サイタマゲットーでの戦闘以降、ゼロの動きはなく平和な日々であった。
この日サフィールはゲットーの演習場にてジェレミアと模擬戦を行なっていた。
使用するのはサザーランドで武装はスタントンファだけに設定している。
「はぁぁぁぁっ!」
サフィールは正面からスタントンファを叩きつけるが、ジェレミアは回避し逆に叩き込んできた。
「くっ!」
咄嗟にスタントンファで受け止めるも、攻撃したで押さえきれずに機体が倒れてしまった。
「っつう!」
鈍い痛みが来て倒れた時にどこか身体を打ったのだろう。
「も、申し訳ありません殿下!お怪我は!」
倒れたサフィールにジェレミアが心配そうに聞いてきた。
「大丈夫です。問題はありません。」
機体を起き上がらせながらサフィールはそう答えた。
「本当に大丈夫ですか?」
「大丈夫ですよ。それより続きをお願いします。」
それでも心配そうに聞いてくるが、問題無いと答え模擬戦を続行する。
今度は蛇行しながら接近し、側面からスタントンファを叩き込む。
ジェレミアはスタントンファで受け止めると、体当たりする勢いで突っ込んできた。
「うわっ!」
サフィールは驚きながらも、どうにかすり抜けるように避けた。
だが、ジェレミアは旋回すると同時にスタントンファを叩きつけた。
この一撃にサフィールは対応できずくらってしまった。
そして、機体が撃破したことを示す『DEFEAT 』の文字に変わり模擬戦は終了した。
開始位置に戻り機体から出ると、ジェレミアとヴィレッタが近づいてきた。
「お疲れ様です殿下、ジェレミア卿。」
ヴィレッタはサフィールとジェレミアに用意していたタオルを渡す。
「ありがとうございますヴィレッタ卿。」
「すまないなヴィレッタ。」
二人は模擬戦でかいた汗を拭き礼を述べる。
「殿下、本当にお怪我はありませんか?」
ジェレミアはまだ模擬戦で倒れた時のことを気にしているのか聞いてきた。
「本当に大丈夫ですよジェレミア卿。」
流石に心配しすぎだと思い言うが、それでもまだ心配しそうにしていた。
「殿下、よろしいでしょうか?」
「どうしましたか、ヴィレッタ卿?」
「実は総督が殿下に執務室に来るようにと連絡が来てました。」
「そうですか。ありがとうございますヴィレッタ卿。」
それから演習場から総督府に戻り、コーネリアの執務室に行く前にシャワーを浴び汗を流した。
少し遅れるとしても汗をかいたまま行くよりはいい。
「ふぅ。」
息を整え扉をノックする。
「入れ。」
「失礼します。」
扉を開けて中に入ると、中にはコーネリアとユーフェミアがいた。
コーネリアが部屋にいるのはわかるが、ユーフェミアも部屋にいることが気になった。
「遅れてしまって申し訳ありません。」
「構わん。呼びつけたのはこちらの方だ。」
「それで総督、要件は?」
サフィールは早速呼びつけた件について聞いてきた。
「うむ。サフィール、お前にはユフィと一緒に河口湖で行われるサクラダイト配分会議に立ち会ってもらう。」
「えっ!」
サクラダイト配分会議とはこのエリア11で採取できるサクラダイトをブリタニアと諸外国でどう取り分けるか決める重要な会議である。
そんな重要な会議に自分が参加することに驚いていた。
「姉様、何故自分が?」
あまりの事に総督ではなく姉様と呼ぶほどサフィールは驚いていた。
その様子にコーネリアはまだまだだなと内心思うと同時に、昔の呼び方で呼ばれ嬉しかった
「お前も今のうちにこういったことに慣れる必要がある。だから今回の会議に立ち会ってもらう。」
「ですが・・・」
「異議は認めん。話は以上だ。」
そこからは話を受け付けてもらえず、サフィールはユーフェミアと数名のSPと共に河口湖コンベンションセンターホテルに向かうのであった。
河口湖までの移動は列車を利用して移動していた。
予約した部屋にサフィールとユーフェミアは向かい合うように座り、SPは入り口と別室に待機していた。
「サフィも緊張してるんですか?」
「も?もて言うことはユフィ姉様も?」
「はい。私もこいうのは初めてで。」
「そうなんだ。ユフィ姉様も・・・」
自分と同じように初めてだと分かると少し安心していた。
「そういえばお姉様とは話をしたりしたの?」
「いや、総督の仕事の忙しいのか全然。」
「そうなの。」
ユーフェミアが顔を暗くしたのを見て、サフィールはどうにか話を変えなければと焦った。
「そ、そういえば姉様エリア11に来てから何か良いことあった?」
自分が来る前の事を聞いて話題を変えると、ユーフェミアは嬉しそうな表情に変わった。
「はい!友達ができたんです!」
「友達?どんな人ですか?」
それからは河口湖に向かう間、その友達の話で盛り上がった。
河口湖に到着したサフィール達は、少し休んだ後会議に参加した。
サフィールは会議の話を聞くことに手一杯で、ユーフェミアも同様であった。
会議は何事もなく進んでいた時、会議室に銃器を持ち深い緑色の軍服を着たイレヴンが入ってきた。
「全員動くな!」
それから会議室にいたメンバーとサフィールとユーフェミアは倉庫のような所に連れてこられた。
そこには観光客や学生も連れてこられていた。
全員集められたことを確認すると、日本刀を持った大柄の男が喋り出した。
「日本解放戦線の草壁である。我々は日本の独立のために起ち上がった。諸君らは軍属ではないがブリタニア人だ!我々を支配するものだ!」
ブリタニアという理由だけで関係も無い一般人を巻き込んだことにサフィールはふざけるなと思った。
「大人しくしていればよし!さもなくば容赦はしない!」
そう言って草壁は数人の見張りを残し立ち去ろうとする。
「待ってもらおうか?」
だが、サフィールが立ち上がり呼び止めた。
「(サフィ!)」
その行動にユーフェミアは驚き、他の人質も余計なことをするなと思った。
「何だ小僧?」
「私はサフィール・ヴィ・ブリタニアだ。」
「ブリタニア?まさか、皇族か!」
この中に皇族がいたことに日本解放戦線だけでなく観光客も驚いていた。
「人質には私がなる。だから他の人質は解放して欲しい。」
「・・・断る!」
サフィールは要求に草壁はハッキリと断った。
「な、何故だ?」
「貴様が本当に皇族だという証拠が無い限り認めるわけにはいかん!だが、貴様は我々についてきてもらう。」
確かにコーネリアやユーフェミアは報道などで顔は知られているが、サフィールに関しては報道されているわけではなく知られていない。
一人の解放戦線の兵士が近づいて銃を突きつけ、ついて来るように首を振る。
そして、サフィールは草壁たちについて行き、ユーフェミアは連れて行かれる弟を助けようと立ち上がろうとしたが、近くのSPが腕を掴んで止めた。
サフィールが草壁達に同行している一方、コーネリア率いるブリタニア軍は河口湖コンベンションセンターホテルを包囲していたが、未だにホテルに侵入することができなかった。
ホテルに繋がる橋はメイン以外は全て落とされ、上空および水中からに接近を試みるが全て失敗した。
残るのは地下トンネルのサザーランドを投入し、基礎ブロックを破壊しホテルを水没させるだけだった。
しかし、司令所に届いた報告は予想外のものだった。
「何!全滅だと!」
「どうやら敵はグラスゴーを改造したリニアカノンを配備している模様です。」
「突破は不可能ということか。」
「どうしますか要求通り政治犯の釈放を?」
「テロリストに弱味を見せるな!」
弱気になった参謀達をコーネリアは叱咤するが、状況は依然として変わらない。
「しかし、ユーフェミア様とサフィール様が?」
「っ!わかっている!」
参謀たちに聞こえないようにギルフォードが言うが、この中で二人を心配しているのがコーネリア自身であった。
まさかこんな事態になるとは思わず、こんな事なら立ち会わせなければと思うほどだ。
「その件はまだ気づかれていないはずです。」
コーネリアの心情を察してかダールトンは発言していた。
「人質の中にユーフェミア様とサフィール様いるのがわかれば、必ずや交渉に使ってくるかと。会議には立ち会うだけでしたからメンバーリストには入っていませんし」
だが、このままではいつかユーフェミアとサフィールに危害が及ぶ可能性があるため安心できなかった。
サフィールのブラックリベリオンの分岐点
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カレン達と共に国外に逃亡
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V.V.にナナリーと共に連れ去られる