「母様!兄様!ナナリー!」
花畑にいる一人の女性と二人の子供を呼ぶ子供の声が聞こえ、またこの夢かと思った。
子供は駆け寄ろうとして転びそうになるが、子供の兄が受け止めたことで転ぶことはなかった。
「全くお前は相変わらずそそっかしいな。」
子供を受け止めた兄は弟の落ち着きのなさに呆れていた。
「ふふ、でもこの子らしいからいいじゃない。」
「お母様の言う通りですよお兄様。」
そんな子供を母と妹は楽しそうに微笑えんでいた。
この時間が何時迄も続いて欲しいと幼い頃は願っていた。
だが、子供のそんな願いは叶うことはなかった。
次に見たのは兄の部屋で雑談する兄と子供の姿だった。
何気なく話していると、突然部屋の扉が開かれ1人の警備官が入ってきた。
「何だお前は!皇族の部屋に無断で入るとは無礼だぞ!」
入ってきた警備官を兄が叱責するが、警備官はそれどころではないという様子だった。
「大変です殿下!マリアンヌ王妃が!ナナリー殿下が!」
警備官のそのあとの言葉に兄と子供は受け止めることができなかった。
そして、警備官に連れられ兄と子供が向かった先に目にしたのは、血塗れで倒れる母とその母に抱かれている妹だった。
そこで夢は終わり少年は目を開けた。
「また、この夢か。」
何度も何度も見るこの夢は幼き頃の楽しかったあの時間に戻りたいのか、それともあの忌まわしい惨劇を忘れさせないために見せているのか少年には分からなかった。
あの後、何故か自分だけは本国に残され、兄と妹は異国の地に外交のカードとして送られた。
そして、本国で二人の帰りを待つ自分に、二人が戦争で亡くなったと知らされた。
それから時が経ち、成長した少年はあの忌まわしい惨劇を知るためにある場所に赴いていた。
「そろそろか。」
気持ちを切り替えないといけないと思い外を見ると、そこには目的地と思われる場所が見えた。
「ここが、エリア11・・・か。」
軍用機の中から少年が呟いたこのエリア11は、かつてはサクラダイトというレアメタルを多く産出する経済国だった。
しかし、日本は宣戦布告した神聖ブリタニア帝国に呆気なく敗北し、日本はエリア11と名を変えられ原住民である日本人もイレヴンと名を変えることになった。
そして、この異国の地であるエリア11で少年は大切な家族を失ったのである。
少年の名はサフィール・ヴィ・ブリタニア、マリアンヌ王妃の次子にして第20皇位継承者であり第12皇子である。
大切な家族を失ったこの地にサフィールは足を踏み入れる。
サフィールのブラックリベリオンの分岐点
-
カレン達と共に国外に逃亡
-
V.V.にナナリーと共に連れ去られる