まことに申し訳ありません。
戦闘回であることには変わりありません。
サフィールが純血派の指揮をとることになって数日が経った。
サフィールは純血派の執務室で頭を抱えていた。
「また・・・駄目だった。」
頭を抱えている理由は、純血派が未だに前線に出させてもらえてないからだ。
何度も前線に出させてもらえるように頼んでいるが、未だに許可が下りないのだ。
「はぁ・・・」
「殿下!お気を確かに!」
ジェレミアが励ましの言葉をかけるが、下りない理由がジェレミアであるためどう言えば言いんだろうと思った。
「貴様のせいで許可が下りないんだ!」
だが、キューエルはハッキリとジェレミアが原因だと言ってしまった。
自分のせいだと分かるとジェレミアは泣き出した。
「おぉ、不甲斐ない私のせいで殿下にご迷惑を!」
「ジェレミア卿しっかりして下さい!」
そして、そんなジェレミアをヴィレッタが慰めるというのを最初は驚いたが、何度も見ているためサフィールは慣れてしまっていた。
「とはいえなぁ・・・」
このまま前線に出させてもらわなければ純血派の評判を上げるどころか、自身にどれだけの力量があるか測ることもできない。
そう思っていると執務室の端末が鳴り始めた。
「こちら純潔派の執務室だ。」
ヴィレッタが端末を取って出て対応する。
「それは本当か!」
驚いた声を出したヴィレッタにサフィールや泣いていたジェレミアと苛立っていたキューエルも視線をヴィレッタに向ける。
通信が切ったヴィレッタ端末を置くとこちらに振り返った。
「殿下お喜びください!前線への出撃許可がおりました!」
「それは本当ですかヴィレッタ卿?」
「はい。コーネリア総督の許可も出てます。」
ついに出撃の許可が出たことにサフィールは喜び、ジェレミア達もサフィールと同様の気持ちであった。
「キューエル卿は純血派の全メンバーの召集をお願いします!」
「イエス、ユア・ハイネス!」
「ヴィレッタ卿、それで場所は?」
「はっ!場所はサイタマゲットーです。」
場所を確認するとキューエル卿からの召集で集まった純血派の全メンバーが来た。
「諸君!これより我が純血派は戦場に赴きます。この期に汚名を返上すると同時に純血派の力を見せつけましょう!」
「「「イエス、ユア・ハイネス!」」」
それからサフィール率いる純潔派はコーネリアの率いる正規軍と直属の親衛隊に加えてもらいサイタマゲットーに向かった。
サフィールはG1ベースで指揮を執るコーネリアに呼び出されていた。
「サフィール、お前は今回の作戦をどう見る。」
「今回の作戦は名目はテロリストの殲滅ですが、本命はやはりゼロですか?」
さすがにテロリストの殲滅だけに皇族が度々出る必要はない。
それだけなら軍部の人間の誰かを指揮官に任命して派遣すればいいだけだ。
「そうだ。とはいえこちらの誘いに奴が乗るとも考えられんが。」
サフィールも報告書を見たがゼロは策士と呼んでもおかしくないほどの切れ者であり、今回の作戦に来ないとも考えられる。
「総督、私見でよろしければ発言しても?」
「構わぬ言ってみろ。」
「はい。おそらくですがゼロは来ると思われます。」
来るというサフィールの言葉にコーネリアは探るような視線を向けた。
「ほぅ、その根拠は?」
「ゼロは皇族を殺めたことで注目されてます。もし皇族を狙っているなら今回も食いついてくるはずです。それにこの地区のイレヴンを見捨てれば、ゼロはその程度ということです。」
サフィールの述べた根拠にコーネリアは目の前の異母弟に感心していた。
「なるほど。サフィール、私もゼロは来ると読んでいる。」
「総督もですか。」
「ああ、とはいえお前の考えとは違うがな。」
自分の根拠とは違うという言葉に、サフィールはどんな根拠があるんだろうと気になっていた。
「ゼロは劇場型の犯罪者だ。あのようなタイプは己の力を過信している。」
「なるほど。その過信を逆手に取ると。」
そこまでの分析にサフィールは流石だと思った。
「それでお前はどうする?」
「総督が許可してくれるのであれば、私も出撃するつもりです。」
「お前も出撃すると?」
サフィールも出撃するということに嫌そうな表情をしていた。
「はい。自身の力量がどれほどかを測るには丁度いい機会と思いまして。」
コーネリアは暫く目を閉じて何か考えている様子だった。
「いいだろう。だが、先鋒は任せるがこちらの命令には従ってもらう。」
「わかりました。それでは失礼します姉上。」
指揮所を出たサフィールは格納庫に向かった。
「機体の調整は?」
「すでに完了しております。」
「ご苦労。」
今回の出撃のために用意されたグロースターに搭乗する。
通信チャンネルを設定し純血派と繋げる。
「各機、準備はいいか!」
「全機問題ありません。」
すでに出撃して待機する純血派は準備万端のようだ。
『全軍に告げる!これよりサイタマゲットー壊滅作戦を開始する。全軍第一戦闘配置に移行!』
作戦開始命令が出され、G1ベースからサザーランドが続々と発進する。
サフィールのグロースターも肩とファクトスフィアを赤く塗装した純血派のサザーランドと合流する。
そこから先は蹂躙の一言しかでなかった。
小火器程度の武装のテロリスト相手に苦戦しろという方が無理な話である。
「・・・怨んでくれても構わない。」
そんな中サフィールは小さく呟きながら引き金を引く。
テロリストではない一般人を撃つことに抵抗を感じるが、そこで見逃してしまえばまたテロを起こす可能性がある。
辛く感じながらもサフィールはただ引き金を引いていた。
徐々に包囲網を狭めていたが、突如味方機のシグナルがロストし始めた。
「司令部、何があった?」
『はっ!どうやら敵が我が軍のサザーランドを鹵獲して反撃している模様です。』
司令部からの報告でサフィールはゼロが来たことがわかった。
『それと・・・』
「何だ、まだ何か?」
『コーネリア総督が外縁部まで下がるようにと命令が・・・』
「姉様が?」
総督ではなくつい昔に呼び方になるほどサフィールは驚いていた。
確かに被害は出てるが勝てないというわけではなかった。
それでも命令には従うように言われたため、すぐに行動に移した。
「了解した。全機外縁部まで後退する。」
『イエス、ユア・ハイネス』
それからダールトン将軍が通信でも全部隊に後退するよう命令し始めた。
全部隊が外縁部に集結が完了し、姉様は何を考えているんだと思っていると、直属の騎士であるギルフォードのグロースターと親衛隊グロースターがゲットーへと向かっていた。
それから味方のサザーランドのシグナルが出たが、それを親衛隊のグロースターにより破壊された。
「そういうことか。」
すでに全部隊は後退しているため、あの場にいるのは鹵獲されたサザーランドしかいない。
そのため味方のシグナルを出しても意味は無い。
それから何度も味方のシグナルが出るが、その度に親衛隊によって破壊された。
そして、怖じけずいたのか今頃になって降伏してきたが、ブリタニアの魔女と恐れられたコーネリアに降伏など意味はなかった。
「やっぱり姉様は凄いな。」
敵の手をあっさりと読み、それを薙ぎ払う親衛隊の力も凄まじいものだった。
『全パイロットに告げる!ハッチを開け素顔を見せよ!』
コーネリアの指示にパイロット達は整列し、ハッチを開いて素顔を見せていた。
サフィールや純血派もハッチを開き、他のパイロットのように素顔を見せていた。
「殿下、これは一体?」
同じようにハッチから出たジェレミアが、なぜこんな事をしているのか分からずサフィールに聞いてきた。
「おそらく、この中にゼロが紛れ込んでいると考えられるから、素顔晒してあぶり出すつもりなんだよ。」
「なるほど!そんな考えがありますとは。」
ジェレミアが納得していると、兵達が騒ぎ始めた。
「ゼロを発見!」
兵の言葉に視線を向けるとそこには廃墟の屋上に立っているゼロがいた。
兵達はすぐにゼロを確保しようとしたが、ゼロは飛び降り姿をくらました。
「ぜ、ゼロぉぉぉぉ!」
「お、落ち着いてください!ジェレミア卿!」
ゼロの姿を見たジェレミアが後を追おうとして、ヴィレッタがどうにか抑えていた。
「殿下、我らはどうしますか。」
そんな中キューエルは冷静にサフィールに指示を求めていた。
「すでに逃走ルートは確保してると思われます。おそらく逃げられるでしょう。それよりもこちらはジェレミア卿を抑えないと。」
「イエス、ユア・ハイネス!まったく!」
こうしてサフィールの初陣は幕を閉じた。
下水道に逃げ込み自らの軍を作ることを決心したルルーシュはあることを思い出していた。
「(あの場にいたグロースター、乗っていたパイロットは一瞬しか見なかった。)」
コーネリアの命令でパイロット達がハッチから出て素顔を見せていた時、サザーランドのなかに一機だけ親衛隊とは違うグロースターがいた。
グロースターの近くには純血派のサザーランドもいたが問題はそこではない。
そのグロースターから出たパイロットが気になった。
あの時焦っていて一瞬しか見なかったが、パイロットはナナリーと同じように大切な弟に見えた。
『兄様〜!』
幼い頃に俺やナナリー、母さんによく懐いていた小さな子供。
母さんが亡くなって俺とナナリーが日本に送られた時、なぜかあいつだけは本国に残された。
ブリタニアと日本の戦争が起き、今では会うことが出来なくなった大切な弟。
「(本当に、お前なのか・・・サフィール)」
サフィールのブラックリベリオンの分岐点
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カレン達と共に国外に逃亡
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V.V.にナナリーと共に連れ去られる