可愛い子ばかりだし、世の殿方なら皆、興味を持たないはずはないのですが。提督は、ああいった子たちはお嫌いですか? 彼女たちを見ても何も感じないのですか」
何故か済まなさそうに三笠が反応する。
「そんなことはないよ。みんなとても可愛いし、そ、そういった関係になれたらと思わないといえば嘘になる」
馬鹿正直につい本当のことを冷泉は口走り、言った後で後悔する。
「いや、あくまで仮定の話でだ」
「まあ、興味を持ってくれていたんだったら良かったです。……だったらそういった関係になればいいではないですか。舞鶴の艦娘たちもあなたの事を大好きなはずですよ。少なくとも、そういった鎮守府内の上下関係関係なしに、あなたのことを好いている艦娘は結構な数いたはずですし、それについては、さすがのあなたもお気づきになっていたでしょう? あなたが誘えば彼女たちも応えてくれるはずでしたのに」
「そんな残念そうに言わないでくれ。たとえ彼女たちが俺のことを好いてくれていたとしても、……それが俺に対しての好意じゃ無いことを知っている……知ってしまった。俺への好意は、俺が舞鶴の司令官になる前に司令官だった男への気持ちなんだから。彼女たちを騙すような……弱みにつけいるようなことなんてできるわけないじゃないか。そんな事したくない。」
思い出す……。
戦時中とはいえ、穏やかだった頃を。艦娘たちとの日常があった頃を。楽しい日々を。
あの頃は常に艦娘という美少女たちに囲まれ、わちゃわちゃと日々を送っていた事があったことを。一部を除き、ほとんどの艦娘が自分に好意を持っていてくれるという驚きと幸せ。感激感動。しかし、それは自身の力によるものでは無く、何らかの内的もしくは外的要因により本来いるべき人間に自分が取って代わったことにより得られている日常であることを。
それに便乗し、その地位から得られる果実を味わうこともできた。それをしたところで責められる要素は無い。むしろそうすべきで有り、それが艦娘たちにとっても幸せであるはずだった。
冷泉にとっても幸せだろうし、そうしたかったし、そうすべきだった……のに。現実で無かったら、絶対にしていた。
けれど、それができなかった。……彼女たちの無邪気な笑顔を見たら、無条件に信頼を寄せる彼女たちを見たら、そんな邪な気持ちを持つこと自体が恥ずかしかった。絶対にしてはならないことだと自分で自分を律してしまったのだ。へたれといえばそれまでだけれど、これだけは絶対に越えてはならない一線だと思ったのだった。
「手を伸ばせば届くものを、自分のものにできるけれど、したくないんだ。それは俺の力ではないし、自身の努力で得たものじゃないからだ。誰かのものであるものを横からくすねるようなものだし、誰かから施されたものだって思えるからだ。そして何より、彼女たちを騙しているようで、できなかった。絶対にしたくなかった」
絞り出すように、うめくように言葉にする冷泉に三笠は何も応えなかった。
「やはり……こんな俺だから、駄目なんだなんだろうか。良かれと思ってしたのに、かえって状況を悪くする運命からは逃れられないのか」
と、関係なく弱音が出てしまう。
しばらく黙っていた三笠が口を開く。
「……まあ、あなたの考え方はよく分かりました。呆れるくらいにお堅いということは理解できました。……たしかに、艦娘たちの中にある前の提督の記憶を上書きしてあなたの存在があるわけですから、横取りしているとか騙しているとかいう気持ちになるのは仕方ないかもしれませんね。そんなこと気にせず、欲望のままに手にすればいいと思いますが、そういった考え方をする人もまれにいるということは理解しています。むしろそんな考え方の人だから、あなたが選ばれたのだと思いますし、私もあなたを選んだんだと思います。もともと舞鶴にいた娘に対するあなたの気持ちは理解できました。……けれど、ここから先は違う話になると思うのですが」
何を言い出すのかと思い、冷泉は警戒する。
「では、あなたが舞鶴鎮守府司令官になった後、あなたの部下になった艦娘についてはどうなのでしょう? 」
「というと? 」
「わかりきったことです。加賀のことですよ。あの子はあなたが舞鶴鎮守府司令官になってからあなたの部下になりましたよね。だから、彼女は記憶を改ざんされたりはしていませんよね。では、あの子に対してはどうなのです」
「加賀がどういう……」
長門はどうなったのかという疑問はあったけれど、この際置いておく。榛名もそうだけれど、彼女も今回の話とは関係なさそうだ。
「あなたは加賀のことをとても気にかけてましたよね。そして、加賀を命がけで助けました。あなたの彼女に対する思いは当然ながら彼女に伝わっているはずです。だからこそ、あんなに拗ねてたのにあなたに心を開きました。彼女の前の上司には心を固く閉ざしていたというのにね。……あなたもお気づきですよね? 」
少しからかうような視線を向けられ、体温が上がるような気がした。
「か、加賀は、いろいろと辛いことがあったようだから気にしていただけだ。特別扱いしているつもりは無いけど、なんといっても鎮守府唯一の正規空母だからな。少しは思うところがあったかもしれない。けど、見ちゃいられなかったんだ。彼女が戦いから逃げ……それどころか生きることさえ拒絶しようとしていた。そんな彼女を助けたかったのは事実だけれど。まあなんとか助けることができて、一応立ち直ってくれたから良かったと思っているけど」
「彼女はあなたの事をどう思っているんでしょうね」
「……余計な事をして死にかかった妙な奴って感じだろうね。全身麻痺になったとき、一生懸命介抱してくれたのも自分のためにこんなになってしまった俺を哀れんだのと、自分のために俺みたいな奴があんな事になってしまったことを気に病んだのと彼女のプライドがそうさせたんだろうなって思っている」
「それだけですか? 」
心を見透かしたような目でこちらを見る三笠を正視できない。
「ああ、わかったよ。恋愛経験の少ない俺でも加賀は俺に対して感謝以上の感情を持ってくれているって思ったよ。あいつは生意気だし偉そうだし気が強いしわがままなところがあるけれど、優しいし強がっているけど実は弱いところがあるし、可愛いところもある。とても気になる子だ。俺はあいつのことを好きなんだと思う。そして、あいつも俺のことを……俺のことを、上官としてではなく一人の男として結構気にしてくれているし、たぶん好いてくれているんだって思ってる。実際はわからないけれど、そうであればいいなって思っているよ」
映画やドラマであるならば、二人の関係性を客観的に見たとしたらきっとそうなのだろう。
けれど、俺は知っている。
現実はそうならない。
いや、俺についてだけの現実はそんなことにはならない。