それから褐色肌の女性ヴィレッタから現在所属している純血派の騎士達を呼び出してもらった。
集まった純血派の騎士達の数は少なく、ジェレミアの失脚から純血派に未来は無いと見限った者達が離れていったようだ。
だが、それでも純血派として成り立っているのはヴィレッタとキューエルという男性が纏めているおかげだろう。
突然呼び出された騎士達は何故呼び出されたのか分からず、部屋にいるサフィールを怪しげにチラチラと見ていた。
「初めまして皆さん、今日より純血派の指揮を任されたサフィール・ヴィ・ブリタニアです。」
サフィールが自己紹介した途端、室内は皇族が指揮官になる事に騒がしくなった。
「ええい!静かにしないか!殿下の御前だぞ!」
ジェレミアが叱責するも静かにはならなかった。
とはいえ今のジェレミアが言っても素直に聞くとは思えなかった。
現在落ち目の純血派に皇族が指揮官になった事がとても衝撃的なようだ。
「突然のことで驚いているのは分かりますが、私が貴方達の指揮をする事は変わりません。これからは私の命令に従ってもらいます。話は以上です。」
そう言うと騎士達も少しずつ落ち着きだし、室内を退室し残ったのはサフィールと幹部であるジェレミアとヴィレッタにおそらくキューエルと思われる男性は残った
「さて、キューエル卿、突然のことで驚きましたか?」
「い、いえ!そのようなことは!」
「無理に畏まらないでください。皇族とはいえ私は総督のように優れた武力や智慧を持っているわけではないですから。」
姉であるコーネリアを思い出して比べてしまい、苦笑しながら自虐してしまった。
「そんな!殿下には素晴らしい才能は必ずあります!」
ジェレミアが励まそうと言うが、それでも自分と兄と姉には差があるのは事実である。
「あはは、ありがとうジェレミア。すまないがヴィレッタ卿、キューエル卿、ジェレミアと話したいことがあるから。」
話したいことがあると言葉を察したのか二人は急いで室内を退室した。
「さて、ジェレミア、母様が賊によって殺された日の事で聞きたいことがあります。」
「あの日の事は今でも覚えています。」
「そうですか。あの時のことを調べても詳しい記録はありませんでした。だから、あの時何かおかしな事はありましたか?」
「あの日、初任務でマリアンヌ様の護衛を任された時おかしな事と言えば、何故か警護隊がいなかったことかと。」
「警護隊がいない?」
ジェレミアの言葉にサフィールはどういうことだと思った。
「ジェレミアはその時の警護担当を覚えていますか?」
「あの時の警護担当は確か・・・コーネリア総督だったはずです。」
「姉様が?」
コーネリアが警護担当と聞き一体どういうことだと思った。
コーネリアは母であるマリアンヌを今でも敬愛しており、あの日の警備隊を外すとは到底思えない。
「今ここで考えても仕方ないか。」
今すぐにでも聞きにいきたい衝動に駆られるが、答えてくれるか分からずはぐらかされる可能性もあるため今は待つことにした。
「それじゃあジェレミア、ゼロとの一件では何があったの?」
ジェレミアにとってはあの一件は思い出したくないことかもしれないが、何が起こったのかは本人から聞くのが一番だ。
「あの一件に関しては、あまり・・・覚えていないんです。」
「覚えていない?」
ジェレミアの発言にサフィールはどういう事だと首を傾げた。
「ゼロが私に近づいてきてオレンジという言葉を言った途端その後の記憶が無いのです。」
「ふむ。」
サフィールは腕を組み話の続きを聞く。
「気がつけば私はゼロを逃がすどころかその逃走を幇助し、あまつさえ味方に攻撃したという映像が残っていて。ですが私には全く身に覚えがないのです。」
聞けば聞くほどのおかしな話のように感じられる。
目の前の男の忠誠心は会ってわかるが疑いようがないくらい熱く、そんな男がその忠誠心を捨ててテロリストを手助けするとは思えない。
「ジェレミア卿、私は母様に忠誠を誓った貴方の言葉を信じます。」
「おお、殿下が、殿下がこの私の話を信じてくれるとはまことにありがとうございます!」
ジェレミアは再び泣きながらこちらに向かって頭を下げた。
「頭を上げて下さいジェレミア卿。私はゼロを捕まえることで貴方の汚名を返上するつもりです。その為に私に力を貸してくれますか。」
「イエス、ユア・ハイネス!」
ジェレミアはサフィールの前で跪き、目の前の少年に忠誠を誓うのであった。
次回はナリタでの戦いを書く予定です。
サフィールのブラックリベリオンの分岐点
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カレン達と共に国外に逃亡
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V.V.にナナリーと共に連れ去られる