ポイント9に到着したサフィールはすぐさまコーネリアを助けるために、紅いKMFに向かってアサルトライフルを撃ちながら突貫した。
「うぉぉぉぉ!」
こちらに気づいた紅いKMFは撃ってくる弾丸を全て避け、少しだけ後ろに下がり距離をとった。
「まさか、サフィールなのか?」
「無事ですか姉様!」
コーネリアのグロースターを庇うように前に出た。
「何をしてるんだ馬鹿者!」
「なっ!」
助けに来て叱責されたことにサフィールは驚いていた。
「何故来たんだ?」
「フフッ。」
「どうして笑う?」
何故という言葉にサフィールはおかしく笑ってしまった。
「大切な家族を助けることに理由が要りますか?」
サフィールの言葉にコーネリアは言葉を失った。
「全く飛んだ馬鹿者だ。」
そう言いながらもコーネリアは嬉しそうであった。
「(とはいえあの紅い奴がいる限りは・・・)」
威勢良く言ったものの、紅いKMFと自分の腕前では到底勝つ事は出来ないためサフィールは内心焦っていた。
一方、ゼロことルルーシュは驚くと同時に喜んでいた。
「まさかあいつが来るとはな。」
こちらに向かってくるグロースターを確認してまさか親衛隊かと思ったが、そのグロースターは親衛隊の機体ではなく純血派の中にいたグロースターだった。
当然、その機体に乗っているパイロットもすぐに見当はついた。
「サフィール・・・」
ナナリーと同じように自分にとって大切な弟だ。
ルルーシュはサフィールをどうにかして自分の手元に置きたいと考えていたが、サフィールがブリタニア側に立っている限りそう簡単にはいかないと考えていた。
だが、今の状況ならコーネリアと一緒に捕らえることが出来るかもしれない。
いや出来るとルルーシュは確信していた。
「ゼロどうしますか?」
紅蓮弐式のパイロットである紅月カレンから指示を求められ、意識を目の前の状況に向ける。
「カレン、あのグロースターも破壊せずに鹵獲しろ。」
「えっ!ですが?」
「何か不満が?」
「い、いえわかりました。」
もう一機のグロースターを鹵獲する理由わからないカレンにどうにか納得してもらい、これで自分の勝利は確定だと思いルルーシュは笑みを浮かべていた。
短剣を構えた紅蓮が動き出し、サフィールはアサルトライフルで迎撃するも弾丸はカスリもしなかった。
「くっ!」
一瞬で接近した紅蓮は短剣でアサルトライフルを弾き飛ばし、サフィールはすぐさま片手に持っているランスでなぎ払おうとするもあの右腕に掴まれてしまった。
「やばい!」
咄嗟にランスを手放し距離を取ろうとしたが、紅蓮はコックピットに短剣を突きつけていた。
「さて君にも投降してもらおうかサフィール?」
上からゼロがコーネリアと同じように降伏勧告してきた。
「くそっ!」
やはり自分ではこの状況を覆すことは出来ないことに歯がゆい気持ちだった時、突然地面が揺れだした。
「これは?」
突然の揺れに驚いていると何かが近くの壁を破壊し、土煙が溢れる中白いKMFランスロットが颯爽と現れた。
「ランスロット!スザクなのか!」
「総督!サフィール殿下無事ですか!救援に参りました!」
「特派だと!誰の許しで?」
「もしかして・・・ユフィ姉様?」
参謀たちでは絶対にスザクに出撃許可を出すとは思えず、友人であるユーフェミアが許可したとしか思えない。
一方、現れたランスロットを見たルルーシュは憤っていた。
「ええい!あと一歩のところを!」
状況は確実にこちらの勝利であったが、目の前に現れたランスロットによってそれが狂わされたである。
「紅蓮弐式は白兜を破壊しろ!こいつの突破力は邪魔だ!」
「はい!」
指示を受けたカレンもシンジュクでの借りを返すため燃えていた。
ランスロットは向かってくる紅蓮を蹴りつけるが、紅蓮は右腕でサンドボードを掴み輻射波動を照射した。
スザクは膨張するサンドボードを見てすぐさまサンドボードをパージした。
「そちらは任せた!こちらはゼロを叩く!いくぞサフィール!」
「はい!」
自分達では紅蓮をどうすることもできないので、スザクに紅蓮を抑えてもらいサフィール達はゼロを叩くことにした。
コーネリアはスラッシュハーケンで攻撃し、サフィールは手放したランスを拾い突貫した。
ゼロ達は弾幕を張りながら後退していくが、コーネリアは軽々と避けサフィールはランスを盾にしながら接近していく。
「はぁぁぁ!」
サフィールはゼロの無頼にランスを振り下ろし、ゼロはギリギリ回避するが左腕を破損してしまった。
少しずつゼロを追い詰める中、ランスロットと紅蓮の戦いは紅蓮が崖から落ちたことで中断された。
二機の無頼は紅蓮の後を追って崖を降り、ゼロはスラッシューハーケンを崖に向かって撃って崖を登り後退し始めた。
そして、コーネリアのグロースターが膝をつきサフィールはすぐに近くに寄る。
「姉様、大丈夫ですか?」
「心配するなエナジーフィラーが尽きただけだ。」
「総督!」
スザクのランスロットも近くに寄ってきた。
「お前はゼロを追え!」
「しかし・・・」
「エナジーフィラーが尽きただけだ!行け!」
「はい!」
ランスロットは飛び上がってゼロの後を追い始めた。
それを見送るサフィールは弾かれたアサルトライフルを拾うと、崖にスラッシュハーケンを打ち崖を登り始めた。
「何をしているサフィール!」
「すいません姉様!ゼロには聞きたいことがあるんです!」
コーネリアの制止の声を聞かずにサフィールはゼロの後を追い始めた。
ランスロットが向かった方向に進んでいくと、そこにはヴァリスを構えるランスロットとそのランスロットに触れる緑色の髪の少女とゼロがいた。
「あの少女は一体?」
緑色の髪の少女が一体何者なのかと考えていると、ランスロットがヴァリスを乱射し始めた。
「スザク!」
どう見ても正気じゃないスザクに驚いていると、乱射しているヴァリスの銃口ががこちらに向いた。
「えっ?」
ヴァリスはこちらに向かって撃たれ、グロースターの右脚に命中した。
「スザク・・・そんな!」
スザクが自分を撃ったことを信じられず、右脚を撃たれたグロースターは前へと崩れ落ち倒れた。
「うぁっ!」
そして、サフィールは機体を支えることを忘れたせいで、モニターに頭をぶつけてしまい気絶してしまった。
近くで倒れるグロースターを見つけたルルーシュは意識を失ったC.C.を抱え、急いで駆け寄った。
C.C.にショックイメージを見せられていた白兜は乱射した後、何処かに行き今はこの場にいない。
ルルーシュはグロースターのコックピットを開くと、そこには頭を打ったのか気絶しているサフィールがいた。
「サフィール!」
気絶しているサフィールの肩を掴んで呼ぶが目覚める気配がない。
「くそっ!」
それからルルーシュは力を振り絞って二人を近くの洞窟に運び込んだ。
ルルーシュが二人を洞窟に運び込んでいる頃、撤退したブリタニア軍は慌ただしかった。
ゼロを追ったサフィールが行方不明になったのだ。
「サフィールはまだ見つからないのか?」
「はい。全力で捜索しているのですが、人手が足りなく未だに発見出来ず。」
「ちっ!」
あの時の山崩れやその後の戦闘により多くの将兵が亡くなり、今では怪我人の手当や生存者の確認など人手が足りない状況である。
「やはりあの時止めるべきだったか。」
無理矢理にでも止めることができたらと考えてもすでに遅い話である。
それでも自分も危険だったにも関わらず助けに来た時、内心嬉しくコーネリアは感じていた。
「必ず、必ずお前を見つけるからな・・・サフィ。」
だから、何が何でも大切な弟を見つけ出すと決意した。
「(ここ・・・は?)」
少し寒く感じコックピットの中ではなく外にいることがわかった。
「(誰か・・・いる?)」
話し声が聞こえ薄っすらと目を開けると、サフィールの目に映ったのは亡くなったと思われる兄の面影がある思わしき少年の顔だった。
「兄・・・様?」
「気がついたのかサフィール!」
サフィールの声に反応してルルーシュは近づき、意識を戻したサフィールは目の前にいる人物がルルーシュだと気づくと彼に抱きついた。
「兄様!生きてた!兄様〜!」
生きていることが嬉しいのかサフィールは泣き出した。
その様子にルルーシュは相変わらずだと思い、C.C.は兄と同じようにとんだブラコンだなと思った。
しばらく泣いた後、サフィールはルルーシュの服装を見てあることに気づいた。
「もしかして、兄様が・・・ゼロ・・・なの?」
流石にこの状況では隠し切れない、いやあの力を使えば隠し通せられるが大切な弟には使いたくはなかった。
「ああそうだ。俺がゼロだ。」
あっさりと認める兄にサフィールは何を言えばいいかわからなかった。
「どうして?」
「ん?」
「どうして兄様は戦うの?」
「どうして・・・か。」
サフィールには兄が戦う理由がわからなかった。
「それを聞いてどうする?」
「僕は・・・それが正しいのか見極めたい。」
サフィールは兄がやろうとしていることが正しいのか見極めると同時に、ルルーシュと離れ離れになりたくなかった。
はっきりと言う弟に自分が見ない間に成長したことに嬉しく思った。
「なら俺についてくるのか?」
「うん。」
何の問題なく頷く弟にルルーシュはやれやれと呆れていた。
「お前、皇族が簡単にテロリストになるって言うか。」
「でも、それを言うなら兄様もでしょ。」
サフィールの言う通りでありルルーシュは何も言えなくなった。
「おい!それでどうするんだ?」
「ん?ああ、連絡して迎えにきてもらうしかないか。」
C.C.の声にルルーシュは騎士団に連絡を取り始めた。
「ええっと初めまして、サフィールです。貴女は一体?」
「私はC.C.だ。そうだな、ルルーシュとは将来を誓い合った仲だ。」
C.C.のとんでもない発言にサフィールは呆けてしまっていた。
「おい!でたらめを言うな!」
騎士団に連絡を終えたルルーシュがC.C.に反論していた。
「兄様とC.C.さんはそんな関係だったんですね!」
「違うサフィール!こいつの言うことを信じるな!」
「え、でも?」
「酷い男だ。」
「いい加減にしろC.C.!」
それから迎えが来る間、三人は何事もなく雑談していた。
そして、迎えがきたらしく誰かが走ってくる足音が聞こえた。
「お迎えが来たようだな。」
すでにルルーシュは仮面を被りなおし、サフィールとC.C.はルルーシュの後ろに立った。
走ってきたのはカレンだった。
「ゼロ!大丈夫ですか?他のメンバーは先に・・・誰!」
後ろにいるサフィール達を見ると、すぐさま警戒しだした。
「ああ、心配しなくていい。彼等は私の大切な仲間だ。」
「え?」
「C.C.、私は雪がどうして白いのかは知らない。しかし、白い雪は綺麗だと思う。私は・・・嫌いではない。」
「・・・そうか。」
二人の会話にサフィールは自分が気絶している間に何を話していたのかが気になった。
その後、サフィールはルルーシュと共に黒の騎士団に合流することになった。
サフィールのブラックリベリオンの分岐点
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カレン達と共に国外に逃亡
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V.V.にナナリーと共に連れ去られる